B001 特定疾患治療管理料とは? 基本から確認しよう

みらい(新人医療事務)
あおいさん、「特定疾患治療管理料」って、名前からどんな加算か想像しにくくて。どういうものなんですか?
あおい(元・医療事務)
特定疾患治療管理料は、診療報酬点数表の区分番号 B001 にまとめられている医学管理料の「親区分」です(令和8年度)。ひとつの点数ではなくて、1番から36番(一部は枝番号あり)まで、たくさんの管理料が束になっている区分なんです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ「特定疾患治療管理料を算定する」というのは、この中のどれかを算定するってことですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。ウイルス疾患指導料・特定薬剤治療管理料・てんかん指導料・難病外来指導管理料・婦人科特定疾患治療管理料など、特定の疾患や病態に対応した管理料がずらっと並んでいます。「B001 第〇号を算定する」という形で使うものです。
みらい(新人医療事務)
へえ、いろんな種類があるんですね。どういう医療機関が算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
区分によって対象が変わりますが、共通して言えるのは「外来(入院中以外)の患者さんに対して、計画的な医学管理を継続して行う」という点です。内科・小児科・皮膚科・婦人科・神経科など、対応する診療科を標榜している保険医療機関が算定候補になります。ただし区分によって届出要件の有無がありますので、各区分の施設基準の確認が必要です。
特定疾患療養管理料との違い——混同しがちな点を整理する
みらい(新人医療事務)
ところで「特定疾患療養管理料」(B000)という名前もよく聞くんですが、「特定疾患治療管理料」(B001)とどう違うんですか?名前がすごく似ていて混乱します。
あおい(元・医療事務)
これは本当によく混同されるポイントですね。簡単に言うと、B000(特定疾患療養管理料)とB001(特定疾患治療管理料)は別物です。並べて整理しましょう。
| 項目 | B000 特定疾患療養管理料 | B001 特定疾患治療管理料 |
|---|---|---|
| 区分番号 | B000(独立した1区分) | B001(1〜36の子区分を持つ親区分) |
| 対象疾患 | 厚労大臣が定める生活習慣病等(高血圧・糖尿病・脂質異常症など) | 各子区分によって異なる |
| 算定回数 | 月2回まで | 各子区分によって異なる |
| 点数(令和8年度) | 診療所225点、許可病床100床未満の病院147点、100床以上200床未満87点 | 各子区分の点数による |
| 届出 | 要(施設基準を満たす保険医療機関として届け出) | 区分による(届出不要のものもあり) |
みらい(新人医療事務)
なるほど、名前は似ていても、構造がまったく違うんですね!
あおい(元・医療事務)
はい。さらに重要なのが、B001の複数の子区分の注に「区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料を算定している患者については算定しない」という規定があることです。たとえばウイルス疾患指導料(B001の1番)やてんかん指導料(B001の6番)は、B000算定患者と重複算定できません。この点は実務で間違えやすいので、確認が必要です。
名称の混同に注意
「特定疾患療養管理料(B000)」と「特定疾患治療管理料(B001)」は別区分です。令和8年度時点で点数・算定要件・対象疾患がそれぞれ異なります。両者の関係(B001の一部はB000と重複算定不可)をレセプト計上前に必ず確認してください。
主な子区分の点数と算定要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
B001の子区分って具体的にどんなものがあるんですか?主なものを教えてほしいです。
あおい(元・医療事務)
点数と算定単位をまとめますね。令和8年度の告示第69号(診療報酬の算定方法)をもとにしています。
| 区分 | 名称 | 基本点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| B001 1 イ | ウイルス疾患指導料1(肝炎ウイルス・ATLL) | 240点 | 患者1人につき1回 |
| B001 1 ロ | ウイルス疾患指導料2(後天性免疫不全症候群) | 330点 | 月1回 |
| B001 2 イ | 特定薬剤治療管理料1 | 470点 | 月1回(同月2回以上は1回) |
| B001 2 ロ | 特定薬剤治療管理料2 | 100点 | 月1回 |
| B001 3 | 悪性腫瘍特異物質治療管理料(ロ・2項目以上) | 400点 | 月1回 |
| B001 4 | 小児特定疾患カウンセリング料(初回・医師) | 800点 | 初回は1回 |
| B001 5 | 小児科療養指導料 | 270点 | 月1回 |
| B001 6 | てんかん指導料 | 250点 | 月1回 |
| B001 7 イ | 難病外来指導管理料1 | 270点 | 月1回 |
| B001 8 イ | 皮膚科特定疾患指導管理料(Ⅰ) | 250点 | 月1回 |
| B001 30 | 婦人科特定疾患治療管理料 | 250点 | 3月に1回 |
| B001 31 | 腎代替療法指導管理料 | 500点 | 患者1人につき2回 |
| B001 32 | 一般不妊治療管理料 | 250点 | 3月に1回 |
| B001 34 イ | 二次性骨折予防継続管理料1 | 1,000点 | 当該入院中1回 |
みらい(新人医療事務)
区分によって点数も算定回数も全然違うんですね。
あおい(元・医療事務)
