みらい(新人医療事務)
肝炎インターフェロン治療計画料っていう名前を初めて見たんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
区分番号B005-8の医学管理料の一つです。長期にわたってインターフェロン治療が必要な肝炎の患者さんに対して、治療計画を作って本人にきちんと説明し、さらに地域で連携する他の医療機関にもその計画と診療情報を文書で提供したときに算定できる仕組みになっています。令和8年度(2026年度)の点数表がベースなので、まずはその前提で確認していきましょう。
みらい(新人医療事務)
「連携する」っていうのがポイントなんですね。うちみたいな一般的な内科クリニックでも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
対象になるかどうかは、後で説明する施設基準を満たして届け出ているかどうかで変わります。肝疾患の診療体制がある医療機関向けの加算なので、届出状況を確認するところから始めるのが確実です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
まず対象になる患者さんってどんな人ですか?
あおい(元・医療事務)
「長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者」です。単発の治療ではなく、継続的な通院・管理が前提になっている患者さんが対象になります。入院中の患者さんについても対象になりますが、算定するタイミングが外来の患者さんとは異なる点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
入院と外来で扱いが違うんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。入院中の患者さんは退院時に算定することとされています。外来の患者さんについては、通常の対面での医学管理のほか、一定の要件のもとで情報通信機器を用いた医学管理を行った場合の点数区分も設けられています。この違いは後の点数区分の章で整理しますね。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、区分番号B005-8として700点、情報通信機器を用いた医学管理の場合は609点という2つの区分があります。表にまとめますね。
| 区分 | 点数 | 算定要件の要点 |
|---|---|---|
| 通常の医学管理(対面) | 700点 | 治療計画の作成・患者への説明・文書提供、地域の他医療機関への文書提供 |
| 情報通信機器を用いた医学管理 | 609点 | 施設基準に適合し届け出た医療機関で、入院中の患者以外に対し、オンライン指針に沿って実施した場合 |

みらい(新人医療事務)
どちらも「1人につき1回に限り」算定できるっていう理解でいいですか?
あおい(元・医療事務)
はい、告示の注1に「1人につき1回に限り算定する」と明記されています。同じ患者さんに何度も算定できるものではなく、治療計画を作成して連携を行った際の一連の評価という位置づけです。
他制度との重複に注意
注1の規定に基づいて他の保険医療機関へ文書を提供する際の費用は、区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)の費用として、肝炎インターフェロン治療計画料の所定点数に含まれるとされています。同じ文書提供について診療情報提供料(Ⅰ)を別に算定できるかどうかは、自院のレセプト担当・審査支払機関にあらためて確認することをおすすめします。
施設基準
みらい(新人医療事務)
届け出るための施設基準ってどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
大きく3つの体制が求められています。1つずつ見ていきましょう。
肝炎インターフェロン治療計画料の施設基準(3点)
専門的な診断体制: 肝疾患に関する専門的な知識を持つ常勤の医師による診断(活動度及び病期を含む)と治療方針の決定が行われていること。 抗ウイルス療法の実施体制: インターフェロン等の抗ウイルス療法を適切に実施できる体制を有していること。 肝がん早期診断の体制: 肝がんの高危険群の同定と早期診断を適切に実施できる体制を有していること。
みらい(新人医療事務)
常勤の専門医がいることが前提になっているんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。肝疾患の診断・治療方針決定を担う常勤医師の存在が基準の中心になっています。加えて、抗ウイルス療法そのものを実施できる体制、そして治療の過程で肝がんのリスクが高い患者さんを早期に見つけて対応できる体制もあわせて求められています。これらは施設基準届出の際に、地方厚生局に対して体制を説明する材料になります。
届出
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていれば、そのまま算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、施設基準に適合しているだけでは足りません。「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが算定要件の中に明記されているので、届出を済ませていることが前提になります。届出済みであれば算定候補になりますが、届出がまだの場合は、まず届出の手続きから確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
