みらい(新人医療事務)
「訪問看護遠隔診療補助料」っていう名前の項目を初めて見たんですけど、これってどういう場面で出てくるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数表に区分番号C005-1-3として載っている項目ですね。医師がオンライン診療(情報通信機器を用いた診療)を行うときに、患者さんの自宅に看護師等が訪問して同席し、診療の補助を行う場面を評価するものです。いわゆる「D to P with N」(患者さんが看護師等と一緒にいる状態でのオンライン診療)を想定した仕組みです。
みらい(新人医療事務)
医師が画面越しに診るだけじゃなくて、そばに看護師さんがいる状態のオンライン診療ってことですね。うちの診療所でも算定候補になるか、気になります!
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただ、対象になる場面や施設基準がかなり具体的に決まっていますので、順番に確認していきましょう。この記事では令和8年度の告示・留意事項通知に基づいて整理します。年度が変わると要件が変わることもあるので、必ず「令和8年度」の資料であることを意識して読んでくださいね。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
まず、どんな医療機関のどんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1には、対象になる患者について「在宅で療養を行っている又は緊急に診療を要する患者であって通院が困難なもの」と書かれています。つまり、在宅療養中の患者さんか、あるいは急な体調変化などで通院が難しい患者さんが対象です。
みらい(新人医療事務)
「緊急に診療を要する」というのは、急病のようなイメージでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。留意事項通知には、緊急のケースについてもう少し詳しい説明があります。「患者又はその家族等の患者の看護等に当たる者が、当該保険医療機関に対し緊急に直接診療を求め、当該保険医療機関の医師が、看護師等が同席の下で診療を行う必要があると判断し、可及的速やかに患家に看護師等を訪問させて診療の補助を行った場合に算定できる」とされています。逆に「定期的ないし計画的に情報通信機器を用いた診療を行った場合には算定できない」とも明記されているので、あらかじめ決まったスケジュールでのオンライン診療とは区別されている点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、突発的な対応のための評価ということですね。医療機関側の要件はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
医師が所属する保険医療機関が、施設基準に適合しているとして地方厚生局長等に届け出ていることが前提です。この点は次の「施設基準・届出」のところで詳しく見ていきましょう。
対象患者に関する注意
留意事項通知には「医師又は看護師の配置が義務付けられている施設に入所している患者(給付調整告示等により規定する場合を除く。)については、算定の対象としない」との記載があります。介護施設等に入所中の患者さんについては、施設側の人員配置によって対象外になる可能性があるため、個別に確認が必要です。
点数と算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表(告示)では、次のとおり定められています。
| 区分番号 | 項目名 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| C005-1-3 | 訪問看護遠隔診療補助料 | 265点 | 1日につき |
あおい(元・医療事務)
告示の原文では「C005-1-3 訪問看護遠隔診療補助料(1日につき) 265点」となっています。算定できる回数についても、注1の末尾に「月に1回に限り算定する」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
1日単位の点数だけど、月1回までなんですね。交通費とかはどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
注2に明確な規定があります。「訪問看護遠隔診療補助に要した交通費は、患家の負担とする」とされていますので、看護師等が患家を訪問する際の交通費は点数に含まれず、患者さん側の負担になります。この点は患者さんへの説明でも押さえておきたいポイントです。
点数まわりの確認ポイント
- 算定単位: 265点(1日につき)。ただし月に1回が上限
- 交通費: 点数とは別に患家の負担
- 併算定の制限: 同一日に算定できない項目がある(次のセクションで詳しく解説)

施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた施設基準、具体的にはどういう内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1を読み解くと、届出が関わる主体は大きく2つあります。
みらい(新人医療事務)
2つもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。1つ目は、診療を行う保険医療機関そのものです。「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関の保険医が」という前提が置かれています。つまり、医師の所属する医療機関自体が施設基準を満たし、届け出ていることが算定の出発点です。
みらい(新人医療事務)
もう1つは?
