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令和8年度最終更新 2026-08-11T19:01:55+00:00出典あり

精神科救急医療体制加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

令和8年度の精神科救急医療体制加算。500点〜600点(2区分)。「注5」に規定する精神科救急医療体制加算は、地域における役割に応じた精神科救急入院医療の体制の確保を評価したものであり、当該病棟に入院した日から起算して 90 日を限度として算定する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

先輩、精神科病棟のレセプトを見ていたら「精神科救急医療体制加算」という項目が出てきたんですけど、これって何を評価している加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

これは精神科救急急性期医療入院料(区分番号A311)を算定している病棟で、地域の精神科救急医療の受け入れ体制を整えていることを評価する加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、A311の「注5」に規定されていますよ。

みらい

みらい新人医療事務

「注5」ということは、A311を算定していないとそもそも対象外ってことですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。この加算はA311の上乗せ(加算)なので、まず自院がA311精神科救急急性期医療入院料を算定している病棟かどうかが出発点になります。単独では算定候補になりません。

精神科救急医療体制加算とは

みらい

みらい新人医療事務

もう少し具体的に教えてください。どんな役割を評価しているんですか?

あおい

あおい元・医療事務

厚生労働省の留意事項通知には、こう書かれています。「『注5』に規定する精神科救急医療体制加算は、地域における役割に応じた精神科救急入院医療の体制の確保を評価したものであり、当該病棟に入院した日から起算して90日を限度として算定する。」つまり、24時間365日の精神科救急を受け入れる体制を地域の中で担っていることへの評価で、算定できるのは入院日から90日以内という期間の限度があります。

みらい

みらい新人医療事務

90日を過ぎたら、その入院では二度と算定できないんですか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項の文言どおり読むと、当該入院での算定は90日が上限という整理です。90日以降の取り扱いの詳細は、個別のケースでは審査支払機関や地方厚生局への確認が必要です。ここは自院だけで判断せず、確認するべきポイントですね。

加算の位置づけ

精神科救急医療体制加算は、精神科救急急性期医療入院料(A311)の「注5」に基づく上乗せ加算です。A311を算定していない病棟では、この加算の対象になりません。まず自院の入院料の算定区分を確認してください。

対象医療機関・対象患者

みらい

みらい新人医療事務

どんな病院のどんな患者さんが対象になるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

まず医療機関側は、精神科救急急性期医療入院料を算定している病院である保険医療機関の精神病棟が前提です。そのうえで、施設基準(後で詳しく説明します)を満たして地方厚生局長等に届け出ていることが必要になります。

みらい

みらい新人医療事務

患者さん側の対象はどうですか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知では、「『注5』の算定対象となる患者は以下の障害を有する者に限る」として、次の4区分が挙げられています。

区分対象となる障害(留意事項通知の記載)
認知症を除く症状性を含む器質性精神障害(精神症状を有する状態に限る)
精神作用物質使用による精神及び行動の障害(アルコール依存症にあっては、単なる酩酊状態であるものを除く)
統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
気分(感情)障害(躁状態又は自殺・自傷行為及び栄養障害・脱水等の生命的危険を伴う場合等。原文はこの先も続くため、詳細は公式資料でご確認ください)
みらい

みらい新人医療事務

エの項目、途中で切れてますね。

あおい

あおい元・医療事務

はい、当サイトが収録している一次資料の範囲では、エの記載はここまでしか確認できていません。実際の算定判断では、この4区分に該当するかどうかを診療録・入院経過とあわせて個別に確認する必要があります。当サイトの整理だけで対象患者を断定しないようにしてくださいね。

点数区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数はいくらなんですか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の医科点数表では、施設基準の区分に応じて2段階に分かれています。

区分点数算定単位
精神科救急医療体制加算1600点1日につき
精神科救急医療体制加算2500点1日につき
あおい

あおい元・医療事務

告示の原文では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者については、当該基準に係る区分に従い、入院した日から起算して90日を限度として、精神科救急医療体制加算として、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。イ 精神科救急医療体制加算1 600点 ロ 精神科救急医療体制加算2 500点」とされています。

みらい

みらい新人医療事務

加算1のほうが高いということは、施設基準も厳しいんでしょうね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。次で詳しく見ていきましょう。

精神科救急医療体制加算 点数区分(令和8年度)

施設基準

みらい

みらい新人医療事務

加算1と加算2、それぞれどんな施設基準になっているんですか?

