離島加算とは何のための加算か(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「離島加算」ってレセプトで見かけたことがあるんですが、どういう加算なんでしょうか?入院基本料に関係するみたいですが。
あおい(元・医療事務)
離島加算は、区分番号A218-2で告示されている加算で、離島など、厚生労働大臣が別に定める地域に所在する病院の入院患者の入院基本料等に上乗せできるものです。あわせて、有床診療所入院基本料(A108)・有床診療所療養病床入院基本料(A109)を算定している診療所についても、告示上の規定により、算定要件を満たせば算定候補になり得ます。詳しくは後ほど「対象医療機関・対象患者」で説明しますね。令和8年度(2026年度)時点の告示本文には、次のように書かれています。
あおい(元・医療事務)
「離島加算は、離島における入院医療の応需体制を確保する必要があることから、別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関において、入院基本料又は特定入院料の加算として算定できる。」(留意事項通知より)
みらい(新人医療事務)
つまり、離島でも入院を受け入れられる体制を維持するための加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。地理的に医療資源が限られる地域の病院ほど、入院医療の体制確保にコストがかかります。その分を評価する加算という位置づけです。令和8年度(2026年度)の点数は「1日につき25点」で、対象患者が入院している日ごとに算定します。
離島加算の点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数と算定単位を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。告示(令和8年厚生労働省告示第69号 別表第一 医科診療報酬点数表)の区分番号A218-2に基づく内容です。

| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 区分番号 | A218-2 |
| 名称 | 離島加算 |
| 点数 | 25点 |
| 算定単位 | 1日につき |
| 対象医療機関 | 病院(主)。有床診療所入院基本料A108・有床診療所療養病床入院基本料A109を算定する診療所も、告示上の要件を満たせば算定候補 |
| 施設基準の届出 | 不要 |
みらい(新人医療事務)
地域加算(A218)と似た仕組みなんですか?
あおい(元・医療事務)
枠組みはよく似ています。ただし地域加算は級地区分に応じて18点〜4点の5段階ですが、離島加算は一律25点の1区分だけという違いがあります。詳しくは後ほど比較します。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関と患者を具体的に教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示の注書きには、対象患者について次のように定められています。
あおい(元・医療事務)
「別に厚生労働大臣が定める地域に所在する保険医療機関に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を含む。)、第3節の特定入院料又は第4節の短期滞在手術等基本料のうち、離島加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
少し長いですが、要は「対象地域の病院」で「入院基本料などを現に算定している患者」が対象ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。次の2条件を両方満たす必要があります。
対象の確認ポイント(令和8年度)
- 対象医療機関: 主に病院。かつ厚生労働大臣が別に定める地域に所在すること
- ただし、有床診療所入院基本料(区分番号A108)・有床診療所療養病床入院基本料(区分番号A109)を算定している診療所についても、告示の注書き(A108注8・A109注8)に、算定要件を満たせば地域加算・離島加算を算定できる旨の規定があります。診療所を一律対象外と決めつけないでください
- 対象患者: 入院基本料(特別入院基本料等を含む)・特定入院料・短期滞在手術等基本料のうち、離島加算を算定できるものを現に算定している入院患者
- 算定単位: 1日につき(入院している日ごと)
- 届出: 離島加算自体の届出は不要
- 施設基準: 離島加算自体には施設基準の定めなし
みらい(新人医療事務)
え、診療所は一律対象外というわけではないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。令和8年厚生労働省告示第69号の区分番号A108(有床診療所入院基本料)注8、および区分番号A109(有床診療所療養病床入院基本料)注8には、それぞれ「当該診療所においては、第2節の各区分に掲げる入院基本料等加算のうち、次に掲げる加算について、同節に規定する算定要件を満たす場合に算定できる」とあり、その列挙の中に「地域加算」「離島加算」が明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、有床診療所でもA108やA109を算定していれば、離島加算も候補になり得るんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。離島加算は主に病院の入院基本料等加算として整理されていますが、有床診療所入院基本料(A108)・有床診療所療養病床入院基本料(A109)を算定する診療所は、告示上の算定要件を満たせば地域加算・離島加算の算定候補になり得ます。「診療所だから対象外」と一律に断定せず、自院が有床診療所であれば、自院の届出内容と告示原文(A108注8・A109注8)で確認してください。
みらい(新人医療事務)
対象地域って、具体的にどこを指すんですか?
