みらい(新人医療事務)
「短期集中リハビリテーション実施加算」って名前を見つけたんですけど、これはリハビリテーション料そのものとは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、これは単独の点数ではなく、「H006 難病患者リハビリテーション料」に上乗せする加算です。難病患者リハビリテーション料は1日につき640点ですが、退院後の一定期間に集中してリハビリを行った場合に、この加算を上乗せできる仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
「集中して」というのは、具体的にどれくらいの期間なんですか?
あおい(元・医療事務)
退院日から起算して3月を限度に加算できます。厚生労働省の告示ではこう定められています。「医療機関を退院した患者に対して集中的にリハビリテーションを行った場合は、退院日から起算して3月を限度として、短期集中リハビリテーション実施加算として、退院日から起算した日数に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。イ 退院日から起算して1月以内の期間に行われた場合 280点 ロ 退院日から起算して1月を超え3月以内の期間に行われた場合 140点」(出典: 診療報酬の算定方法の一部を改正する件〔令和8年厚生労働省告示第69号〕別表第一 医科診療報酬点数表)
みらい(新人医療事務)
なるほど、退院直後の1月以内は280点、それ以降3月以内は140点、と期間で点数が変わるんですね。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
この加算は、どんな医療機関の、どんな患者さんが対象なんですか?
あおい(元・医療事務)
まず土台になる難病患者リハビリテーション料そのものが、施設基準を届け出た保険医療機関でしか算定できません。告示にはこう書かれています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の患者であって別に厚生労働大臣が定める疾患を主病とするもの(別に厚生労働大臣が定める状態にあるものに限る。)に対して、社会生活機能の回復を目的としてリハビリテーションを行った場合に算定する。」(出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 別表第一 医科診療報酬点数表 H006 注1)
みらい(新人医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める疾患」「別に厚生労働大臣が定める状態」というのは、具体的に何を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは告示の別表・通知で個別に定められている部分で、当サイトが収録している一次資料の範囲では対象疾患の一覧までは確認できていません。留意事項通知では、対象となる患者像についてもう少し具体的に書かれています。「難病患者リハビリテーション料の算定対象は、入院中の患者以外の難病患者であって、要介護者(食事又はトイレに介助が必要な者をいう。)及び準要介護者(移動又は入浴に介助が必要な者をいう。)であり、医師がリハビリテーションが必要であると認めるものであること。」(出典: 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について〔令和8年3月5日 保医発0305第6号〕H006(2))
みらい(新人医療事務)
「要介護者」「準要介護者」って、介護保険の要介護度とは違うものなんですか?
あおい(元・医療事務)
この文脈では、留意事項通知の中で「食事又はトイレに介助が必要な者」を要介護者、「移動又は入浴に介助が必要な者」を準要介護者と定義しています。介護保険の要介護認定とは別の、この加算固有の定義と考えてください。対象患者に該当するかどうかは医師の判断が前提になるので、自院で判断に迷う場合は主治医と確認しながら進めるのが安全です。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数を表で整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。土台の点数と、この加算の2区分をまとめました。
| 項目 | 点数 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| H006 難病患者リハビリテーション料(1日につき) | 640点 | - |
| 短期集中リハビリテーション実施加算 イ | 280点 | 退院日から起算して1月以内 |
| 短期集中リハビリテーション実施加算 ロ | 140点 | 退院日から起算して1月を超え3月以内 |
あおい(元・医療事務)
いずれも1日につきの加算で、退院日から起算して3月を限度とする仕組みです。

みらい(新人医療事務)
3月を過ぎたらもう加算はできないということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。告示上「退院日から起算して3月を限度として」と明記されているので、それを超えた期間は短期集中リハビリテーション実施加算の対象にはなりません。
算定要件の具体的な回数・時間
みらい(新人医療事務)
「集中的にリハビリを行った場合」というのは、回数や時間の目安はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこは留意事項通知にかなり具体的に書かれています。「「注2」に規定する短期集中リハビリテーション実施加算は、退院後早期の個々の患者の状態に対応した集中的なリハビリテーションの評価を行うものであり、退院日から起算して1月以内に行われる場合は、1週につき概ね2回以上、1回当たり40分以上、退院日から起算して1月を超え3月以内の期間に行われる場合は、1週につき概ね2回以上、1回当たり20分以上の個別リハビリテーションを含む難病患者リハビリテーションを行った場合に算定する。なお、個別リハビリテーション実施の際には、他の患者に対して提供するリハビリテーションに支障のないよう配慮すること。」(出典: 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について〔令和8年3月5日 保医発0305第6号〕H006(5))
みらい(新人医療事務)
週2回以上で、1回あたりの時間まで決まっているんですね。しかも「個別リハビリテーションを含む」とありますが、これはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
難病患者リハビリテーションは基本的にグループごとに治療するものですが、この加算を算定する期間中は、その一部として個別に対応するリハビリの時間を、週の回数・1回の時間の基準を満たす形で組み込む必要がある、という意味です。留意事項では、難病患者リハビリテーション料そのものの実施方法についてもこう定めています。「難病患者リハビリテーションは、個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであるが、この実施に当たっては、患者の症状等に応じたプログラムの作成、効果の判定等に万全を期すること。なお、実施時間は患者1人当たり1日につき6時間を標準とする。」(出典: 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について〔令和8年3月5日 保医発0305第6号〕H006(3))
併算定・算定回数の注意点
算定にあたっての注意
留意事項通知では「難病患者リハビリテーション料は、実施される内容の種類にかかわらず1日につき1回のみ算定する」「難病患者リハビリテーション料を算定している患者に対して、同一日に行う他のリハビリテーションは所定点数に含まれるものとする」とされています。同一日に他のリハビリテーションを別立てで算定することは想定されていないため、レセプト作成時は算定回数と併算定の組み合わせを必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
