みらい(新人医療事務)
先輩、「栄養情報連携料」って加算、初めて見ました。うちの病院でも算定候補になったりしますか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。栄養情報連携料は、入院栄養食事指導料を算定した患者さんが退院後に他の医療機関や介護施設へ移るとき、栄養管理の情報を管理栄養士同士でつないだ場合に算定候補になる項目です。令和8年度時点で70点、入院中1回に限りという回数制限があります。
みらい(新人医療事務)
「情報をつなぐ」って、具体的にはどういうことをするんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示(区分番号B011-6)には、こう書かれています。「B011-6 栄養情報連携料 70点 注1 区分番号B001の10に掲げる入院栄養食事指導料を算定する患者に対して、退院後の栄養食事管理について指導を行った内容及び入院中の栄養管理に関する情報を示す文書を用いて説明し、これを他の保険医療機関、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律第34条第1項に規定する指定障害者支援施設等若しくは児童福祉法第42条第1号に規定する福祉型障害児入所施設(以下この区分番号において「保険医療機関等」という。)の医師又は管理栄養士に情報提供し、共有した場合に、入院中1回に限り算定する。」(令和8年厚生労働省告示第69号)
あおい(元・医療事務)
つまり、自院の管理栄養士が退院後の栄養食事管理の指導内容と、入院中の栄養管理に関する情報を文書にまとめて、患者さんが移る先の医師や管理栄養士に説明・提供・共有した場合の評価です。
みらい(新人医療事務)
「注1」があるということは、別のパターンもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、注2があります。こちらも告示の原文を確認しておきましょう。「2 注1に該当しない場合であって、当該保険医療機関を退院後に他の保険医療機関等に転院又は入所する患者であって栄養管理計画が策定されているものについて、患者又はその家族等の同意を得て、入院中の栄養管理に関する情報を示す文書を用いて当該他の保険医療機関等の管理栄養士に情報提供し、共有した場合に、入院中に1回に限り算定する。」(令和8年厚生労働省告示第69号)
あおい(元・医療事務)
注1は入院栄養食事指導料を算定した患者さんが対象、注2は栄養管理計画が策定されている患者さんが転院・入所する場合が対象という違いがあります。どちらも「入院中1回に限り」という回数制限は共通です。
対象になりうる患者・場面
みらい(新人医療事務)
うちの患者さんだと、どんな場面で候補になりそうですか?
あおい(元・医療事務)
大きく分けると、次の2つの場面のどちらかに当てはまるかを確認するイメージです。

あおい(元・医療事務)
図の左側(注1)は、入院栄養食事指導料を算定した患者さんが退院後に他の保険医療機関等へ移る場面。右側(注2)は、注1に当てはまらないけれど栄養管理計画のある患者さんが転院・入所する場面です。いずれも移る先は「他の保険医療機関、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、指定障害者支援施設等、福祉型障害児入所施設」のいずれかであることが告示に明記されています。
みらい(新人医療事務)
移る先の施設のタイプまで細かく決まっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ここが要件と合っているかどうかは、患者さんごとに個別確認が必要なポイントですね。
点数・区分番号(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数は表にしてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。令和8年度の内容をまとめるとこうなります。
| 区分番号 | 名称 | 点数 | 算定回数 |
|---|---|---|---|
| B011-6 | 栄養情報連携料 | 70点 | 入院中1回に限り |
あおい(元・医療事務)
区分番号「B011-6」は告示上の見出しで、個別の診療行為マスターコードは当サイトの資料内では確認できていません。レセプト入力時のコードは、お手元の医科診療行為マスターで確認してください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、点数表の区分番号と実際のレセプトコードは別物として扱うんですね。
施設基準・届出について
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
ここは慎重に確認したいところです。当サイトが確認できた令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、栄養情報連携料に固有の施設基準や届出の定めは見当たりません。前提となる入院栄養食事指導料(区分番号B001の10)を算定できる体制があるかどうかが、実質的な出発点になります。
みらい(新人医療事務)
「見当たらない」ということは、届出なしで大丈夫と考えていいですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定を避けたいところです。「資料の範囲では確認できていない」というだけで、自院の届出状況・地方厚生局への確認まで済ませたわけではありません。最終的には自院の届出台帳と、必要であれば地方厚生局への確認をおすすめします。
断定は避けてください
栄養情報連携料に固有の届出義務が明記されていないからといって、自院がすべての場面で算定候補になるとは限りません。入院栄養食事指導料の算定状況や、情報提供の実施方法が要件どおりかは、個別に確認が必要です。
留意事項通知が示す運用のポイント
みらい(新人医療事務)
