疑義解釈その8のポイント — 電子的診療情報連携体制整備加算・心不全再入院予防ほか【令和8年度】
出典: 疑義解釈資料の送付について(その8)(令和8年6月17日保険局医療課事務連絡)
この記事の案内役

みらい(新人医療事務)
医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

あおい(元・医療事務(10年))
レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。
みらい(新人医療事務)
あおいさん、厚労省から「疑義解釈資料の送付について(その8)」が出たって聞きました。令和8年6月17日付だそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。令和8年度診療報酬改定に関するQ&Aの第8弾ですね。今回は電子的な体制整備の加算や、在宅・リハビリ関係の運用で迷いやすかった点が明確になった、という印象です。今日は現場への影響が大きそうな問答を一緒に見ていきましょう。
みらい(新人医療事務)
お願いします!具体的にどんな内容が明らかになったんですか?
あおい(元・医療事務)
大きく分けると、電子処方箋やネットワーク要件のような体制面の確認、心不全の管理料での職種構成、在宅呼吸療法の中断時の扱い、そして摂食嚥下の計画書の説明者について、というラインナップです。1つずつ見ていきますね。
問1|電子的診療情報連携体制整備加算のネットワーク要件

みらい(新人医療事務)
この加算の施設基準に「地域の複数の医療機関間で診療情報を共有・閲覧できるネットワーク」ってありますよね。うちはチャットグループで情報共有しているんですけど、これでも大丈夫でしょうか?
あおい(元・医療事務)
問1でまさにその点が聞かれています。答えでは、診療情報提供料(Ⅰ)の検査・画像情報提供加算、または電子的診療情報評価料の施設基準を満たすネットワークであることが必要とされました。診療情報を提供する医療機関側が電子カルテ情報を共有し、参加する医療機関がいつでも閲覧できる仕組みが求められています。
みらい(新人医療事務)
ということは、チャットやメーリングリストだけだと……
あおい(元・医療事務)
単に日々の報告や一部の情報をチャットで共有しているだけでは、この施設基準は満たさないと示されています。ネットワークの中身がどう構築されているか、確認が必要ですね。
問3|電子処方箋を発行する体制

みらい(新人医療事務)
電子処方箋についても確認があったんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、問3です。施設基準の「電子処方箋を発行する体制」について、全ての医師が使える必要があるのか、という質問でした。答えは、原則として処方を行う医師全員が発行できることが望ましいとしつつ、当面の間は常勤医師が2名以上いる医療機関では2名以上、常勤医師が1名のみの医療機関では1名以上が発行できれば足りるとされています。
みらい(新人医療事務)
発行できない医師がいる場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
その場合は、引換番号付きの紙の処方箋を交付することになると示されています。全員必須ではないという経過的な扱いですね。
問6・問7|心不全再入院予防継続管理料

みらい(新人医療事務)
心不全のチーム、薬剤師や理学療法士が入ってもいいんでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
問6でその点が確認されています。心不全再入院予防チームに薬剤師や理学療法士が所属することは差し支えないとされ、研修を修了していることが望ましいという理解もそのとおりと示されました。
みらい(新人医療事務)
うちの二次医療圏に、管理料3を算定している病院がなかったら、研修会は開かなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこが問7ですね。答えは、研修会を開催すること自体は必要、というものでした。その際は、二次医療圏内の医療機関に参加や連携を呼びかけることが求められています。
問8|在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料2、CPAP中断時の扱い

みらい(新人医療事務)
CPAP療法の患者さんで、開始から3か月以内は算定制限が違うルールがありますよね。海外赴任で治療を中断した患者さんが戻ってきたら、どう扱うんでしょう?
あおい(元・医療事務)
問8の内容ですね。単なる受診の中断ではなく、海外赴任のようなやむを得ない事情で中断が必要になり、再開の見込み時期があらかじめ分かっている場合には、再開時も開始3か月以内の患者と同様の扱いにするとされています。
みらい(新人医療事務)
何か記録しておくことはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、中断が必要だと分かった時点で、その事情を診療録に記載しておくことが必要と示されています。
問13|摂食嚥下機能回復体制加算、計画書の説明者

みらい(新人医療事務)
摂食嚥下支援計画書の説明と交付って、誰がやってもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
問13で確認されています。リハビリテーション実施計画書と同じように、医師、または医師の指示を受けた看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が説明・交付してよいとされました。
みらい(新人医療事務)
例外みたいなものはありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。回復期リハビリテーション病棟入院料や特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定している患者さんについて、リハビリテーション総合実施計画書の一部として作成した場合は、医師が説明した上で交付し、その写しを診療録に添付することが必要と示されています。
自院で関係しそうな施設の例
みらい(新人医療事務)
これ、うちみたいなクリニックにも関係しそうですか?
あおい(元・医療事務)
電子処方箋やネットワーク要件は、地域連携を進めている診療所・病院で確認が必要になりそうです。心不全の管理や在宅呼吸療法、摂食嚥下の体制を持つ医療機関では、それぞれの問答が直接関わってくる可能性がありますね。いずれも、自院の体制と照らし合わせて確認することが大切です。
自院で確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
今回の内容、うちにあてはまるかどうか、もう少し詳しく確認したいです。
あおい(元・医療事務)
自院が対象になるかどうかは加算チェッカーで確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否・施設基準の充足は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
本記事は厚生労働省の一次資料に基づく事実の整理です。算定の可否は施設基準・ 届出状況等により異なるため、最終判断は審査支払機関・地方厚生局へご確認ください。
原文(厚生労働省): 疑義解釈資料の送付について(その8)(令和8年6月17日保険局医療課事務連絡)