みらい(新人医療事務)
あおいさん、「新生児加算」って言葉、いろんな加算の説明の中に出てくる気がするんですが、これって1つの決まった加算のことなんですか?
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。実は新生児加算は、単独で1つの点数を持つ加算ではなく、医科点数表のさまざまな区分に共通して定められている「上乗せのルール」なんです。救急搬送診療料や心臓カテーテル法による検査、画像診断、麻酔など、たくさんの区分にそれぞれ独自の新生児加算が定められています。
みらい(新人医療事務)
え、区分ごとに別々にあるんですか?点数も違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。区分によって点数も、加算の仕方(固定点数を足すのか、所定点数に対する割合で加算するのか)も異なります。ですから「新生児加算=◯点」と一律には言えません。この記事では令和8年度(2026年度)の医科点数表をもとに、代表的な区分の例と、自院で確認する手順を整理していきます。
新生児加算はどんな場面で算定候補になる?
みらい(新人医療事務)
じゃあ、どういう場面で「新生児加算」が出てくるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の医科点数表を確認すると、救急搬送診療料(C004)、心臓カテーテル法による諸検査(D206)、肺臓・肝臓・膵臓カテーテル法(D325)、基本的検体検査判断料等(D027)、非還納性ヘルニア徒手整復法(J036)、エックス線撮影・シンチグラム・SPECT・PET等の画像診断(E002、E100、E101、E101-2〜4 等)、麻酔(第11部 麻酔 通則)など、実にさまざまな区分に新生児加算の定めがあります。
みらい(新人医療事務)
意外とたくさんの区分にまたがっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。新生児を診療した、検査した、あるいは麻酔をかけた、という場面であれば、その基となる区分に新生児加算の定めがないかをまず確認する、という考え方になります。
点数区分の整理(代表的な区分の例・令和8年度)

みらい(新人医療事務)
具体的にどのくらいの点数が加算されるんですか?
あおい(元・医療事務)
いくつか代表的な区分を見てみましょう。まずは固定点数で加算されるタイプです。
| 区分 | 新生児加算 | 乳幼児加算 |
|---|---|---|
| C004 救急搬送診療料 | 1,500点 | 700点 |
| D206 心臓カテーテル法(右心カテーテル) | 10,800点 | 3,600点 |
| D206 心臓カテーテル法(左心カテーテル) | 12,000点 | 4,000点 |
| D325 肺臓・肝臓・膵臓カテーテル法 | 10,800点 | 3,600点 |
| J036 非還納性ヘルニア徒手整復法 | 110点 | 55点 |
みらい(新人医療事務)
心臓カテーテル法の加算、すごく大きいですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。基となる検査自体の点数が高いので、新生児加算の点数もそれに比例して大きくなっています。
みらい(新人医療事務)
画像診断や麻酔はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
画像診断や麻酔は、固定点数ではなく所定点数に対する割合で加算するタイプが多いです。
| 区分 | 新生児加算 | 乳幼児加算 | 幼児加算 |
|---|---|---|---|
| E002 撮影(エックス線撮影) | 所定点数の100分の80 | 所定点数の100分の50 | 所定点数の100分の30 |
| E100 シンチグラム | 所定点数の100分の80 | 所定点数の100分の50 | 所定点数の100分の30 |
| E101 SPECT(断層撮影) | 所定点数の100分の80 | 所定点数の100分の50 | 所定点数の100分の30 |
| E101-2 ポジトロン断層撮影(PET) | 1,600点(施設基準非該当は1,280点) | 1,000点(同800点) | 600点(同480点) |
みらい(新人医療事務)
PETだけ固定点数なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。同じ「画像診断」というくくりでも、区分によって加算の仕方が違います。必ず該当する区分の条文で確認してください。麻酔と検体検査判断料についても、続けて見ておきましょう。
| 区分 | 新生児加算 | 備考 |
|---|---|---|
| 第11部 麻酔(通則) | 所定点数の100分の200 | 未熟児加算も同じく100分の200。乳児加算は100分の50、幼児加算は100分の20 |
| D027 基本的検体検査判断料 等 | 所定点数の100分の100 | 乳幼児加算は所定点数の100分の70 |
点数は区分ごとに確認が必要です
新生児加算は区分によって金額も加算方法(固定点数/割合)も異なります。上の表は代表例であり、実施した検査・処置・手術がどの区分に該当するかを確認したうえで、その区分の告示・留意事項に定められた新生児加算の内容を個別に確認する必要があります。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
新生児加算を算定するのに、届出とか施設基準は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
新生児加算そのものは、多くの区分で「新生児に対して当該診療・検査・処置を行った場合」に加算する仕組みで、新生児加算単独の施設基準や届出は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出は気にしなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要です。基となる検査・処置・手術自体に施設基準や届出が必要な場合があります。たとえばポジトロン断層撮影(PET)は、施設基準に適合する届出の有無によって加算点数そのものが変わりますし、救急搬送診療料の重症患者搬送加算のように、施設基準の届出が前提となる加算もあります。新生児加算だけでなく、基となる区分全体の届出状況を確認することが大切です。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングや、他の加算との組み合わせで気をつけることはありますか?
