疑義解釈その3のポイント — 施設基準届出チェックリスト・病棟薬剤業務実施加算・こころの連携指導料(Ⅰ)ほか【令和8年度】
出典: 疑義解釈資料の送付について(その3)(令和8年4月20日保険局医療課事務連絡)
この記事の案内役

みらい(新人医療事務)
医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

あおい(元・医療事務(10年))
レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。
みらい(新人医療事務)
あおいさん、令和8年度の疑義解釈資料「その3」(令和8年4月20日付の厚生労働省保険局医療課事務連絡)が出たと聞きました。どんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、その3では医科診療報酬点数表関係の問答に加えて、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料関係の問答も示されています。今日はその中から、現場への影響が大きそうな4つの問答を一緒に見ていきましょう。
問1 令和8年度改定の施設基準届出チェックリストの参照先
みらい(新人医療事務)
令和8年度診療報酬改定に係る新設または要件変更となった施設基準について、網羅的な一覧はないんですか? 一つ一つ確認するのが大変で…
あおい(元・医療事務)
その3の問1に答えが示されています。「令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストの送付について」(令和8年4月20日厚生労働省保険局医療課事務連絡)の別添のチェックリストを参照のこと、とされています。
みらい(新人医療事務)
そのチェックリストを見れば、新設や変更があった施設基準がまとめて確認できるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。個別の加算ごとに資料を探す前に、まずこのチェックリストで新設・変更の全体像を把握しておくと、確認漏れを防ぎやすくなります。自院に関係する施設基準が含まれていないか、一度目を通しておくとよさそうです。

問5 病棟薬剤業務実施加算1の「退院患者」から除外できる患者
みらい(新人医療事務)
「A244」病棟薬剤業務実施加算1の施設基準に、「B014」退院時薬剤情報管理指導料の算定割合が直近3か月間で退院患者のうち4割以上、という要件がありますよね。この「退院患者」の数え方で、除外できる患者さんはいるんですか?
あおい(元・医療事務)
問5に整理が示されています。退院時薬剤情報管理指導料の算定対象とならない入院料を算定している患者、医科点数表の第1章第2部通則6に規定する入院期間が通算される再入院の患者、および死亡退院の患者については、除外してよい、とされています。
みらい(新人医療事務)
この3種類の患者さんは、分母の「退院患者」から外して計算していいんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、その3つに該当するかどうかを、まず自院の対象患者の中で確認する必要があります。算定割合を計算する前に、除外対象の患者さんを正しく把握しておくことが大事なポイントです。

問8 こころの連携指導料(Ⅰ)のスクリーニングに含まれる尺度
みらい(新人医療事務)
「B005-12」こころの連携指導料(Ⅰ)の留意事項通知に、SADPersonsスケール・EPDS・PHQ-9・K-6等によるスクリーニングという言葉が出てきますよね。この「等」に、アルコール使用障害スクリーニング尺度のAUDITやAUDIT-Cも含まれるんですか?
あおい(元・医療事務)
問8で明確にされています。AUDITまたはAUDIT-Cも含まれる、とされています。
みらい(新人医療事務)
「等」の範囲がはっきりして助かります。
あおい(元・医療事務)
そうですね。精神科・心療内科への紹介が必要かどうかを判断するスクリーニングの選択肢が広がった形なので、自院で使っている評価尺度がこの範囲に含まれるかを確認しておくとよさそうです。

別添2(看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料関係)の問1 法定福利費の範囲
みらい(新人医療事務)
看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料で、賃金改善に伴って増える法定福利費って、具体的にどこまでの範囲を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
これは別添1とは別の、別添2(看護職員処遇改善評価料及びベースアップ評価料関係)の問1に示されています。想定されているのは、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料・子ども・子育て拠出金・雇用保険料・労災保険料等の法定福利費における、賃金改善に応じた事業者負担の増加分です。
みらい(新人医療事務)
実績報告書に書くときの金額は、正確に計算しないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
実績報告書への記載は、合理的な方法に基づく概算(概算の場合は最大16.5%)によることができる、とされています。ただし、退職手当共済制度等の任意加入の制度に係る増加分や、企業型確定拠出年金の掛け金は含まないものとされているので、その点は区別して計算する必要があります。

自院で関係しそうな施設の例
みらい(新人医療事務)
今日の4つの問答、どんな施設に関係しそうですか?
あおい(元・医療事務)
問1は令和8年度改定で施設基準が新設・変更された加算の届出を検討しているすべての医療機関、問5は病棟薬剤業務実施加算1を算定している病院、問8はこころの連携指導料(Ⅰ)を算定するかかりつけ医機能を担う医療機関、別添2の問1は看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料を算定している医療機関に、それぞれ関わってきそうです。いずれも自院の届出状況や算定状況によって当てはまるかが変わるので、確認が必要な点です。
みらい(新人医療事務)
自院が対象になるか、どう確かめればいいですか?
あおい(元・医療事務)
加算チェッカー・AIに質問できるページ(/ask)で、自院の状況に合わせて確認するのがおすすめです。この記事はあくまで厚労省の一次情報を整理したもので、算定できるかどうかの最終的な判断は、施設基準の充足状況などを踏まえて確認していただく必要があります。
まとめ
あおい(元・医療事務)
疑義解釈その3では、令和8年度改定の施設基準届出チェックリストの参照先(問1)、病棟薬剤業務実施加算1の「退院患者」から除外できる患者(問5)、こころの連携指導料(Ⅰ)のスクリーニングに含まれる尺度(問8)、看護職員処遇改善評価料・ベースアップ評価料の法定福利費の範囲(別添2問1)が示されました。いずれも令和8年度の取り扱いで、詳細は自院の状況に照らして確認が必要です。ご不明な点は/askからご相談ください。
本記事は厚生労働省の一次資料に基づく事実の整理です。算定の可否は施設基準・ 届出状況等により異なるため、最終判断は審査支払機関・地方厚生局へご確認ください。
原文(厚生労働省): 疑義解釈資料の送付について(その3)(令和8年4月20日保険局医療課事務連絡)