みらい(新人医療事務)
院長から「在宅で血糖を測ってる患者さん、血糖自己測定器加算が算定候補になるかもしれないよ」って言われたんですけど、正直まだよくわかっていなくて…。血糖自己測定器加算ってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
血糖自己測定器加算(区分C150)は、インスリン製剤などの自己注射を行っている患者さんや小児低血糖症の患者さんなどに対して、血糖を自宅で自己測定するための測定器(試験紙やセンサーなど)を給付し、その記録に基づいて指導を行った場合に算定する加算です。単独では算定できず、在宅療養指導管理料の仲間である「C101」在宅自己注射指導管理料、「C101-2」在宅小児低血糖症患者指導管理料、「C101-3」在宅妊娠糖尿病患者指導管理料のいずれかに上乗せする形で算定します。
みらい(新人医療事務)
なるほど、単独の加算じゃなくて「上乗せ」なんですね。うちのクリニックでも算定候補になるのか、まず何を確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
落ち着いて一つずつ確認していきましょう。この記事では令和8年度(2026年度)の告示・留意事項通知の内容にもとづいて、対象患者・点数区分・算定のタイミング・注意点を順番に整理していきますね。最終的な算定可否は自院の届出状況や個別の患者さんの状態によって変わるので、あくまで「確認の入り口」として読んでください。
対象となる医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
まず、どんな医療機関で、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は診療所・病院で、在宅の患者さんが中心です。入院中の患者さんへの算定は、原則として対象外になります。対象患者は、告示の注1〜注4で区分ごとに定められています。
点数区分1〜4の対象患者(告示 注1)
イ: インスリン製剤又はヒトソマトメジンC製剤の自己注射を1日に1回以上行っている患者(1型糖尿病の患者及び膵全摘後の患者を除く) ロ: インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている患者(1型糖尿病の患者又は膵全摘後の患者に限る) ハ: 12歳未満の小児低血糖症の患者 ニ: 妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る)
みらい(新人医療事務)
区分5・6や、7番の間歇スキャン式も対象患者が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、区分によって対象が絞られます。5・6は「インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている患者(1型糖尿病又は膵全摘後の患者に限る)」「12歳未満の小児低血糖症の患者」「妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者」の3類型です。7番の間歇スキャン式持続血糖測定器によるものは、「インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている入院中の患者以外の患者」が対象になります。
| 点数区分 | 対象患者の主な類型 |
|---|---|
| 1〜4 | インスリン製剤等の自己注射(1日1回以上)/1型糖尿病・膵全摘後の患者/12歳未満の小児低血糖症/妊娠中の糖尿病・妊娠糖尿病 |
| 5・6 | インスリン製剤の自己注射(1型糖尿病又は膵全摘後に限る)/12歳未満の小児低血糖症/妊娠中の糖尿病・妊娠糖尿病 |
| 7(間歇スキャン式) | インスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている入院中の患者以外の患者 |
みらい(新人医療事務)
グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニスト(GLP-1受容体アゴニスト)を使っている患者さんもいるんですけど、その方はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に規定があります。グルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストの自己注射を承認された用法及び用量に従い週1回以上行っている患者に対して、血糖自己測定値に基づく指導のために血糖自己測定器を使用した場合は、インスリン製剤の自己注射を行っている患者に準じて算定できるとされています。同じように、インスリン イコデクの自己注射を週1回行っている患者も、インスリン製剤を1日1回以上行っている患者に準じて算定できるとされています。この2つは対象を広く見誤りやすいポイントなので、処方内容を確認するときに意識しておきたいところです。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっていますか?表にしてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。血糖自己測定器加算は測定回数の頻度に応じて7段階に分かれています。
| 区分 | 内容 | 点数 |
|---|---|---|
| 1 | 月20回以上測定する場合 | 350点 |
| 2 | 月30回以上測定する場合 | 465点 |
| 3 | 月40回以上測定する場合 | 580点 |
| 4 | 月60回以上測定する場合 | 830点 |
| 5 | 月90回以上測定する場合 | 1,170点 |
| 6 | 月120回以上測定する場合 | 1,490点 |
| 7 | 間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの | 1,250点 |

みらい(新人医療事務)
区分7の「間歇スキャン式持続血糖測定器」って、どんな時に使うものなんですか?
