みらい(新人医療事務)
先輩、「退院時共同指導料2」ってB005ですよね。うちの病院、入院患者さんの退院支援はよくやってるんですが、これって算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。退院時共同指導料2は、入院中の患者さんが在宅療養に移る際に、入院先の医療機関と在宅側の医療機関が共同で退院後の療養について説明・指導した場合に算定する医学管理の加算です。令和8年度の点数表では区分番号B005として整理されています。まずは対象と点数の全体像から見ていきましょう。
みらい(新人医療事務)
お願いします。
退院時共同指導料2ってどんな加算?
みらい(新人医療事務)
そもそも、どういう場面で算定するものなんですか?
あおい(元・医療事務)
入院中の患者さんに対して、退院後の在宅での療養上必要な説明・指導を、入院先の保険医療機関側と、在宅療養を担当する医療機関側(訪問診療のクリニックなど)が共同で行い、その内容を文書で情報提供した場合に算定します。厚生労働省の留意事項通知には、退院後在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護老人福祉施設に入院若しくは入所する患者又は死亡退院した患者については、対象とはならないと明記されています。つまり「退院して在宅に戻る患者さん」が前提です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、施設に移る場合や、亡くなられた場合は対象外なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし注4(後で説明します)には例外があって、入退院支援加算を算定している患者さんについて、退院支援計画を策定し在宅療養担当医療機関と共有した場合に限り算定できるケースがあります。ここは自院のケースに当てはめて確認が必要な部分ですね。
対象になる医療機関・患者は?
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関に条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
入院中の保険医療機関側と、在宅療養担当医療機関側の双方が関わります。入院側は、保険医のほか、看護師等・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士が指導にあたれます。在宅側も同様に、保険医やその指示を受けた看護師等・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、または訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が関われます。多職種で対応できる設計になっているのが特徴です。
みらい(新人医療事務)
意外と幅広い職種が関われるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。患者さん本人だけでなく、退院後に患者さんの看護を担当するご家族等への指導でも算定できるとされています。厚生労働省の留意事項通知に「退院時共同指導料は、患者の家族等退院後に患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる」と書かれていますので、家族への説明が中心になったケースでも対象になり得ます。
点数の整理(基本・注2・注3)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
まず基本部分が400点です。厚生労働省の告示(区分番号B005)には「退院時共同指導料2 400点」と明記されています。これに加えて、条件を満たすと2種類の加算が上乗せされる仕組みです。

| 区分 | 点数 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 基本点数(B005) | 400点 | 入院中の医療機関と在宅療養担当医療機関が共同で説明・指導し、文書で情報提供 |
| 注2 保険医共同指導加算 | +300点 | 入院側の保険医と在宅側の保険医が「医師同士」で共同して指導した場合 |
| 注3 多機関共同指導加算 | +2,000点 | 入院側の保険医又は看護師等と、在宅側の多職種(3者以上)が共同して指導した場合 |
みらい(新人医療事務)
400点が基本で、そこに注2か注3のどちらかが乗るイメージですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そのイメージです。告示の注2には「注1の場合において、入院中の保険医療機関の保険医及び在宅療養担当医療機関の保険医が共同して指導を行った場合に、300点を所定点数に加算する。ただし、注3に規定する加算を算定する場合は、算定できない」とあります。つまり注2と注3は同時には算定できず、どちらか一方を選ぶ関係になっています。
注2と注3は併算定できない
注2(保険医共同指導加算・300点)と注3(多機関共同指導加算・2,000点)は同時に算定できません。医師同士だけの共同指導なら注2、在宅側の多職種3者以上が関わる共同指導なら注3の候補、というように、当日どちらの体制で指導したかを確認してください。
みらい(新人医療事務)
注3の「多機関共同指導加算」って、具体的にはどんな職種が対象なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注3には、在宅療養担当医療機関の保険医若しくは看護師等、保険医である歯科医師若しくはその指示を受けた歯科衛生士、保険薬局の保険薬剤師、訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)、理学療法士、作業療法士若しくは言語聴覚士、介護支援専門員又は相談支援専門員のうち、いずれか3者以上と共同して指導を行った場合に、多機関共同指導加算として2,000点を所定点数に加算すると定められています。医療・介護・福祉の多職種がチームで関わるケースを想定した加算候補です。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、退院時共同指導料2自体に固有の施設基準の届出は確認されていません。退院時共同指導料2そのものを算定するための独自の届出は、当サイトで確認できた資料の中には見当たりませんでした。
届出の有無は必ず自院で最終確認を
「届出不要」に見える整理でも、地域の厚生局への確認や、自院が別に届け出ている入退院支援加算・地域包括ケア病棟入院料等の要件と混同していないかは、必ず自院で最終確認してください。
算定のタイミングと回数
みらい(新人医療事務)
算定できる回数に制限はありますか?