みらい(新人医療事務)
年齢の基準っていつも同じなんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、区分によって「3歳未満の乳幼児」だったり「6歳未満の乳幼児」だったりと基準が異なります。新生児の具体的な年齢基準についても、区分ごとの告示・留意事項の定義に従う必要がありますので、対象の区分の条文で必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できないケースもありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。たとえば心臓カテーテル法による諸検査では、同一月中に血管内超音波検査・血管内光断層撮影・血管内近赤外線分光法検査・冠動脈血流予備能測定検査・血管内視鏡検査のうち2つ以上を行った場合は主たる検査の点数を算定する、という調整規定があります。新生児加算を算定する区分に、こうした複数の加算・調整規定が付随していないかも合わせて確認しておくと安心です。
確認のポイント
新生児加算を算定候補として検討するときは、「1. どの区分(検査・処置・手術)を行ったか」「2. その区分に新生児加算の定めがあるか」「3. 患者が該当区分の年齢基準を満たす新生児かどうか」の3点をセットで確認しましょう。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、新生児加算の内容って変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
この記事で取り上げている各区分(救急搬送診療料、心臓カテーテル法による諸検査、画像診断、麻酔など)について、当サイトが収録している令和8年度の一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの新生児加算に関する変更点は確認されていません(確認日: 2026年8月)。
みらい(新人医療事務)
特に変わっていないなら、少し安心ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし新生児加算は対象区分の数がとても多いので、自院が算定候補として検討している区分については、念のため最新の告示・留意事項の該当箇所を直接確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
フローにすると、こんな流れになります。
自院で確認する順番
- 実施した検査・処置・手術の区分を確認する — レセプトに記載する区分番号(C004、D206など)を特定します
- その区分の通則・注に新生児加算の定めがあるか確認する — 全ての区分に新生児加算があるわけではありません
- 患者が新生児に該当するか確認する — 該当区分の年齢基準(3歳未満・6歳未満等の乳幼児との区分)に照らして確認します
- 加算の方法(固定点数か割合か)を確認し、算定候補として計算する — 区分によって計算方法が異なります

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
よく見られるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ
- 新生児に対する検査・処置・手術を行ったのに、基となる区分に新生児加算の定めがあることに気づかず、通常の点数だけで算定してしまう
- 新生児加算と乳幼児加算の年齢基準を区分ごとに確認せず、一律の基準で判断してしまう
- 画像診断のような割合加算の区分で、端数処理のタイミングを誤って計算してしまう
みらい(新人医療事務)
割合加算の端数処理、うっかりしそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。たとえばエックス線撮影の新生児加算・乳幼児加算・幼児加算は、当該撮影の最後にまとめて端数処理を行うという定めがあります。区分ごとの注記もあわせて確認しておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した検査・処置・手術の区分や患者の年齢を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省公式資料(告示)を根拠としています。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 令和8年度診療報酬改定 医科点数表(C004 救急搬送診療料、D206 心臓カテーテル法による諸検査、D325 肺臓・肝臓・膵臓カテーテル法、J036 非還納性ヘルニア徒手整復法、E002 撮影、E100 シンチグラム、E101 SPECT、E101-2 ポジトロン断層撮影、第11部 麻酔 通則、D027 基本的検体検査判断料 等) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf