急性期看護補助体制加算とは何ですか?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「急性期看護補助体制加算」ってよく聞くんですが、どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
急性期看護補助体制加算(A207-3)は、入院患者の看護業務を補助するスタッフ(看護補助者)の配置体制を評価する加算です。看護師や准看護師が担う業務の一部を看護補助者が担うことで、看護職員の負担を軽減し、処遇改善につなげることが目的とされています。令和8年度(2026年度)時点で、一般病棟に入院した患者(入院初日から14日以内)が対象の候補となります。
みらい(新人医療事務)
看護補助者というのは、看護師さんとは別の人なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、看護補助者は看護師・准看護師以外のスタッフで、看護業務の補助を行う人員です。具体的な資格要件・職種については施設基準通知(保医発0305第7号別添2)で定められており、届出にあたっては通知の内容を確認する必要があります。この加算は「患者何人に対して看護補助者何人」という配置比率によって区分が分かれていて、その比率と夜間の体制によって算定候補となる点数が変わります。
みらい(新人医療事務)
区分が複数あるんですね。令和8年度の点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数は告示第69号(診療報酬の算定方法)で定められています。以下の表でご確認ください。
令和8年度の点数区分・算定要件

| 区分 | 名称 | 点数(1日につき) |
|---|---|---|
| 1 | 25対1急性期看護補助体制加算(看護補助者5割以上) | 240点 |
| 2 | 25対1急性期看護補助体制加算(看護補助者5割未満) | 220点 |
| 3 | 50対1急性期看護補助体制加算 | 200点 |
| 4 | 75対1急性期看護補助体制加算 | 160点 |
さらに加算できる点数(上記に上乗せ)
| 種別 | 名称 | 点数 |
|---|---|---|
| 夜間看護補助体制加算 | 夜間30対1急性期看護補助体制加算 | +125点/日 |
| 夜間看護補助体制加算 | 夜間50対1急性期看護補助体制加算 | +120点/日 |
| 夜間看護補助体制加算 | 夜間100対1急性期看護補助体制加算 | +105点/日 |
| 夜間看護体制加算 | 夜間看護体制加算 | +71点/日 |
| 看護補助体制充実加算 | 看護補助体制充実加算1 | +20点/日 |
| 看護補助体制充実加算 | 看護補助体制充実加算2 | +5点/日 |
みらい(新人医療事務)
25対1が一番点数が高いんですね!看護補助者5割以上と5割未満で点数が違うのはどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
「25対1急性期看護補助体制加算(看護補助者5割以上)」と「5割未満」の区別は、看護補助者の研修修了状況などに係る要件への適合で変わります。具体的な要件の内容は施設基準通知(保医発0305第7号別添2)で定められており、告示第69号の区分名のみでは確認できません。届出にあたっては通知原文で確認することが必要です。
算定できる病棟・期間に注意
急性期看護補助体制加算は一般病棟に限る加算です。療養病棟・精神病棟・結核病棟は算定対象外となります。また算定できるのは入院した日から起算して14日以内に限られます。15日目以降は算定できませんのでご注意ください。(出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 A207-3 注1)
対象となる医療機関・患者の条件

みらい(新人医療事務)
どんな病院が算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
算定候補になるためにはいくつかの条件があります。まず病棟単位での要件から確認してみましょう。