情報通信機器を用いた医学管理(609点)のほうも、別に届出が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注3にも「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」という条件が明記されています。オンラインでの実施についても、施設基準への適合と届出が前提になっている点は同じです。
算定要件・算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
実際に算定するまでの流れを教えてください。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知や告示の内容を整理すると、次のような流れになります。
自院で確認する順番
患者さんから、治療計画に沿って治療を行うことについて同意を得る 治療計画を作成し、副作用等を含めて患者さんに説明したうえで文書により提供する 地域で連携してインターフェロン治療を行う他の保険医療機関に、当該患者さんの治療計画及び診療情報を文書により提供する 患者さんに交付した治療計画書の写しを診療録に添付する
みらい(新人医療事務)
入院患者さんの場合は、このタイミングと違うんでしたよね。
あおい(元・医療事務)
そうです。留意事項では「入院中の患者については退院時に算定すること」とされています。入院中に治療計画の作成・説明・連携先への文書提供を進めておき、算定自体は退院のタイミングで行う、という流れになります。
みらい(新人医療事務)
治療計画を作るときに、他に気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項には「治療計画の策定に当たっては、患者の求めに応じて夜間や休日に診療を行っている医療機関を紹介するなど、当該患者が長期の治療を継続できるよう配慮を行うこと」とも書かれています。単に文書を作って終わりではなく、患者さんが長期治療を続けやすいような連携先の紹介まで含めて計画を考えることが求められています。
オンライン実施時の要件
609点の区分は、「注3」に規定する情報通信機器を用いた医学管理として、オンライン指針に沿って診療を行った場合に算定するとされています。オンライン指針の内容に沿った実施体制になっているかどうかは、自院の運用と最新のオンライン指針を突き合わせて確認が必要です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示・留意事項の一次資料で確認できる範囲では、700点・609点という点数区分、および算定要件・施設基準の内容について、前回改定(令和6年度)からの明確な新設・廃止・変更点は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚労省一次情報の範囲内)。
改定差分の確認範囲
今回確認したのは、令和8年厚生労働省告示第69号(点数表)、告示第71号(施設基準)、令和8年3月5日保医発0305第6号(留意事項)の一次資料です。点数・算定単位だけでなく、施設基準・算定要件・業務範囲についても照合していますが、前回改定との詳細な逐条比較までは行っていません。過去の届出内容や運用に変更がないか、念のため最新の告示・通知もあわせてご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの場合、何から確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に整理するとこうなります。

自院で確認する順番
長期継続的にインターフェロン治療が必要な肝炎の患者さんが対象にいるかを確認する 施設基準(専門医による診断体制・抗ウイルス療法の実施体制・肝がん早期診断の体制)を満たしているかを確認する 地方厚生局への届出が済んでいるかを確認する。未届出であれば届出の準備を進める 治療計画の作成・患者への説明・文書提供、連携先医療機関への文書提供の運用フローを整える
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
算定を忘れがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
取り漏れやすいポイント
入院患者の算定タイミング: 入院中に治療計画を作成していても、算定自体は退院時であることを見落とし、算定のタイミングがずれてしまうケースがあります。 連携先への文書提供の記録: 患者さん本人への説明・文書提供だけでなく、地域の連携先医療機関への文書提供も算定要件に含まれています。連携先への提供記録が残っていないと、要件を満たしているか説明しづらくなります。 診療録への添付: 患者さんに交付した治療計画書の写しを診療録に添付することが留意事項に明記されています。運用として定着しているか、あらためて確認しておくと安心です。
関連する加算
みらい(新人医療事務)
似たような加算って他にもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
関連するものとして、地域で肝炎治療を連携している医療機関側で算定を検討できる肝炎インターフェロン治療連携加算があります。また、注2で費用が所定点数に含まれるとされている診療情報提供料(Ⅰ)もあわせて確認しておくと、文書提供に関する取り扱いの理解が深まります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。