みらい(新人医療事務)
「地域支援・外来医薬品供給対応体制加算」っていう名前、初めて見ました…。うちの診療所でも関係あるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表で処方料に設けられている加算ですね。診療所が後発医薬品(ジェネリック医薬品)の情報収集・採用体制を整え、実際に一定割合以上使っている場合に、処方料へ上乗せできる可能性がある加算です。まずは全体像から確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
「後発医薬品を使っている診療所なら誰でももらえる」ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そう単純ではありません。届出と施設基準の両方を満たしていることが前提で、しかも対象は診療所に限られています。病院は対象外という点も、留意事項に明記されている重要なポイントです。順番に見ていきましょう。
地域支援・外来医薬品供給対応体制加算ってどんな加算?
みらい(新人医療事務)
そもそも、どういう場面で算定される加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
処方料の注8に規定されている加算です。厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が投薬を行った場合に、1処方につき所定点数へ加算する仕組みになっています。当サイトが収録している一次資料の範囲では、次のように記載されています。
一次資料に基づく算定の根拠(処方料 注8)
対象: 施設基準に適合し届出済みの保険医療機関: 投薬を行った場合に1処方につき加算 区分: 適合する施設基準の区分(加算1〜3)に応じて点数が異なる 単位: 所定点数への上乗せ(処方料の加算)
みらい(新人医療事務)
なるほど、処方料に上乗せされる仕組みなんですね。次は具体的な点数が気になります!
点数と区分(令和8年度)
あおい(元・医療事務)
施設基準の充足度に応じて3段階に分かれています。当サイトが収録している処方料の一次資料には、次のとおり記載されています。
| 区分 | 後発医薬品の規格単位数量割合 | 点数(1処方につき) |
|---|---|---|
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算1 | 90%以上 | 8点 |
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算2 | 85%以上90%未満 | 7点 |
| 地域支援・外来医薬品供給対応体制加算3 | 75%以上85%未満 | 5点 |
みらい(新人医療事務)
割合が高いほど点数も高いんですね。この割合ってどうやって数えるんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の規定では、「保険医療機関において調剤した後発医薬品のある先発医薬品及び後発医薬品について、当該薬剤を合算した使用薬剤の薬価(薬価基準)別表に規定する規格単位ごとに数えた数量」に占める後発医薬品の規格単位数量の割合、という定義です。つまり単純な処方箋の枚数ではなく、規格単位数量ベースでの計算になります。自院での集計方法は、レセコンや薬剤管理システムのベンダーに確認するのが確実です。

みらい(新人医療事務)
割合の集計方法まで一次資料に書いてあるんですね。じゃあ、施設基準の中身も詳しく知りたいです。
施設基準を確認する
あおい(元・医療事務)
施設基準は複数の項目から構成されています。当サイトが収録している特掲診療料の施設基準等の一次資料では、次のように整理されています。
施設基準の主な項目(令和8年度)
体制整備: 診療所であって、薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定する体制が整備されていること 使用割合: 規格単位数量に占める後発医薬品の割合が、加算1は90%以上、加算2は85%以上90%未満、加算3は75%以上85%未満であること 掲示: 後発医薬品の使用に積極的に取り組んでいる旨を、受付及び支払窓口の見やすい場所に掲示していること 供給不足時対応: 医薬品の供給が不足した場合に、処方等の変更等に関して適切な対応ができる体制が整備されていること
みらい(新人医療事務)
掲示までしなきゃいけないんですね。窓口の掲示だけでいいんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、掲示にはもう1段階あります。施設基準では、供給不足時の対応体制に関する事項と、供給状況によって投与する薬剤が変更となる可能性があること、変更する場合には患者へ十分に説明することについても、見やすい場所に掲示するよう求められています。さらに、これらの掲示事項は「原則として、ウェブサイトに掲載していること」ともされています。ただし、自ら管理するホームページ等を有しない場合はこの限りではない、という注記もあります。
みらい(新人医療事務)
窓口の掲示とウェブサイトの両方が原則必要、ということですね。ほかにも条件があるんですか?
