看護補助加算(A214)とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、うちの病棟で「看護補助加算」の届出を検討しているんですが、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の診療報酬では、看護補助加算(区分A214)は入院基本料等加算のひとつです。看護補助者を十分に配置している病棟に、1日につき加算される点数で、看護職員の負担軽減と処遇改善を目的とした体制を評価する加算になります。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、これは病院の入院患者が対象の加算です。診療所は対象外ですし、外来でも算定できません。あくまで届出をした病棟に入院している患者について、1日単位で算定候補になる加算です。
みらい(新人医療事務)
「A213 看護配置加算」という似た名前の加算も見たことがあるんですが、同じものですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、別の加算です。看護配置加算(A213)は看護職員の配置に着目した加算で、看護補助加算(A214)は看護補助者の配置に着目した加算です。名前も点数も要件も異なりますので、混同しないよう注意してください。
対象医療機関・対象患者を確認する
みらい(新人医療事務)
具体的にどんな病棟の患者が対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では次のように規定されています。
対象患者(令和8年度告示より)
別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出て当該基準による看護を行う病棟に入院している患者(第1節の入院基本料〔特別入院基本料等を除く〕又は第3節の特定入院料のうち、看護補助加算を算定できるものを現に算定している患者に限る)
みらい(新人医療事務)
つまり、届出をした病棟に入院していて、なおかつ対象になる入院基本料や特定入院料を算定している患者が条件なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。全体像をまとめると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象医療機関 | 病院(入院基本料等加算・A章に位置づけ) |
| 対象患者 | 届出病棟に入院し、対象の入院基本料・特定入院料を算定している患者 |
| 届出 | 必要(地方厚生局長等) |
| 施設基準 | あり(区分ごとに異なる) |
| 算定単位 | 1日につき(夜間看護体制加算のみ入院初日に限る) |
みらい(新人医療事務)
診療所は最初から対象外ということですね。まず自院がどの入院基本料を届け出ているかを確認するのが第一歩ですね。
あおい(元・医療事務)
その認識で合っています。該当する入院基本料・特定入院料を算定していない病棟には、そもそも看護補助加算の対象になりません。
点数・区分の確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点で、看護補助加算には次の7つの区分があります。
| 区分 | 加算名 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| 1 | 看護補助加算1 | 141点 | 1日につき |
| 2 | 看護補助加算2 | 116点 | 1日につき |
| 3 | 看護補助加算3 | 88点 | 1日につき |
| 4 | 夜間75対1看護補助加算 | 55点 | 入院日から20日を限度に1日につき |
| 5 | 夜間看護体制加算 | 176点 | 入院初日に限り |
| 6 | 看護補助体制充実加算1 | 20点 | 1日につき |
| 7 | 看護補助体制充実加算2 | 5点 | 1日につき |

みらい(新人医療事務)
7区分もあるんですね! 全部同時に算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、性質が異なります。看護補助加算1〜3は、看護補助者の配置基準に応じたベースの加算で、いずれか1つの区分だけが対象です。夜間75対1看護補助加算と夜間看護体制加算は、それぞれ別の施設基準を満たした場合に更に上乗せする加算です。看護補助体制充実加算1・2も、看護職員の負担軽減・処遇改善に資する体制を評価する上乗せ区分になります。
みらい(新人医療事務)
夜間75対1看護補助加算の「20日を限度」というのは、入院してから20日間しか算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
はい。告示に「入院した日から起算して20日を限度として」と明記されています。21日目以降は、この区分の対象にはなりません。一方、夜間看護体制加算は「入院初日に限り」算定する加算で、入院した日1日だけが対象です。区分ごとに算定できるタイミングが違いますので、レセプト作成時は特に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
看護補助体制充実加算はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
告示では「看護職員の負担の軽減及び処遇の改善を図るための看護業務の補助に係る十分な体制」を評価する加算とされています。ただし、身体的拘束を実施した日は、看護補助体制充実加算1の届出をしていても、その日に限り看護補助体制充実加算2の例により算定するという規定があります。この場合、充実加算2について別途の届出は不要とされています。
算定タイミングの注意
- 看護補助加算1〜3はベース区分でいずれか1つのみが対象
- 夜間75対1看護補助加算は入院日から20日限度
- 夜間看護体制加算は入院初日のみ
- 身体的拘束を実施した日は看護補助体制充実加算2の例により算定(充実加算1の届出があっても)
施設基準を確認する(看護補助加算1〜3)
みらい(新人医療事務)
点数はわかりました。じゃあ施設基準はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
まず共通する考え方として、留意事項通知に「看護補助加算は、当該加算を算定できる病棟において、看護補助者の配置基準に応じて算定する」とあります。当該病棟で必要最小数を超えて配置している看護職員は、看護補助者とみなして計算する規定もあります。
みらい(新人医療事務)
区分1〜3は何で決まるんですか?