1日1回だけなんですね。食事を提供した場合の費用はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
それも留意事項に定めがあります。「治療の一環として治療上の目的を達するために食事を提供する場合にあっては、その費用は所定点数に含まれる。」(出典: 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について〔令和8年3月5日 保医発0305第6号〕H006(6))
あおい(元・医療事務)
つまり治療目的の食事提供費用は、別立てで請求せず所定点数に含めて考える必要があります。
レセプト記載の実務ポイント
みらい(新人医療事務)
実際にレセプトを書くときに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、この加算を算定した場合は、レセプトの摘要欄に退院年月日を記載する取り扱いになっています。厚生労働省の記載要領関連資料には、次のような記載欄の指定があります。「難病患者リハビリテーション料の短期集中リハビリテーション実施加算 退院年月日(短期集中リハビリテーション実施加算);(元号)yy年mm月dd日 退院年月日を記載すること。」(出典: 厚生労働省 診療報酬請求書等の記載要領関連資料)
みらい(新人医療事務)
退院日を書き忘れると査定される可能性があるということですね。
あおい(元・医療事務)
可能性としてはあります。断定はできませんが、記載要領で明示されている項目なので、退院年月日の記載漏れがないかはレセプト提出前のチェック項目に加えておくと安心です。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出については、どこまでわかっていますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1にあるとおり、この加算の土台である難病患者リハビリテーション料自体が「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」でなければ算定できません。ただし、施設基準の具体的な人員配置・設備要件までは、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。届出済みであれば短期集中リハビリテーション実施加算の候補にもなりますが、具体的な基準の充足状況は個別の施設基準告示・様式で確認が必要です。
施設基準の確認ポイント
- 難病患者リハビリテーション料の届出が地方厚生局に受理されているか — 加算の前提条件になります
- 施設基準の詳細(人員配置・設備等)を最新の告示・通知で確認しているか — 当サイトの一次資料だけでは網羅できていない部分です
- 届出内容に変更がないか — 人員異動等で基準を満たさなくなった場合は速やかな変更届出が必要です
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算の候補になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
自院で確認する順番
- 難病患者リハビリテーション料の届出状況を確認 — 地方厚生局への届出が受理されているか
- 対象患者に該当するか確認 — 入院中の患者以外の難病患者で、要介護者(食事又はトイレに介助が必要)又は準要介護者(移動又は入浴に介助が必要)に該当し、医師がリハビリテーションの必要性を認めているか
- 退院日からの経過期間を確認 — 退院日から起算して3月以内か、1月以内(280点)か1月超3月以内(140点)かを区分
- 実施回数・時間を確認 — 1月以内は週2回以上・1回40分以上、1月超3月以内は週2回以上・1回20分以上の個別リハビリテーションを含んで実施できているか
- 併算定・算定回数を確認 — 難病患者リハビリテーション料は1日1回のみ、同一日の他のリハビリテーションは所定点数に含む扱いになっていないか
- レセプト記載を確認 — 摘要欄に退院年月日を記載する運用になっているか

よくある取り漏れ
取り漏れが起きやすいポイント
- 退院後1月を過ぎてから280点で請求してしまう — 期間区分(1月以内280点/1月超3月以内140点)を取り違えると査定対象になり得ます
- 退院日から3月を超えた期間も算定を続けてしまう — 告示上「3月を限度」と明記されているため、期間超過分は対象になりません
- 週の実施回数・1回あたりの時間が基準を満たしていないまま算定してしまう — 留意事項が定める「週2回以上」「40分以上/20分以上」の基準を満たしているかの記録が必要です
- レセプト摘要欄への退院年月日の記載漏れ
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算は前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度の一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、短期集中リハビリテーション実施加算の点数区分(280点・140点)や算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更を示す記載は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚労省一次情報ベース)。ただし、当サイトが保有していない令和6年度時点の一次資料との突き合わせまでは完了していないため、正確な新旧比較が必要な場合は、厚生労働省が公開する改定関連資料で直接ご確認ください。
改定差分の確認状況(令和8年度)
- 点数区分(イ280点・ロ140点): 令和8年度の告示上の記載を確認済み。前回改定との比較は未確認
- 算定要件(週2回以上・40分以上/20分以上): 令和8年度の留意事項通知上の記載を確認済み。前回改定との比較は未確認
- 施設基準の詳細: 当サイトの一次資料の範囲では未収録
関連するリハビリテーション加算
みらい(新人医療事務)
他にも似たようなリハビリテーション関連の加算はありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、リハビリテーションの計画づくりに関わる リハビリテーション総合計画評価料 や、休日にリハビリテーションを実施した場合の 休日リハビリテーション加算 も、リハビリテーション関連の加算として自院の体制と合わせて確認しておくとよいでしょう。それぞれ算定要件は別ですので、この加算と同時に算定できるかどうかは個別に確認が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や退院後の経過期間、リハビリの実施回数・時間を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚生労働省公式資料を根拠としています。詳細な施設基準・対象疾患・届出手続きは必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省・留意事項通知・施設基準関連情報の掲載ページ) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00040.html
- 診療報酬請求書等の記載要領関連資料(レセプト摘要欄記載事項) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001731226.pdf
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。加算の算定に際しては、施設基準の充足と届出の有効性、退院日からの経過期間の管理を必ず自院で確認してください。