あおい(元・医療事務)
「厚生労働大臣が別に定める地域」として告示・関連通知で個別に指定されています。具体的な地域名の一覧はこの記事では確認できていないため、自院の所在地が対象地域に該当するかどうかは、必ず告示の別表や地方厚生(支)局への確認をお願いします。ここで断定的に「対象です」と申し上げることはできません。
届出・施設基準
みらい(新人医療事務)
届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
離島加算は届出不要です。施設基準の設定もありません。対象地域に所在する病院、または対象地域で有床診療所入院基本料(A108)・有床診療所療養病床入院基本料(A109)を算定する診療所であれば、対象患者が入院基本料等を算定している日に、点数を加算する仕組みです。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないのはシンプルですね。でも「届出がないから何もしなくていい」わけではないですよね?
あおい(元・医療事務)
おっしゃるとおりです。届出が不要であっても、自院の所在地が対象地域に含まれているかどうかの確認は必須です。対象地域に該当しないのに誤って算定してしまうと、審査で指摘を受ける可能性があります。行政区画の変更などで対象地域の指定が変わることもあるため、定期的な確認をおすすめします。
届出不要でも算定候補と決めつけない
届出不要・施設基準なしという点だけを見て「うちも対象のはず」と思い込むのは避けてください。対象地域の指定に該当するかどうかは、告示・関連通知・地方厚生(支)局への確認で必ず裏取りしてください。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、離島加算は入院基本料・特定入院料・短期滞在手術等基本料を現に算定している日についてのみ加算対象になります。入院しているだけで、対象となる入院料等を算定していない日は対象になりません。
みらい(新人医療事務)
転院や転棟のときはどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
転院先の病院が対象地域に所在していて、対象となる入院料等を算定していれば、転院先でも算定候補になります。ただし、転院前後で病院の所在地が変われば、対象地域に該当するかどうかも変わる可能性があります。同一病院内での転棟であれば、入院基本料の種類が変わっても、対象となる入院料等を算定していれば引き続き算定候補です。
みらい(新人医療事務)
他の入院基本料等加算と一緒に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
離島加算は、地域加算などの他の入院基本料等加算と性質が異なる加算のため、原則として一緒に検討されることは少ないです。ただし、地域加算と離島加算のどちらが対象になるかは、自院の所在地の指定内容によって決まります。両方の対象地域に重複して指定されるケースがあるかどうかも含めて、公式資料での確認が必要です。この記事の範囲では、併算定の可否を断定できる根拠は確認できていません。
併算定・重複算定は自己判断しない
地域加算と離島加算のいずれに該当するか、あるいは重複の扱いがどうなるかは、告示・通知の該当箇所を必ず確認してください。不明な場合は地方厚生(支)局に確認するのが確実です。
地域加算との違い
みらい(新人医療事務)
地域加算(A218)とは、具体的にどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
どちらも「入院基本料等に上乗せする1日につきの加算」という枠組みは共通していますが、点数の構造が異なります。
| 項目 | 離島加算(A218-2) | 地域加算(A218) |
|---|---|---|
| 点数 | 一律25点 | 1〜5級地で18点〜4点の5段階 |
| 対象地域の考え方 | 厚生労働大臣が別に定める地域(離島等) | 人事院規則の地域手当指定地域+厚生労働大臣が定める地域 |
| 算定単位 | 1日につき | 1日につき |
| 届出 | 不要 | 不要 |
| 施設基準 | なし | なし |
みらい(新人医療事務)
点数の決め方は違っても、届出不要・施設基準なしというシンプルな枠組みは同じなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。地域加算については、地域加算 の記事で級地区分の確認方法を詳しく解説しています。自院がどちらの対象になり得るかを整理する際に、あわせて確認してみてください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、離島加算は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定において、離島加算(A218-2)の点数・算定要件・施設基準・届出要件について、この記事で確認できた公式資料の範囲では変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
変更なし確認の範囲(令和8年度)
- 算定方法(1日につき): 変更は確認されていません
- 点数(25点): 変更は確認されていません
- 算定対象(入院基本料等を現に算定している患者): 変更は確認されていません
- 届出要件(不要): 変更は確認されていません
- 施設基準(なし): 変更は確認されていません
- 根拠: 令和8年厚生労働省告示第69号(区分番号A218-2)および関連留意事項通知で確認
みらい(新人医療事務)
「確認されていません」という言い方、正直でいいですね。
あおい(元・医療事務)
断定はできないんです。この記事で参照できた公式資料の範囲での話なので、前回改定(令和6年度(2024年度)改定)からの詳細な経緯まですべて洗い出せているわけではありません。気になる場合は、告示原文や地方厚生(支)局に直接確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で離島加算を算定できるか確認するとき、どんな順番で進めればいいですか?