あおい(元・医療事務)
基本は看護補助者の配置基準に応じて区分が決まりますが、看護補助加算1については配置基準に加えてもう1つ条件があります。
看護補助加算1の追加要件(施設基準通知より)
看護補助加算1を算定するものとして届け出た病床(地域一般入院料1若しくは地域一般入院料2を算定する病棟又は13対1入院基本料を算定する病棟に限る)は、直近3か月において入院している全ての患者の状態を重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票で継続的に測定し、基準を満たす患者の割合が重症度、医療・看護必要度Ⅰで0.4割以上、重症度、医療・看護必要度Ⅱで0.3割以上であることが必要です。
みらい(新人医療事務)
結構細かい条件があるんですね。共通で必要な体制もありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。看護補助加算を算定する病棟に共通する要件を確認する順番はこちらです。
自院で確認する順番
- 看護補助者の配置が、看護補助加算の各区分の配置基準を満たしているか確認する
- 身体的拘束を最小化する取組(アセスメント・患者家族への説明と同意・記録・解除に向けた検討など)を実施しているか確認する
- 看護補助業務に従事する看護補助者が、基礎知識を含む院内研修を年1回以上受講しているか確認する
- 看護職員と看護補助者の業務内容・業務範囲について、年1回以上の見直しを行っているか確認する
- (看護補助加算1の場合)重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たす患者割合が要件を満たしているか確認する
みらい(新人医療事務)
身体的拘束を最小化する取組というのは、具体的に何をすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
告示・通知では、身体的拘束を実施するかどうかを職員個々の判断ではなく複数の職員で検討すること(精神病棟を除く)、やむを得ず実施する場合も可及的速やかに解除するよう努めること、実施の必要性のアセスメント・患者家族への説明と同意・具体的行為や実施時間等の記録・二次的な身体障害の予防・解除に向けた検討という対応を行うこと、実施した場合は少なくとも1日に1度は解除に向けた検討を行うことが求められています。家族等に付き添いを強要することがあってはならない、という注意点も明記されています。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料で確認できた範囲では、看護補助加算1の重症度、医療・看護必要度の基準について、令和8年度改定にあわせた経過措置が設けられています。施設基準の届出通知に「看護補助加算1について、令和8年3月31日において現に当該加算に係る届出を行っている保険医療機関にあっては、令和8年9月30日までの間、令和8年度改定後の看護補助加算1の重症度、医療・看護必要度の基準を満たすものとみなすものであること」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、基準そのものが見直されたということですか?