自院で確認する順番
ステップ1: 病棟が一般病棟であることの確認 急性期一般入院基本料(A100)等の一般病棟での算定が候補となります。療養・精神・結核病棟では算定対象外です。
ステップ2: 入院基本料の算定確認 第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く)を現に算定している患者が対象です。特別入院基本料の患者は対象外となります。
ステップ3: 施設基準への適合確認 看護職員の負担軽減・処遇改善を図るための看護業務の補助体制に関する施設基準(保医発0305第7号別添2で詳細規定)への適合が必要です。
ステップ4: 地方厚生局への届出 施設基準への適合が確認できたら、地方厚生(支)局長に届出を行います。届出を行っていない病棟では算定できません。
ステップ5: 入院14日以内の患者への算定 入院した日(入院日)から起算して14日以内の患者に限って算定します。
みらい(新人医療事務)
患者さんが入院してから14日以内というのは厳しいですね。たとえば長期入院の患者さんは算定候補にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算は「急性期」という名称がついている通り、入院早期の集中的なケアを評価するものです。入院15日目からは算定できません。再入院の場合の取扱い(入院のカウント起算日)については施設基準通知で確認が必要です。
施設基準の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
施設基準って具体的にどんなことを確認すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の施設基準は保医発0305第7号別添2(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)で定められています。確認すべき主なポイントをまとめました。
施設基準の主な確認ポイント(令和8年度)
看護補助者の配置比率: 区分ごとに「患者何人に対して看護補助者何人」という比率への適合が必要です(25対1・50対1・75対1)。詳細は届出様式と施設基準通知で確認してください。
看護補助者の5割以上要件(25対1の場合): 看護補助者のうち5割以上が所定の要件を満たす場合が240点区分の候補となります。具体的な要件内容は施設基準通知で確認が必要です。
看護業務の補助に係る十分な体制(看護補助体制充実加算): 充実加算1(20点)・充実加算2(5点)を算定するにはさらに上位の体制要件が必要です。令和8年度からは「情報通信機器等を用いた看護職員及び看護補助者の業務の効率化に係る基準」への適合が施設基準の要件の一部に位置付けられています(別添2第2の19)。
夜間体制(夜間看護補助体制加算・夜間看護体制加算): 夜間の看護補助体制(夜間30対1・50対1・100対1)や夜間の看護業務体制についても、それぞれ別の施設基準が定められています。
みらい(新人医療事務)
「情報通信機器等を用いた業務効率化」というのは具体的にどんな要件ですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の疑義解釈(令和8年3月23日 事務連絡)には「情報通信機器等を用いた看護職員及び看護補助者の業務効率化の施設基準」として、病棟の看護要員(常勤職員に限る)の超過勤務時間が月平均10時間以下であること、超過勤務時間の算出は直近3か月の月平均を3で除した値であることが示されています。この施設基準への適合と届出は、看護補助体制充実加算等との関係で確認が必要です。
施設基準の確認を忘れずに
配置比率・夜間体制・研修要件などの具体的な要件は施設基準通知(保医発0305第7号別添2)で詳細が定められています。告示の点数区分名だけで判断せず、必ず通知の全文を確認した上で届出してください。要件を確認せずに届出・算定を行うと、個別指導等の対象になるリスクがあります。
届出・算定の手続き
みらい(新人医療事務)
届出はどうやってするんですか?
