みらい(新人医療事務)
検査室から「検体検査管理加算って、うちは算定候補になりますか?」って聞かれたんですけど、正直よくわかっていなくて…。まず、これは何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
検体検査管理加算は、院内の検体検査(血液・尿・生化学などの検査)を適正に管理する体制を評価する加算です。検査の精度管理や、検査結果の判断を補助する体制が整っている医療機関ほど、高い区分の点数が算定候補になる仕組みになっています。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、区分Ⅰ〜Ⅳの4段階に分かれていますよ。
みらい(新人医療事務)
4段階もあるんですね。うちは診療所なんですが、対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示にはこう書かれています。「検体検査管理に関する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において検体検査を行った場合には、当該基準に係る区分に従い、患者(検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)及び検体検査管理加算(Ⅳ)については入院中の患者に限る。)1人につき月1回に限り、次に掲げる点数を所定点数に加算する。」(出典: 厚生労働省 医科点数表 告示 D026検体検査判断料、令和8年度)。つまり検体検査管理加算(Ⅰ)は診療所・病院の外来患者・入院患者どちらも対象になり得ますが、(Ⅱ)〜(Ⅳ)と国際標準検査管理加算は、入院中の患者に限られます。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
なるほど、区分によって対象患者が違うんですね。もう少し詳しく教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、下のポイントボックスのとおりです。外来しかない診療所は、区分(Ⅰ)以外は対象外の可能性が高い点に注意してください。
区分ごとの対象患者(令和8年度)
- 検体検査管理加算(Ⅰ): 診療所・病院。入院中の患者・入院中の患者以外の患者どちらも対象候補
- 検体検査管理加算(Ⅱ)〜(Ⅳ): 診療所・病院。入院中の患者に限り対象候補
- 国際標準検査管理加算: 検体検査管理加算(Ⅱ)〜(Ⅳ)を算定した場合の上乗せ。入院中の患者に限り対象候補
みらい(新人医療事務)
入院患者しか対象にならない区分があるのは注意しないといけないですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。まずは自院に入院機能があるかどうかが最初の分かれ目になりますよ。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっているんですか?区分ごとに整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
表にするとこうです。いずれも月1回限りの算定候補で、複数区分の重複算定はできません。
| 区分 | 点数 | 対象患者 | 届出 |
|---|---|---|---|
| 検体検査管理加算(Ⅰ) | 40点 | 入院・外来(入院中の患者及び入院中の患者以外の患者) | 必要 |
| 検体検査管理加算(Ⅱ) | 100点 | 入院中の患者に限る | 必要 |
| 検体検査管理加算(Ⅲ) | 330点 | 入院中の患者に限る | 必要 |
| 検体検査管理加算(Ⅳ) | 550点 | 入院中の患者に限る | 必要 |
| 国際標準検査管理加算(Ⅱ〜Ⅳ算定時に上乗せ) | 40点 | 入院中の患者に限る | 必要 |

みらい(新人医療事務)
この点数は、どこに書かれているんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示に「いずれかの検体検査管理加算を算定した場合には、同一月において他の検体検査管理加算は、算定しない。イ検体検査管理加算(Ⅰ)40点ロ検体検査管理加算(Ⅱ)100点ハ検体検査管理加算(Ⅲ)330点ニ検体検査管理加算(Ⅳ)550点」と定められています(出典: 厚生労働省 医科点数表 告示 D026検体検査判断料、令和8年度)。区分の選択は、施設基準を満たしている最も高い区分になるのが一般的な整理です。
みらい(新人医療事務)
「上乗せ」っていうのは、Ⅱ〜Ⅳとは別に足せる点数ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。告示には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)又は検体検査管理加算(Ⅳ)を算定した場合は、国際標準検査管理加算として、40点を所定点数に加算する。」と書かれています(出典: 厚生労働省 医科点数表 告示 D026検体検査判断料 注5、令和8年度)。
施設基準の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
施設基準はどうなっているんですか?区分ごとに違うんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、区分が上がるほど施設基準も厳しくなります。当サイトが収録している一次資料の範囲では、検体検査管理加算(Ⅰ)についてこう定められています。「1 検体検査管理加算(Ⅰ)に関する施設基準 検体検査管理加算(Ⅳ)の施設基準のうち(3)から(6)までの全てを満たしていること。」(出典: 特掲診療料の施設基準等、令和8年3月5日 保医発0305第8号、第9 検体検査管理加算に関する施設基準)。つまり(Ⅰ)は(Ⅳ)の施設基準の一部を満たせばよい、という整理です。
みらい(新人医療事務)
(Ⅱ)〜(Ⅳ)それぞれの詳しい基準も知りたいです。
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えしますね。(3)から(6)までの具体的な項目や、(Ⅱ)〜(Ⅳ)それぞれの施設基準の全文は、当サイトが収録している範囲では確認できていません。確認が必要な部分なので、実際の届出にあたっては、地方厚生局が公表している告示・通知の原文、または届出先の地方厚生局に必ず確認してください。
施設基準の詳細は原文確認が必須
検体検査管理加算(Ⅱ)〜(Ⅳ)それぞれの人員配置・検査機器管理体制などの詳細な施設基準は、区分ごとに異なります。当サイトの整理は概要にとどまるため、最終的な充足判断は、地方厚生局に届け出ている施設基準通知の原文と、貴院の人員体制・検査機器の管理状況を照らし合わせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
「検査結果の判断の補助」とか「検査機器の管理」って、具体的にどういうことをしていればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
この点については、厚生労働省の疑義解釈(平成28年度公表)で例示されています。参考情報として紹介しますね。「『検体検査結果の判断の補助』とは、例えば、以下のようなものを指す。検査をオーダーした医師に迅速に報告すべき緊急異常値(いわゆるパニック値)の設定及び運用に係る判断、検査結果の解釈や追加すべき検査等に関する助言など。『院内検査に用いる検査機器及び試薬の管理』とは、例えば、院内において臨床検査の適正化に関する委員会を運営し検査室での検査の精度管理に関与すること、適切な機器・試薬の選定に係る判断などを指す。」(出典: 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)」医科 問115、平成28年度公表)。
みらい(新人医療事務)
これは今でも同じ考え方なんですか?
