初診料とは — 何のための点数か
みらい(新人医療事務)
あおいさん、初診料って毎日のように算定していますけど、あらためて「これは何のための点数なんですか?」と聞かれると、うまく説明できなくて…。
あおい(元・医療事務)
基本中の基本だからこそ、そう感じますよね。初診料は、患者さんの傷病について「医学的に初診といえる診療」を行ったときに算定する、外来の基本診療料です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では区分番号A000で、基本の点数は291点と定められています。
みらい(新人医療事務)
291点、まさに毎日見る数字です。でも「医学的に初診」って、どういう場合を指すんでしょう?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、特に初診料が算定できない旨の規定がある場合を除き、患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった場合に算定する、とされています。単に「その医療機関を初めて受診したか」ではなく、傷病ごとに「初診といえる診療」があったかで判断する点がポイントですね。
みらい(新人医療事務)
なるほど。ずっと通っている患者さんでも、まったく別の新しい傷病が出てきたら初診の扱いになることがある、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。逆に、同一の保険医が別の医療機関で同じ患者さんを診療した場合は、最初に診療を行った医療機関で初診料を算定する、という取り扱いも通知に書かれています。「初診」の考え方は、体制よりもまず診療の中身で決まると覚えておくとよいですよ。
初診料の点数体系(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
基本は291点ということですが、初診料っていくつか違う点数がありますよね。整理して見たいです。

あおい(元・医療事務)
はい、令和8年厚生労働省告示第69号(医科点数表)で定められている主な区分をまとめますね。
| 区分(令和8年度) | 点数 |
|---|---|
| 初診料(基本) | 291点 |
| 情報通信機器を用いた初診 | 253点 |
| 紹介受診重点医療機関等(注2・注3) | 216点(情報通信機器の場合188点) |
| 特定妥結率初診料(注4) | 216点(情報通信機器の場合188点) |
| 同一日に2つ目の診療科を初診受診(注5) | 146点(情報通信機器の場合127点) |
みらい(新人医療事務)
情報通信機器を使うと253点なんですね。これはオンライン診療のことですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。告示では、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関で、情報通信機器を用いた初診を行った場合には253点を算定する、とされています。オンライン診療は届出が前提になるので、まず自院が届出済みかの確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
216点とか188点というのは、どういう医療機関の話なんでしょう?
あおい(元・医療事務)
これは主に大きな病院の話ですね。特定機能病院・地域医療支援病院・外来機能報告対象病院等(紹介受診重点医療機関など)や、許可病床400床以上の病院で、紹介の割合等が低い場合に、対象患者への初診が216点(情報通信機器なら188点)に見直される仕組みです。一般的な診療所ではあまり関係しない区分ですが、点数表の全体像として押さえておくと安心です。
点数区分は自院の体制で変わります
216点・188点・特定妥結率初診料などは、病院の種類・病床数・紹介割合・妥結率の施設基準に関わる区分です。自院がどの区分に当たるかは、届出状況と公式資料で必ず確認してください。
主な加算 — 取り漏れが起きやすいポイント
みらい(新人医療事務)
点数の区分はわかってきました。初診料って、加算もたくさんありますよね?
