みらい(新人医療事務)
「介護保険リハビリテーション移行支援料」って名前だけ見ると、リハビリの点数なのか、それとも連携の点数なのか、ちょっと迷います。うちのクリニックでも算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
名前のとおり、患者さんが医療保険のリハビリから介護保険のリハビリへ移行するのを支援したときに算定する管理料です。令和8年度の告示では、区分番号B005-1-3として500点が設定されています。まずは対象になる場面を一緒に確認していきましょう。
介護保険リハビリテーション移行支援料とは
みらい(新人医療事務)
そもそも、どういう患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)では、「B005-1-3 介護保険リハビリテーション移行支援料 500点 注 入院中の患者以外の患者(区分番号H001の注6、区分番号H001-2の注6又は区分番号H002の注6の規定により所定点数を算定する者に限る。)に対して、当該患者の同意を得て、医師又は医師の指示を受けた看護師、社会福祉士等が介護支援専門員等と連携し、当該患者を介護保険法第8条第5項に規定する訪問リハビリテーション、同条第8項に規定する通所リハビリテーション、同法第8条の2第4項に規定する介護予防訪問リハビリテーション又は同条第6項に規定する介護予防通所リハビリテーション(以下「介護リハビリテーション」という。)に移行した場合に、患者1人につき1回に限り算定する。」と定められています。
あおい(元・医療事務)
平たく言うと「維持期のリハビリテーション(脳血管疾患等リハビリテーション料・廃用症候群リハビリテーション料・運動器リハビリテーション料の、それぞれの注に規定する部分)を受けている入院中以外の患者さんが、医療保険のリハビリから介護保険のリハビリへ移行したときに、1人につき1回だけ算定候補になる」という管理料です。
みらい(新人医療事務)
「維持期のリハビリテーション」というのが少し引っかかります。具体的にはどのリハビリを指すんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)では、「介護保険リハビリテーション移行支援料は、維持期のリハビリテーション(「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料の「注5」、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料の「注5」及び「H002」運動器リハビリテーション料の「注5」に規定するものをいう。)を受けている入院中の患者以外の者に対して、患者の同意を得て、介護保険によるリハビリテーション(介護保険法第8条第5項に規定する訪問リハビリテーション、同法第8条第8項に規定する通所リハビリテーション、同法第8条の2第4項に規定する介護予防訪問リハビリテーション又は同法第8条の2第6項に規定する介護予防通所リハビリテーションをいう。)へ移行するため、居宅介護支援事業者等の介護支援専門員(ケアマネジャー)及び必要に応じて、介護保険によるリハビリテーションを当該患者に対して提供する事業所の従事者と連携し、介護サービス計画書(ケアプラン)作成を支援した上で、介護保険によるリハビリテーションを開始し、維持期のリハビリテーションを終了した場合に、患者1人につき1回に限り算定できる。」と整理されています。
あおい(元・医療事務)
つまり脳血管疾患等リハビリ・廃用症候群リハビリ・運動器リハビリの「維持期」部分を受けている外来患者さんが対象で、その患者さんを介護保険のリハビリ(訪問・通所・介護予防訪問・介護予防通所)へ橋渡しした場合に算定候補になる、という構造です。

点数と算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数と算定できる回数を、あらためて表で見せてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の一次資料をもとにまとめるとこうなります。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定単位 | 年度 |
|---|---|---|---|---|
| B005-1-3 | 介護保険リハビリテーション移行支援料 | 500点 | 患者1人につき1回限り | 令和8年度 |
みらい(新人医療事務)
「1人につき1回限り」というのは、月1回とかではなく、その患者さんについて生涯で1回ということですか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知のどちらも「患者1人につき1回に限り算定できる」という書き方になっていて、月単位の繰り返し算定を想定した表現ではありません。同じ患者さんについて、移行支援を行った1回のみが算定候補になると読めます。回数の解釈に迷う場合は、審査支払機関に確認しておくと安心です。
点数だけ見て早合点しない
500点という点数: 医療保険のリハビリから介護保険のリハビリへの移行を支援した場合の対価であり、リハビリテーション自体の実施点数ではありません。 算定タイミング: 介護保険によるリハビリテーションを開始し、かつ維持期のリハビリテーションを終了した時点で算定候補になります。移行支援の相談をしただけの段階では、まだ要件を満たしていない可能性があります。
対象患者・対象医療機関
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックのような外来中心の施設でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
告示・留意事項通知のどちらも「入院中の患者以外の患者(者)」と明記しているので、外来で維持期のリハビリテーションを行っている患者さんが前提です。入院中の患者さんは対象外になります。
みらい(新人医療事務)
逆に、介護保険のリハビリへの移行に関わる職種は誰でもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
告示では「医師又は医師の指示を受けた看護師、社会福祉士等が介護支援専門員等と連携し」と書かれています。医師本人が全部行う必要はなく、医師の指示を受けた看護師や社会福祉士などが、ケアマネジャー(介護支援専門員)と連携して進める形も含まれます。誰が担当するかは、自院の体制に合わせて確認してみてください。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、この管理料について施設基準の届出を求める記載は確認できていません。ただし、それは「届出が不要と確定した」という意味ではなく、あくまで収録資料の範囲での確認結果です。届出の要否は、自院が届け出ている項目一覧や地方厚生局への確認で必ず裏取りしてください。