あおい(元・医療事務)
届出は各都道府県の地方厚生(支)局に対して行います。届出書類は、基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(保医発0305第7号)に定められた様式を使用します。
届出の大まかな流れ(令和8年度)
1. 施設基準への適合状況の自己確認: 配置比率・夜間体制・研修要件などを確認します。
2. 届出様式の記載: 保医発0305第7号別添2に定められた届出様式(様式60等)を記載します。なお令和8年度の疑義解釈によれば、超過勤務時間の算出は「直近3か月の看護要員の月平均超過勤務時間数の合計を3で除した値」を用います。
3. 地方厚生(支)局への提出: 書類を管轄の地方厚生(支)局医療課に提出します。
4. 届出受理後から算定候補に: 届出が受理された後、算定が候補となります。
みらい(新人医療事務)
届出後に施設基準を満たさなくなったらどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
届出後に施設基準を満たさなくなった場合は、速やかに変更の届出を行う必要があります。保医発0305第7号では、突発的で想定が困難な事象により看護要員の配置比率に1か月を超える1割以内の一時的な変動があった場合は、一定の要件を満たす場合に限り3か月を超えない期間に限って変更の届出を行わなくてもよい特例があります。ただし、情報通信機器等を用いた業務効率化の届出を行っている病棟は当該特例の対象外とされているため、届出状況に応じた対応が必要です。
夜間体制加算の仕組み
みらい(新人医療事務)
夜間の加算ってかなり複雑ですね。整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
夜間の体制については「夜間看護補助体制加算」と「夜間看護体制加算」の2種類があります。まず構造を整理しますね。
あおい(元・医療事務)
夜間看護補助体制加算(注2)は、A207-3本体の加算に上乗せされます。夜間に配置する看護補助者の比率によって3区分に分かれます。
| 夜間区分 | 点数(1日につき・上乗せ) |
|---|---|
| 夜間30対1急性期看護補助体制加算 | 125点 |
| 夜間50対1急性期看護補助体制加算 | 120点 |
| 夜間100対1急性期看護補助体制加算 | 105点 |
あおい(元・医療事務)
さらに夜間看護体制加算(注3)は、夜間における看護業務の体制の施設基準を満たす病棟に71点が上乗せで加算されます。
みらい(新人医療事務)
たとえば「50対1急性期看護補助体制加算」を算定していて、夜間は「夜間50対1」の基準を満たしていたら、1日当たり200点+120点=320点が算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
計算の考え方はその通りです。ただし夜間看護補助体制加算を算定するには、昼間の急性期看護補助体制加算の届出に加えて、別途夜間の施設基準への適合と届出が必要です。「昼間の届出が済んでいれば夜間も自動的に算定できる」わけではありませんのでご注意ください。
看護補助体制充実加算と身体的拘束の関係
令和8年度の規定では、看護補助体制充実加算1(20点)を算定している患者であっても、身体的拘束を実施した日は看護補助体制充実加算2(5点)の例により算定します。(出典: 令和8年厚生労働省告示第69号 A207-3 注4但し書き)身体的拘束の記録管理と算定点数の切り替え管理が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度改定で何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度改定では、急性期看護補助体制加算について施設基準の改正が行われています。保医発0305第7号(令和8年3月5日)の表3「施設基準が改正された入院基本料等(届出を必要としないもの)」に「急性期看護補助体制加算」が掲げられており、施設基準の内容が改正されていることが確認できます。
あおい(元・医療事務)
具体的な改正内容として確認できる点は、「情報通信機器等を用いた看護職員及び看護補助者の業務の効率化に係る基準」(別添2第2の19)が令和8年度から設けられたことです。この基準に係る届出を行っている病棟は、看護要員の一時的変動の特例(突発的事象発生時の変更届出の猶予)の適用対象外とされており(保医発0305第7号第3の1),情報通信機器等の活用による業務効率化が施設基準の一部として位置付けられています。
令和8年度改定のポイント(確認ベース)
施設基準の改正(届出変更不要): 急性期看護補助体制加算は、令和8年度において施設基準が改正された加算として位置づけられています。保医発0305第7号の表3「施設基準が改正された入院基本料等(届出を必要としないもの)」に掲げられているため、既に届出を行っている医療機関は引き続き算定にあたり新たな届出は不要とされています。具体的な経過措置の期日は通知原文でご確認ください。
情報通信機器等の業務効率化基準(令和8年度新設): 別添2第2の19に「情報通信機器等を用いた看護職員及び看護補助者の業務の効率化に係る基準」が設けられました。超過勤務時間管理等の具体的な要件は施設基準通知で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
点数は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
点数の変更については、令和8年度告示第69号に定める点数(25対1・240点/220点、50対1・200点、75対1・160点、夜間補助・125/120/105点、夜間看護体制・71点、充実加算1・20点/充実加算2・5点)を確認していますが、前回改定(令和6年度)からの点数増減の詳細差分については、個別改定項目の一次資料での照合が確認できていません(確認日: 2026-06-16・厚労省一次情報ベース)。点数変更の有無については、厚生労働省の改定資料(個別改定項目について)または都道府県の担当窓口にてご確認ください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、施設基準の改正があった加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。令和8年度は施設基準が改正されています。届出内容と施設基準の適合状況は必ず公式資料で確認することをお勧めします。
よくある取り漏れ・注意点
みらい(新人医療事務)
実際の算定でよくあるミスはどんなものですか?