あおい(元・医療事務)
間歇スキャン式は、皮膚に装着したセンサーをかざして血糖値の推移を確認するタイプの測定器です。留意事項通知では、区分7については、糖尿病の治療に関し専門の知識及び5年以上の経験を有する常勤の医師、又はその専門の医師の指導の下で糖尿病の治療を実施する医師が、間歇スキャン式持続血糖測定器を使用して血糖管理を行った場合に算定するとされています。誰が測定器を使わせても良いわけではなく、担当医師の経験年数という条件が付いている点は見落としやすいので注意してください。
みらい(新人医療事務)
あと「血中ケトン体自己測定器加算」っていうのも聞いたことがあるんですが、これも血糖自己測定器加算の一部ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、C150の「注4」に規定されている上乗せの加算です。SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者に対して、血中ケトン体自己測定器を使用した場合は、血中ケトン体自己測定器加算として40点を更に第1款の所定点数に加算するとされています。留意事項通知では、糖尿病性ケトアシドーシスのリスクを踏まえ、在宅で血中のケトン体濃度の自己測定を行うために血中ケトン体自己測定器を給付した場合に算定するものとされていて、測定用電極や測定機器の費用も所定点数に含まれ、別に算定できないとされています。
材料費は所定点数に含まれる
血糖試験紙(テスト・テープ)、固定化酵素電極(バイオセンサー)、穿刺器、穿刺針、皮下グルコース用電極及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合の費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は、所定点数に含まれ、別に算定できないとされています。血中ケトン体自己測定器加算についても同様に、測定用電極や測定機器の費用は所定点数に含まれます。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算、届出とか施設基準はいるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、血糖自己測定器加算(C150)そのものに施設基準や地方厚生局への届出を求める規定は見当たりません。区分7の間歇スキャン式についても、算定要件として担当医師の経験年数の条件はありますが、施設基準の届出とは別の話です。
似た名前の加算と混同しないよう注意
同じ血糖関連の加算でも、持続血糖測定器加算(C152-2)は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが算定の条件として明記されています。血糖自己測定器加算(C150)とは別の加算・別の届出要件なので、名称が似ている加算を混同しないようにしてください。届出の要否は加算ごとに異なるため、最終的には自院の届出状況を地方厚生局や公式資料で確認することをおすすめします。
| 加算 | 施設基準の届出 |
|---|---|
| 血糖自己測定器加算(C150) | 一次資料の範囲では届出を求める規定は確認できていません |
| 持続血糖測定器加算(C152-2) | 施設基準に適合し地方厚生局長等に届け出た保険医療機関であることが明記されています |
算定のタイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?入院していた患者さんが退院するときとか。
あおい(元・医療事務)
良いところに気づきましたね。留意事項通知では、入院中の患者に対して、退院時に「C101」在宅自己注射指導管理料、「C101-2」在宅小児低血糖症患者指導管理料又は「C101-3」在宅妊娠糖尿病患者指導管理料を算定すべき指導管理を行った場合は、退院の日に限り、指導管理料の所定点数及び血糖自己測定器加算の点数を算定できるとされています。
みらい(新人医療事務)
「退院の日に限り」ってことは、同じ月に外来でも算定できたりするんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そこが重複算定の落とし穴です。留意事項通知には、当該保険医療機関において当該退院月に外来、往診又は訪問診療において在宅自己注射指導管理料等を算定すべき指導管理を行った場合であっても、指導管理の所定点数及び血糖自己測定器加算は算定できないと明記されています。つまり、退院日にすでに算定していれば、同じ月にもう一度外来分として算定することはできません。
回数制限・重複算定の断定は避ける
退院日算定と同月外来算定の重複ができない点は資料に明記されていますが、それ以外の細かい算定回数の運用(複数月分処方時の扱いなど)は患者さんの処方状況によって個別に判断が必要です。資料で確認できない運用については「算定候補」として自院で個別に確認し、断定しないようにしてください。
みらい(新人医療事務)