あおい(元・医療事務)
あります。原則は、当該入院中1回に限り算定するとされています。ただし、別に厚生労働大臣が定める疾病等の患者については、入院先の保険医又は看護師等が、在宅療養担当医療機関の保険医若しくはその指示を受けた看護師等、または在宅療養担当医療機関の保険医の指示を受けた訪問看護ステーションの看護師等(准看護師を除く)と1回以上共同して行う場合は、当該入院中2回に限り算定できるとされています。
みらい(新人医療事務)
特定の疾病だと2回まで算定できることがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。ただし「別に厚生労働大臣が定める疾病等」に該当するかどうかは個別の判断が必要なので、対象患者に該当しそうな場合は自院で確認が必要です。また、共同指導そのものについても、厚生労働省の留意事項通知に「退院時共同指導料1の『注1』及び退院時共同指導料2の『注1』の共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えない」と明記されており、オンラインでの共同指導も候補になり得ます。
併算定・注2と注3の関係(注意点)
みらい(新人医療事務)
ほかに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず注5として、区分番号B003に掲げる開放型病院共同指導料(Ⅱ)は別に算定できないと定められています。同じ「共同指導」でも制度が違うので注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
開放型病院共同指導料ってB003のことですね。似た名前で紛らわしいです。
あおい(元・医療事務)
おっしゃるとおりです。さらに、厚生労働省の留意事項通知には「退院時共同指導料2の『注3』に規定する指導と同一日に行う『注2』に規定する指導に係る費用及び『B005-1-2』介護支援等連携指導料は、『注3』に規定する加算に含まれ、別に算定できない」ともあります。つまり注3(多機関共同指導加算)を算定する日は、同日の介護支援等連携指導料を別立てで算定できません。
同日の他加算との重複に注意
注3(多機関共同指導加算)を算定する日は、同日の注2に相当する指導や介護支援等連携指導料(B005-1-2)の費用は注3に含まれ、別算定できません。算定日の他加算との重複がないか、自院のレセプトチェックで確認候補にしてください。
みらい(新人医療事務)
注4で出てきた入退院支援加算とはどう関係するんですか?
あおい(元・医療事務)
注4には、区分番号A246に掲げる入退院支援加算を算定する患者について、退院支援計画(疾患名・退院基準・退院後に必要な療養事項を記載)を策定し、患者に説明・文書提供し、在宅療養担当医療機関と共有した場合に限り、注1の規定にかかわらず算定できると定められています。入退院支援加算を届け出ている病院では、この注4のルートで算定候補になるケースがある、という位置づけです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(告示・留意事項通知・疑義解釈)の範囲では、退院時共同指導料2の点数・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年8月時点)。基本400点、注2の保険医共同指導加算300点、注3の多機関共同指導加算2,000点という構成は、当サイトが確認できた範囲で維持されています。制度改正が入る可能性もあるため、算定前に最新の告示・通知を確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで算定候補かどうか確認するとしたら、どこから見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で見ていくと確認しやすいですよ。

自院で確認する順番
- 対象の患者さんが「退院後に在宅で療養する」患者かどうかを確認する(施設入所・死亡退院は対象外。注4の例外に該当するかも確認)
- 入院中に、在宅療養担当医療機関側と共同で説明・指導を行い、文書で情報提供したかを確認する
- 共同指導が「医師同士」だけだったか、それとも在宅側の多職種3者以上が関わったかを確認する(医師同士のみなら注2、多職種3者以上なら注3の候補)
- 同日に算定する他の加算(介護支援等連携指導料など)との重複がないかを確認する
- 疑問点が残る場合は加算チェッカーや審査支払機関、地域の厚生局に確認する
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としやすいポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか典型的なパターンがあります。
よくある取り漏れ
文書での情報提供を忘れて口頭説明だけで終わってしまう/指導内容の要点を診療録等に記載していない・提供文書の写しを添付していない/注2と注3を両方算定しようとしてしまう/同日の介護支援等連携指導料との重複算定に気づかない、といったケースが典型的です。
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知には「行った指導の内容等について、要点を診療録等に記載し、又は患者若しくはその家族等に提供した文書の写しを診療録等に添付する」と明記されています。文書提供と記録は算定の前提になるので、実施記録の残し方も含めて確認しておくと安心です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。