みらい(新人医療事務)
先生、「一般病棟入院基本料(A100)」って、病院にとってすごく大事な点数だと聞いたんですが、実際どういうものなんでしょう?
あおい(元・医療事務)
そうですね、一般病棟入院基本料は、病院が「一般病棟」に入院している患者さんに算定する基本の入院料です。令和8年度(2026年度)の診療報酬改定では区分が新しくなっていて、大きく3つのグループに整理されています。急性期病院一般入院基本料・急性期一般入院基本料・地域一般入院基本料の3グループです。
みらい(新人医療事務)
3グループもあるんですね!それぞれ何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
簡単にいうと、看護配置の密度・病院の機能・平均在院日数などの要件の違いです。要件が厳しいほど点数が高く設定されています。令和8年度(2026年度)からは「急性期病院A一般入院料」「急性期病院B一般入院料」という新しい区分が設けられ、点数が再編されました。
みらい(新人医療事務)
新しい区分が出てきたんですね。施設基準を満たして届出をすれば算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし「算定できる」かどうかは、自院の届出状況や病棟の実態(看護配置・在院日数・在宅復帰率など)によって変わります。必ず自院の状況と公式資料を照らし合わせた確認が必要です。
令和8年度の点数区分(一般病棟入院基本料)

みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数区分を表にまとめます。1日につきの所定点数です。
| 区分 | 区分名 | 点数(1日につき) |
|---|---|---|
| 急性期病院一般入院基本料 イ | 急性期病院A一般入院料 | 1,930点 |
| 急性期病院一般入院基本料 ロ | 急性期病院B一般入院料 | 1,643点 |
| 急性期一般入院基本料 イ | 急性期一般入院料1 | 1,874点 |
| 急性期一般入院基本料 ロ | 急性期一般入院料2 | 1,779点 |
| 急性期一般入院基本料 ハ | 急性期一般入院料3 | 1,704点 |
| 急性期一般入院基本料 ニ | 急性期一般入院料4 | 1,597点 |
| 急性期一般入院基本料 ホ | 急性期一般入院料5 | 1,575点 |
| 急性期一般入院基本料 ヘ | 急性期一般入院料6 | 1,523点 |
| 地域一般入院基本料 イ | 地域一般入院料1 | 1,290点 |
| 地域一般入院基本料 ロ | 地域一般入院料2 | 1,282点 |
| 地域一般入院基本料 ハ | 地域一般入院料3 | 1,097点 |
| 特別入院基本料 | 特別入院基本料 | 704点 |
あおい(元・医療事務)
上の表は令和8年厚生労働省告示第69号(A100)に基づく点数です。
みらい(新人医療事務)
こんなに細かく分かれているんですね。上のほうが看護配置が手厚い病棟ということですか?
あおい(元・医療事務)
おおむねそうです。また入院初期(14日以内・15〜30日)に入院期間加算も別途あります。14日以内は450点、15日以上30日以内は192点が1日あたり加算されます(特別入院基本料等は各300点・155点)。
一般病棟入院基本料の算定要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
算定するにはどんな要件があるんでしょう?
あおい(元・医療事務)
基本的な要件をまとめます。
算定要件の概要(令和8年度)
- 対象病棟: 療養病棟・結核病棟・精神病棟以外の「一般病棟」
- 施設基準: 看護配置・看護師比率・平均在院日数などの基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た病棟
- 算定対象患者: 届け出た一般病棟に入院している患者(第3節の特定入院料を算定する患者を除く)
- 単位: 1日につき
みらい(新人医療事務)
「届け出た病棟」というのがポイントなんですね。届出のない病棟ではそもそも算定できないということ?
あおい(元・医療事務)
そういうことです。届出が済んでいることが前提です。届出を行っていれば「算定候補」になりますが、看護配置や平均在院日数などの要件を継続して満たしていることが必要です。
施設基準の主なポイント(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
施設基準って具体的にどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
区分ごとに異なる部分もありますが、主なポイントを整理しますね。
施設基準の確認ポイント(令和8年度)
- 看護配置: 区分ごとに定められた看護職員の配置数(例: 7対1、10対1、13対1、15対1など)
- 看護師比率: 看護職員最小必要数の7割以上が看護師であること
- 平均在院日数: 区分ごとの上限あり
- 在宅復帰率: 地域一般入院基本料は在宅復帰率の要件に注意
- データ提出加算: 一部区分では提出が要件
みらい(新人医療事務)
在宅復帰率というキーワードが出てきましたが、これはどんな要件ですか?
