みらい(新人医療事務)
ニコチン依存症管理料って、外来で禁煙治療をしていれば算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
ニコチン依存症管理料(区分B001-3-2)は、地方厚生局長等への届出と施設基準の充足が前提です。届出済みの医療機関であれば算定候補になりますが、患者さんの要件もいくつかあって、全部揃って初めて算定候補になれるという管理料なんですよ。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、まず何を確認すればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
大きく4つです。「①届出をしているか」「②施設基準を満たしているか」「③患者さんが対象要件に該当するか」「④管理料1と管理料2のどちらを使うか」、この順番で確認していくと整理しやすいですよ。

ニコチン依存症管理料とはどんな管理料か
みらい(新人医療事務)
そもそも、どういう目的の管理料なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
禁煙を希望している患者さんに対して、「禁煙治療のための標準手順書」(日本循環器学会・日本肺癌学会・日本癌学会・日本呼吸器学会の承認を得たもの)に沿った総合的な禁煙治療・指導管理を評価する管理料です(令和8年度)。治療内容の説明と患者さんの文書による同意、そして禁煙治療の内容を文書で情報提供することが求められます。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんは対象外ですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。留意事項((1))に「入院中の患者以外の患者に対し」と明記されていますので、外来・在宅の患者さんが対象です。加熱式たばこを喫煙している患者さんも標準手順書に沿って禁煙治療を行う点は変わりありません。
対象患者の要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが算定対象になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
留意事項の(2)に、次の全てに該当する患者さんと規定されています。
算定対象となる患者の要件(留意事項(2))
- ア: TDS(スクリーニングテスト)でニコチン依存症と診断されていること: 「禁煙治療のための標準手順書」に記載されているTDSで診断されている必要があります
- イ: 35歳以上の方は「1日喫煙本数 × 喫煙年数 ≧ 200」であること: 35歳未満の方はこの基準の適用外です
- ウ: 直ちに禁煙することを希望し、文書で同意していること: 説明を受け、禁煙治療を受けることに文書で同意している患者さん
みらい(新人医療事務)
35歳未満の方は要件イが不要なんですね。意外でした。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。算定要件は患者さんの年齢によって変わります。また、医師がニコチン依存症の管理が必要と認めていることも前提ですね。
点数・算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年度医科点数表)によると、2種類の区分があります。
| 区分 | 算定内容 | 点数 |
|---|---|---|
| 管理料1 イ | 初回(対面) | 230点 |
| 管理料1 ロ(1) | 2〜4回目・対面 | 184点 |
| 管理料1 ロ(2) | 2〜4回目・情報通信機器を用いた場合 | 155点 |
| 管理料1 ハ | 5回目(対面) | 180点 |
| 管理料2 | 一連につき(初回1回のみ) | 800点 |
みらい(新人医療事務)
管理料1と管理料2は、どちらを使うか選べるんですか?
あおい(元・医療事務)
患者さんごとに選べます。令和2年度の疑義解釈(問78)で「患者ごとに『1』を算定する患者と『2』を算定する患者に分けることは可能」と確認されています。ただし管理料1は初回から5回目まで(12週間かけて)、管理料2は初回1回のみという違いがあります。
みらい(新人医療事務)
基準を満たさない場合の100分の70というのはどういうことですか?
あおい(元・医療事務)
注1の但し書きで「別に厚生労働大臣が定める基準を満たさない場合には、それぞれの所定点数の100分の70に相当する点数で算定する」と規定されています。留意事項の(14)でも「対象患者について、注1に規定する基準を満たさない場合には所定点数の100分の70」とされています。この「基準」が何を指すかは施設基準告示で確認が必要です。
施設基準・届出(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
届出は必要なんですよね?どんな体制を作らないといけませんか?
あおい(元・医療事務)
届出が必要な施設基準があります。届出様式(令和8年度施設基準届出取扱い通知)に「ニコチン依存症管理料」として「禁煙治療に係る専任の看護職員」の配置が求められています。
施設基準(届出要件)の確認ポイント
- 禁煙治療に係る専任の看護職員の配置: 届出様式チャンク(source_id=14077)で確認
- 地方厚生局長等への届出: 注1に「届け出た保険医療機関において」と規定
- 院内掲示: 届出に際して施設基準の院内掲示が必要かどうかは、届出様式・施設基準通知で個別に確認が必要
みらい(新人医療事務)
院内掲示って、どこかに掲示しないといけないものですか?