あおい(元・医療事務)
実務上でよく問題になるポイントをまとめてみました。
よくある算定の取り漏れ・注意点
1. 14日カウントのミス: 入院日から起算して14日以内ですが、「入院日=1日目」とカウントする点に注意が必要です。再入院時の起算については施設基準通知で確認してください。
2. 夜間看護補助体制加算の届出忘れ: 昼間の急性期看護補助体制加算を届け出ていても、夜間の施設基準は別途届出が必要です。夜間体制が充実しているにもかかわらず届出していない、という取り漏れが発生しやすいです。
3. 看護補助体制充実加算の算定対象確認: 充実加算を算定するには「看護業務の補助に係る十分な体制」の施設基準への適合と届出が必要です。急性期看護補助体制加算の届出だけでは充実加算の算定候補にはなりません。
4. 身体的拘束実施日の点数切り替え: 看護補助体制充実加算1を算定している病棟で、当日に身体的拘束を実施した場合は充実加算2(5点)で算定します。この切り替えを忘れると過剰算定になります。
5. 特別入院基本料の患者への誤算定: 特別入院基本料等を算定している患者には急性期看護補助体制加算は算定できません(告示69号注1の「特別入院基本料等を除く」)。夜勤時間特別入院基本料算定患者への算定ミスに注意してください。
よくある質問(急性期看護補助体制加算の施設基準・算定要件)
みらい(新人医療事務)
急性期看護補助体制加算と「看護補助加算」(療養病棟)は同じですか?
あおい(元・医療事務)
別の加算です。「看護補助加算」(A213)は主に療養病棟での算定を想定した加算で、区分・点数・要件が異なります。急性期看護補助体制加算(A207-3)は一般病棟での算定に特化した加算です。コードが違いますので、レセプト請求の際に間違えないよう注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
入院日から14日以内の制限は、転棟した場合でも同じですか?
あおい(元・医療事務)
転棟が発生した場合の取扱いは施設基準通知で確認が必要です。「入院した日から起算して」という規定の解釈(当院への入院日か、当該病棟への転棟日かなど)については、地方厚生局や審査支払機関に確認することを推奨します。算定可否の判断は施設の届出状況と公式資料に基づいて行ってください。
みらい(新人医療事務)
夜間30対1・50対1・100対1の「対1」って、何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
「夜間30対1」は夜間の患者30人につき看護補助者1人以上を配置する体制を意味し、比率が小さいほど補助者の配置密度が高くなります。30対1が最も手厚い配置で、125点と最も点数が高くなっています。どの区分を届け出るかは自院の実際の夜間配置状況と施設基準通知の要件を照合して判断する必要があります。
みらい(新人医療事務)
「看護補助体制充実加算」は急性期看護補助体制加算と一緒に必ず算定するものですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、充実加算は別途施設基準への適合と届出が必要な上乗せ加算です。急性期看護補助体制加算を届け出ているだけでは算定候補になりません。充実加算の施設基準(情報通信機器の活用、超過勤務時間の管理等)を満たし、別途届出をして初めて算定候補となります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が急性期看護補助体制加算の算定候補になるか、もっと詳しく確認したいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。病棟の種別・看護補助者の配置状況・届出状況などを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。施設基準の細かい要件や夜間体制加算との組み合わせなど、分かりにくい部分もAIに質問できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(令和8年厚生労働省告示第69号・保医発0305第7号等)・審査支払機関の判断でご確認ください。本記事は一次情報を元にした事実集約を目的としており、個別医療機関の算定可否を保証するものではありません。