乳幼児加算・幼児加算ってどんな加算ですか?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、最近うちの病棟で小さな子が入院してくることが増えたんですが、「乳幼児加算」とか「幼児加算」って聞いたことがあります。これって何のための加算なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。乳幼児加算と幼児加算は、小さなお子さんが入院しているときに、通常の入院基本料に上乗せして算定できる加算です。乳幼児・幼児は成人と比べて看護や管理に手間がかかることが多いので、その医療の手厚さを診療報酬上で評価しているんですよ。区分番号はA208で、令和8年度(2026年度)の診療報酬改定でも設定されています。
みらい(新人医療事務)
「乳幼児加算」と「幼児加算」の2種類があるんですね。どう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
対象年齢が違います。乳幼児加算は3歳未満の乳幼児が対象で、幼児加算は3歳以上6歳未満の幼児が対象です。年齢に合わせて2種類に分かれているイメージですね。6歳以上になると、この加算の対象外になります。
みらい(新人医療事務)
6歳になったら対象外なんですね。学齢期に入る区切りと同じですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。就学前の子どもたちを手厚くケアするという考え方ですね。

対象医療機関・対象患者は?
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関でも算定できるんでしょうか?うちは有床診療所なんですが。
あおい(元・医療事務)
病院でも有床診療所でも算定候補になります。ただし、大前提として入院患者であることが必要です。外来で対象年齢のお子さんが来ても、この加算は算定できませんので注意してください。
みらい(新人医療事務)
入院の患者さんだけなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。それだけでなく、もう一つ大事な条件があります。第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む)または第3節の特定入院料のうち、乳幼児加算・幼児加算を算定できるものを現に算定している患者であること、という条件が告示に明記されています。つまり、算定できる入院基本料・特定入院料を算定中であることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
なるほど。入院基本料や特定入院料の種類によっては対象外になることもあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。特定入院料のなかには乳幼児加算・幼児加算が算定できないものもありますから、自院で算定している入院基本料・特定入院料が対象かどうかを確認しておくことが大切です。
対象患者の確認ポイント(令和8年度)
- 乳幼児加算: 保険医療機関に入院している3歳未満の乳幼児
- 幼児加算: 保険医療機関に入院している3歳以上6歳未満の幼児
- 共通条件: 第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む)または第3節の特定入院料のうち、乳幼児加算・幼児加算を算定できるものを現に算定している患者であること
- 外来は対象外: 入院患者のみ算定候補
点数はいくらですか?
みらい(新人医療事務)
実際の点数を教えてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示(厚生労働省告示第69号)では、次のように定められています。算定単位は1日につきです。
| 区分 | 乳幼児加算(3歳未満) | 幼児加算(3歳以上6歳未満) |
|---|---|---|
| 病院(特別入院基本料等を算定する場合を除く) | 333点 | 283点 |
| 病院(特別入院基本料等を算定する場合に限る) | 289点 | 239点 |
| 診療所 | 289点 | 239点 |
みらい(新人医療事務)
病院の場合でも「特別入院基本料等を算定するかどうか」で点数が違うんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。病院の一般的なケース(特別入院基本料等を算定しない場合)は高い点数になっています。有床診療所の場合は289点・239点が対象です。算定単位は1日につきなので、入院日数分だけ積み上がる構造ですね。
みらい(新人医療事務)
入院日数分算定できるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし、レセプトの確認や審査支払機関の判断が伴いますので、自院のレセコン設定や実際の請求を確認しながら進めてください。
届出・施設基準の確認
みらい(新人医療事務)
この加算を取るには何か届出が必要ですか?施設基準とか。
あおい(元・医療事務)
乳幼児加算・幼児加算は、届出不要・施設基準なしの加算です。対象の患者さんが入院していて、算定できる入院基本料・特定入院料を算定していれば、特別な届出なしに算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
届出なしで算定できるのはシンプルで助かりますね!
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし「届出不要」というのは厚労省告示上の話です。自院のレセコンに設定が正しく入っているか、算定漏れがないかなど、実務面での確認は必要です。「届出なしでよいから何もしなくていい」ということではありませんので、実際の算定状況を定期的にチェックしてみてください。
注意: 算定漏れのポイント
乳幼児加算・幼児加算は届出不要ですが、次の点に注意が必要です。
- 入院基本料・特定入院料の種類によっては算定できない場合がある
- 年齢が変わったタイミング(誕生日)での算定区分の見直しが必要
- レセコンの設定が正しく行われているか定期確認が重要
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定の上限や、他の加算と一緒に取れないケースなどはありますか?
あおい(元・医療事務)
算定単位は「1日につき」ですので、入院日数ごとに算定します。乳幼児加算と幼児加算の両方を同一日に同一患者に算定することはできません。対象患者の年齢に応じてどちらか一方を算定します。
みらい(新人医療事務)
3歳の誕生日を迎えたらその日から幼児加算に切り替えるイメージですか?
