みらい(新人医療事務)
「在宅療養実績加算」って名前をカルテのマスターで見つけたんですけど、これって何の加算なんですか? 名前だけだと全然イメージがつかめなくて。
あおい(元・医療事務)
在宅療養実績加算は、単独で算定する加算ではなく、在宅医療のいくつかの基本項目に「上乗せ」する形で算定される加算ですよ。令和8年度の点数表では、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料・往診料・訪問診療料の在宅ターミナルケア加算、それぞれの注に規定されています。
みらい(新人医療事務)
上乗せ、というのはどういうことですか? 単独では算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。まず在宅時医学総合管理料や往診料といった基本の項目を算定していることが前提で、そのうえで施設基準を満たして届出をしている医療機関だけが、追加でこの加算を算定候補にできる、という位置づけです。単独の初診・再診のように「これだけで算定する」ものではありません。
在宅療養実績加算とは
みらい(新人医療事務)
具体的にはどの条文に書かれているんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、区分番号C002「在宅時医学総合管理料」の注の中に、こう書かれています。「ロ 在宅療養実績加算1 (1) 単一建物診療患者が1人の場合 300点 (2) 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 150点 (3) 単一建物診療患者が10人以上19人以下の場合 75点 (4) 単一建物診療患者が20人以上49人以下の場合 63点 (5) (1)から(4)まで以外の場合 56点 ハ 在宅療養実績加算2 (1) 単一建物診療患者が1人の場合 200点(略)」(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 医科点数表 C002 在宅時医学総合管理料)
みらい(新人医療事務)
実績加算1と実績加算2の、2段階があるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。名前のとおり実績加算1のほうが点数が高く、実績加算2はそれより低い区分になっています。同じ枠組みには、この2区分よりさらに上位の「在宅医療充実体制加算」という区分も併せて規定されていて、施設基準の区分に応じて、いずれか一つが上乗せされる仕組みです。
みらい(新人医療事務)
在宅時医学総合管理料以外にも出てくるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。施設入居時等医学総合管理料(C002-2)、往診料(C000)の在宅ターミナルケア加算、訪問診療料(C001・C001-2)の在宅ターミナルケア加算、それぞれの注にも同じ「在宅療養実績加算1・2」という名前の区分が出てきます。ただし、点数は上乗せ先ごとに違うので、そこは注意が必要です。
対象となる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、条文の位置づけから考えると、在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料・往診料・訪問診療料のいずれかを算定している、在宅医療を行っている医療機関が前提です。往診料の注では、こう書かれています。「注1のイからハまでについては、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の保険医が行った場合は、当該基準に掲げる区分に従い、在宅医療充実体制加算、在宅療養実績加算1又は在宅療養実績加算2として、200点、75点又は50点を、それぞれ更に所定点数に加算する。」(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 医科点数表 C000 往診料)
みらい(新人医療事務)
つまり、外来だけをやっているクリニックだと関係ないってことですか?
あおい(元・医療事務)
そこは「対象外です」と言い切らないほうが正確です。在宅時医学総合管理料や往診料、訪問診療料をそもそも算定していない外来中心の医療機関では、算定候補になる場面は限られる可能性が高いです。ただし在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院として在宅医療を行っている医療機関であれば、算定候補になりうるので、自院がどの基本項目を算定しているかから確認するのが最初の一歩ですね。
見落としやすいポイント
在宅療養実績加算は、初診料や再診料のように単独で算定を検討する加算ではありません。まず「在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料・往診料・訪問診療料の在宅ターミナルケア加算」のどれを算定しているかを確認し、そのうえで施設基準・届出の有無を確認する、という順番で考えると整理しやすいです。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数は上乗せ先ごとに違うということでしたけど、具体的にはどれくらい差があるんですか?
