診療情報連携共有料ってどんな加算ですか?
みらい(新人医療事務)
院長から「診療情報連携共有料も算定できないか見ておいて」と言われたんですが、正直あまり聞き馴染みがなくて…。これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
区分番号B010-2の「診療情報連携共有料」ですね。歯科診療を担う別の保険医療機関から求めがあったときに、患者さんの同意を得たうえで検査結果や投薬内容などを文書で提供した場合に算定できる項目です。
みらい(新人医療事務)
「歯科診療を担う別の保険医療機関から」がポイントなんですね。うちみたいな内科クリニックでも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
医科の保険医療機関が、歯科の保険医療機関からの情報提供の求めに応じるケースを想定した項目です。まずは対象になる場面から順番に確認していきましょう。
対象になるのはどんな場面ですか?
みらい(新人医療事務)
具体的にどんな場面で算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示では、次のように定められています。「注1 歯科診療を担う別の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、検査結果、投薬内容等を文書により提供した場合に、提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回に限り算定する。」
みらい(新人医療事務)
つまり「歯科側から情報提供を求められて」「患者さんの同意を得たうえで」「検査結果や投薬内容を文書で渡す」という3つがそろったときが対象になりそうですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項通知でも同じ趣旨が説明されています。「診療情報連携共有料は、歯科診療を担う別の保険医療機関との間で情報共有することにより、質の高い診療が効率的に行われることを評価するものであり、歯科診療を担う別の保険医療機関からの求めに応じ、患者の同意を得て、当該患者に関する検査結果、投薬内容等の診療情報を提供した場合に、提供する保険医療機関ごとに3月に1回に限り算定する。」
みらい(新人医療事務)
医科と歯科の両方にかかっている患者さんで、歯科の主治医から「服薬状況を教えてほしい」と言われるようなケースが典型例になりそうです。
あおい(元・医療事務)
そのイメージで合っています。ただし個別の患者さんについて実際に算定候補になるかどうかは、求めの経緯や同意の取得状況によって変わるので、都度の確認が必要です。

点数と算定できる回数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数と算定できる回数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表では、次のように記載されています。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定できる回数 | 年度 |
|---|---|---|---|---|
| B010-2 | 診療情報連携共有料 | 120点 | 提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
「提供する保険医療機関ごと」というのがちょっと分かりにくいです。
あおい(元・医療事務)
たとえば同じ患者さんについて、A歯科医院とB歯科医院の両方から求めがあった場合は、それぞれの提供先ごとに3月に1回まで算定候補になる、という意味です。ただし同一の提供先に対して短期間で繰り返し提供する場合は、3月に1回という回数制限を超えないか確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
1回あたりの提供先ごとにカウントするんですね。回数の数え方を間違えないようにしないと。
施設基準・体制は何が必要ですか?
みらい(新人医療事務)
算定するために特別な施設基準や届出は必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、算定にあたって次の体制を確保しておくことが求められています。「診療情報連携共有料を算定するに当たっては、歯科診療を担う別の保険医療機関と連携を図り、必要に応じて問い合わせに対応できる体制(窓口の設置など)を確保していること。」
みらい(新人医療事務)
「窓口の設置など」とありますが、これは施設基準のような届出が必要という意味ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算について個別の施設基準届出様式は明記が確認できていません。ただし、歯科側からの問い合わせに対応できる体制を院内で整えておく必要はある、と読み取れます。実際に届出が必要かどうかは、自院が加入している審査支払機関や地方厚生局の案内で確認するのが確実です。
断定できないポイント
届出の要否や体制整備の具体的な水準は、医療機関ごとの運用によって解釈が分かれる可能性があります。自院での算定候補可否は、届出状況や運用実態とあわせて確認してください。
届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
結局、届出は必要なんでしょうか、不要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
正直なところ、当サイトが収録している一次資料だけでは「不要」と断定はできません。多くの医学管理系の加算は個別の届出が必要な一方、この加算のように届出の記載が明確でないものもあります。まずは自院がこれまでに届け出ている施設基準の一覧を確認し、不明な場合は地方厚生局に問い合わせるのが安全です。
みらい(新人医療事務)
「多分いらないだろう」で進めるのは危ないですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。届出の有無を確認しないまま算定してしまうと、後から返戻や査定の対象になる可能性もあります。確認が必要な項目として扱ってください。
算定するときの注意点(併算定・タイミング)
みらい(新人医療事務)
ほかに気をつけるポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
一番大事なのは、診療情報提供料(Ⅰ)との関係です。告示には次のように書かれています。「2 区分番号B009に掲げる診療情報提供料(Ⅰ)(同一の保険医療機関に対して紹介を行った場合に限る。)を算定した同一月においては、別に算定できない。」
みらい(新人医療事務)
同じ月に、同じ提供先に対して診療情報提供料(Ⅰ)を算定していたら、診療情報連携共有料は算定できないということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項通知でも同様に「同一の患者について、同一の保険医療機関に対して紹介を行い『B009』診療情報提供料(Ⅰ)を算定した月においては、診療情報連携共有料は別に算定できない」とされています。
みらい(新人医療事務)
そもそも診療情報提供料(Ⅰ)自体はどんな加算でしたっけ?