あおい(元・医療事務)
地域一般入院基本料では、退院した患者のうち在宅(自宅・有料老人ホーム等)へ復帰した割合を満たしていることが施設基準の一つとなっています。具体的な数値は告示・施設基準通知で確認が必要です。在宅復帰率が要件を下回ると算定に影響する可能性がありますので、継続的なモニタリングが大切です。
みらい(新人医療事務)
看護配置も在宅復帰率も、常に管理しておかないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。施設基準を満たし続けていることが算定の前提です。何か1つでも要件を満たさなくなった場合は、月平均夜勤時間超過減算や特別入院基本料への変更が必要になる場合もあります。
主な加算(一般病棟入院基本料に付随するもの)
みらい(新人医療事務)
この入院基本料に付く加算もたくさんあると聞きましたが……
あおい(元・医療事務)
はい、たくさんあります。主なものをいくつか紹介しますね。
重要な加算(令和8年度)
- 入院期間加算(注3): 14日以内450点、15〜30日以内192点(1日につき)
- 重症児(者)受入連携加算(注4): 地域一般入院基本料の病棟で、入退院支援加算3を算定した患者を他院から受け入れた場合、入院初日に限り2,000点加算
- 救急・在宅等支援病床初期加算(注5): 急性期医療を担う病院から転院した患者、または在宅・介護老人保健施設等から入院した患者について、入院日から14日を限度に1日につき150点加算(地域一般入院基本料・13対1・15対1入院基本料に限る)
みらい(新人医療事務)
重症児(者)受入連携加算って、SEOキーワードにも出てきた「一般病棟 入院基本料 重症児 受入連携加算入院前」に関係するものですか?
あおい(元・医療事務)
そうです!「重症児(者)受入連携加算」は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価した加算です。算定できるのは地域一般入院基本料の病棟に限られています。入院前の医療機関において「A246 入退院支援加算3」が算定された患者を受け入れた場合に、入院初日に限り2,000点が加算候補となります。
みらい(新人医療事務)
入院前の医療機関での算定状況が関係するんですね。それは自院だけでなく、転院元の情報も確認が必要ということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。転院前の医療機関において「入退院支援加算3」が実際に算定されていたかどうかを、転院情報から確認する必要があります。これを怠ると、要件を満たさない状態で加算を算定してしまうリスクがあります。
重症児(者)受入連携加算の注意点
- 算定できるのは地域一般入院基本料の病棟のみ
- 転院前の医療機関で「A246 入退院支援加算3」の算定が条件
- 算定は入院初日に限る
- 要件の充足確認は必須(転院情報の記録・確認が必要)
在宅復帰率と退院支援(地域一般入院基本料)
みらい(新人医療事務)
在宅復帰率についてもう少し詳しく教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
地域一般入院基本料を算定する病棟では、在宅復帰率の確保が施設基準の重要な要素です。退院患者が在宅(自宅・有料老人ホーム・軽費老人ホーム等)に復帰できるよう、入院中から退院支援を行うことが求められています。
みらい(新人医療事務)
具体的にどんな退院支援が必要なんでしょう?
あおい(元・医療事務)
退院支援の観点では、救急・在宅等支援病床初期加算(注5)の算定にあたり「入院前の患者の居場所、自院の入院歴の有無、入院までの経過等を診療録に記載すること」が留意事項で明記されています。在宅復帰率を高めるためには、地域の介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホーム等との連携体制を整えることも重要です。
在宅復帰率に関する確認ポイント(令和8年度)
- 退院患者数・在宅復帰患者数の継続的な記録・集計
- 施設基準で定められた在宅復帰率の水準を定期的に確認
- 入院前の居場所・入院後の退院先の診療録への記録
- 地域の介護施設・在宅医療機関との連携状況の確認
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
今回の改定で何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定では、一般病棟入院基本料の区分に大きな再編がありました。主なポイントを整理します。
令和8年度改定での主な変更点(一般病棟入院基本料)
- 新区分の設置(令和8年6月1日施行): 「急性期病院A一般入院料(1,930点)」「急性期病院B一般入院料(1,643点)」が新設され、既存の急性期一般入院基本料と併存する形で整備された
- 施設基準の変更(令和8年10月1日以降): 急性期一般入院料6・地域一般入院基本料・特別入院基本料を除く一般病棟入院基本料については、令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合は施設基準が改正される(改正後の基準に対応した届出直しが必要)
- 各区分の点数・要件: 一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号・施設基準通知)で区分ごとに詳細確認が必要
みらい(新人医療事務)
令和8年10月1日から施設基準が変わるんですね。それは改めて届出が必要になるということですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準通知(保医発0305第7号 別紙の「表2」)では、急性期一般入院料6・地域一般入院基本料・特別入院基本料を除く一般病棟入院基本料について、「令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合に限り」施設基準が改正される旨が記載されています。該当する病棟については、10月1日以降も算定を続ける場合に届出直しが必要かどうかを、自院の状況と公式資料で確認することが必要です。
令和8年10月1日以降の届出直しに注意
急性期一般入院料6・地域一般入院基本料・特別入院基本料を除く区分は、令和8年10月1日以降に引き続き算定する場合、施設基準の改正への対応(届出直しの可能性)を地方厚生局に確認してください。
特別入院基本料・夜勤時間特別入院基本料
みらい(新人医療事務)
「特別入院基本料」というのは普通の入院基本料とどう違うんでしょう?