告示だけだとイメージがつかみにくいので、もう少し具体的に知りたいです。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)には、実務上のポイントがまとまっています。まず、この加算の趣旨についてです。「栄養情報連携料は、退院後の栄養食事指導に関する内容(「注1」の場合に限る)及び入院中の栄養管理に関する情報について、医療機関間の有機的連携の強化及び保健又は福祉関係機関等への栄養情報提供等の連携機能の評価を目的として設定されたものであり、両者が患者の栄養に関する情報(必要栄養量、摂取栄養量、食事形態(嚥下食コードを含む。)、禁止食品、栄養管理に係る経過等)を共有することにより、継続的な栄養管理の確保等を図るものである。」(診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について、令和8年3月5日保医発0305第6号)
みらい(新人医療事務)
共有する情報の中身まで具体的に書かれているんですね。必要栄養量とか、禁止食品とか。
あおい(元・医療事務)
そうです。次に、実務フローについても触れられています。「(5) 栄養情報提供に当たっては、別紙様式12の5又はこれに準ずる様式を交付するとともに交付した文書の写しを診療録等に添付する。なお、診療情報を示す文書等が交付されている場合にあっては、当該文書等と併せて他の保険医療機関等に情報提供することが望ましい。」(同通知)
あおい(元・医療事務)
別紙様式12の5、またはこれに準じた様式を使い、交付した文書の写しを診療録に残しておく必要があります。この記録が残っていないと、後から算定根拠を示すのが難しくなります。
みらい(新人医療事務)
様式を使わないと算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
「これに準ずる様式」とあるので、様式12の5そのものでなくても、同等の内容を満たす文書であれば運用上は対応できると読めます。ただし、必要な情報項目が抜けていないかは、自院で作成する文書のフォーマットを見直すときに確認しておきたいですね。
併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できないケースもありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、注意が必要な点があります。当サイトの資料整理では、区分番号B005に掲げる退院時共同指導料2とは別に算定できないとされています。
退院時共同指導料2との関係に注意
栄養情報連携料と退院時共同指導料2(区分番号B005)は、同時に算定できないと整理されています。退院時に複数の指導料・連携料が絡む場面では、どちらを算定するかを事前にレセプト担当と確認しておくと安心です。
あおい(元・医療事務)
また、留意事項通知では「当該情報を提供する保険医療機関と特別の関係にある機関に情報提供が行われた場合は、算定できない」とも整理されています。系列施設への転院・入所の場合は、この点も確認が必要です。
系列施設への転院・入所は要確認
情報提供の相手先が、自院と特別な関係にある医療機関・施設の場合は算定対象外となる整理です。グループ内の連携が多い医療機関ほど、事前のチェックが取り漏れ防止につながります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えしたいのですが、当サイトが確認できた一次資料(令和8年度の告示・留意事項通知)の範囲では、前回改定からの変更点を特定できていません。栄養情報連携料そのものの制度趣旨や算定回数の記載は、今回確認した告示・留意事項通知の内容から読み取れる限りでは、大きな変更を示す記述は見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
「見当たらない」と「変わっていない」は違うんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。改定の詳細な経緯を正確に把握するには、厚生労働省が公表する「個別改定項目について」などの改定説明資料や、地方厚生局への確認をおすすめします。当サイトでは根拠のない断定はしない方針なので、この点は「変更の有無は資料の範囲では確認できていない」という表現にとどめています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで確認するとしたら、どんな順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
フローにしてみましたので、順番に見ていきましょう。

自院で確認する順番
- 対象患者の確認: 入院栄養食事指導料(区分番号B001の10)を算定した患者、または栄養管理計画が策定されている患者かを確認する
- 転院・入所先の確認: 移る先が他の保険医療機関、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、指定障害者支援施設等、福祉型障害児入所施設のいずれかかを確認する
- 情報提供の実施: 管理栄養士が指導内容と入院中の栄養管理情報を、別紙様式12の5またはこれに準ずる様式で説明・情報提供したかを確認する
- 共有の成立と記録: 相手施設の医師または管理栄養士と情報を共有し、交付した文書の写しを診療録等に添付したかを確認する(特別の関係にある機関でないことも確認)
- 併算定の確認: 退院時共同指導料2(区分番号B005)を同時に算定していないかを確認する
あおい(元・医療事務)
この5つを順番に確認して、すべて満たしていそうであれば算定候補として院内で検討する、という流れになります。
関連する栄養関連の加算もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
栄養に関する加算って、他にもいろいろありますよね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。退院後の在宅訪問での栄養指導は退院後訪問栄養食事指導料、入院中に複数患者へ集団で行う栄養指導は集団栄養食事指導料が該当します。栄養情報連携料と対象患者・場面が近いので、あわせて確認しておくと自院の算定漏れチェックがしやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。