あおい(元・医療事務)
訪問看護ステーションと連携する場合の基準です。注1には「訪問看護・指導又は訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法(平成20年厚生労働省告示第67号)の区分番号06に規定する別に厚生労働大臣が定める基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの看護師等」という表現があります。医療機関と連携する訪問看護ステーション側も、決められた基準に適合し届出をしていることが求められる場面がある、ということです。
みらい(新人医療事務)
医療機関だけじゃなく、連携する訪問看護ステーション側の届出も見ておく必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。留意事項通知(2)には、看護師等が患家を訪問する場面として2つのパターンが書かれています。アは「情報通信機器を用いた診療を行う保険医療機関自身が当該診療時に看護師等を患家に訪問させる場合」、イは「当該保険医療機関と連携する訪問看護ステーションによる訪問を併用して行われる場合」です。どちらのパターンかによって、確認すべき届出の主体が変わってきます。
みらい(新人医療事務)
イのパターンで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知イの括弧書きに重要な注記があります。「医療保険の訪問看護の対象の患者であって、訪問看護ステーションに対して訪問看護指示書を交付したものについて、訪問看護指示書の有効期間内に行う場合は、訪問看護ステーションによる訪問に要する費用は、訪問看護療養費として訪問看護ステーションに直接支払われるため、当該点数の対象とならない」とされています。つまり、通常の訪問看護指示書に基づく訪問看護療養費の対象になっているケースでは、この加算の対象外になるということですね。
届出の確認ポイント
- 診療を行う保険医療機関が、施設基準に適合しているものとして届出済みか
- 訪問看護ステーションと連携する場合、そのステーションが区分番号06の基準に適合し届出済みか
- 訪問看護指示書に基づく訪問看護療養費の対象になっていないか(対象なら本料の対象外)
- 【令和8年9月疑義解釈で明確化】連携する訪問看護ステーションは、様式20の3の7で「連携する訪問看護ステーション」として届出されているものを指す(別添1 問8)
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた「地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーション」というのは、具体的にどの届出を見ればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは令和8年9月2日付の疑義解釈資料(その12)の別添1 問8で明確化されています。問8では「区分番号C005-1-3の訪問看護遠隔診療補助料について、地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護計画書に基づき定期的に行う指定訪問看護以外の場合に、患家を訪問し、情報通信機器を用いた診療の補助を行った場合に算定するとあるが、この訪問看護ステーションは、様式20の3の7において『連携する訪問看護ステーション』として届出を行っている訪問看護ステーションを指すと考えてよいか」との問いに対し、「そのとおり」と回答されています。つまり、様式20の3の7に「連携する訪問看護ステーション」として記載されているステーションであることが確認のポイントになります。
みらい(新人医療事務)
様式20の3の7に載っているかどうかを見ればいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。連携先の訪問看護ステーションが、自院の届出(様式20の3の7)に「連携する訪問看護ステーション」として記載されているかを確認するのが具体的な手順になります。
みらい(新人医療事務)
逆に、訪問看護ステーション側が訪問看護療養費として算定する場合の「主治医」についても、何か決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。同じ疑義解釈資料(その12)の別添4(訪問看護療養費関係)問1で、訪問看護療養費の区分番号06の訪問看護遠隔診療補助料について「主治医から訪問看護指示書の交付を受けた利用者の訪問看護計画に基づき定期的に行う指定訪問看護以外であって、主治医が情報通信機器を用いた診療に際し、看護職員が利用者と同席の下で緊急に診療を受ける必要があると判断した場合」に算定するとあるが、この主治医は、様式13において『連携する保険医療機関』として届出を行っている保険医療機関の主治医を指すと考えてよいか」との問いに「そのとおり」と回答されています。この訪問看護療養費側の区分番号06はC005-1-3そのものではありませんが、同じ「情報通信機器を用いた診療への看護師等の同席」という枠組みで連携先の届出内容を確認する必要がある点は共通しています。
みらい(新人医療事務)
医療機関側は様式20の3の7、訪問看護ステーション側は様式13、両方の届出内容が一致しているかがカギなんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。連携する相手が、それぞれの届出様式に正しく記載されているかどうかを、双方で確認し合うことが大切です。
みらい(新人医療事務)
記録面ではどんなことが求められていますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(3)に「当該医師はその指示内容を診療録に記載すること。また、当該看護師等は、医師の指示及び当該指示に基づき行った診療の補助の日時、内容の要点並びに対応状況を看護記録等に記録すること」とあります。医師の指示内容の診療録記載と、看護師等による看護記録の作成、どちらも必須の記録事項です。
あおい(元・医療事務)
また、留意事項通知(5)には「当該点数については、オンライン指針に沿って診療及び診療の補助を行った場合に算定する」とあり、初診からのオンライン診療を行う場合は診療前相談を実施したうえで、看護師等による患家への訪問の必要性を認めた場合に限り算定できるとされています。その必要性については「診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載すること」も求められています。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
同じ日に他の訪問看護系の項目と一緒に算定できたりしますか?
