乳幼児育児栄養指導料とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「乳幼児育児栄養指導料」ってレセプトでたまに見るんですけど、どんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)現在の診療報酬では、区分B001-2-3として設定されている指導料です。小児科を標榜する保険医療機関で、小児科を担当する医師が、3歳未満の乳幼児に対する初診の際に、育児や栄養など療養上必要な指導を行った場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
「初診の際に」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。告示の注1には「小児科を標榜する保険医療機関において、小児科を担当する医師が、3歳未満の乳幼児に対する初診時に、育児、栄養その他療養上必要な指導を行った場合に算定する」と明記されています。初診時に限られる点は必ず押さえておきたいところです。
みらい(新人医療事務)
再診のときには算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、告示の文言どおり初診時のみが対象です。再診時の育児・栄養指導は、この加算の対象にはなりません。
対象医療機関・対象患者を確認したい
みらい(新人医療事務)
うちの診療所でも対象になるか気になります。対象医療機関の条件を教えてください。
あおい(元・医療事務)
対象は「小児科を標榜する保険医療機関」です。診療所・病院のどちらでも、小児科を標榜していれば対象医療機関になり得ます。届出は、通常の対面診療であれば不要です。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないんですか! それは意外です。
あおい(元・医療事務)
はい、対面での指導であれば施設基準の届出は不要です。ただし後ほど説明する「情報通信機器を用いた場合」だけは別に届出が必要になりますので、そこは区別して確認してください。
みらい(新人医療事務)
対象患者のほうはどうですか?
あおい(元・医療事務)
対象患者は「3歳未満の乳幼児」に限られます。留意事項通知では「初診料を算定する初診を行った場合」が前提とされていますので、単に年齢が3歳未満というだけでなく、初診料算定を伴う初診であることも条件になります。
対象患者・場面の確認ポイント
- 3歳未満の乳幼児であること(3歳の誕生日以後の受診は対象外)
- 「A000」初診料を算定する初診であること(初診料の注5ただし書に規定する初診を除く)
- 初診時に育児・栄養その他療養上必要な指導を行っていること
点数区分を確認したい(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的に何点になるのか、区分ごとに知りたいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度時点の点数区分は次の表のとおりです。対面での指導と、情報通信機器を用いた場合とで点数が分かれています。
| 算定場面 | 点数 | 届出の要否 |
|---|---|---|
| 対面での指導(通常の初診時) | 130点 | 不要 |
| 情報通信機器を用いた場合(オンライン指針に沿った診療) | 113点 | 必要(施設基準の届出) |

みらい(新人医療事務)
オンラインで指導した場合のほうが点数が低いんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の注2に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、乳幼児育児栄養指導料を算定すべき医学管理を情報通信機器を用いて行った場合は、所定点数に代えて、113点を算定する」と規定されています。オンラインで行う場合は、対面の130点ではなく113点になり、かつ事前の届出が前提になります。
みらい(新人医療事務)
「オンライン指針」というのは何を指しているんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には「『注2』に規定する情報通信機器を用いた医学管理については、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定する」とあります。オンライン診療の実施指針に沿った運用であることが条件になっている、と理解しておくとよいと思います。
施設基準・届出はどう確認すればいいですか
みらい(新人医療事務)
さっき「対面なら届出不要」と伺いましたが、あらためて整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。対面での乳幼児育児栄養指導料そのものには、施設基準・届出の要件はありません。小児科を標榜する保険医療機関であれば、届出なしで算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
情報通信機器を用いる場合だけ別ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。情報通信機器を用いた医学管理(113点の区分)を算定するには、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが前提です。オンラインでの乳幼児育児栄養指導を行いたい場合は、事前に施設基準の届出が受理されているかを必ず確認してください。
施設基準・届出の切り分け(令和8年度)
対面での指導(130点): 施設基準・届出は不要(小児科標榜のみが条件)
情報通信機器を用いた場合(113点): 別に定める施設基準に適合し、地方厚生局長等への届出が必要
みらい(新人医療事務)
届出の具体的な様式は、どこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の届出様式や具体的な要件の詳細は、厚生労働省・地方厚生局が公表している基本診療料の施設基準等に関する通知・様式集で確認できます。当サイトが収録している一次資料の範囲では点数と届出の要否までを整理していますので、様式の細部は必ず一次資料でご確認ください。
算定できないケース・注意点を教えてください
みらい(新人医療事務)
算定候補にならないケースも知っておきたいです。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、いくつか明確な除外規定があります。まず「初診料を算定する初診を行った後、即入院となった場合には算定できない」とされています。初診の日にそのまま入院になった場合は対象外です。
みらい(新人医療事務)
入院になってしまったら算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。もう一つ、留意事項通知の本文には「小児科を標榜する保険医療機関において、小児科を担当する医師が3歳未満の乳幼児に対して『A000』初診料(『注5』のただし書に規定する初診を除く。)を算定する初診を行った場合に…算定する」とあります。初診料の注5ただし書に該当する初診は、この加算の対象から除かれます。
みらい(新人医療事務)
診療録への記載も必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
必要です。留意事項通知に「この場合、指導の要点を診療録に記載すること」と明記されています。育児・栄養指導の要点を診療録にきちんと残しておくことが前提になります。
算定候補にならない代表的なケース
- 初診料を算定する初診を行った後、即入院となった場合
- 初診料の注5ただし書に規定する初診に該当する場合
- 育児・栄養その他療養上必要な指導の要点が診療録に記載されていない場合
- 3歳の誕生日以後の受診である場合
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している令和8年度の一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、乳幼児育児栄養指導料そのものの点数・算定要件について、前回改定からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。3歳未満の乳幼児・初診時という基本的な算定条件は、少なくとも平成18年度の疑義解釈時点から一貫しており、今回の改定でも同様の枠組みが維持されています。
みらい(新人医療事務)
情報通信機器を用いた場合の113点という区分は前からあったんですか?
