疑義解釈その10のポイント — 施設基準の確認頻度と摘要欄記載【令和8年度】
出典: 疑義解釈資料の送付について(その10)(令和8年7月17日保険局医療課事務連絡)
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みらい(新人医療事務)
医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

あおい(元・医療事務(10年))
レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。
みらい(新人医療事務)
ねえあおいさん、疑義解釈のその10が出たって聞いたんですけど、何が新しく分かったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年7月17日付の事務連絡で、令和8年度診療報酬改定の運用で迷いやすかった点の考え方が示されたんです。医科・歯科・調剤・訪問看護・掲示事項の5分野にまたがり、全部で18の問答が公表されています。今日はそのうち現場への影響が大きそうなものをいくつか見ていきましょう。
問1 リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算 施設基準は毎月確認が必要?
みらい(新人医療事務)
この加算の施設基準に「院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020分類d2以上)を保有している入院患者の割合」という項目がありますよね。これって毎月チェックしないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが問1で確認された点です。届出月と、施設基準の適合性を確認して報告する月(報告月=8月)の前月の初日を調査日として、その時点で割合の要件を満たしていればよいとされています。毎月ではなく、決まったタイミングでの確認でよいということですね。
みらい(新人医療事務)
報告月に要件を満たしていなかったらどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
その場合は変更の届出が必要になりますが、報告月以後にあらためて調査を行い、要件を満たしていれば再び届出することは可能とされています。この加算を届け出ている医療機関は、調査のタイミングを自院のスケジュールに落とし込んでおくと安心ですね。

問2 診療情報提供料(Ⅰ) 摘要欄に情報提供先を書けないときは?
みらい(新人医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)は、レセプトの摘要欄に全ての情報提供先を記載することになったと聞きました。医事会計システムがまだ対応していない場合はどうなるんでしょう。
あおい(元・医療事務)
問2で扱われているのがその点です。情報提供先は摘要欄への記載が望ましいとしつつ、記載がない場合であっても算定要件を満たしていれば診療情報提供料(Ⅰ)の算定候補になる、とされています。
みらい(新人医療事務)
システム対応が間に合わなくても、それだけで諦めなくていいんですね。
あおい(元・医療事務)
ただし、紹介先の医療機関等が特定されている必要があることや、交付した文書の写しを診療録に添付することなど、算定要件そのものは従来どおり満たす必要があります。摘要欄の表示と算定要件の充足は分けて考えるのがよさそうです。

問3 在宅時医学総合管理料 注16の基準、年4回以外のタイミングで届出は動かせる?
みらい(新人医療事務)
在宅時医学総合管理料の注16は、2月・5月・8月・11月に該当可否を確認する決まりですよね。この4つの月以外のタイミングで基準に該当するようになった場合はどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
問3が扱うのがこのケースです。2月・5月・8月・11月に基準に該当しないとして注16を届け出ていた医療機関が、4つの月以外のタイミングで基準に該当するようになった場合、その時点で該当しない旨の届出を取り下げ、翌月から注16を適用せず算定することが可能、と回答されています。
みらい(新人医療事務)
次の確認月まで待たなくてもいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。在宅医療では患者数や状態の変化で基準への該当・非該当が動くことがあるので、在宅療養支援診療所などでは覚えておくと役立つ取り扱いだと思います。

問4 かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 問題が解消していたら算定できる?
みらい(新人医療事務)
薬局の話も出てるんですね。直近で残薬などに関する加算を算定していても、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算は取れるんですか?
あおい(元・医療事務)
問4で扱われているのがこの疑問です。直近6か月以内に外来服薬支援料1、服用薬剤調整支援料1もしくは2、または調剤時残薬調整加算・薬学的有害事象等防止加算を算定している場合であっても、フォローアップ加算に係る業務によって当該算定の原因となった問題(残薬等)が解消されている場合は、当該加算の算定は対象外の可能性がある、とされています。
みらい(新人医療事務)
あれ、問題が解消しているのに算定できない場合があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこが誤解しやすいポイントです。「フォローアップ加算の業務によって問題が解消した」という場合の扱いなので、薬局では算定するタイミングと、問題解消に至った経緯を照らし合わせて確認する必要がありそうです。

問1(掲示事項) 院内掲示はデジタルサイネージでもいい?
みらい(新人医療事務)
最後にもう一つ。保険医療機関等が掲示することになっている事項は、紙ではなくデジタルサイネージのような電子的な表示でもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
これは掲示事項の問1で確認されています。回答は「差し支えない」です。ただし、利用者が容易に視認し内容を適切に確認できるようにすること、複数の内容を切り替えて表示する場合は数分以内に一巡して全て確認できる状態を確保することが条件とされています。また、求めがあった場合に速やかに閲覧できるよう、掲示内容を記載した紙媒体を備え付け、紙でも閲覧できる旨を表示することも必要です。
みらい(新人医療事務)
完全にデジタルだけには置き換えられないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね、紙媒体の備え付けは併用する形になります。院内掲示のデジタル化を検討している医療機関・薬局・訪問看護ステーションは、この条件を満たせているか確認しておくとよいと思います。

自院で関係しそうな施設の例
みらい(新人医療事務)
こうして見ると、病院だけでなく、在宅医療をしているクリニックや薬局、訪問看護ステーションまで、いろんな施設に関係する内容が入っているんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の届出病院、診療情報提供書の発行が多い診療所、在宅時医学総合管理料を算定する在宅療養支援診療所、かかりつけ薬剤師業務を行う薬局、院内掲示のデジタル化を検討する施設など、どれか一つでも心当たりがあれば、事務連絡の該当箇所を確認しておく価値があります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが今回の内容に関係あるかどうか、自分でも確認してみたいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や算定内容を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
本記事は厚生労働省の一次資料に基づく事実の整理です。算定の可否は施設基準・ 届出状況等により異なるため、最終判断は審査支払機関・地方厚生局へご確認ください。
原文(厚生労働省): 疑義解釈資料の送付について(その10)(令和8年7月17日保険局医療課事務連絡)