みらい(新人医療事務)
「放射線治療管理料」って名前は聞いたことがあるんですが、点数がいくつあるのか分からなくて…。うちのクリニックでも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
放射線治療管理料は、放射線治療の照射計画を立てて患者さんの管理をしたときに算定できる管理料です。令和8年度の医科点数表では、照射の方法によって2,700点から5,000点まで4区分に分かれています。まずは自院で行っている放射線治療がどの区分に当たるかを確認するところから始めましょう。
みらい(新人医療事務)
4区分もあるんですね。どういう治療をしたら、どの点数になるんですか?
放射線治療管理料とは
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の医科点数表(告示)には、「M000 放射線治療管理料(分布図の作成1回につき) 1 1門照射、対向2門照射又は外部照射を行った場合 2,700点 2 非対向2門照射、3門照射又は腔内照射を行った場合 3,100点 3 4門以上の照射、運動照射、原体照射又は組織内照射を行った場合 4,000点 4 強度変調放射線治療(IMRT)による体外照射を行った場合 5,000点」と定められています。
あおい(元・医療事務)
つまり、あらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画により、体外照射や密封小線源治療(腔内照射・組織内照射)を行った場合に、その分布図の作成回数に応じて算定する管理料です。照射の方法(門数や運動照射かどうか、IMRTかどうか)で点数が変わる仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
なるほど、治療のやり方そのもので点数が決まるんですね。対象になる医療機関はどこですか?
対象になる医療機関・場面
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、対象となる治療をこう定義しています。「放射線治療管理料は、『M001』体外照射又は『M004』密封小線源治療の『1』に掲げる外部照射、『2』に掲げる腔内照射若しくは『3』に掲げる組織内照射による治療を行うに際して、あらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画(三次元線量分布図を用いるものを含む。以下同じ。)により放射線照射を行った場合に、分布図の作成1回につき1回、所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程において2回に限り算定する。ただし、子宮頸癌に対して行う場合は、一連の治療過程において4回まで算定できる」とされています。
あおい(元・医療事務)
対象は「体外照射(区分番号M001)」または「密封小線源治療の外部照射・腔内照射・組織内照射(区分番号M004)」を行っている保険医療機関です。放射線治療装置を備え、実際に照射計画を作成・実施している病院が中心になりますが、入院・外来のどちらでも対象になり得ます。自院がこれらの治療を行っているかどうかが、算定候補かどうかの最初の分かれ目です。
みらい(新人医療事務)
画像診断と一緒に算定できますか? 照射計画を作るときにレントゲンやCTを撮ることもありますよね。
あおい(元・医療事務)
そこは留意事項に明確なルールがあります。「画像診断を実施し、その結果に基づき、線量分布図に基づいた照射計画を作成した場合には、画像診断の所定点数は算定できるが、照射計画の作成に係る費用は当該治療管理料に含まれ、別に算定できない」と定められています。
あおい(元・医療事務)
画像診断そのものの点数は別に算定の対象になりますが、「照射計画の作成」にかかる費用は放射線治療管理料に含まれているため、二重に算定することはできません。レセプト作成時に混同しないよう注意が必要な点です。
点数区分の整理(令和8年度)

みらい(新人医療事務)
表にすると分かりやすいですね。うちの場合、対向2門で照射しているので3,100点になりそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし「対向2門」なのか「非対向2門」なのかで区分が変わりますし、IMRTを使っていれば区分4になります。実施している照射方法をレセプト担当者だけで判断せず、放射線治療を担当する医師と一緒に確認することをおすすめします。
| 区分 | 照射の方法 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| 1 | 1門照射、対向2門照射又は外部照射を行った場合 | 2,700点 |
| 2 | 非対向2門照射、3門照射又は腔内照射を行った場合 | 3,100点 |
| 3 | 4門以上の照射、運動照射、原体照射又は組織内照射を行った場合 | 4,000点 |
| 4 | 強度変調放射線治療(IMRT)による体外照射を行った場合 | 5,000点 |
算定回数の上限に注意
分布図の作成1回につき1回、一連の治療過程において2回までが上限です。子宮頸癌に対して行う場合のみ、一連の治療過程において4回までが上限になります。上限を超えて安易に算定すると査定の対象になり得るため、算定回数の管理が必要です。
3つの上乗せ加算(注2〜注4)
みらい(新人医療事務)
点数表を見ると、「注2」「注3」「注4」に加算が書いてあるんですが、これは別に算定できるものですか?
