報告書管理体制加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「報告書管理体制加算」という名前を初めて見たんですが、これはどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)現在の医科診療報酬点数表で、区分番号A234-5として設けられている入院基本料等加算のひとつです。病院に入院している患者さんが画像診断または病理診断の診療料を算定した場合に、退院時1回に限り7点が加算されます。
みらい(新人医療事務)
「画像診断・病理診断」に関わる加算なんですね。どういう趣旨で作られたんですか?
あおい(元・医療事務)
画像診断報告書や病理診断報告書の確認漏れによって、診断や治療の開始が遅れてしまう事案が課題になったことを受けて設けられたものです。当サイトが収録している一次資料(留意事項通知)には「報告書管理体制加算は、医療機関全体の医療安全の一環として行われる、画像診断報告書・病理診断報告書(以下この項において「報告書」という。)の確認漏れによる診断又は治療開始の遅延を防止する取組を評価するものであり」と記載されています。
みらい(新人医療事務)
確認漏れを防ぐ体制ができているかどうかを評価する加算、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。院内の報告書確認体制を組織的に整えている病院を評価する仕組みになっています。
対象医療機関・対象患者を確認する
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象は病院です。診療所は対象外になります。当サイトが収録している告示の注には「組織的な医療安全対策の実施状況の確認につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者であって、当該入院中に第4部画像診断又は第13部病理診断に掲げる診療料を算定したもの」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
「第4部画像診断又は第13部病理診断に掲げる診療料を算定したもの」というのが対象患者の条件なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。加えて、告示の注は続けて「(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は第3節の特定入院料のうち、報告書管理体制加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)」とも定めています。つまり、特別入院基本料等を算定している患者や、報告書管理体制加算の対象にならない特定入院料を算定している患者は対象から外れる可能性があるということです。
みらい(新人医療事務)
「入院基本料の種類によっては対象外になりうる」ということですね。うちの病院がどの入院基本料を算定しているか、まず確認しないといけなさそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。自院がどの入院基本料・特定入院料を算定しているか、その区分が報告書管理体制加算の対象になるかを個別に確認する必要があります。ここは告示の原文と自院のレセプト算定状況を突き合わせて確認するのが確実です。
点数・算定単位の確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数についても改めて整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点の点数をまとめるとこの表のとおりです。
| 区分番号 | 加算名 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| A234-5 | 報告書管理体制加算 | 7点 | 退院時1回に限る |

みらい(新人医療事務)
「退院時1回に限る」というのは、入院期間中に画像診断や病理診断を何回算定していても、退院のタイミングで1回しか加算できないということですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注に「退院時1回に限り、所定点数に加算する」と明記されていますので、そのとおりの理解でよいと思います。入院中に画像診断・病理診断の診療料を複数回算定していても、この加算自体は退院時に1回だけの算定になります。
算定単位の注意
退院時1回に限る加算です。入院中の画像診断・病理診断の算定回数が加算の回数に連動するものではありません。レセプト作成時は「退院時1回」というルールを必ず確認してください。
施設基準: どんな体制が必要ですか?
みらい(新人医療事務)
算定するには届出が必要なんですよね?