あおい(元・医療事務)
告示上は3歳未満が乳幼児加算、3歳以上6歳未満が幼児加算と定められているので、3歳・6歳という年齢の区切りで対象区分が変わります。誕生日前後の切り替えの取り扱い(どの日から切り替えるか)は、自院のレセコン設定や審査支払機関の運用・疑義解釈を確認しながら見落とさないようにしておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
忘れやすそうですね。入院が長期にわたると特に。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。長期入院の場合は途中で対象区分が変わる可能性があるので、定期的に年齢確認をしておくことをお勧めします。
算定上の注意点
- 乳幼児加算と幼児加算は同日に両方算定しない(対象年齢に応じてどちらか一方)
- 3歳・6歳の誕生日が入院中に来た場合は算定区分の見直しが必要
- 算定できる入院基本料・特定入院料を算定していることが前提条件

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定でA208は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の厚労省告示第69号(令和8年3月施行)の一次資料の範囲で確認した結果、乳幼児加算・幼児加算(区分A208)について、前回改定(令和6年度)からの主な変更点は確認されていません(確認時期: 2026年6月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
点数も同じということですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示第69号で確認できる内容はお伝えしたとおりです。前回改定との詳細な差分は、厚労省が公表している「令和8年度診療報酬改定の概要」や「個別改定項目について」を改めてご確認ください。算定要件・点数・届出要否についても変動がないか、自院の管理部門や支払基金に確認されることをお勧めします。
令和8年度改定ポイント(確認範囲)
- 区分A208の点数・算定単位(1日につき): 告示第69号で確認
- 乳幼児加算(3歳未満): 病院(一般)333点・病院(特別)289点・診療所289点
- 幼児加算(3歳以上6歳未満): 病院(一般)283点・病院(特別)239点・診療所239点
- 届出不要・施設基準なし: 告示上変更なし(令和8年度一次資料の範囲で確認)
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に「うちでちゃんと算定できているか」を確認するにはどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
ステップに沿って確認すると整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 入院患者の年齢確認: 3歳未満の乳幼児・3歳以上6歳未満の幼児が入院しているか確認する
- 算定している入院基本料・特定入院料を確認: 乳幼児加算・幼児加算を算定できる入院基本料・特定入院料を現に算定しているかを確認する
- レセコン設定の確認: 自院のレセコンに乳幼児加算・幼児加算が正しく設定されているかを確認する
- 算定区分の確認: 病院(特別入院基本料等を算定する場合か否か)または診療所かによって点数区分を選択する
- 年齢変更への対応: 入院中に誕生日を迎えた患者については、算定区分の切り替えが適切に行われているかを確認する
- レセプト確認: 請求済みレセプトに算定漏れや誤りがないかを定期的に確認する
よくある取り漏れ・確認ポイント
みらい(新人医療事務)
実際に取り漏れやすいケースってどんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか典型的なパターンがあります。
よくある取り漏れのケース
- 年齢を見落とすケース: 外来では来なかった患者が入院することで対象年齢になるが、レセコンの設定が追いついていない
- 誕生日の切り替え漏れ: 長期入院中に3歳・6歳の誕生日を迎えたが、乳幼児加算から幼児加算への切り替え、または算定終了の処理が漏れている
- 特定入院料の対象外を見落とすケース: 特定入院料を算定しているが、乳幼児加算・幼児加算を算定できない特定入院料であることを把握していない
- 外来患者への誤算定: 外来で対象年齢のお子さんを診療した場合に誤って算定してしまう(入院のみが対象)
よくある質問
みらい(新人医療事務)
外来でも小さい子を診るんですが、外来では本当に一切算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。乳幼児加算・幼児加算(区分A208)は入院患者のみが対象です。外来では算定できません。なお、外来には別途「乳幼児加算」として設定された加算(外来初診料・再診料等に対するもの)が存在しますので、外来の対応については区分A208ではなく外来の加算体系を確認してください。
みらい(新人医療事務)
「乳幼児加算」という名前が同じで混乱しますね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。外来の加算とは別物ですので、「入院」か「外来」かをしっかり区別することが大切です。
みらい(新人医療事務)
届出が不要ということは、保険医療機関として指定されていれば誰でも算定できると考えていいですか?
あおい(元・医療事務)
大前提として保険医療機関であること、算定できる入院基本料・特定入院料を届け出ていること、そして対象年齢の入院患者がいることが必要です。「届出不要」というのはA208固有の届出が不要という意味で、入院基本料そのものの届出は別途必要ですので混同しないよう注意してください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、あくまでA208の届出が不要ということなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。入院基本料を算定している医療機関で、対象年齢の入院患者がいれば算定候補になるケースが多いですが、最終的には自院の算定状況と公式資料・審査支払機関で確認してください。
公式資料
あおい(元・医療事務)
今回の記事の根拠となった公式資料をご案内します。診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)が区分A208の点数・算定要件の根拠です。こちらのPDFで確認できます。
みらい(新人医療事務)
直接確認できるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。点数や要件に不明点がある場合は一次資料を確認するか、審査支払機関や支払基金の窓口に問い合わせてみてください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。