あおい(元・医療事務)
その点については、当サイトが収集している令和8年度の一次資料には情報通信機器を用いた場合の区分(注2・113点)が明記されていますが、この区分がいつの改定で新設されたかまでは、当サイトの一次資料の範囲では確認できていません。前回改定時点との比較が必要な場合は、令和6年度の告示・留意事項通知を個別にご確認ください。
令和8年度時点で確認できている内容
- 対面: 130点(届出不要)
- 情報通信機器を用いた場合: 113点(施設基準の届出が必要)
- 対象: 3歳未満の乳幼児・小児科標榜医療機関での初診時
自院で確認する順番を教えてください
みらい(新人医療事務)
うちの診療所で算定候補になるか、順番に確認する方法を教えてください。
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 小児科を標榜しているか確認 — 保険医療機関として小児科を標榜しているかをまず確認します
- 対象患者・場面か確認 — 3歳未満の乳幼児に対する、初診料を算定する初診であるかを確認します(即入院となった場合は対象外)
- 対面かオンラインかを確認 — 対面であれば届出不要(130点)、情報通信機器を用いる場合は施設基準の届出状況を確認します(113点)
- 診療録への記載を確認 — 育児・栄養その他療養上必要な指導の要点を診療録に記載しているかを確認します
- レセプト記載を確認 — 情報通信機器を用いた場合は、専用の識別情報を含めレセプト記載ルールを確認します

みらい(新人医療事務)
これなら自院でもチェックしやすそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に情報通信機器を用いる場合は届出の有無で算定できる点数がまったく変わりますので、そこだけは必ず個別に確認してください。
よくある取り漏れ・注意したいポイント
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントがあれば教えてください。
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ(令和8年度)
再診時との混同: 育児・栄養指導を再診時に行った場合、この加算の対象にはなりません。初診時に限られる点を見落とさないようにしてください。
即入院時の算定漏れ確認: 初診料を算定する初診を行った後、即入院となった場合は算定できません。入院診療計画側の記録と突き合わせて確認してください。
情報通信機器を用いる場合の届出漏れ: 届出をしないままオンラインで指導を行い、113点を算定してしまうケースには注意が必要です。事前の届出状況を必ず確認してください。
診療録記載の不備: 指導の要点が診療録に記載されていないと、算定根拠が確認できなくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後によくある疑問点も聞いておきたいです。3歳の誕生日を迎える月はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈資料(平成18年度)で示された考え方では、「3歳未満の乳幼児が要件であり、3歳の誕生日以後の受診については、算定できない」とされています。誕生日を含む月であっても、誕生日前の受診であれば対象になり得ますが、誕生日以降は対象外という整理です。この考え方は、3歳未満という現行の告示の要件とも整合していますが、最終的な取り扱いは自院の状況に応じて確認してください。
みらい(新人医療事務)
初診料を算定しない初診でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈資料(平成18年度)では、「乳幼児育児栄養指導料が算定できるのは初診料を算定する場合のみである」とされています。初診料を算定しない初診の場合は、算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
うちは小さな診療所だから関係ない、と院長が言っているのですが?
あおい(元・医療事務)
規模ではなく、小児科を標榜しているかどうかが対象医療機関の条件です。小児科を標榜する診療所であれば、規模に関わらず対象医療機関になり得ます。ただし「算定できます」と断言することは私にはできませんので、実際の初診の状況と診療録の記載を確認したうえで判断してください。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な要件は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度ほか)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示、区分B001-2-3) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日付通知、区分B001-2-3)※厚生労働省ウェブサイトでご確認ください
- 疑義解釈資料の送付について(その3・その5)(平成18年度・小児科を担当する医師の初診時算定に関するQ&A) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。特に情報通信機器を用いた場合の届出状況は、必ず自院で確認してください。