あおい(元・医療事務)
院内掲示の要件は届出手続きの通知で定められています。ニコチン依存症管理料固有の院内掲示の具体的な内容は、特掲診療料の施設基準等の届出手続きに関する通知や届出様式を直接確認するのが確実です。届出が適正になされているかどうかは、地方厚生局の確認事項になります。
算定タイミング・回数制限
みらい(新人医療事務)
管理料1は5回というのは、どのくらいの期間ですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項の(1)に「初回の当該管理料を算定した日から起算して12週間にわたり計5回の禁煙治療を行った場合に算定する」とあります。重要なポイントとして、「再算定は初回算定日から1年を超えた日から」という制限があります(留意事項(3))。
算定上の回数・期間制限(要確認)
- 管理料1: 12週間かけて計5回(初回・2〜4回目・5回目)
- 管理料2: 一連につき初回1回のみ
- 再算定: 初回算定日より起算して1年を超えた日から。1年以内の再算定は不可
- 情報通信機器(管理料1のロ(2))を使う場合: 初回に診察を行う医師と同一の医師に限る(留意事項(5))
みらい(新人医療事務)
2〜4回目を情報通信機器(オンライン)でやる場合は、最初に診た先生と同じ先生でないといけないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。また、情報通信機器を用いた診察は「当該保険医療機関内において行う」(留意事項(7))という要件もあります。オンライン指針への準拠も求められます(留意事項(6))。
情報通信機器(オンライン診療)を使う場合の注意点
みらい(新人医療事務)
管理料1のロ(2)(155点)を算定するときは、他の管理料との関係も確認が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
重要な点があります。告示の注3に「1のロの(2)を算定する場合は、区分番号A001(再診料)、区分番号A002(外来診療料)、区分番号C000(往診料)、区分番号C001(在宅患者訪問診療料(Ⅰ))又は区分番号C001-2(在宅患者訪問診療料(Ⅱ))は別に算定できない」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
情報通信機器の155点を使う日は、再診料も外来診療料も算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注3の規定のとおりです。情報通信機器(オンライン)による管理料1のロ(2)の日は、再診料や外来診療料との同日算定ができません。レセプトコメントや算定の設計を確認する必要があります。
算定上の注意・特に「生活習慣病管理料との同時算定」
みらい(新人医療事務)
「生活習慣病管理料 ニコチン依存症管理料 同時 算定」って検索している方も多いようです。合わせて取れるんですか?
あおい(元・医療事務)
ここは注意が必要です。生活習慣病管理料(I)(B001-3)と生活習慣病管理料(II)(B001-3-3)では扱いが異なります。
生活習慣病管理料との算定関係(令和8年度)
生活習慣病管理料(Ⅰ)(B001-3): 告示の第2項(B001-3 第2項)に「生活習慣病管理を受けている患者に対して行った…第2章第1部医学管理等(…を除く。)…の費用は、生活習慣病管理料(Ⅰ)に含まれるものとする」との規定があります。ニコチン依存症管理料は「第2章第1部医学管理等」に該当するため、同一月の同時請求の可否は公式資料・審査支払機関でご確認ください(出典: 告示チャンク source_id=7501/7502)。
生活習慣病管理料(Ⅱ)(B001-3-3): 留意事項(3)に「当該患者の診療に際して行った…ニコチン依存症管理料…は別に算定できない」と明記されています(source_id=5051)。同日の算定は不可です。
みらい(新人医療事務)
生活習慣病管理料(II)を算定している患者さんに禁煙治療をしても、ニコチン依存症管理料は取れないということですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項の規定では「同一患者への当該診療に際しては別に算定できない」とされています。ただし、「何をもって同一の管理とするか」「疾患が別であれば例外があるか」といった個別判断は、公式資料や審査支払機関への確認が必要です。現場での判断は慎重に行ってください。
呼気ガス分析の費用の扱い
みらい(新人医療事務)
禁煙治療では呼気のCO濃度を測定することがありますが、点数はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注2に「区分番号D200(スパイログラフィー等検査)の4の呼気ガス分析の費用は、所定点数に含まれるものとする」とあります。ニコチン依存症管理料を算定した場合、呼気ガス分析は別途算定できませんので注意が必要です。
薬剤処方・処方料の扱い
みらい(新人医療事務)
禁煙補助薬を処方する場合の処方料・処方箋料はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
情報通信機器を用いた診察(管理料1のロ(2))の際に、投薬の必要性を認めた場合は「F100(処方料)または F400(処方箋料)を別に算定できる」と留意事項(8)に明記されています。対面の診察時も処方料・処方箋料は別途算定の対象になります。
ニコチン依存症治療補助アプリ(プログラム医療機器等指導管理料)との関係
みらい(新人医療事務)
ニコチン依存症の治療アプリって保険適用されているんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点では、B005-14(プログラム医療機器等指導管理料)として、ニコチン依存症治療補助アプリを用いる場合に「B001-3-2(ニコチン依存症管理料)の1のイ(初回230点)または2(800点)を算定し、かつ特定保険医療材料226のニコチン依存症治療補助アプリを算定する場合」に適用できると留意事項に記載されています(source_id=5117)。アプリを活用したケースでは、ニコチン依存症管理料との組み合わせで確認が必要です。
レセプトコメントの確認
みらい(新人医療事務)
レセプトコメントについても確認が必要だと聞いたのですが。
あおい(元・医療事務)