あおい(元・医療事務)
はい、初診料は加算の種類が多いのが特徴です。令和8年度の告示第69号で定められている主な加算を挙げますね。
| 主な加算(令和8年度) | 点数 |
|---|---|
| 乳幼児加算(6歳未満・注6) | 75点 |
| 時間外加算(注7) | 85点 |
| 休日加算(注7) | 250点 |
| 深夜加算(注7) | 480点 |
| 夜間・早朝等加算(診療所・注9) | 50点 |
| 機能強化加算(注10) | 80点 |
| 外来感染対策向上加算(診療所・月1回・注11) | 6点 |
| 発熱患者等対応加算(月1回・注11) | 20点 |
| 特定機能病院等紹介患者受入加算(注15) | 60点 |
みらい(新人医療事務)
時間外や深夜の加算は、6歳未満だとさらに変わるんでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
よく覚えていますね。注7では、6歳未満の乳幼児の場合、時間外・休日・深夜がそれぞれ200点・365点・695点になると定められています。乳幼児は加算が手厚いので、対象の患者さんでは取り漏れが起きないように注意したいところです。
みらい(新人医療事務)
機能強化加算80点というのも、よく話に出てきます。これは誰でも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
機能強化加算は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た保険医療機関(許可病床数200床未満の病院または診療所に限る)で初診を行った場合の加算です。つまり届出が前提なので、届出済みであれば算定候補になります。届出をしていない場合は算定の対象になりませんので、自院の届出状況の確認が必要ですね。
よくある取り漏れ・確認ポイント
外来感染対策向上加算: 組織的な感染防止対策の施設基準を届け出た診療所で、月1回に限り6点。届出済みなのに算定を忘れていないか確認しましょう。
発熱患者等対応加算: 発熱その他感染症を疑わせる症状の患者に適切な感染防止対策を講じた場合、月1回に限りさらに20点。
電子的診療情報連携体制整備加算: 医療DX推進に係る体制の施設基準を届け出た場合、月1回に限り区分に応じて15点・9点・4点。
みらい(新人医療事務)
感染対策や医療DXの加算は、届出をしていれば毎回チェックしたいですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。外来感染対策向上加算を届け出ている場合には、連携強化加算・サーベイランス強化加算・抗菌薬適正使用体制加算という上乗せ加算もあります。それぞれの点数や算定要件は令和8年厚生労働省告示第69号の別表第一で確認が必要です。届出内容と実際の算定が合っているか、定期的に見直すのがおすすめです。
届出が必要な加算・不要な点数の整理
みらい(新人医療事務)
加算が多いと、どれが届出必要でどれが不要なのか、こんがらがりそうです。

あおい(元・医療事務)
大きく分けて考えるとわかりやすいですよ。まず、基本の291点そのものは、初診を行った場合に算定するもので、初診料そのものに施設基準の届出は必要ありません。
みらい(新人医療事務)
基本の291点は届出不要なんですね。では届出が要るのはどれですか?
あおい(元・医療事務)
情報通信機器を用いた初診(253点)、機能強化加算、外来感染対策向上加算などの感染対策関連、電子的診療情報連携体制整備加算などは、いずれも施設基準の届出が前提です。これらは届出済みであれば算定候補になり、届出がなければ算定の対象になりません。
みらい(新人医療事務)
一方で、乳幼児加算や時間外加算は届出が要らないんでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
乳幼児加算・時間外加算・休日加算・深夜加算は、要件(患者の年齢や診療した時間帯)を満たせば算定する加算で、施設基準の届出を前提とはしていません。「届出が要る加算」と「要件で決まる加算」を分けて捉えると、確認がぐっと楽になりますよ。
自院で確認する順番
- その診療が医学的に初診といえるかを確認する(基本の291点は初診料そのものの届出は不要)。
- 情報通信機器を用いた初診なら、届出済みかを確認して253点の対象かを判断する。
- 届出が前提の加算(機能強化加算・外来感染対策向上加算・電子的診療情報連携体制整備加算等)について、自院の届出状況を確認する。
- 乳幼児・時間外・休日・深夜など、要件で決まる加算の算定漏れがないか確認する。
- 迷う点は公式資料・審査支払機関で最終確認する。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定で、初診料は何か変わったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
基本の点数については、令和8年度改定でも初診料(基本)291点・情報通信機器を用いた初診253点が告示第69号で定められています。大きく見直されたのは、主に大きな病院に関わる「紹介・逆紹介割合に基づく減算規定」です。
みらい(新人医療事務)
減算規定の見直し、というと?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の「個別改定項目について」(令和8年2月13日)では、外来機能の明確化と医療機関間の連携を推進する観点から、紹介患者・逆紹介患者の割合が低い特定機能病院等を紹介状なしで受診した患者等に係る初診料について、要件と対象患者を見直すとされています。
前回改定(令和6年度)から令和8年度改定での主な変更
逆紹介割合の基準の引き上げ: 減算の対象となる「逆紹介割合が低い」病院の基準が、前回改定(令和6年度)の30‰未満から、令和8年度改定で50‰未満へ引き上げられました。
減算対象患者の追加: 減算となる対象患者に、直近1年以内に12回以上再診を行った患者が加えられました。
みらい(新人医療事務)
これは、うちのような一般の診療所にも関係してきますか?
あおい(元・医療事務)
この減算規定は、特定機能病院・地域医療支援病院・紹介受診重点医療機関などの大きな病院を対象にしたものなので、一般的な診療所の初診料291点に直接影響するものではありません。ただし、基準の数値が変わっている点は、改定対応として押さえておく価値があります。詳しい要件は「個別改定項目について」や疑義解釈資料で確認してくださいね。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になる加算があるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する点数として 外来診療料 や、感染対策の 外来感染対策向上加算 もあわせて確認しておくと安心です。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。