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令和8年度最終更新 2026-08-11T17:01:31+00:00出典あり

精神保健福祉士配置加算とは?算定候補の条件【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

令和8年度の精神保健福祉士配置加算。30点。オ「A103」精神病棟入院基本料の「注8」に規定する精神保健福祉士配置加算は算定することができない。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

あおいさん、精神科病棟の担当から「精神保健福祉士配置加算って算定できるんですか?」って聞かれたんですけど、正直よくわかっていなくて…。これってどんな加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

精神保健福祉士配置加算は、精神科の病棟に専従の精神保健福祉士(PSW)を配置して、入院早期から退院支援に取り組んでいる病棟を評価する入院基本料の加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、点数は1日につき30点です。まずは「どの入院基本料の病棟が対象になるか」から確認していきましょう。

みらい

みらい新人医療事務

どの病棟でも対象になるわけじゃないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。厚生労働省の医科点数表告示では、この加算は2か所に規定されています。ひとつは精神病棟入院基本料(区分番号A103)の注8、もうひとつは精神療養病棟入院料(区分番号A312)の注5です。どちらも「精神保健福祉士配置加算」という同じ名称・同じ点数の加算ですが、根拠条文と一部の施設基準の数値が異なるので、自院がどちらの入院料を算定している病棟なのかをまず確認する必要があります。

対象医療機関・対象病棟

みらい

みらい新人医療事務

うちは精神病棟入院基本料を算定している病棟なんですけど、それだけで対象候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

精神病棟入院基本料を算定している病棟であることは前提のひとつですが、それだけでは算定候補とは言い切れません。厚生労働省の医科点数表(令和8年度)には、精神病棟入院基本料の条文の中で次のように規定されています。「8 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、精神保健福祉士配置加算として、1日につき30点を所定点数に加算する。」

みらい

みらい新人医療事務

「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合」という部分がポイントなんですね。

あおい

あおい元・医療事務

その通りです。ここでいう施設基準は、この後の「施設基準」のセクションで具体的に確認します。精神療養病棟入院料の側にも、ほぼ同じ書きぶりの規定があります。「5 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た病棟に入院している患者について、精神保健福祉士配置加算として、1日につき30点を所定点数に加算する。」

みらい

みらい新人医療事務

精神病棟入院基本料と精神療養病棟入院料、どちらの病棟でも対象になり得るということですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。一方で、注意したい点もあります。厚生労働省の資料には、小児入院医療管理料などの一部の入院料を算定する病棟では、この精神保健福祉士配置加算を算定できないという記載も確認できます。「オ 「A103」精神病棟入院基本料の「注8」に規定する精神保健福祉士配置加算は算定することができない。」

あおい

あおい元・医療事務

これは小児入院医療管理料(A307)の解説部分に出てくる注記で、対象外となる入院料があることを示しています。自院がどの入院料を算定している病棟なのか、まずここを確認するのが最初のステップです。

点数区分(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数は先ほど30点とおっしゃっていましたが、精神病棟入院基本料と精神療養病棟入院料で違いはないんですか?

あおい

あおい元・医療事務

点数自体は同じ30点・1日につきです。ただし根拠となる条文(注番号)は異なるので、表にして整理しておきますね。

区分根拠条文点数算定単位
精神病棟入院基本料(A103)の注8医科点数表 令和8年度30点1日につき
精神療養病棟入院料(A312)の注5医科点数表 令和8年度30点1日につき

精神保健福祉士配置加算 点数区分(令和8年度)

点数は同じでも施設基準は別条文

点数はどちらも30点で同じですが、施設基準の届出はそれぞれの入院料ごとに必要です。精神病棟入院基本料の病棟と精神療養病棟入院料の病棟の両方を持つ医療機関は、病棟ごとに要件を満たしているか個別に確認してください。

施設基準

みらい

みらい新人医療事務

いよいよ本題ですね。施設基準って具体的に何を満たせばいいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

ここが一番大事なところです。厚生労働省の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」という通知に、精神病棟入院基本料の注8に規定する精神保健福祉士配置加算の施設基準として、次のように定められています。「(1) 当該病棟に、専従の常勤精神保健福祉士が1名以上配置されていること。当該専従の常勤精神保健福祉士は、病棟を担当する者として当該病棟の患者に関する業務に主として従事するものであり…(2) 当該専従の常勤精神保健福祉士は、注7に規定する精神病棟看護・多職種協働加算に定める精神保健福祉士を兼ねることはできない。(3) 当該保険医療機関内に退院支援部署を設置し、当該部署に専従の常勤精神保健福祉士が1名以上配置されていること。」

みらい

みらい新人医療事務

病棟に1名、退院支援部署にも1名、それぞれ専従の常勤精神保健福祉士が必要ということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうです。しかも兼務はできません。病棟担当の専従者と退院支援部署の専従者は、別の人である必要があります。そしてもうひとつ、退院実績に関する基準もあります。精神病棟入院基本料の病棟の場合は、次のように定められています。「(4) …当該病棟の入院患者のうち9割以上が入院日から起算して1年以内に退院し、自宅等へ移行すること。」