間歇スキャン式(区分7)を使うときの測定回数の数え方も、ふつうの血糖自己測定と違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知では、区分7については間歇スキャン式持続血糖測定器以外の血糖自己測定は所定点数に含まれ、別に算定できないとされています。また、注3の場合を除き、間歇スキャン式持続血糖測定器を使用する場合には、間歇スキャン式持続血糖測定器以外の血糖自己測定をした回数を基準に算定するとされています。区分1〜6と区分7では回数の数え方の考え方が違うので、レセプト作成時に混同しないよう気をつけたいところです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収集している一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号・医科点数表の解釈)の範囲では、血糖自己測定器加算(C150)について前回改定(令和6年度)からの点数や対象患者・算定要件の変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。インスリン イコデクの週1回自己注射やグルカゴン様ペプチド-1受容体アゴニストの週1回自己注射に関する準用規定など、令和8年度時点の現行の取り扱いとして留意事項通知に記載されている内容はありますが、これが令和6年度から継続している規定なのか、令和8年度改定で明確化されたものなのかは、当サイトが確認できる一次資料だけでは判別できていません。
前回→今回の対比(確認できた範囲)
前回改定(令和6年度): 血糖自己測定器加算(C150)の点数・対象患者の詳細な変遷は、当サイトの一次資料の範囲では未確認です。 令和8年度: 350点〜1,490点の7区分+血中ケトン体自己測定器加算(40点)という現行の構成を告示・留意事項通知で確認しています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちのクリニックで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 対象の患者さんが、インスリン製剤等の自己注射・小児低血糖症・妊娠糖尿病などの対象患者類型に当てはまるか確認する
- その患者さんに「C101」在宅自己注射指導管理料、「C101-2」在宅小児低血糖症患者指導管理料、「C101-3」在宅妊娠糖尿病患者指導管理料のいずれかを算定しているか確認する
- 月の血糖自己測定回数(または間歇スキャン式かどうか)を確認し、該当する点数区分を確認する
- SGLT2阻害薬服用中の1型糖尿病患者であれば、血中ケトン体自己測定器加算の対象になるかも確認する
- 退院時算定と同月の外来算定が重複していないか、レセプト上で確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れとか、間違えやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかありますよ。
よくある取り漏れ・誤りやすいポイント
測定回数の区分違い: 月の測定回数が増えているのに、以前と同じ低い区分のままで算定してしまっているケース GLP-1受容体アゴニスト・インスリン イコデクの週1回自己注射の見落とし: インスリン製剤の1日1回自己注射だけを対象と思い込み、週1回タイプの準用規定を見落としているケース 間歇スキャン式の医師要件の未確認: 区分7を、経験年数の条件を満たさない医師の指導管理で算定してしまっているケース 血中ケトン体自己測定器加算の見落とし: SGLT2阻害薬服用中の1型糖尿病患者に対して、血糖自己測定器加算だけを算定し、注4の血中ケトン体自己測定器加算(40点)を算定し忘れているケース
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
血糖自己測定器加算と、生活習慣病管理料(Ⅰ)の「血糖自己測定指導加算」は同じものですか?
あおい(元・医療事務)
別の加算です。生活習慣病管理料(Ⅰ)の血糖自己測定指導加算(血糖自己測定指導加算)は、中等度以上の糖尿病(2型糖尿病でインスリン製剤を使用していない患者に限る)を対象に、1年に1回に限り算定するものです。一方、血糖自己測定器加算(C150)は在宅自己注射指導管理料などに上乗せする加算で、対象患者も算定頻度の考え方も異なります。名前が似ているので取り違えないよう注意してください。
みらい(新人医療事務)
「在宅自己注射指導管理料」の届出をしていないとこの加算も算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
血糖自己測定器加算は在宅自己注射指導管理料等への上乗せ加算という位置づけなので、まずベースになる在宅自己注射指導管理料、在宅小児低血糖症患者指導管理料、在宅妊娠糖尿病患者指導管理料のいずれかの算定要件を満たしていることが前提になります。ベースの管理料の算定状況を確認してから、血糖自己測定器加算の対象になるかを確認する順番になります。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)の時点でも、この加算はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
血糖自己測定器加算という加算区分自体は以前から存在していますが、前回改定(令和6年度)時点での点数や対象患者の詳細を当サイトの一次資料で裏付けることはまだできていません。年度をまたいだ比較が必要な場合は、前回改定(令和6年度)当時の告示・通知を個別に確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の該当状況やベースの管理料の算定状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。