あおい(元・医療事務)
そこは要注意です。留意事項通知(4)に明確な規定があります。「当該点数を算定する場合、同一日に在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料、訪問看護指示料、精神科訪問看護・指導料又は訪問看護療養費は別に算定できないが、在宅患者訪問点滴注射管理指導料は算定できる」とされています。告示の注3でも「同一日に、区分番号C005に掲げる在宅患者訪問看護・指導料、区分番号C005-1-2に掲げる同一建物居住者訪問看護・指導料、区分番号C007に掲げる訪問看護指示料又は区分番号I012に掲げる精神科訪問看護・指導料は、別に算定できない」と同趣旨の定めがあります。
みらい(新人医療事務)
併算定できない項目とできる項目、どちらもあるんですね。ちゃんと確認しないと。関連する項目として 在宅患者訪問看護・指導料 や 同一建物居住者訪問看護・指導料 との違いも押さえておきたいです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。名前が似ている分、算定日が重なっていないか、レセプト作成時に確認する習慣をつけておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
1回の訪問で複数の患者さんに対応した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、看護師等が同一の機会に2人以上の患者の診療の補助を行った場合の取り扱いも書かれています。「看護師等が2人以上の患者の診療の補助を行った場合は、2人目以降の患者については訪問看護遠隔診療補助料を算定せず、「A000」初診料又は「A001」再診料若しくは「A002」外来診療料及び第2章特掲診療料のみを算定する」とされ、さらに「2人目以降のそれぞれの患者の診療に要した時間が1時間を超えた場合は、その旨を診療報酬明細書の摘要欄に記載し、訪問看護遠隔診療補助料を算定する」という例外もあります。
みらい(新人医療事務)
1人目と2人目以降で扱いが変わるんですね、ちょっと複雑です。
あおい(元・医療事務)
はい、複数患者への同時対応がある施設では、レセプト摘要欄への記載を含めて丁寧な確認が必要な部分です。
算定タイミングの注意
留意事項通知(6)にあるとおり、緊急対応の場面での算定が想定されており、「定期的ないし計画的に情報通信機器を用いた診療を行った場合には算定できない」とされています。あらかじめ決めたスケジュールでのオンライン診療補助には使えない点数である、という位置づけを押さえておきましょう。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この項目、前の改定のときからあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和6年度の点数表には区分番号C005-1-3(訪問看護遠隔診療補助料)に相当する記載は確認されていません。区分番号が「C005(在宅患者訪問看護・指導料)」「C005-1-2(同一建物居住者訪問看護・指導料)」に続く枝番であることや、看護師等が同席するオンライン診療(D to P with N)を評価する趣旨であることから、令和8年度改定で新たに設けられた区分である可能性があります。
みらい(新人医療事務)
「可能性がある」というのは、まだ確定していないんですか?