あおい(元・医療事務)
告示のB009の注1では、次のように定義されています。「保険医療機関が、診療に基づき、別の保険医療機関での診療の必要を認め、これに対して、患者の同意を得て、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合に、紹介先保険医療機関ごとに患者1人につき月1回に限り算定する。」
あおい(元・医療事務)
「紹介」を目的とした情報提供が診療情報提供料(Ⅰ)、「歯科側からの求めに応じた」情報提供が診療情報連携共有料、という違いです。ただし同月・同一提供先については重複算定できない点に注意してください。
併算定チェックの盲点
「紹介」を目的とした診療情報提供料(Ⅰ)と、「歯科側からの求めに応じた情報提供」である診療情報連携共有料は趣旨が異なりますが、同一月・同一提供先への算定は認められていません。レセプト作成時に重複算定になっていないか確認しましょう。
記録として残しておくもの
みらい(新人医療事務)
カルテや文書には何を書いておけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に、文書に記載すべき事項が具体的に示されています。「診療情報を提供するに当たっては、次の事項を記載した文書を作成し、患者又は提供する保険医療機関に交付する。また、交付した文書の写しを診療録に添付すること。ア 患者の氏名、生年月日、連絡先 イ 診療情報の提供先保険医療機関名 ウ 提供する診療情報の内容(検査結果、投薬内容等) エ 診療情報を提供する保険医療機関名及び担当医師名」
みらい(新人医療事務)
患者情報・提供先・提供内容・担当医師名の4点と、その文書の写しをカルテに残す、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。この記録が抜けていると、後で算定根拠を示せなくなってしまいます。文書作成と診療録への添付は必ずセットで行ってください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、令和6年度から何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料は令和8年度の告示・留意事項通知が中心で、令和6年度時点の同じ資料は確認できていません。そのため、点数や算定要件が変更されたのか据え置かれたのかを、一次資料同士の比較で確認することはできていません。
みらい(新人医療事務)
「変わっていないはず」と決めつけるのは良くないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。令和6年度(2024年度)からの変更点の有無については、厚生労働省が公表している改定関連の通知や個別改定項目の資料で、自院でも直接確認していただくことをおすすめします。当サイトでは確認でき次第、この記事を更新します。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの場合、何から確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で見ていくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
- 歯科診療を担う別の保険医療機関から、検査結果・投薬内容等の提供を求められているか確認する
- 患者本人から情報提供について同意を得ているか確認する
- 提供する情報を文書化し、患者氏名・生年月日・連絡先、提供先医療機関名、提供内容、提供元医療機関名・担当医師名を記載する
- 交付した文書の写しを診療録に添付する
- 同じ提供先について、過去3か月以内に算定していないか確認する
- 同一月に診療情報提供料(Ⅰ)を同じ提供先に対して算定していないか確認する

みらい(新人医療事務)
この順番でチェックすれば、算定漏れも二重算定も防げそうですね。
よくある取り漏れ・見落としがちなポイント
あおい(元・医療事務)
現場でよく見落とされがちなポイントをいくつか挙げておきます。
求めがあったことの記録漏れ
歯科側から情報提供を求められた経緯が記録に残っていないと、算定の根拠が説明しにくくなります。依頼を受けた日時や方法も含めて記録しておくと安心です。
回数のカウント間違い
「3月に1回」は提供先の保険医療機関ごとにカウントします。院内の複数の患者・複数の歯科医療機関を扱っていると、うっかり同一提供先への算定間隔を数え間違えることがあります。
みらい(新人医療事務)
レセプトチェックの段階で、提供先ごとの算定履歴を一覧にしておくと確認しやすそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に紹介が多い連携先がある医療機関では、算定履歴を一覧管理しておくことをおすすめします。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
この記事の内容はどの資料をもとにしているんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表の告示本文(厚生労働省 令和8年度診療報酬改定 告示)を主な根拠にしています。あわせて、留意事項通知(令和8年3月5日付 保医発0305第6号)に記載された算定要件・記載事項も参照していますが、当サイトが保存している留意事項通知のリンク先は本記事作成時点でアクセスできなくなっていたため、本文中には直接リンクしていません。最新の通知は厚生労働省のウェブサイトで確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。歯科側からの求めの有無や同意取得、文書化の状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。