あおい(元・医療事務)
この疑義解釈は平成28年度に公表されたものです。令和8年度時点でこの考え方がそのまま踏襲されているかどうかは、当サイトが収録している一次資料の範囲では確定できません。あくまで運用イメージをつかむための参考情報として捉え、最終的な判断は最新の告示・通知でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
「専ら担当する医師」という条件もあると聞いたんですが…。
あおい(元・医療事務)
検体検査管理加算(Ⅲ)(Ⅳ)の施設基準には「臨床検査を専ら担当する医師」という条件が含まれます。この解釈についても、同じく平成28年度の疑義解釈で「勤務時間の大部分において、それぞれ臨床検査、画像診断又は病理診断に携わる業務を行っていれば差し支えない。」と示されています(出典: 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)」医科 問116、平成28年度公表)。ただ「大部分」がどこまでを指すかは個別の勤務実態によって判断が分かれる部分なので、断定はできません。院内で対象医師の勤務実態を整理したうえで、地方厚生局や顧問の社会保険労務士・保険医協会等に確認することをおすすめします。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていれば、自動的に算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、施設基準を満たしているだけでは算定候補になりません。地方厚生局長等への届出が必要です。届出済みであれば算定候補になりますが、未届出の場合は、施設基準を満たしていても算定できません。届出の様式や添付書類は、地方厚生局のウェブサイトで最新のものを確認してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングにも決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。厚生労働省の留意事項通知にはこう書かれています。「『注4』に規定する検体検査管理加算(Ⅰ)は入院中の患者及び入院中の患者以外の患者に対し、検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)及び検体検査管理加算(Ⅳ)は入院中の患者に対して、検体検査を実施し検体検査判断料のいずれかを算定した場合に、患者1人につき月1回に限り加算するものであり、検体検査判断料を算定しない場合に本加算は算定できない。また、『D027』基本的検体検査判断料の『注2』に掲げる加算を算定した場合には、本加算は算定できない。」(出典: 厚生労働省 医科点数表 留意事項通知 D026検体検査判断料、令和8年度)。
検体検査判断料を算定していないと候補になりません
検体検査管理加算は、検体検査判断料(D026)のいずれかを算定した場合に限り、患者1人につき月1回の加算候補になります。検体検査判断料を算定していない月は、施設基準を満たしていても本加算の対象外の可能性が高い点に注意してください。また、D027基本的検体検査判断料の注2の加算を算定した場合も、本加算は算定できないとされています。
みらい(新人医療事務)
入院患者と外来患者、両方診ている病院だとどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
良い質問ですね。留意事項通知には「入院中の患者について『注4』に規定する検体検査管理加算(Ⅱ)、検体検査管理加算(Ⅲ)又は検体検査管理加算(Ⅳ)を算定している保険医療機関であっても、入院中の患者以外の患者について検体検査管理加算(Ⅰ)を算定することができる。」と書かれています(出典: 厚生労働省 医科点数表 留意事項通知 D026検体検査判断料、令和8年度)。つまり、入院患者にはⅡ〜Ⅳのいずれかを算定している病院でも、外来患者については別途Ⅰが算定候補になり得る、という整理です。この組み合わせは見落とされやすいので、レセプト作成時に区分を混同しないよう確認しておくと安心です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、検体検査管理加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)及び国際標準検査管理加算の点数・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの明確な変更点は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚生労働省一次情報ベース)。ただし、施設基準の細部(人員配置基準など)まで含めた全項目照合は、当サイトが収録している資料の範囲にとどまるため、最新の告示・通知原文もあわせてご確認ください。
前回改定との比較
令和6年度改定時点でも、検体検査管理加算はⅠ〜Ⅳの4区分と国際標準検査管理加算という構成でした。令和8年度(2026年度)改定でも、当サイトが確認できた範囲ではこの区分構成と点数(40点・100点・330点・550点、国際標準+40点)は維持されています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの医療機関はどこから確認していけばいいんですか?
あおい(元・医療事務)
順番に並べると、下のステップのようになります。
自院で確認する順番
- 検体検査を院内で実施し、検体検査判断料(D026)を算定しているか確認する
- 自院が診療所か病院か、入院機能があるかを確認する(Ⅱ〜Ⅳ・国際標準は入院患者限定)
- 検体検査結果の判断補助・検査機器管理体制・専任医師の配置状況など、施設基準の充足状況を確認する
- 満たせそうな区分(Ⅰ〜Ⅳ)を地方厚生局の告示・通知原文と照らして特定する
- 地方厚生局長等への届出が済んでいるかを確認する
- 未届出の場合は、必要書類をそろえて届出の準備を進める

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな見落としってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ①
検体検査判断料(D026)を算定していない月に、検体検査管理加算だけを算定してしまうケースです。留意事項通知のとおり、判断料を算定していない場合、本加算は算定候補になりません。
よくある取り漏れ②
入院患者にはⅡ〜Ⅳのいずれかを算定しているのに、外来患者分の検体検査管理加算(Ⅰ)を取り漏れているケースです。入院と外来で区分が異なる点に注意が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 国際標準検査管理加算 や 骨髄像診断加算 も同じD026検体検査判断料の枠組みにある加算なので、あわせて確認しておくと安心です。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。