あおい(元・医療事務)
特別入院基本料(704点)は、注1の施設基準を満たす届出ができない一般病棟が「当分の間」算定できる暫定的な点数です。施設基準のうち一部のみ満たさなくなった場合は、月平均夜勤時間超過減算(所定点数から15%減算)が適用される期間があります。また「夜勤時間特別入院基本料」(所定点数の70%)という区分もあります。
みらい(新人医療事務)
減算になる場合があるんですね……注意が必要ですね。
あおい(元・医療事務)
減算の適用期間や要件は複雑ですので、地方厚生局や審査支払機関に確認することをお勧めします。「算定できる」かどうかの最終判断は、自院の届出状況と公式資料の確認が不可欠です。
90日超の長期入院患者の取り扱い
みらい(新人医療事務)
長期入院の患者さんについては何か特別な規定がありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。一般病棟に90日を超えて入院する患者については、「療養病棟入院料1の例により算定する」か、「引き続き一般病棟入院基本料を算定する」かを選べます。ただし療養病棟入院料1の例によって算定する場合は、あらかじめ地方厚生局長等に届け出た病棟に限られます。
みらい(新人医療事務)
90日を超えるかどうかのカウントはどうするんですか?
あおい(元・医療事務)
入院期間の起算日は「第2部通則5に規定する起算日」によります。なお、90日超の患者は平均在院日数の算定から除外されます(療養病棟入院料の例によって算定する患者を除く)。長期入院患者の人数が分かるよう、月ごとに名簿を作成・管理しておく必要があります。
自院チェックリスト(一般病棟入院基本料)

みらい(新人医療事務)
自院でどんな順番で確認すればいいか、まとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
確認の順番を整理しますね。
自院で確認する順番
- 自院の病棟が「一般病棟」(療養・結核・精神病棟以外)に該当するか確認
- 現在の届出区分(急性期病院A・B一般入院料/急性期一般入院料1〜6/地域一般入院料1〜3/特別入院基本料)を確認
- 看護配置・看護師比率・平均在院日数が届出区分の施設基準を満たしているか定期確認
- 地域一般入院基本料の場合は、在宅復帰率の達成状況を定期確認
- 令和8年10月1日以降の届出直しが自院の区分で必要かどうか、地方厚生局に確認
- 重症児(者)受入連携加算・救急・在宅等支援病床初期加算など、加算の要件(転院情報の記録等)を確認
- 90日超の長期入院患者の管理・名簿作成を月ごとに実施
みらい(新人医療事務)
手順が明確になりました!特に令和8年10月の届出直しは見落としやすそうですね。
あおい(元・医療事務)
施設基準の改正時期は区分によって異なるので、自院の区分ごとにスケジュール管理することが大切です。見落とすと算定上の問題が生じる可能性があります。
よくある取り漏れ・確認ポイント
よくある取り漏れ
- 重症児(者)受入連携加算の転院情報確認: 転院前病院での「入退院支援加算3」算定の有無が要件。転院情報の取得・記録を忘れない
- 入院期間加算(注3)の適用漏れ: 14日以内・15〜30日以内の期間加算は、対象患者に漏れなく算定できているか確認
- 救急・在宅等支援病床初期加算の診療録記載: 入院前の患者の居場所・入院歴・入院経過の記載が義務
- 在宅復帰率のモニタリング不足: 年間・月ごとの集計を怠ると施設基準違反のリスク
- 90日超患者の平均在院日数への混入: 管理名簿を整備していないと算定誤りにつながる
- 令和8年10月1日の施設基準改正への未対応: 該当区分の届出直しが必要かどうかの確認漏れ
よくある質問
みらい(新人医療事務)
よく聞かれる質問も教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか答えますね。
みらい(新人医療事務)
同じ病院に複数の一般病棟がある場合、区分が異なっても大丈夫ですか?
あおい(元・医療事務)
原則として、同じ病院の複数の一般病棟(特定入院料を算定する病棟以外)は同じ区分の一般病棟入院基本料を算定します。ただし、「医療資源の少ない地域」に属する一部の保険医療機関は例外があります(留意事項通知 A100 (2) 参照)。自院が例外に該当するかは、保医発0305第6号の要件を確認してください。
みらい(新人医療事務)
地域一般入院基本料の「在宅復帰率」は、どの患者を在宅復帰としてカウントするんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅(自宅)のほか、有料老人ホーム・軽費老人ホーム・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院等が在宅復帰先として認められる場合があります。具体的なカウント方法は施設基準告示・通知で確認が必要です。「何が含まれるか」は細かく定められているため、自院の事務担当者と確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
入退院支援加算3ってどういう加算なんでしょう?
あおい(元・医療事務)
「A246 入退院支援加算3」は、転院先との密接な連携を評価した加算です。重症児(者)受入連携加算の算定要件として、転院前の医療機関がこの加算を算定していることが必要です。加算名が似たものがいくつかありますので、「3」であることを転院情報から必ず確認してください。
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病棟の種別ごとに入院基本料の区分・施設基準は異なります。自院の病棟種別に応じて、あわせてご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院の状況をもっと詳しくチェックしたいんですが、何か方法はありますか?
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。