あおい(元・医療事務)
こんな流れで確認するとスムーズです。

自院で確認する順番
- 自院の類型を確認 — 「病院」か、または有床診療所入院基本料(A108)・有床診療所療養病床入院基本料(A109)を算定する診療所かを確認します。診療所だからといって一律対象外ではありません
- 自院の所在地が「厚生労働大臣が別に定める地域」に含まれるか確認 — 告示の別表・地方厚生(支)局への確認が確実です
- (有床診療所の場合)A108注8・A109注8の算定要件を確認 — 告示上、地域加算・離島加算を算定できる旨の規定を満たしているか確認します
- 対象患者の確認 — 入院基本料(特別入院基本料等を含む)・特定入院料・短期滞在手術等基本料のうち、離島加算を算定できるものを現に算定している入院患者かどうか
- 算定日の確認 — 対象となる入院料等を算定している日ごとに、1日につき25点を確認
- レセプトへの反映を確認 — 対象日の入院料に離島加算のコードが正しく設定されているか確認
よくある取り漏れ・注意点
みらい(新人医療事務)
離島加算で取り漏れが起きやすいポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
よく見られるパターンをいくつか挙げます。
よくある取り漏れ・注意点
- 「診療所だから対象外」という決めつけ — 有床診療所入院基本料(A108)・有床診療所療養病床入院基本料(A109)を算定する診療所は、告示上の算定要件(A108注8・A109注8)を満たせば算定候補になり得ます
- 「届出不要だから確認しなくていい」という思い込み — 対象地域に該当するかどうかの確認は必須です
- 院内のレセプトシステムへの未設定 — システムに離島加算のコードが正しく設定されていないと、自動では加算されません
- 対象となる入院料等の範囲の見落とし — 入院基本料だけでなく、特定入院料・短期滞在手術等基本料のうち対象となるものも算定候補になり得ます
- 地域加算との混同 — 名称や枠組みが似ているため、離島加算と地域加算のどちらの対象かを取り違えるケースがあります
- 所在地変更の未反映 — 病院の移転などがあった場合、対象地域の該当状況を確認し直す必要があります
みらい(新人医療事務)
地域加算と混同しやすいというのは、確かに紛らわしいですね。
あおい(元・医療事務)
名称が似ているだけに注意が必要です。どちらの区分に該当するかは、自院の所在地がどの告示区分に指定されているかで決まります。迷ったら両方の記事を見比べて、レセプト担当者どうしで確認し合うのがおすすめです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
離島加算はすべての入院患者に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
すべての入院患者というわけではありません。入院基本料(特別入院基本料等を含む)・特定入院料・短期滞在手術等基本料のうち、離島加算を算定できるものを現に算定している患者に限られます。入院しているだけでは条件を満たさず、対象となる入院料等を算定していることが前提です。
みらい(新人医療事務)
1日の起算はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
離島加算は「1日につき」の加算です。入院している日ごとに算定します。入院日・退院日の扱いは、算定対象となる入院基本料等のルールに準じて確認してください。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
離島加算の対象医療機関は主に病院です。ただし、有床診療所入院基本料(A108)・有床診療所療養病床入院基本料(A109)を算定している診療所については、告示の注書き(A108注8・A109注8)に、算定要件を満たす場合に地域加算・離島加算を算定できる旨の規定があります。診療所を一律対象外と断定せず、自院が有床診療所であれば、自院の届出内容と告示原文で確認してください。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度(2024年度)改定)では離島加算に何か変更がありましたか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度(2024年度)改定)の詳細な経緯まではこの記事の調査範囲では確認できていません。令和8年度(2026年度)時点の点数・要件は先ほど整理したとおりですが、経緯を知りたい場合は厚生労働省の改定資料を直接確認することをおすすめします。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
今回の内容の出どころも教えてください。
あおい(元・医療事務)
主な根拠は次のとおりです。医科診療報酬点数表の告示本文と、その留意事項通知が中心になります。
| 資料 | 発行 | 区分番号 |
|---|---|---|
| 令和8年厚生労働省告示第69号(医科診療報酬点数表) | 厚生労働省 | A218-2 |
| 離島加算に関する留意事項通知 | 厚生労働省 | A218-2 |
| 令和8年厚生労働省告示第69号(医科診療報酬点数表) | 厚生労働省 | A108注8(有床診療所入院基本料) |
| 令和8年厚生労働省告示第69号(医科診療報酬点数表) | 厚生労働省 | A109注8(有床診療所療養病床入院基本料) |
あおい(元・医療事務)
留意事項通知については、取得時点で直接のPDFリンクが確認できなかったため、この記事では告示本文のリンクのみを掲載しています。内容自体は告示の注書きと整合していることを確認したうえで引用しています。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。所在地や届出状況、算定している入院料などを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。