あおい(元・医療事務)
はい、放射線治療管理料には、施設基準の届出を条件にした上乗せ加算が3つあります。まず放射線治療専任加算は、告示で「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、患者に対して、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が策定した照射計画に基づく医学的管理(区分番号M001の2に掲げる高エネルギー放射線治療及び区分番号M001の3に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)に係るものに限る。)を行った場合は、放射線治療専任加算として、330点を所定点数に加算する」と定められています。
あおい(元・医療事務)
次に外来放射線治療加算は、「注2に規定する別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を必要とする悪性腫瘍の患者であって、入院中の患者以外のもの等に対して、放射線治療(区分番号M001の2に掲げる高エネルギー放射線治療及び区分番号M001の3に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)に係るものに限る。)を実施した場合に、外来放射線治療加算として、患者1人1日につき1回に限り100点を所定点数に加算する」とされています。
あおい(元・医療事務)
最後に遠隔放射線治療計画加算は、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、緊急時の放射線治療の治療計画を、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た別の保険医療機関と共同して策定した場合に、遠隔放射線治療計画加算として、一連の治療につき1回に限り2,000点を所定点数に加算する」と規定されています。
あおい(元・医療事務)
整理すると、対象はいずれも「M001体外照射の高エネルギー放射線治療」または「IMRT」に係るものに限られます。
| 加算名 | 点数 | 対象・条件(概要) | 届出 |
|---|---|---|---|
| 放射線治療専任加算 | 330点 | 専任の常勤医師による照射計画・照射中管理・副作用管理 | 必要 |
| 外来放射線治療加算 | 100点 | 入院外の悪性腫瘍患者等に対する高エネルギー放射線治療・IMRT(1日1回限り) | 必要 |
| 遠隔放射線治療計画加算 | 2,000点 | 緊急時の治療計画を他院と情報通信技術で共同策定(一連につき1回限り) | 必要 |
みらい(新人医療事務)
どれも「届出をした保険医療機関」が条件なんですね。うちは届出していないかもしれません…。
あおい(元・医療事務)
そこは断定できないので、必ず自院の届出台帳を確認してください。届出をしていなければ、これらの加算は算定候補になりません。逆に、放射線治療管理料の本体(2,700点〜5,000点の区分)自体には、この告示・留意事項の範囲では特別な届出要件は明記されていません。加算部分と本体部分を分けて考えるのがポイントです。
あおい(元・医療事務)
それぞれの加算については、当サイトの個別ページでも施設基準や対象患者をもう少し詳しく整理しています。放射線治療専任加算、外来放射線治療加算、遠隔放射線治療計画加算もあわせて確認してみてください。
外来放射線治療加算・遠隔放射線治療計画加算の対象患者
みらい(新人医療事務)
外来放射線治療加算は、具体的にどんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に細かい条件が書かれています。「注3に規定する外来放射線治療加算の対象となる患者は、放射線治療を必要とする悪性腫瘍の患者であり、以下のいずれかに該当する場合に、1日につき1回に限り算定する。ア 入院中の患者以外の患者に対して、『M001』体外照射の『2』に掲げる高エネルギー放射線治療又は『M001』体外照射の『3』に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)の際に、あらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画により放射線照射を行った場合 イ 他の保険医療機関に入院中の患者に対して、『M001』体外照射の『3』に掲げる強度変調放射線治療(IMRT)の際に、あらかじめ作成した線量分布図に基づいた照射計画により放射線照射を行った場合」とされています。
あおい(元・医療事務)
「入院中の患者以外」または「他院に入院中の患者へのIMRT」が対象です。自院に入院している患者さんには、この加算は算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
遠隔放射線治療計画加算は、どんなときに使うものですか?
あおい(元・医療事務)
こちらは常勤の専任医師がいない施設向けの加算です。留意事項通知では「注4に規定する遠隔放射線治療計画加算は、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が配置されていない施設における放射線治療において、緊急時の放射線治療における業務の一部(照射計画の立案等)を、情報通信技術を用いたシステムを利用し、放射線治療を行う施設と連携した放射線治療を支援する施設の医師等による支援を受けて実施した場合に、一連の治療につき1回に限り算定する。なお、緊急時とは急激な病態の変化により速やかに放射線治療の開始が必要な切迫した病態や、臨時的な放射線治療計画変更が必要とされる状態をいう」と定義されています。
あおい(元・医療事務)
「緊急時」の定義もあわせて確認しておくと安心です。急激な病態変化や臨時の治療計画変更が必要な状況が対象で、平常時の遠隔連携すべてが対象になるわけではありません。
自院で確認する順番

自院で確認する順番
自院で放射線治療(体外照射・密封小線源治療)を実施しているか確認する 実施している照射方法(門数・IMRTの有無)から、区分1〜4のどれに当たるか確認する 分布図作成の算定回数(一連2回、子宮頸癌のみ4回まで)を過去のレセプトと突き合わせる 専任加算・外来加算・遠隔加算それぞれの施設基準届出の有無を届出台帳で確認する 外来放射線治療加算は「入院中の患者以外」等の対象条件に該当するか確認する
改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している厚生労働省の一次資料の範囲では、放射線治療管理料の点数区分・算定要件・加算(専任加算・外来加算・遠隔加算)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚生労働省の告示・留意事項通知ベース)。ただし、これは当サイトが確認できた資料の範囲での結果であり、最新の疑義解釈や訂正通知が別途出ている可能性もあります。
改定差分は都度確認を
点数が変わっていなくても、施設基準や対象患者の範囲だけが改定されるケースがあります。届出済みの加算がある場合は、点数だけでなく施設基準の記載内容も改定のたびに見直すことをおすすめします。
よくある取り漏れ
加算の算定漏れに注意
放射線治療管理料の本体(2,700点〜5,000点)だけを算定していて、施設基準を届け出ているのに専任加算・外来加算・遠隔加算を算定し忘れているケースがあります。届出台帳と実際のレセプトを突き合わせて確認しましょう。
算定回数の超過に注意
一連の治療過程で2回(子宮頸癌は4回)という上限を超えて算定してしまうと、査定の対象になり得ます。特に長期にわたる治療で分布図を複数回作り直した場合は、算定済み回数の管理台帳を用意しておくと安心です。
公式資料の根拠
| 資料 | 発行元 | リンク |
|---|---|---|
| 医科点数表 M000 放射線治療管理料(令和8年厚生労働省告示) | 厚生労働省 | |
| 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号)を含む令和8年度診療報酬改定関連ページ | 厚生労働省 | リンク |
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施している照射方法や届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。