上の表は各区分の基本点数です。加算や情報通信機器(オンライン)を用いた場合は別途点数が設定されていますので、医科診療行為マスターの最新値で確認してください。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。使う区分の要件を一つひとつ確認することが大切です。また告示で「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」と規定されている区分は、施設基準の充足と届出の確認が算定の前提になります。
区分選択のポイント(令和8年度)
- B001には1番から36番(枝番含む)まで多数の区分がある
- 各区分で対象疾患・対象患者・算定回数・届出要件がすべて異なる
- 算定候補の区分が複数ある場合は、重複算定不可の規定を確認する
- 「B000特定疾患療養管理料算定患者は算定しない」旨の規定がある区分に注意
婦人科特定疾患治療管理料(B001 30番)と特定疾患療養管理料(B000)の同時算定
みらい(新人医療事務)
婦人科の先生から「婦人科特定疾患治療管理料を取りたいんだけど、うちは特定疾患療養管理料も算定しているが、同時算定できる?」と聞かれました。どうでしょうか?
あおい(元・医療事務)
これはよくある質問ですね。まず婦人科特定疾患治療管理料(B001の30番)の算定要件を確認しましょう。令和8年度の告示第69号では次のように定められています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の器質性月経困難症の患者であって、ホルモン剤(器質性月経困難症に対して投与されたものに限る。)を投与している患者に対して、婦人科又は産婦人科を担当する医師が、患者の同意を得て、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、3月に1回に限り算定する」(令和8年厚生労働省告示第69号 B001第30号 注1)。
みらい(新人医療事務)
告示にはB000との重複についての記載はありますか?
あおい(元・医療事務)
B001の30番(婦人科特定疾患治療管理料)の条文には、B000算定患者を除くという規定は記載されていません。一方、てんかん指導料(6番)やウイルス疾患指導料(1番)などの区分には「区分番号B000に掲げる特定疾患療養管理料を算定している患者については算定しない」という規定がありますが、30番の婦人科特定疾患治療管理料の注文にはそのような記述は見当たりません。
みらい(新人医療事務)
ということは、同じ患者さんで両方算定できる可能性がある?
あおい(元・医療事務)
告示の条文上は別々の要件が定められており、同一患者でB000(特定疾患療養管理料)の対象疾患(高血圧など)を主病として療養管理を行い、かつ器質性月経困難症でホルモン剤を投与している場合に婦人科特定疾患治療管理料が算定候補になる、という解釈になり得ます。ただし実際の算定可否は、疑義解釈通知や審査支払機関の判断にも影響されます。この組み合わせについては、保険医療機関として審査支払機関や地方厚生局に確認することを強くおすすめします。
同時算定の可否は必ず確認を
婦人科特定疾患治療管理料(B001 30番)とB000特定疾患療養管理料の同時算定については、告示69号の条文に加え、疑義解釈通知や実際の審査運用を確認してください。他のB001区分(6番・7番・5番など)にはB000算定患者への算定を不可とする規定があります。区分ごとに規定が異なるため、個別に確認が必要です。
施設基準・届出が必要な区分

みらい(新人医療事務)
届出が必要な区分ってどれですか?全部必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
届出の要否は区分によって違います。届出が不要で施設基準の確認のみの区分もあれば、地方厚生局への届出が必要な区分もあります。たとえば婦人科特定疾患治療管理料(B001 30番)は、告示第69号に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」と規定されており、施設基準を満たしたうえで地方厚生局への届出が必要な区分です。同様に、腎代替療法指導管理料(B001 31番)や一般不妊治療管理料(B001 32番)なども届出が必要な区分として設定されています。届出が必要かどうかは告示の当該区分の条文で「届け出た保険医療機関において」という文言の有無で確認できます。
みらい(新人医療事務)
届け出ていないとそもそも算定できないってことですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。施設基準が定められている区分は、届出の有効性が算定の前提になります。届出状況は地方厚生局のウェブサイトや自院の届出台帳で確認できます。
自院で確認する順番
- 算定を検討する区分番号を特定する(B001の何番かを確定)
- 当該区分に施設基準・届出要件があるか告示・通知で確認する
- 届出が必要な場合は自院の届出状況を確認する
- 対象患者・対象疾患の要件に当てはまるか確認する
- 算定回数の制限(月1回・3月1回・患者1人につき1回 等)を確認する
- B000特定疾患療養管理料との重複算定不可の規定がないか確認する
- 疑義解釈通知・審査支払機関の取扱いも参照する
- 上記を踏まえて算定候補かどうか判断する
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定でB001に何か変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)診療報酬改定の告示第69号に基づいてB001全体を確認しました。現時点で確認できる一次情報(厚労省告示69号・令和8年度版)の範囲では、B001の主要な子区分(ウイルス疾患指導料・てんかん指導料・難病外来指導管理料・婦人科特定疾患治療管理料等)について、前回改定(令和6年度)からの大きな点数変更や算定要件の根本的な変更は確認されていません(2026年6月確認・厚労省告示第69号一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
ということは今の算定方法で引き続き対応できる?