みらい

みらい新人医療事務

9割以上…けっこう高いハードルですね。精神療養病棟入院料の場合も同じ基準なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、そこが違うポイントです。精神療養病棟入院料(A312)側にも精神保健福祉士配置加算の施設基準があり、次のように定められています。「3 精神保健福祉士配置加算の施設基準 (1) 当該病棟に、専従の常勤精神保健福祉士が1名以上配置されていること。…(2) 当該保険医療機関内に退院支援部署を設置し、専従の精神保健福祉士が1名以上配置されていること。なお、当該病棟に専従する精神保健福祉士と退院支援部署に専従する精神保健福祉士は兼任できないが、退院支援部署は、精神科地域移行実施加算の地域移行推進室又は精神科入退院支援加算の入退院支援部門と同一でもよい。」そして退院実績の基準は次のとおりです。「(3) 措置入院患者、鑑定入院患者及び医療観察法入院患者として当該保険医療機関に入院となった患者を除いた当該病棟の入院患者のうち7割5分以上が入院日から起算して1年以内に退院し、自宅等へ移行すること。」

みらい

みらい新人医療事務

精神病棟入院基本料は9割以上、精神療養病棟入院料は7割5分以上なんですね。似ている加算でも数値が違うので、ここは間違えないように確認しないといけないですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。病棟と退院支援部署の2か所に専従の精神保健福祉士を配置するという基本構造は、精神病棟入院基本料・精神療養病棟入院料のどちらの施設基準にも共通しています。ただし条文の記載ぶりには違いがあり、精神病棟入院基本料の施設基準では退院支援部署の担当者も「専従の常勤精神保健福祉士」と明記されているのに対し、精神療養病棟入院料の施設基準の条文では「専従の精神保健福祉士」とされていて、常勤かどうかの明記がありません。また精神療養病棟入院料側では、退院支援部署を精神科地域移行実施加算の地域移行推進室や精神科入退院支援加算の入退院支援部門と同一にしてよいことも明記されています。退院率の基準値も病棟の種類によって異なるので、届出前に必ず、どちらの入院料の病棟としての届出になるのか、条文の原文で確認してください。

人員配置と退院率、両方が要件

病棟と退院支援部署への専従精神保健福祉士の配置(それぞれ1名以上)と、退院率の実績基準は、どちらも満たす必要がある独立した要件です。退院支援部署側の人員について、精神病棟入院基本料の施設基準では「専従の常勤精神保健福祉士」、精神療養病棟入院料の施設基準では「専従の精神保健福祉士」と条文の記載が異なるため、自院が算定する入院料の条文で常勤要件の有無を必ず確認してください。人員配置だけを満たしていても、退院率の実績が基準に届いていなければ施設基準の適合とは言えません。実績の算定方法や除外対象の患者(措置入院患者・鑑定入院患者・医療観察法入院患者など)の扱いは、通知の原文と自院のデータで確認が必要です。

届出について

みらい

みらい新人医療事務

施設基準を満たしていたら、自動的に算定できるようになるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ、施設基準に適合しているだけでは算定できません。地方厚生(支)局長への届出が必要です。届出が受理されて初めて、精神保健福祉士配置加算の算定が可能になります。届出済みであれば算定候補になりますが、届出前の段階では算定候補とは言えません。

みらい

みらい新人医療事務

届出のタイミングも注意が必要そうですね。

あおい

あおい元・医療事務

はい。退院率の実績など一定期間のデータをもとに要件を満たしているか確認したうえで届け出る必要があるため、直近の実績を集計してから準備を進めることになります。届出様式や添付書類の詳細は、地方厚生(支)局に確認しながら進めるのが確実です。

算定タイミング・併算定の注意

みらい

みらい新人医療事務

この加算、他の加算と一緒に算定できないケースもあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

あります。精神病棟入院基本料の注9には、精神保健福祉士配置加算を算定した場合に算定できなくなる項目が明記されています。「9 精神保健福祉士配置加算を算定した場合は、区分番号A230-2に掲げる精神科地域移行実施加算、区分番号A246-2に掲げる精神科入退院支援加算、区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2、区分番号B005-1-2に掲げる介護支援等連携指導料、区分番号I011に掲げる精神科退院指導料及び区分番号I011-2に掲げる精神科退院前訪問指導料は、算定しない。」

みらい

みらい新人医療事務

精神科入退院支援加算(精神科入退院支援加算)とは一緒に算定できないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。精神保健福祉士配置加算を選ぶと、これらの退院支援系の加算はまとめて算定できなくなります。どちらの加算のほうが自院の体制や患者層に合っているか、比較して検討する病院もあります。