あおい

あおい元・医療事務

順番に見ていきますね。まず加算1の施設基準です。留意事項通知には、次のように整理されています。

項目精神科救急医療体制加算1の施設基準(留意事項通知の記載)
事業参画精神科救急医療体制整備事業に参画し、本事業において入院を要する患者を積極的に受け入れていること
人員配置当該保険医療機関に常勤の精神保健指定医が5名以上配置されていること
入院件数実績時間外、休日又は深夜における入院件数の実績が年間65件以上又は地域の人口1万人当たり0.85件以上。そのうち13件以上又は2割以上は精神科救急情報センター、精神医療相談窓口、救急医療情報センター、他の医療機関、都道府県、市町村、保健所、警察又は消防(救急車)からの依頼であること
自宅等移行割合措置入院患者等を除いた新規入院患者のうち6割以上が、入院日から起算して3月以内に退院し、自宅等へ移行すること
病棟単位病院である保険医療機関の精神病棟を単位とすること
医療機関の指定精神科救急医療体制整備事業の実施についてに規定する医療機関(身体合併症救急医療確保事業の指定施設、又は精神科救急医療確保事業の常時対応型施設・病院群輪番型施設のいずれか)であること
受入体制24時間365日、重症度及び入院形態を問わず、入院が必要な患者の受入れを含む診療体制を整備していること
みらい

みらい新人医療事務

かなりハードルが高いですね…。加算2はどう違うんですか?

あおい

あおい元・医療事務

加算2は基準がやや緩和されています。原文では「(1)のアの(イ)、(ロ)及び(ニ)を満たすこと」として、事業参画・常勤精神保健指定医5名以上・新規入院患者の自宅等移行割合の基準は加算1と共通で準用します。そのうえで、実績要件が緩和されていて、「精神疾患に係る時間外、休日又は深夜における入院件数の実績が年間40件以上又は地域の人口1万人当たり0.5件以上であること。そのうち8件以上又は2割以上は、精神科救急情報センター等からの依頼であること」とされています。

みらい

みらい新人医療事務

なるほど、件数の実績要件が加算1より少なくてよいんですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。それと、原文をよく見ると、加算2の施設基準は「(1)のイからエまでを満たすこと」という準用の書き方になっていて、加算1の「オ 24時間365日の受入れ体制整備」の項目は準用の範囲に含まれていません。この点は当サイトが収録している一次資料の記載に基づく整理です。実際の運用でどう扱われるかは、届出の際に地方厚生局へ確認するのが確実です。

みらい

みらい新人医療事務

病床数の制限みたいなものはあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

あります。「当該加算は病棟の病床単位で届け出ることとし、120床までに限り届出を行うことができる。」という共通のルールが定められています。加算1・加算2いずれも、この病床数の上限は共通です。

加算1と加算2の違い(整理)

どちらも精神科救急医療体制整備事業への参画・常勤精神保健指定医5名以上・自宅等移行割合6割以上は共通です。差が出るのは、時間外・休日・深夜の入院件数実績(加算1は年間65件以上、加算2は年間40件以上)と、原文上の準用範囲(加算2には24時間365日体制の項目が明記されていない)です。どちらの区分に該当するかは、自院の実績データを一次資料の基準に照らして確認してください。

届出

みらい

みらい新人医療事務

届出はどうすればいいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第7号)には、「『注5』に規定する精神科救急医療体制加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式53及び様式54の2を用いること。」と定められています。届出済みであれば算定候補になりますが、届出内容と実際の体制に相違がないかは自院で必ず確認してください。

みらい

みらい新人医療事務

届出さえ出せば、それでずっと大丈夫なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは注意が必要です。令和8年度診療報酬改定に伴う施設基準の届出整理では、「精神科救急急性期医療入院料の注5に規定する精神科救急医療体制加算」は、施設基準が改正された項目の一覧(表2)に含まれています。既に届出済みの医療機関でも、経過措置の期限(令和8年6月1日)までに改めて届出内容を確認・整理する必要がある扱いとされています。

届出内容の再確認が必要な場合があります

令和8年度改定で本加算は施設基準が改正された項目として整理されています。従来から届出済みの医療機関も、経過措置期限までに現行の施設基準を満たしているか再確認し、必要に応じて地方厚生局へ相談することをおすすめします。

算定タイミング・回数制限・併算定の注意

みらい

みらい新人医療事務

算定するタイミングや、他の加算との組み合わせで気をつけることはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

いちばん大事なのは、「当該病棟に入院した日から起算して90日を限度として算定する」という期間制限です。入院が長期化すると、途中で算定できなくなるタイミングが来るということですね。