あおい(元・医療事務)
必要です。告示の注にあるとおり、「組織的な医療安全対策の実施状況の確認につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが前提になります。届出のない病院は算定対象になりません。
みらい(新人医療事務)
「組織的な医療安全対策の実施状況の確認」というのは、具体的にはどんな体制を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)には、組織的な報告書管理の内容として次のように定められています。「組織的な報告書管理とは、画像診断部門、病理診断部門又は医療安全管理部門に所属する報告書確認管理者が、医療安全管理対策委員会と連携し、当該保険医療機関内の報告書の確認漏れによる診断及び治療開始の遅れを防止する取組に係る状況を把握するとともに、当該保険医療機関内に報告書確認対策チームを設置し、当該チームが、報告書管理のための支援や業務改善等を継続的に実施していることをいう。」
施設基準を満たすための確認ポイント(令和8年度・留意事項通知ベース)
① 報告書確認管理者の配置: 画像診断部門・病理診断部門・医療安全管理部門のいずれかに所属する担当者が配置されているか ② 医療安全管理対策委員会との連携: 報告書確認管理者が院内の医療安全管理対策委員会と連携し、確認漏れ防止の取組状況を把握しているか ③ 報告書確認対策チームの設置: 院内に専任のチームが設置され、報告書管理のための支援・業務改善を継続的に実施しているか
みらい(新人医療事務)
この3つが揃っていることを、届出の前提として確認する必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。届出済みであれば算定候補になりますが、実際にこの体制が継続的に機能しているかどうかは、院内で定期的に点検しておく必要があります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際の現場では、どんな取り漏れが起きやすいんですか?
あおい(元・医療事務)
いくつか典型的なパターンがあります。
よくある取り漏れ(令和8年度)
入院基本料の区分ずれ: 特別入院基本料等や、報告書管理体制加算の対象にならない特定入院料を算定している患者に誤って加算してしまうケース 退院時1回の重複算定: 同一入院で複数回算定してしまい、レセプト返戻の原因になるケース 画像診断・病理診断の算定有無の未確認: 入院中に第4部画像診断・第13部病理診断の診療料を算定していない患者に加算してしまうケース 体制の形骸化: 届出時には報告書確認対策チームが存在していても、その後の運用実態(継続的な業務改善の実施記録など)が伴っていないケース
みらい(新人医療事務)
届出したら終わり、ではなく、運用が続いているかどうかも大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。施設基準は届出時点だけでなく、継続的に満たしている必要があります。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算の算定候補になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点で確認する順番はこちらです。
自院で確認する順番
- 病院かどうかを確認 — 診療所は対象外です。まず自院が病院に該当するかを確認します
- 医療安全対策の施設基準の届出状況を確認 — 組織的な医療安全対策の実施状況に関する施設基準を地方厚生局長等に届け出ているかを確認します
- 入院基本料・特定入院料の区分を確認 — 現在算定している入院基本料(特別入院基本料等を除く)または特定入院料が、報告書管理体制加算を算定できる区分に該当するかを確認します
- 対象患者の算定実績を確認 — 入院中に第4部画像診断又は第13部病理診断の診療料を算定している患者がいるかを確認します
- 報告書確認管理者・報告書確認対策チームの設置状況を確認 — 留意事項通知が定める体制(報告書確認管理者・医療安全管理対策委員会との連携・報告書確認対策チーム)が実際に機能しているかを確認します
- 退院時の算定タイミングを確認 — 退院時1回のみの算定であることをレセプト担当者間で共有します

みらい(新人医療事務)
これだけ順番に確認すれば、算定候補かどうかの見通しが立てやすそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし、最終的な判断は自院の届出内容と実際の運用状況を照らし合わせて行う必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
報告書管理体制加算(A234-5)は、もともと令和4年度(2022年度)改定で新設された加算です。画像診断・病理診断報告書の確認漏れによる診断・治療開始の遅延防止の取組を評価するものとして設けられました。
みらい(新人医療事務)
令和6年度(2024年度)改定や、今回の令和8年度(2026年度)改定では変わっていないんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、令和8年度(2026年度)改定において、報告書管理体制加算の点数(7点)・算定単位(退院時1回)・算定要件に変更は確認されていません。ただし、これは当サイトが収集済みの一次資料の範囲での確認結果です。改定ごとの正式な変更点は、厚労省が公表する個別改定項目資料でも改めてご確認ください。
時系列で見る報告書管理体制加算
令和4年度(2022年度)改定: 新設。画像診断・病理診断報告書の確認漏れ防止の取組を評価する加算として創設 令和8年度(2026年度)改定: 当サイトが収集した一次資料の範囲では、点数・算定要件の変更は確認されていません
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な施設基準・届出手続きは必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf