みらい(新人医療事務)
「診療情報提供料(Ⅱ)」って、この前教えてもらった診療情報提供料(Ⅰ)と似た名前ですけど、別物ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、名前は似ていますが目的がまったく違います。診療情報提供料(Ⅱ)は区分番号B010で、令和8年度(2026年度)は500点です。患者さんやご家族が「他院の医師にセカンド・オピニオンを聞きたい」と希望したときに、治療計画や検査結果などをまとめた文書を作成・提供した場合の評価なんです。
みらい(新人医療事務)
セカンド・オピニオン専用の点数ってことですね。診療情報提供料(Ⅰ)は「紹介」のための点数でしたよね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。厚生労働省の留意事項通知では、両者は次のように明確に区別されています。
診療情報提供料(Ⅰ)との違い
診療情報提供料(Ⅱ): 患者・家族からの申し出に基づき、診療を担う医師及び自院に所属する医師「以外」の医師の助言(セカンド・オピニオン)を得るための支援。医師が別の保険医療機関での診療の必要性を認めて紹介する診療情報提供料(Ⅰ)とは明確に区別される、と留意事項通知に記載されています。
みらい(新人医療事務)
具体的にはどんな場面で使うんですか?
あおい(元・医療事務)
例えば「今の治療方針で本当にいいのか、別の病院の先生にも意見を聞きたい」と患者さんから申し出があったときです。診療を担う医師が、治療計画・検査結果・画像診断に係る画像情報など、他の医師が助言するために必要な情報を添付した診療状況を示す文書を、患者さん本人やご家族に交付します。入院中の患者さんに対して行った場合でも算定候補になる、と留意事項通知に書かれています。
対象医療機関・対象場面
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関でも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
保険医療機関であれば対象になり得ますが、大事なのは「場面」です。次の条件がそろっているかを確認してください。
算定候補になる場面の確認ポイント
・患者又はその家族から、他院の医師の助言(セカンド・オピニオン)を求めたいという申し出があること ・診療を担う医師が、治療計画・検査結果・画像診断に係る画像情報等、助言に必要かつ適切な情報を添付した診療状況を示す文書を作成していること ・患者又はその家族に対して、その文書を交付していること(入院中の患者を含む) これらを満たしていない場合は、診療情報提供料(Ⅱ)の算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
患者さんから何も申し出がないのに、病院側から「他の病院にも聞いてみては」と勧めた場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に確認したい点です。留意事項通知は「患者又はその家族からの申し出に基づき」と明記しているので、申し出の経緯がどちらから始まったかは診療録の記載などで確認が必要です。断定はできないので、判断に迷う場合は自院の届出状況や算定実績と照らして確認することをおすすめします。
点数とコード
みらい(新人医療事務)
点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)に基づく内容は次の表のとおりです。
| 区分番号 | 項目名 | 点数 | 算定単位 | 年度 |
|---|---|---|---|---|
| B010 | 診療情報提供料(Ⅱ) | 500点 | 患者1人につき月1回 | 令和8年度 |

みらい(新人医療事務)
月1回っていうのは、月をまたげばまたカウントし直しってことですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。告示の注に「患者1人につき月1回に限り算定する」とありますので、暦月ごとにリセットされる単位です。同じ月にもう一度セカンド・オピニオン用の文書を作成しても、二重に算定候補にはなりません。
施設基準・届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(告示・留意事項通知)の範囲では、診療情報提供料(Ⅱ)に個別の施設基準や事前の届出は明記されていません。ただし、これは「届出が一切不要」と断定するものではなく、確認できた範囲での整理です。マスター側の記録が更新されている可能性もあるため、最終的には自院の届出状況を確認してください。
届出まわりの注意
施設基準・届出の要否は、記事公開時点で当サイトが確認できた一次資料の範囲での整理です。改定や訂正通知で変更される可能性があるため、算定前には必ず最新の告示・通知、または審査支払機関への確認をおすすめします。
算定タイミング・記録・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するときに、記録として残しておくべきことはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知には次の点が書かれています。
診療録への記載事項
・診療情報提供料(Ⅱ)を算定すべき情報提供にあたっては、患者又はその家族からの希望があった旨を診療録に記載する ・助言を受けた患者又はその家族の希望については、その後の治療計画に十分に反映させる
みらい(新人医療事務)
併せて算定できない加算とか、注意しておきたい組み合わせはありますか?
あおい(元・医療事務)
そこは一次資料の範囲で確認できたことだけお伝えします。告示・留意事項通知の中で、診療情報提供料(Ⅱ)自体に「〇〇と同一月は算定不可」といった直接の併算定制限は、今回確認できた資料の中には見当たりませんでした。ただし、近い区分番号の診療情報提供料(Ⅰ)や、診療情報連携共有料(B010-2)にはそれぞれ別の併算定ルールがあります。似た名前の加算と混同しないよう、算定するたびに区分番号(B010)を確認する習慣をつけておくと安心です。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度改定時点の診療情報提供料(Ⅱ)の記載と直接突き合わせるデータをまだ確認できていません。そのため、点数・算定要件のいずれについても「変更があった」と断定できる根拠は今回確認できていません。
改定差分の確認状況
前回改定(令和6年度)からの診療情報提供料(Ⅱ)の変更点は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません(2026年8月時点)。令和8年度の告示・留意事項通知に基づく現行の内容(500点・月1回・セカンド・オピニオンのための文書提供)をこの記事では案内しています。差分の有無を厳密に確認したい場合は、厚生労働省の個別改定項目資料もあわせてご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で「この患者さんは算定候補かな」と思ったとき、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 患者又はその家族から、他院の医師の助言(セカンド・オピニオン)を求める申し出があったかを確認する
- 診療を担う医師が、治療計画・検査結果・画像情報など助言に必要な情報を添付した診療状況を示す文書を作成する
- その文書を患者又はその家族に交付し、希望があった旨を診療録に記載する
- 月をまたいで重複算定していないか、同月の算定実績を確認する
- ここまで確認できたら、診療情報提供料(Ⅱ)の算定候補として整理する

みらい(新人医療事務)
この順番で確認すれば、うっかり見落とすことは減りそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に多いのが、「申し出の経緯」の記載漏れです。患者さんから申し出があったことが診療録に残っていないと、後から算定根拠を説明しづらくなります。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
見落としがちなポイント
申し出の記載漏れ: 患者又はその家族からの希望があった旨を診療録に記載していないと、算定根拠が不明確になります。 診療情報提供料(Ⅰ)との混同: 「紹介」目的の診療情報提供料(Ⅰ)と、「セカンド・オピニオン支援」目的の診療情報提供料(Ⅱ)は明確に区別すべき、と留意事項通知にあります。目的を確認せずに区分番号を選ぶと誤りのもとです。 入院患者への提供の見落とし: 入院中の患者に対して情報提供を行った場合でも算定候補になる、と留意事項通知に記載されています。外来患者限定と思い込まないようにしましょう。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や算定した場面を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。