施設基準・届出は自己判断しない
届出の要否・充足状況の最終判断は、自院の届出書類と地方厚生局・審査支払機関の確認に基づいて行ってください。当サイトの記載だけで「届出不要」と判断しないことをおすすめします。
算定できないケース・注意点
みらい(新人医療事務)
逆に「これは算定できない」というケースも知っておきたいです。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、算定できない具体的なケースが明記されています。「維持期のリハビリテーションと介護保険によるリハビリテーションを併用して行うことができる2月間(「医療保険と介護保険の給付調整に関する留意事項及び医療保険と介護保険の相互に関連する事項等について」(平成28年3月25日保医発0325第8号)の第4の10に規定する2月間をいう。)は、当該支援料を算定できない。」、また「当該患者が、当該医療機関内で維持期のリハビリテーションから介護保険によるリハビリテーションに移行した場合は算定できない。」とされています。
あおい(元・医療事務)
大きく分けると、次の2パターンでは算定候補になりません。
算定候補にならない代表例
併用期間中: 医療保険と介護保険のリハビリを併用できる2月間(保医発0325第8号に規定)の間は、この移行支援料を算定できません。 院内完結の移行: 同じ医療機関の中で維持期リハビリから介護保険リハビリに切り替わった場合(他の事業所への移行を伴わない場合)は対象外です。
みらい(新人医療事務)
記録の残し方についても決まりがありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知には「患者の同意を得た上で、介護支援専門員より情報提供を受け、介護サービス計画書(ケアプラン)の写しを診療録等に添付するとともに、診療報酬明細書の摘要欄に当該患者が介護保険によるリハビリテーションを開始した日及び維持期のリハビリテーションを終了した日を記載する。」と書かれています。
あおい(元・医療事務)
ケアプランの写しを診療録等に添付すること、レセプトの摘要欄に「介護保険リハビリ開始日」と「維持期リハビリ終了日」を記載することの2点が求められています。この記録が抜けていると、算定候補であっても審査で確認を求められる可能性があります。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
これだけ要件があると、どの順番で確認すればいいのか整理したいです。
あおい(元・医療事務)
自院向けのチェック手順として、この順番で確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 対象患者さんが、脳血管疾患等リハビリテーション料・廃用症候群リハビリテーション料・運動器リハビリテーション料のいずれかの「維持期」部分を、入院外で受けているかを確認する
- 患者さん本人から、介護保険リハビリテーションへの移行についての同意を得る
- 居宅介護支援事業者等の介護支援専門員(ケアマネジャー)、必要に応じて介護保険リハビリ提供事業所の従事者と連携し、ケアプラン作成を支援する
- 介護保険によるリハビリテーション(訪問・通所・介護予防訪問・介護予防通所のいずれか)を開始し、維持期のリハビリテーションを終了する
- 併用可能な2月間の期間中でないこと、同一医療機関内で完結した移行でないことを確認する
- ケアプランの写しを診療録等に添付し、レセプト摘要欄に開始日・終了日を記載して算定候補として整理する
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この管理料自体は、前回改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度の告示・留意事項通知(保医発0305第6号)を確認したところ、興味深い記載がありました。同じB005の区分番号帯にある別の項目について、「B005-2、B005-3、B005-3-2 削除」という記載です。
あおい(元・医療事務)
これは、地域連携診療計画に関する管理料(B005-2・B005-3・B005-3-2)が令和8年度の一次資料上では削除の扱いになっている、という記載です。ただし、これは介護保険リハビリテーション移行支援料(B005-1-3)そのものの話ではなく、隣接する別区分の変更点です。
前回改定(令和6年度)との比較は限定的にしか確認できていません
介護保険リハビリテーション移行支援料そのものの点数(500点)・算定要件について、当サイトが収録している令和8年度の一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの変更点を明記した記載は確認できていません。過去年度の一次資料との突き合わせまでは行っていないため、「変更なし」と断定はせず、「収録資料の範囲では変更点の記載が見当たらない」という確認範囲でご案内します。正確な改定履歴を確認したい場合は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定に関する公式ページもあわせてご確認ください。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
見落としやすいポイント
「入院中の患者以外」の確認漏れ: 入院患者さんは対象外です。外来・在宅の患者さんであることを確認します。 ケアプラン写しの添付漏れ: 診療録等へのケアプラン写しの添付は、留意事項通知で明記された要件です。移行後にまとめて対応しようとすると漏れやすいので注意してください。 摘要欄の記載漏れ: レセプトの摘要欄に「介護保険リハビリ開始日」「維持期リハビリ終了日」の記載がないと、算定候補であっても確認を求められることがあります。 併用期間中の算定: 医療保険・介護保険のリハビリを併用できる2月間の途中で誤って算定してしまうケースに注意が必要です。
関連する管理料もあわせて確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
似たような、退院後の連携に関する管理料も気になります。
あおい(元・医療事務)
同じB005区分にある介護支援等連携指導料も、入院患者さんの退院後の介護サービス導入を支援する管理料です。対象が「入院患者」か「入院中の患者以外」かで役割が分かれているので、あわせて確認しておくと自院の運用が整理しやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者さんの状況や連携の進め方を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。