あおい(元・医療事務)
経過措置が設けられているということは、重症度、医療・看護必要度の基準に見直しがあったことを示しています。ただし、点数そのものが前回改定からどう変わったかについては、一次資料の範囲内では確認できていません。既に届出済みの医療機関は、令和8年9月30日までに新基準への対応状況を確認しておくと安心です。
改定差分の確認ポイント(令和8年度)
確認できた変更点: 看護補助加算1の重症度、医療・看護必要度の基準の見直し(経過措置として、令和8年3月31日時点で届出済みなら令和8年9月30日まで新基準を満たすものとみなす) 資料の範囲で確認できていない点: 点数やその他区分の前回改定からの具体的な変更内容
夜間75対1看護補助加算・夜間看護体制加算の施設基準
みらい(新人医療事務)
上乗せの2つの加算についても、施設基準を教えてください。
あおい(元・医療事務)
それぞれ対象となる病棟の要件が定められています。
| 加算名 | 施設基準の要件(要旨) |
|---|---|
| 夜間75対1看護補助加算 | 地域一般入院料1・2、専門病院入院基本料・障害者施設等入院基本料・結核病棟入院基本料・精神病棟入院基本料又は特定機能病院入院基本料(結核病棟・精神病棟に限る)の13対1入院基本料を算定する病棟であること |
| 夜間看護体制加算 | 看護補助者を夜勤時間帯に配置していること、夜間における看護業務の負担軽減に資する項目のうちア又はウを含む4項目以上を満たしていること(2交代制勤務のみで構成される病院は別途の組み合わせ要件あり) |
みらい(新人医療事務)
夜勤帯に看護補助者を配置するのが夜間看護体制加算のポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。名前は似ていますが、夜間75対1看護補助加算は「対象となる入院基本料の種類」で決まる加算、夜間看護体制加算は「夜勤帯の看護補助者配置と業務負担軽減の取組」で決まる加算です。どちらも看護補助加算のベース区分(1〜3)を算定している病棟が前提になりますので、まず基本区分の届出状況を確認してから、この2つの上乗せ加算を検討する順番がおすすめです。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
届出はどこにすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
地方厚生局長等への届出が前提です。基本診療料の施設基準に関する届出の手続きにあわせて、看護補助加算の区分ごとの届出様式で届け出ることになります。届出が受理されていない状態では施設基準を満たしていることになりませんので、届出済みであれば候補になる、という前提を必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
一度届け出たら、その後は確認しなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、体制は継続的な確認が必要です。看護補助者の配置状況や重症度、医療・看護必要度の基準を満たす患者割合、身体的拘束の最小化の取組、院内研修の実施状況などは、日々・年次で変動しうるものです。要件を満たさなくなった場合は速やかな見直しが必要になりますので、自院での定期確認をおすすめします。
自院が算定候補になるか確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまでの内容を踏まえると、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
- 対象となる入院基本料等(第1節の入院基本料又は第3節の特定入院料のうち看護補助加算を算定できるもの)を現に算定している病棟かを確認する
- 看護補助者の配置状況を確認し、区分1〜3のどれに該当しうるかを確認する
- (区分1の場合)重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たす患者割合が要件を満たしているかを確認する
- 身体的拘束の最小化の取組・院内研修・業務範囲の年1回見直しを実施しているかを確認する
- 夜間75対1看護補助加算・夜間看護体制加算の上乗せ要件(対象病棟・夜勤帯配置・業務負担軽減の取組)を確認する
- 地方厚生局長等への届出状況を確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちなミスもあれば教えてください。
あおい(元・医療事務)
よく見られるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ(令和8年度)
夜間75対1看護補助加算の日数超過: 入院日から起算して20日を超えて算定してしまう 夜間看護体制加算の重複算定: 入院初日以外の日にも算定してしまう 身体的拘束実施日の切替漏れ: 充実加算1の届出があるまま、身体的拘束を実施した日も充実加算1のまま算定してしまう 看護配置加算(A213)との混同: 名称が似ているため、看護補助加算(A214)と要件を取り違えてしまう 院内研修・業務範囲見直しの未実施: 年1回の実施が要件だが、実施記録が残っていない
関連する加算もあわせて確認する
みらい(新人医療事務)
他にも関連する加算があれば教えてください。
あおい(元・医療事務)
看護職員の体制に関する加算として、急性期看護補助体制加算 があります。急性期の一般病棟を対象とした加算で、看護補助加算(A214)とは対象病棟・配置基準が異なりますので、自院がどちらの届出対象になるかは個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
「看護配置加算」という名前も出てきましたが、これは今回の加算とは別物でしたね。
あおい(元・医療事務)
はい、繰り返しになりますが、看護配置加算(A213)は看護職員の配置に着目した別の加算で、看護補助加算(A214)とは点数も要件も異なります。届出書類を用意する際は、区分番号(A213かA214か)を必ず確認してください。
参考にした公式資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、次の厚生労働省公式資料を根拠としています。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年度診療報酬改定・点数表) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」特設ページ(施設基準・留意事項の通知一覧はこちらから最新版をご確認ください) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html
あおい(元・医療事務)
具体的な届出様式や研修内容の詳細は、必ず一次資料と自院の担当部署・地方厚生局への確認を通じて最終確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。