看護配置加算とはどんな加算ですか?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「看護配置加算」ってうちの病院でも聞くんですけど、正直よく分かっていなくて…どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
看護配置加算(区分番号A213)は、入院基本料等加算のひとつです。病棟の看護職員のうち、看護師の比率が高い体制を取っている病棟に入院している患者さんについて、1日につき加算されるものです。令和8年度(2026年度)の医科点数表に定められています。
みらい(新人医療事務)
「看護師の比率が高い」というのは、具体的にどれくらいなんですか?
あおい(元・医療事務)
そこがこの加算の核心です。対象になる病棟がまず絞られていて、その病棟の中でさらに看護師の割合の条件があります。順番に見ていきましょう。
対象医療機関・対象病棟はどこですか?
みらい(新人医療事務)
まず、どんな病院・病棟が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
入院基本料等加算(医科点数表の第1章第2部第2節、いわゆるA章の加算)のひとつなので、対象は病院です。診療所(無床診療所や外来)は対象になりません。その上で、対象になる病棟の入院基本料の区分が決まっています。
みらい(新人医療事務)
全部の病棟で取れるわけじゃないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。令和8年厚生労働省告示第70号の施設基準(十二 看護配置加算の施設基準)には、こう定められています。
対象となる病棟区分(施設基準・告示第70号)
地域一般入院料3: 対象 障害者施設等入院基本料の十五対一入院基本料: 対象 結核病棟入院基本料の十五対一・十八対一・二十対一入院基本料: 対象 精神病棟入院基本料の十五対一・十八対一・二十対一入院基本料: 対象
あおい(元・医療事務)
つまり、看護師比率40%以上と規定されている入院基本料(十五対一・十八対一・二十対一)を算定している病棟が母集団になります。急性期一般入院料のような看護師比率がもともと高い病棟は対象外です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、比較的看護師の配置基準が緩めの病棟が対象なんですね。
点数はどれくらいですか?
みらい(新人医療事務)
気になる点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年厚生労働省告示第69号(医科診療報酬点数表)には、次のように定められています。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定単位 | 年度 |
|---|---|---|---|---|
| A213 | 看護配置加算 | 25点 | 1日につき | 令和8年度 |
あおい(元・医療事務)
25点、1日につきの加算です。区分が複数あるわけではなく、条件を満たせば一律25点が所定点数に加算される形です。
みらい(新人医療事務)
意外とシンプルな点数構成なんですね。加算の名前が似ている「看護補助加算」(A214)とは別物ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、別の加算です。看護補助加算は看護補助者の配置段階に応じて複数区分ある加算ですが、看護配置加算(A213)は看護師そのものの配置比率に着目した単一区分の加算です。名前が似ているので、自院の届出台帳や算定履歴を確認するときは区分番号(A213かA214か)で区別することをおすすめします。
施設基準は具体的に何を満たす必要がありますか?
みらい(新人医療事務)
対象病棟の中でも、さらに条件があるんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうです。同じく告示第70号の施設基準には、対象病棟であることに加えてもう一つ条件があります。
施設基準(告示第70号 十二 看護配置加算の施設基準)
(1) 病棟区分の条件: 地域一般入院料3、障害者施設等入院基本料の十五対一入院基本料、結核病棟入院基本料または精神病棟入院基本料の十五対一・十八対一・二十対一入院基本料を算定する病棟であること (2) 看護師比率の条件: 当該病棟において、看護職員の最小必要数の七割以上が看護師であること
みらい(新人医療事務)
「看護職員の最小必要数の7割以上が看護師」というのは、准看護師さんが多い病棟だと難しそうですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項通知(令和8年3月5日保医発0305第6号)でも、同じ趣旨がこう説明されています。
留意事項通知の確認ポイント
「看護配置加算は、看護師比率が40%以上と規定されている入院基本料を算定している病棟全体において、70%を超えて看護師を配置している場合に算定する。」(診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について)とされています。病棟全体での実配置人数を数えて判断する必要があり、勤務表や配置実績の記録が確認の起点になります。
みらい(新人医療事務)
「病棟全体において」というのがポイントなんですね。一部の勤務帯だけ看護師比率が高くても足りない、ということですか?
あおい(元・医療事務)
そういう解釈になります。あくまで病棟全体の看護職員配置における看護師の割合が基準です。この点は自院の看護部門・施設基準担当者と、実際の勤務実績表を突き合わせて確認するのが確実です。断定はできないので、疑問があれば地方厚生局や顧問社会保険労務士にも確認しておくと安心です。
届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
この加算、届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、届出が必要です。告示第69号の注書きには「別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出て当該基準による看護を行う病棟に入院している患者」について加算する、と明記されています。施設基準を満たしているだけでは算定できず、地方厚生局長等への届出が前提になります。
みらい(新人医療事務)
届出をしていないのに、条件を満たしているからと算定してしまうのはダメなんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。「施設基準は満たしていそうだが、届出がまだ」という状態では算定候補にはなりません。届出済みかどうかは、自院の届出受理書控えや地方厚生局への提出履歴で必ず確認してください。
算定のタイミングや対象患者に注意点はありますか?