あおい(元・医療事務)
一次情報で確認できた範囲ではそのように見受けられますが、留意事項通知や疑義解釈で細かい取扱いが変わっている可能性もあります。自院で算定している区分については、令和8年度対応の保医発通知・留意事項通知も合わせて確認することをおすすめします。
改定確認のポイント
- 改定ごとに告示・留意事項通知・疑義解釈の3種を合わせて確認する
- 点数が変わらない場合でも算定要件や施設基準が変わることがある
- 支払基金・国保連の審査情報も適宜チェックする
よくある取り漏れ・注意点
みらい(新人医療事務)
B001で取り漏れが起きやすいポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。よく見られるパターンをまとめますね。
取り漏れ・誤算定につながりやすいポイント(令和8年度)
- 区分を正確に特定していない: B001は区分番号が細かい。「特定疾患治療管理料」とだけ記録しておくと、どの区分で算定したか後から確認できない。区分番号(B001の〇番)を診療録に残す
- 算定回数の制限を見落とす: 月1回の区分なのに同月に2回算定するケース、または3月に1回の区分(婦人科特定疾患治療管理料、一般不妊治療管理料など)を毎月算定しようとするケース
- 初診月の除外を見落とす: 多くの区分で「初診料を算定する初診の日に行った管理または当該初診の日から1月以内に行った管理の費用は初診料に含まれる」という規定がある。初診月のレセプトで誤って計上しないよう確認が必要
- B000算定患者への二重算定: てんかん指導料などはB000算定患者に算定不可。カルテの主病記録とB000算定状況を照合する
- 届出要件の未確認: 届出が必要な区分で届出なしに算定するケース
- 情報通信機器(オンライン)使用時の点数切替: オンライン診療で行った場合は所定点数とは別の点数が設定されている区分が多い(例: てんかん指導料のオンラインは218点)
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「うちは内科と婦人科を標榜しているが、内科の患者(高血圧)に特定疾患療養管理料(B000)を取りながら、婦人科受診分で婦人科特定疾患治療管理料(B001 30番)も取れる?」という先生の質問にはどう答えますか?
あおい(元・医療事務)
前のセクションでも触れましたが、同一患者・同一医療機関においてB000とB001の30番を同月に算定するケースは実際に想定されます。B001 30番の注文にはB000算定患者を除く旨の規定がないことは告示から確認できますが、「同時算定が可能か」については疑義解釈の確認が必要です。まず地方厚生局または審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんにはB001は算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
B001の多くの区分は「入院中の患者以外」を対象としています。入院中の患者への算定は原則として各区分の条文で除外されています。退院後の外来受診で算定候補になりますが、退院日から1月以内は入院基本料に含まれるとされている区分もあります。各区分の条文を個別に確認してください。
みらい(新人医療事務)
B001の届出はどこにすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
届出が必要な施設基準は、管轄の地方厚生局(北海道厚生局・東北厚生局等)に届け出ます。届出様式は厚生労働省のウェブサイトまたは地方厚生局で確認できます。届出状況は地方厚生局のウェブサイトで公開されているものもあります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちの診療科で算定候補になる区分があるか、もっと詳しく確認する方法はありますか?
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。診療科・診療内容・届出状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。B001は区分が多いので、どの区分が自院に関係するかを整理するのに役立つと思います。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。