疑義解釈その7のポイント — 電子処方箋・医師事務作業補助・地域包括診療のよくある疑問【令和8年度】
出典: 疑義解釈資料の送付について(その7)(令和8年5月29日保険局医療課事務連絡)
この記事の案内役

みらい(新人医療事務)
医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

あおい(元・医療事務(10年))
レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。
みらい(新人医療事務)
あおいさん、令和8年度・令和8年5月29日付の疑義解釈「その7」が出たと聞きました。どんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、その7では電子的な体制整備や医師事務作業補助、地域包括診療関連など複数の分野にまたがる問答が示されています。今日はその中でも、現場への影響が大きそうな4つの問答を一緒に見ていきましょう。
問1 電子的診療情報連携体制整備加算のネットワーク活用の程度
みらい(新人医療事務)
A000電子的診療情報連携体制整備加算って、施設基準に「ネットワークを活用すること」とありますけど、具体的にどれくらい使えばいいんですか?
あおい(元・医療事務)
その7の問1に答えが示されています。当該医療機関を受診するいずれかの患者について、少なくとも概ね2月に1回以上は診療情報の閲覧または共有を行うことが必要、とされています。
みらい(新人医療事務)
毎日使わないといけないのかと思ってました。少し安心です。
あおい(元・医療事務)
ただし例外もあります。当該ネットワークに加入した月からその3月後まではこの限りではない、とされています。例えば令和8年7月に加入した場合は令和8年7月から10月まで、令和8年5月31日までに加入していた医療機関は令和8年6月1日から9月30日までが対象、と示されています。自院の加入時期を確認したうえで、この経過措置の期間に該当するかどうかを確認しておくとよさそうです。

問3 電子処方箋を発行する体制は全医師必須か
みらい(新人医療事務)
電子処方箋の話も出てましたよね。届出には「電子処方箋を発行する体制」とありますが、これって全員の医師が使えないとダメなんですか?
あおい(元・医療事務)
問3に答えがあります。原則としては、当該医療機関において処方を行う医師全員が電子処方箋を発行できることが必要、とされています。
みらい(新人医療事務)
全員だと導入のハードルが高そうですね…。
あおい(元・医療事務)
そこは当面の間の取り扱いが示されていて、2名以上(常勤医師が1名のみの場合は1名以上)の常勤医師が電子処方箋を発行できればよい、とされています。なお、処方を行う医師であって電子処方箋を発行できない者は、引換番号付きの紙の処方箋を処方することとされています。自院の常勤医師の人数と、電子処方箋を実際に発行できる医師の人数を照らし合わせて確認が必要です。

問7 医師事務作業補助体制加算でICT・生成AIを使う場合の算入方法
みらい(新人医療事務)
医師事務作業補助体制加算のところで、ICT機器を使うと配置人数の数え方が変わるという話も見ました。
あおい(元・医療事務)
問7に具体例が示されています。例えば90床の一般病床を持ち、15対1補助体制加算を届け出ている医療機関で、ICT機器のうち生成AIを活用した文書作成補助システムのみを組織的に導入している場合には、医師事務作業補助者1人を1.2人として配置人数に算入できる、とされています。
みらい(新人医療事務)
1人を1.2人として数えられるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。その例では、5人配置していれば、90床に対して15対1補助体制加算に必要な6人の配置基準を満たせる、とされています。自院で導入しているICT機器の種類と、組織的な導入の実態がこの考え方に当てはまるかどうかは、確認が必要な点です。

問20 地域包括診療加算・地域包括診療料の「認知症以外の疾病」の範囲
みらい(新人医療事務)
地域包括診療加算の「認知症を有する患者等」の要件で、「認知症以外の疾病(疑いを除く)」ってどこまでの病気を指すんですか? 6疾病から認知症を除いた5疾病(脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病)に限られるのかなと思ったんですが。
あおい(元・医療事務)
問20の答えでは、6疾病のうち認知症を除いた疾病(脂質異常症・高血圧症・糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病)に限らない、と示されています。つまり、この5疾病だけに限定されるものではない、という整理です。
みらい(新人医療事務)
限らない、というだけなんですね。具体的にどこまで含まれるかは書かれていないんですか?
あおい(元・医療事務)
その7の回答では「限らない」という点が示されているにとどまります。対象患者に該当するかは、この考え方を踏まえて確認が必要です。

自院で関係しそうな施設の例
みらい(新人医療事務)
今日の4つ、うちの医院にも関係あるか気になります。
あおい(元・医療事務)
電子的診療情報連携体制の届出をしている医療機関や電子処方箋を導入している医療機関は問1・問3が関係します。医師事務作業補助者を配置し、ICT機器や生成AIの活用を検討している病院は問7が参考になります。地域包括診療加算・地域包括診療料を算定している診療所は、問20の対象患者の考え方を確認しておくとよいでしょう。いずれも令和8年度の取り扱いです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが実際に対象になるか、自分でも確認してみたいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるか、要確認なのか、対象外の可能性があるのかは加算チェッカーで確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
本記事は厚生労働省の一次資料に基づく事実の整理です。算定の可否は施設基準・ 届出状況等により異なるため、最終判断は審査支払機関・地方厚生局へご確認ください。
原文(厚生労働省): 疑義解釈資料の送付について(その7)(令和8年5月29日保険局医療課事務連絡)