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注書きをもう一度見てみましょう。対象患者は「第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は第3節の特定入院料のうち、看護配置加算を算定できるものを現に算定している患者」に限られます。
対象患者の範囲に関する注意
特別入院基本料等を算定している患者は対象から除かれます。また、特定入院料を算定している場合は、その特定入院料の区分ごとに看護配置加算を算定できるかどうかが個別に定められているため、算定中の入院基本料・特定入院料の区分を必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
入院基本料だけでなく、特定入院料を算定している患者さんでも対象になる場合があるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし「看護配置加算を算定できるものを現に算定している」という条件付きなので、特定入院料の種類によっては対象外の場合もあります。自院で算定している入院基本料・特定入院料の区分を一つずつ確認するのが確実です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の一次資料(告示第69号・告示第70号・留意事項通知0305第6号)を確認した範囲では、A213看護配置加算の点数(25点、1日につき)および施設基準(看護師比率40%以上区分の病棟で、看護職員の7割超が看護師であること)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
改定差分の確認範囲について
本記事は令和8年度の告示・留意事項通知の一次資料を対象に確認しています。過去改定からの詳細な経緯(点数の沿革や施設基準の細かな文言変更履歴)まで遡って照合したものではないため、正確な沿革が必要な場合は「個別改定項目について」等の改定概要資料もあわせてご確認ください。
あおい(元・医療事務)
点数や病棟区分の要件だけでなく、様式や記録要件が変わることもあるので、届出書類を毎年度更新するタイミングで最新の告示・通知を確認する習慣をつけておくと安心です。

自院で確認する順番を教えてください
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病院で対象になるか確認するには、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認するのがおすすめです。
自院で確認する順番
1. 病棟の入院基本料区分を確認する: 該当病棟が地域一般入院料3、障害者施設等入院基本料の十五対一、結核病棟入院基本料または精神病棟入院基本料の十五対一・十八対一・二十対一のいずれかを算定しているか確認します。 2. 病棟全体の看護師比率を確認する: 当該病棟の看護職員配置のうち、最小必要数の7割超が看護師(准看護師を含まない)になっているか、勤務実績表で確認します。 3. 届出状況を確認する: 地方厚生局長等への看護配置加算の届出を提出済みか、届出受理書控えで確認します。 4. 算定中の入院料区分を確認する: 対象患者が算定している入院基本料または特定入院料が、看護配置加算の対象区分に含まれているか確認します。

みらい(新人医療事務)
4段階で見ていけば、うちが算定候補になりそうか整理できそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に2番目の看護師比率は、日々の勤務シフトによって変動しやすいところなので、一時点だけでなく継続的な実績で確認するのがポイントです。
よくある取り漏れ・注意ポイント
みらい(新人医療事務)
現場でよくある勘違いや取り漏れってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
看護補助加算(A214)との混同: 名前が似ているため、看護補助者の配置基準を確認してしまい、看護師比率の確認を後回しにしてしまうケースがあります 准看護師を看護師としてカウントしてしまう: 「看護職員の7割以上が看護師」の要件は、准看護師を含まない看護師本人の比率で判定されます 特別入院基本料等を算定する患者を含めてしまう: 告示の対象患者からは特別入院基本料等を算定する患者が除外されています 届出前の算定: 施設基準を満たしていても、地方厚生局への届出が完了する前は算定候補になりません
あおい(元・医療事務)
とくに看護師比率の分母・分子の数え方は院内でも解釈が分かれやすいので、施設基準の担当者と看護部で認識をすり合わせておくことをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが疑問に思いそうなことをまとめてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
いいですね。よくある質問をいくつか挙げてみましょう。
みらい(新人医療事務)
Q. 診療所でも看護配置加算は算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 看護配置加算は入院基本料等加算(A章)のひとつで、病棟を持つ病院が対象です。無床診療所や外来のみの診療所は対象になりません。
みらい(新人医療事務)
Q. 急性期一般入院料を算定している病棟でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 告示第70号の施設基準では、地域一般入院料3、障害者施設等入院基本料の十五対一、結核病棟入院基本料・精神病棟入院基本料の十五対一・十八対一・二十対一が対象区分として明記されています。急性期一般入院料は対象区分に含まれていないため、確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
Q. 看護師比率70%を一時的に下回った月があったらどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 施設基準を継続して満たしているかどうかが問われる事項なので、比率が基準を下回る期間が生じた場合の取り扱いは、自院の顧問社会保険労務士や地方厚生局に確認することをおすすめします。本記事では断定的な回答はできません。
関連する加算もあわせて確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
似たような加算もあるんですよね?
あおい(元・医療事務)
看護配置に関連する加算として、急性期看護補助体制加算もあります。こちらは看護補助者の配置体制を評価する加算で、看護配置加算とは評価の切り口が異なります。自院がどちらの対象になりうるか、あわせて確認しておくとよいでしょう。
公式資料の根拠
あおい(元・医療事務)
今回の記事で参照した公式資料は次のとおりです。
| 資料名 | 発行元 | 年度 |
|---|---|---|
| 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科診療報酬点数表 | 厚生労働省 | 令和8年度 |
| 基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第70号) | 厚生労働省 | 令和8年度 |
| 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日保医発0305第6号) | 厚生労働省 | 令和8年度 |
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。