あおい(元・医療事務)
新設の正式な経緯や位置づけについては、当サイトで直接引用できる一次資料の範囲を超えるため、断定は避けています。詳しい経緯を確認したい場合は、厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」等の公式資料でご確認いただくのが確実です。令和8年度の告示・留意事項通知に基づく点数(265点)・算定要件は、ここまで解説してきたとおりです。
改定差分の確認範囲
- 令和6年度点数表に同一区分番号の記載は、当サイトの収録範囲では確認できていません
- 令和8年度の告示・留意事項通知には265点・月1回限りの算定要件が明記されています
- 新設の経緯そのものは厚労省の改定概要資料等でご確認ください
- 令和8年9月2日付の疑義解釈資料(その12)で、届出の指す範囲についての明確化が示されています(点数・算定要件自体の変更ではありません)
みらい(新人医療事務)
点数や算定要件そのものが変わったわけではないんですね?
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年9月2日付の疑義解釈資料(その12)は、点数(265点)や算定要件自体を変更するものではなく、「地方厚生局長等に届け出た訪問看護ステーション」が指す範囲についての明確化です(別添1 問8)。具体的には、様式20の3の7で「連携する訪問看護ステーション」として届出を行っているステーションを指すとされています。あわせて、同資料の別添4(訪問看護療養費関係)問1では、訪問看護療養費の区分番号06における「主治医」についても、様式13で「連携する保険医療機関」として届出を行っている保険医療機関の主治医を指すと明確化されています。現行の点数・算定要件は、ここまで解説してきたとおり令和8年度の告示・留意事項通知のままです。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの診療所で確認する場合、どういう順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に並べると、こんな流れになります。
自院で確認する順番
- 情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)を行っているか確認 — 対象は在宅療養中、または緊急で通院が困難な患者さんです
- 自院が施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出ているか確認 — 未届出であれば算定候補になりません
- 看護師等の同席が必要と判断される場面かを確認 — 医師が「看護師等が同席の下で診療を行う必要がある」と判断し、患者の同意を得ていることが前提です
- 訪問看護ステーションと連携する場合は、そのステーションの届出状況も確認 — 区分番号06の基準に適合し届け出ているかがポイントです
- 訪問看護計画書に基づく定期訪問ではないかを確認 — 定期的・計画的な訪問看護の一環である場合は対象外です
- 併算定できない項目と重複していないか確認 — 同一日の在宅患者訪問看護・指導料等との重複に注意します
- 診療録・看護記録・レセプト摘要欄への記載を確認 — 医師の指示内容、看護師等の対応状況、必要性の記載が求められます

みらい(新人医療事務)
こうやって順番に並べてもらうと、確認漏れが減りそうです。
よくある取り漏れ
あおい(元・医療事務)
実際の確認場面でつまずきやすいポイントをいくつか挙げておきますね。
よくある取り漏れ
- 訪問看護ステーション側の届出確認を忘れる: 連携先のステーションが区分番号06の基準に適合し届け出ているかまで確認できていないケースがあります
- 定期訪問との区別があいまい: 訪問看護計画書に基づく定期的な訪問看護の一環になっていないか、都度確認が必要です
- 同一日の併算定制限を見落とす: 在宅患者訪問看護・指導料や訪問看護指示料などとの重複算定に気づかず請求してしまうケースが想定されます
- 交通費を点数に含めて説明してしまう: 交通費は患家の負担であり、点数とは別扱いです
みらい(新人医療事務)
どれも「知らなかった」で済まされない部分ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に届出の確認は自院だけでなく連携先の状況にも関わるので、事前のすり合わせが大切です。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠としています。詳細な施設基準・届出手続きは、必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示)医科点数表 C005-1-3 訪問看護遠隔診療補助料 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tokaihokuriku/000433602.pdf
- 疑義解釈資料の送付について(その12)(令和8年9月2日 保険局医療課事務連絡) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001744953.pdf
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。