あおい(元・医療事務)
医薬品の流通に関わる項目もあります。施設基準では、個々の医薬品の価値及び流通コストを無視した値引き交渉を慎み、原則として全ての品目について単品単価交渉とすることが求められています。また、卸売販売業者への頻回配送、休日夜間配送及び急配に係る過度な依頼を慎むこと、厳格な温度管理を要する医薬品や在庫調整目的の医薬品等について卸売販売業者への返品を慎むことも施設基準に含まれています。さらに、地域の保険医療機関、保険薬局及び医療関係団体との連携や情報共有に取り組むことが望ましいとされています。
施設基準は複数項目の同時充足が前提
規格単位数量の割合だけでなく、掲示・供給不足時対応・流通取引に関する項目まで一次資料に定められています。自院がどこまで満たしているかは、施設基準の全項目を個別に確認する必要があります。一部の項目だけでは算定候補と判断できません。
届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていれば、それだけで加算できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、届出が前提です。処方料の一次資料では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」と明記されています。施設基準を満たしていても、届出済みでなければ算定候補にはなりません。届出様式や提出先は地方厚生局の案内で確認するのが確実です。
みらい(新人医療事務)
届出済みかどうかは、事務長さんや薬剤担当の方に確認したほうがよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。届出の有無は診療所ごとに管理されているはずなので、自院の届出状況を確認するところから始めるのがおすすめです。
算定できるタイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングにも決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では「投薬を行った場合には…1処方につき次に掲げる点数をそれぞれ所定点数に加算する」とされています。つまり処方の都度、1処方単位で加算する仕組みです。
対象は診療所に限られる
留意事項では「「注8」に規定する地域支援・外来医薬品供給対応体制加算は…診療所においてのみ算定する」と明記されています。病院での算定は対象外の可能性が高いため、自院の医療機関種別(診療所か病院か)を必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
病院では対象外なんですね。うちは診療所なので、まずは施設基準と届出の確認からですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項にはこの加算の趣旨についても記載があります。「後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価し、その結果を踏まえ後発医薬品の採用を決定し、実際に後発医薬品を一定割合以上調剤する体制及び医薬品の流通改善に向けて医薬品の安定供給に資する取組を実施する体制が整備されている保険医療機関を評価したもの」とされています。単に後発医薬品を多く使っているだけでなく、体制面の整備までが評価対象になっている点は押さえておきたいところです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算って、前回の改定(令和6年度)から何か変わったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが参照できる一次資料は現時点で令和8年度のものが中心で、令和6年度時点の同種の加算に関する一次資料との突き合わせはできていません。前回改定からの変更の有無については確認できていないため、断定はできない状況です。
改定差分の確認状況
確認できたこと: 令和8年度の処方料 注8として、加算1〜3の区分・点数・施設基準が一次資料に規定されていること 確認できていないこと: 令和6年度時点の同種加算との名称・点数・施設基準の異同
みらい(新人医療事務)
分からないことは分からないと書いてもらえると、逆に信頼できます。
あおい(元・医療事務)
そうですね。前回改定からの変更点を知りたい場合は、厚生労働省が公開している改定関連資料や、告示・通知の新旧対照表を直接確認していただくのが確実です。
自院で確認する順番
あおい(元・医療事務)
ここまでの内容を、確認する順番として整理してみます。
自院で確認する順番
診療所かどうかを確認する: この加算は診療所のみが対象です。病院の場合は対象外の可能性があります 後発医薬品の情報収集・評価体制を確認する: 薬剤部門又は薬剤師が後発医薬品の品質・安全性・安定供給体制等を収集・評価し、採用を決定する体制があるか確認します 後発医薬品の使用割合(規格単位数量)を計算する: 90%以上・85〜90%未満・75〜85%未満のどの区分に該当するか、薬価基準別表の規格単位数量ベースで確認します 掲示とウェブサイト掲載を整備する: 窓口掲示・供給不足時対応の掲示・ウェブサイト掲載(自院サイトがある場合)を確認します 流通取引に関する項目を確認する: 単品単価交渉・過度な配送依頼の回避・返品の扱いなど、流通面の施設基準を確認します 地方厚生局へ届出を行う: 施設基準を満たしていることを確認したうえで、届出を行います

よくある取り漏れ
見落としがちなポイント
掲示の範囲: 窓口掲示だけで満たした気になりやすいですが、供給不足時対応の掲示とウェブサイト掲載まで一次資料に定められています 割合の算出単位: 処方箋の枚数ではなく、薬価基準別表の規格単位数量ベースでの割合計算が必要です 医療機関種別: 病院は対象外の可能性が高く、診療所であることの確認が前提になります
みらい(新人医療事務)
掲示の範囲とか割合の数え方って、うっかり見落としそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。施設基準は項目数が多いので、1つずつ丁寧にチェックしていくことをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。