みらい

みらい新人医療事務

同じA311の中には、他にも「注」がついた加算があるんでしたっけ。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。A311精神科救急急性期医療入院料には、非定型抗精神病薬加算(注3)や看護職員夜間配置加算(注4)など、精神科救急医療体制加算(注5)以外の加算も規定されています。それぞれ算定要件や施設基準が別に定められているので、併算定を考えるときは加算ごとに一次資料で確認する必要があります。ここを「取れるはず」で進めず、算定候補ごとに確認するのが安全です。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の令和6年度改定から、この加算は何か変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度時点の精神科救急医療体制加算そのものの施設基準・点数の原文はまだ確認できていません。ただし、令和8年度診療報酬改定に係る施設基準届出チェックリストでは、「精神科救急急性期医療入院料の注5に規定する精神科救急医療体制加算」が「基本診療料 要件変更」として掲載されており、経過措置期限が令和8年6月1日と示されています。

みらい

みらい新人医療事務

つまり「何が変わったか」はまだ分からないけど、「何か施設基準が変わった」という事実だけは確認できているんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。ここは正確に区別して伝えたいところです。「施設基準が改正された(要件変更)」という事実は令和8年度改定関連資料の表2から確認できますが、旧基準と新基準の具体的な条文の違いまでは、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません(確認日: 2026年8月)。既存の届出医療機関は、経過措置期限までに現行の施設基準を満たしているか、地方厚生局や公式資料で確認することをおすすめします。

改定差分のポイント

令和8年度改定関連資料(施設基準届出チェックリスト)では、本加算は「要件変更」区分に掲載され、経過措置期限は令和8年6月1日です。旧基準との詳細な比較は当サイトの収録範囲では未確認のため、断定は避けています。

自院で確認する順番(令和8年度)

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

結局、うちの病院で確認すべき順番を整理してもらえますか?

あおい

あおい元・医療事務

はい、順番に整理しますね。

自院で確認する順番

  1. 自院の病棟が精神科救急急性期医療入院料(A311)を算定しているかを確認する
  2. 精神科救急医療体制整備事業に参画し、患者を積極的に受け入れているかを確認する
  3. 常勤の精神保健指定医が何名配置されているかを確認する(加算1・加算2共通で5名以上が基準)
  4. 直近1年間の時間外・休日・深夜の入院件数実績と、その依頼元の内訳を確認する(加算1は年間65件以上、加算2は年間40件以上が目安)
  5. 新規入院患者のうち3月以内に自宅等へ移行した割合を確認する(6割以上が基準)
  6. 該当する区分(加算1・加算2)の施設基準届出(様式53・様式54の2)を地方厚生局に提出しているかを確認する
  7. 令和8年度改定の経過措置期限(令和8年6月1日)までに、現行の施設基準を満たしているか再確認する

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがありますか?

あおい

あおい元・医療事務

よくあるのは、90日の期間制限を見落として算定を続けてしまうケースです。入院が長期化する患者さんの場合、途中で算定できる日数の上限を超えていないか、レセプト担当が個別にチェックする体制が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

ほかにもありますか?

あおい

あおい元・医療事務

加算1と加算2の要件を混同してしまうケースもあります。常勤精神保健指定医5名以上や自宅等移行割合6割以上は共通ですが、時間外・休日・深夜の入院件数実績は加算1と加算2で異なる基準です。自院の実績がどちらの区分に該当するのか、年に一度は最新の実績データで再確認しておくと安心です。

取り漏れ・見落としがちなポイント

90日の算定期間の限度、加算1・加算2それぞれの入院件数実績要件の違い、120床までという届出病床数の上限、令和8年度改定の経過措置期限(令和8年6月1日)。この4点は特に見落としやすいポイントです。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

公式データで見る算定要件・施設基準・届出

  • 注意点

    (16) 「注5」に規定する精神科救急医療体制加算は、地域における役割に応じた精神科救急入院医療の体制の確保を評価したものであり、当該病棟に入院した日から起算して 90 日を限度として算定する。

よくある質問

精神科救急医療体制加算は精神科救急急性期医療入院料以外でも算定できますか?

区分番号A311精神科救急急性期医療入院料の「注5」に規定されている加算のため、当サイトが収録している一次資料の範囲ではA311以外での算定は確認できていません。

加算1と加算2の違いは何ですか?

常勤精神保健指定医5名以上や自宅等移行割合6割以上などは共通ですが、時間外・休日・深夜の入院件数実績の基準(加算1は年間65件以上、加算2は年間40件以上)が異なります。

届出をしていなくても施設基準さえ満たしていれば算定できますか?

施設基準を満たしていても、地方厚生局への届出が済んでいなければ算定候補にはなりません。届出の有無を必ず確認してください。

公式資料の根拠

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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