あおい(元・医療事務)
全体像をまとめると、こうなります。単一建物診療患者数(同じ建物に住む患者さんの人数)によって点数が変わる区分と、金額が固定されている区分があります。
| 上乗せ対象の基本項目 | 実績加算1 | 実績加算2 |
|---|---|---|
| 在宅時医学総合管理料(C002) | 56点〜300点(単一建物診療患者数により変動) | 38点〜200点(単一建物診療患者数により変動) |
| 施設入居時等医学総合管理料(C002-2) | 42点〜225点(単一建物診療患者数により変動) | 30点〜150点(単一建物診療患者数により変動) |
| 往診料の在宅ターミナルケア加算 | 75点 | 50点 |
| 訪問診療料(C001・C001-2)の在宅ターミナルケア加算 | 750点 | 500点 |

みらい(新人医療事務)
「単一建物診療患者数」による変動、というのがよく分からないので、在宅時医学総合管理料の分だけ細かく教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。在宅時医学総合管理料(C002)に上乗せする場合は、こう規定されています。
| 単一建物診療患者数 | 実績加算1(C002) | 実績加算2(C002) |
|---|---|---|
| 1人の場合 | 300点 | 200点 |
| 2人以上9人以下の場合 | 150点 | 100点 |
| 10人以上19人以下の場合 | 75点 | 50点 |
| 20人以上49人以下の場合 | 63点 | 43点 |
| 上記以外の場合 | 56点 | 38点 |
みらい(新人医療事務)
施設入居時等医学総合管理料のほうも同じような区分なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、同じ考え方ですが点数は少し違います。施設入居時等医学総合管理料(C002-2)の注では、こう規定されています。「ロ 在宅療養実績加算1 (1) 単一建物診療患者が1人の場合 225点 (2) 単一建物診療患者が2人以上9人以下の場合 110点(略) ハ 在宅療養実績加算2 (1) 単一建物診療患者が1人の場合 150点(略)」(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 医科点数表 C002-2 施設入居時等医学総合管理料)
| 単一建物診療患者数 | 実績加算1(C002-2) | 実績加算2(C002-2) |
|---|---|---|
| 1人の場合 | 225点 | 150点 |
| 2人以上9人以下の場合 | 110点 | 75点 |
| 10人以上19人以下の場合 | 56点 | 40点 |
| 20人以上49人以下の場合 | 47点 | 33点 |
| 上記以外の場合 | 42点 | 30点 |
みらい(新人医療事務)
往診料や訪問診療料のほうは、単一建物診療患者数で変わらず固定なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。往診料の在宅ターミナルケア加算に上乗せする場合は実績加算1が75点・実績加算2が50点、訪問診療料(C001・C001-2)の在宅ターミナルケア加算に上乗せする場合は実績加算1が750点・実績加算2が500点で固定です。この点数差は資料の範囲で確認できていますが、どちらの区分(1か2か)に該当するかは、次の施設基準の話とセットで確認する必要があります。
点数だけで判断しない
点数表に書かれているのは「基準を満たした場合の加算額」です。自院が実績加算1・2のどちらの区分に該当するか、あるいはそもそも対象になるかは、点数表の記載だけでは分かりません。施設基準の充足状況を必ず確認してください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
実績加算1と実績加算2って、何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直に言うと、当サイトが収録している一次資料の範囲では、点数の違いは確認できていますが、区分1と区分2を分ける具体的な施設基準の中身までは確認できていません。条文では、いずれも「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」という表現にとどまっています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、自院がどちらに該当するかは、どうやって確認すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働大臣が定める施設基準の告示・通知を確認したうえで、地方厚生局への届出状況と照らし合わせるのが基本です。この記事だけでは施設基準の充足を判定できないので、届出済みの基準文書か、審査支払機関・地方厚生局への確認をおすすめします。
届出の有無がまず前提
在宅療養実績加算は、施設基準に適合しているだけでなく、地方厚生局長等への届出が済んでいることが条文上の前提です。届出をしていない場合は、施設基準を満たしていても算定候補にはなりません。
算定のタイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
いつ算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
「いつ」というより、「どの基本項目を算定した回に上乗せするか」で決まります。在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料は月1回の算定に合わせて、往診料・訪問診療料は在宅ターミナルケア加算を算定する回に合わせて、それぞれ上乗せする形です。基本項目側の算定要件(対象患者・訪問頻度・在宅ターミナルケア加算の要件など)を満たしていることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
基本項目の要件は、この記事だけで分かりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅時医学総合管理料や施設入居時等医学総合管理料、在宅ターミナルケア加算そのものの算定要件は、それぞれの加算のページで詳しく整理しています。在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料、在宅ターミナルケア加算 もあわせて確認してもらえると、全体像がつかみやすいと思います。
上乗せ先の要件も満たしているか確認
在宅療養実績加算の点数区分だけを見て算定候補と判断しないでください。上乗せ先の在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料・往診料・訪問診療料(在宅ターミナルケア加算)の算定要件を満たしているかどうかも、あわせて確認してください。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年8月・厚労省一次情報ベース)。点数区分や施設基準・届出の枠組みについて、資料の中で変更を示す記載は見当たりませんでした。ただし、これは「一次資料の範囲で確認できていない」という意味で、自院への影響がまったくないと断定するものではありません。気になる場合は、最新の告示・通知を直接確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で整理すると分かりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 在宅時医学総合管理料・施設入居時等医学総合管理料・往診料・訪問診療料(在宅ターミナルケア加算)のいずれかを算定しているか確認する
- 厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているか、告示・通知で確認する
- 地方厚生局長等への届出が済んでいるか確認する
- 実績加算1・2のどちらの区分に該当するか、届出内容と基準文書で確認する
- 上乗せ先の基本項目(医学総合管理料・往診料・訪問診療料)の算定要件を満たしているか確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいところってありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、上乗せ先の点数だけを見て、施設基準の届出状況を確認し忘れるパターンです。あとは実績加算1・2のどちらの区分で届出しているかを、現場で正確に把握できていないケースもあります。
よくある取り漏れ
- 届出区分の確認漏れ: 実績加算1で届出しているつもりが、実際は実績加算2の基準でしか届出していない、という食い違いがないか確認する
- 上乗せ先の要件確認漏れ: 在宅時医学総合管理料などの基本項目側の算定要件(対象患者・訪問頻度等)を満たしているかを、実績加算と切り離して確認できているか
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や在宅医療の体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。