ニコチン依存症管理料には電算処理システムでのコード記載が求められる場合があります。具体的なコード要件(初回算定年月日等のコメント内容)は、各審査支払機関のガイドや電算処理コード一覧(レセプト電算処理情報)でご確認ください。薬局側のニコチン依存症管理料(保険調剤でのニコチンパッチ等)は別の制度となり、医科での管理料とは区別して理解する必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、ニコチン依存症管理料は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
カグヤ(DB)に格納されている令和8年度の告示・留意事項チャンクの範囲では、令和6年度(2024年度)改定前後で点数・管理料区分(管理料1の5区分・管理料2の800点)・対象患者要件・施設基準の主な枠組みに大きな変更は確認されていません(厚労省一次情報チャンクベース・2026年6月確認)。
令和8年度と令和6年度の比較(一次情報ベース・確認範囲)
- 点数: 管理料1(初回230点/2〜4回目対面184点・情報通信機器155点/5回目180点)、管理料2(800点)については、令和8年度の告示に基づいています
- 対象患者要件: TDS・35歳以上200本年基準・禁煙希望・文書同意は継続
- 施設基準: 「禁煙治療に係る専任の看護職員」の配置が届出要件として継続
- ただし: 点数表以外(施設基準通知・届出様式の細則・院内掲示の要件等)の変更有無は、厚労省が公表する「個別改定項目について」等の一次資料で別途確認をお勧めします
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と断言するのも難しいんですね。
あおい(元・医療事務)
私たちが確認できるのはカグヤに格納されている一次情報の範囲内です。改定の詳細は、厚労省の令和8年度診療報酬改定の「個別改定項目について」や保医発通知で最終確認をお願いします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
まとめると、どこから確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
この手順で進めると整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 届出状況の確認: 地方厚生局への届出が完了しているか確認(届出がなければ算定候補になりません)
- 専任看護職員の確認: 禁煙治療に係る専任の看護職員が配置されているか確認
- 対象患者の確認: TDS検査でのニコチン依存症診断・35歳以上の200本年基準・禁煙希望・文書同意がそろっているか
- 管理料1か2かの選択: 患者さんに応じて選択し、情報通信機器を使う場合は追加要件(同一医師・機関内実施)の確認
- 併算定の確認: 生活習慣病管理料(I)・(II)との関係、再診料との同日算定制限(管理料1のロ(2)の場合)を確認
- レセプトコメントの確認: 初回算定年月日等のコメント要件を確認

よくある取り漏れポイント
よくある取り漏れ(令和8年度)
- 管理料2を算定する患者の診療計画書: 管理料2の場合は「患者の同意を文書により得た上で初回指導時に診療計画書を作成し、交付し、その写しを診療録に添付する」(留意事項(11))が必要。この書類を作成・保存していない場合は要注意
- 1年以内の再算定: ニコチン依存症管理料を一度算定してから1年以内は再算定不可(留意事項(3))。前回算定の確認が必要
- 呼気ガス分析の別算定: 所定点数に含まれるため、別途D200の4(呼気ガス分析)を算定するとレセプト審査でひっかかる可能性があります
- 情報通信機器の日の再診料・外来診療料: 管理料1のロ(2)(155点)を算定する日は再診料・外来診療料を別算定できません(注3)
- 生活習慣病管理料(II)算定患者のニコチン依存症管理料: 同日の算定不可(留意事項(3)参照・source_id=5051)
よくある質問
みらい(新人医療事務)
薬剤を変更しながら禁煙治療を続ける場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
平成24年度の疑義解釈(問5)で「12週にわたる一連の禁煙治療の過程の中で薬剤の変更を行った場合であっても、引き続き禁煙に関する総合的な指導及び治療管理を行っていれば継続して算定できる。ただし新たな起算日としては算定できない」とされています(source_id=18043)。
みらい(新人医療事務)
患者さんが2回目以降の予定日に来なかった場合はどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
管理料2の場合、留意事項(12)に「受診しなかった場合は電話等によって受診を指示すること。受診を中断する場合には理由を聴取し診療録等に記載すること」とあります(source_id=5048)。令和2年度の疑義解釈(問79・問80)でも「患者と連絡が取れなかった場合はその旨を診療録等に記載すること」とされています(source_id=20379/20380)。
みらい(新人医療事務)
管理料1と管理料2を同一医療機関で患者によって使い分けることはできますか?
あおい(元・医療事務)
令和2年度の疑義解釈(問78)で「患者ごとに1を算定する患者と2を算定する患者とに分けることは可能である」と確認されています(source_id=20378)。患者さんの状況や希望に応じて選択できます。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない医療機関でも、禁煙指導の点数は取れますか?
あおい(元・医療事務)
ニコチン依存症管理料については、届出が前提です(注1)。届出なしで算定することは要件を満たしません。届出なしで禁煙に関する指導・管理を行った場合、別の管理料(特定疾患療養管理料等、対象患者・要件が異なります)が適用できるかどうかは個別の確認が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
届出状況や体制を自院で整理するのが難しい場合はどうすればいいですか?
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。もちろん最終的な判断は公式資料や審査支払機関へのご確認が必要ですが、まず整理するための入口として活用してください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。