併算定不可の加算に注意

精神保健福祉士配置加算を算定する場合、精神科地域移行実施加算、精神科入退院支援加算、退院時共同指導料2、介護支援等連携指導料、精神科退院指導料、精神科退院前訪問指導料は算定できません。どちらの加算体系を選ぶかは、自院の退院支援の運用に合わせて確認が必要です。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の令和6年度改定から、この加算の内容って変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが確認できる一次資料の範囲では、精神保健福祉士配置加算の点数(30点)や、専従の常勤精神保健福祉士の配置に関する施設基準の骨格について、前回改定(令和6年度)からの明確な変更点は確認されていません(2026年8月時点)。ただし、これはあくまで当サイトが収録している資料の範囲での確認であり、細かな運用上の取り扱いが変わっている可能性もゼロではありません。

みらい

みらい新人医療事務

変更なしと決めつけないほうがいいんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうですね。届出済みの医療機関であっても、改定のたびに施設基準の解釈通知や疑義解釈が追加されることがあります。届出前・更新前には、最新の告示・通知を必ず確認してください。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

情報が多くて、どこから手をつければいいか迷ってしまいます。順番を整理してもらえますか?

あおい

あおい元・医療事務

では自院で確認する順番をステップにまとめますね。

自院で確認する順番

  1. 自院の病棟が精神病棟入院基本料(A103)または精神療養病棟入院料(A312)を算定しているか確認する
  2. 病棟に専従の常勤精神保健福祉士を1名以上配置できているか確認する(注7の精神病棟看護・多職種協働加算の精神保健福祉士とは兼務不可)
  3. 退院支援部署に専従の精神保健福祉士をもう1名配置できているか確認する(常勤要件の明記の有無は精神病棟入院基本料・精神療養病棟入院料の条文でそれぞれ確認する)
  4. 退院率の実績(精神病棟入院基本料は9割以上、精神療養病棟入院料は7割5分以上、いずれも入院日から1年以内)を集計し、基準を満たしているか確認する
  5. 併算定できなくなる加算(精神科入退院支援加算など)との比較検討を行う
  6. 要件を満たしていれば、地方厚生(支)局へ施設基準の届出を行う

自院で確認する順番(令和8年度)

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

この加算、実際に取り漏れやすいポイントってあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いくつかあります。まとめてみますね。

よくある取り漏れ・見落としポイント

病棟専従と退院支援部署専従の混同: 病棟と退院支援部署、それぞれに専従の精神保健福祉士が必要ですが、同一人物が兼ねることはできません。「常勤」の明記の有無は入院料によって条文の書きぶりが異なるため、自院が算定する入院料の条文で確認してください。人員配置図の作成時に見落としやすいポイントです。

退院率の基準値の取り違え: 精神病棟入院基本料は9割以上、精神療養病棟入院料は7割5分以上と、病棟の種類によって基準値が異なります。他院の情報を参考にする際は、どちらの入院料についての情報か確認してください。

併算定できない加算との重複請求: 精神科入退院支援加算など、算定できなくなる加算のリストを確認せずに両方を算定してしまうケースです。レセプト作成時のダブルチェック体制を整えておくと安心です。

参考にした公式資料

みらい

みらい新人医療事務

今日教えてもらった点数や施設基準は、どこで確認できますか?

あおい

あおい元・医療事務

点数と併算定の制限は、厚生労働省の医科点数表(令和8年度)に掲載されています。施設基準の詳細(専従の常勤精神保健福祉士の配置・退院率の基準など)は「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和8年3月5日 保医発0305第7号)という通知に定められています。この通知そのもののリンクは改定に伴い変わることがあるため、最新版は令和8年度診療報酬改定についての特設ページから辿るのが確実です。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や人員配置、退院率の実績を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する精神病棟入院基本料精神療養病棟入院料のページも合わせて確認してみてください。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

公式データで見る算定要件・施設基準・届出

  • 注意点

    オ「A103」精神病棟入院基本料の「注8」に規定する精神保健福祉士配置加算は算定することができない。

よくある質問

精神保健福祉士は常勤でないとダメですか?

病棟に配置する精神保健福祉士は専従の常勤精神保健福祉士と明記されています。退院支援部署側は入院料によって常勤の明記の有無が異なるため、条文と自院の雇用形態の確認が必要です。

精神病棟入院基本料と精神療養病棟入院料の両方でこの加算を算定できますか?

それぞれの病棟が個別に施設基準を満たし届出を行っていれば、病棟ごとに算定候補になり得ます。一方の病棟だけ要件を満たさない場合、その病棟は対象外の可能性があります。

精神科入退院支援加算と精神保健福祉士配置加算は同時に算定できますか?

精神保健福祉士配置加算を算定した場合、精神科入退院支援加算をはじめとする複数の加算は算定できません。どちらか一方を選ぶ必要があります。

公式資料の根拠

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

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