みらい(新人医療事務)
先生、「外来管理加算」ってよく点数表に出てくるんですが、どんなときに算定できる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
外来管理加算(令和8年度)は、再診のときに処置やリハビリなどを行わず、代わりに丁寧な問診・身体診察・病状説明を行った場合に算定候補になる加算です。区分番号「A001」の「注8」に規定されていて、再診料に52点を加算します。
みらい(新人医療事務)
52点!それって、毎回の再診でつくんですか?
あおい(元・医療事務)
算定できる可能性がある再診ごとに算定候補になります。ただし「処置・検査を伴わない」という要件があるので、当日行った診療の内容によって変わってきます。まず点数の基本情報を整理しますね。
外来管理加算の基本情報(令和8年度)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分番号 | A001 注8(再診料) |
| 点数 | 52点 |
| 算定単位 | 再診時(1回ごと) |
| 対象医療機関 | 診療所・200床未満の病院(再診料を算定できる施設) |
| 届出の要否 | 届出不要(施設基準なし) |
| 年度 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
届出が要らないんですね!それは助かります。具体的にどんな診療のときに算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示(令和8年度 厚生労働省告示第69号)では「処置、リハビリテーション等(診療報酬点数のあるものに限る。)を行わずに計画的な医学管理を行った場合」と定められています。さらに留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)では、算定にあたって医師が次のことを行うと規定されています。
外来管理加算を算定候補にするための診療内容(令和8年度)
以下の取り組みを行った場合が算定候補です(必ずしもすべてを行う必要はありません)
- 丁寧な問診: 患者の訴えを総括し、内容を再確認する
- 詳細な身体診察: 視診・聴診・打診・触診等を行い、所見を説明する
- 療養上の注意点の説明: 治療経過を踏まえた説明・指導を行う
- 患者の疑問や不安への対応: 「他に気になることはありますか」など潜在的な不安を汲み取る
- 診療録への記載: 患者からの聴取事項や診察所見の要点を記録する
みらい(新人医療事務)
身体診察をして、ちゃんと説明して、カルテに書く、ということですね。具体的にはどんなケースが当てはまりますか?
あおい(元・医療事務)
例えば、高血圧で定期受診の患者さんが来て、血圧測定後に医師が詳しく問診・身体診察を行い、「血圧は落ち着いていますね、食塩を控えていただくのを続けてください」と病状説明と療養指導をして、投薬のみで帰宅する場合などが算定候補です。このとき、当日に点数のある処置や特定の検査をしていない、というのが重要です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ逆に、どういうときに算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
これが外来管理加算の大事なポイントです。留意事項通知に「算定できない」場面が明確に列挙されています。
算定できないケース(令和8年度・要確認)
以下のいずれかに該当する場合は算定不可(令和8年度)
当日の診療内容による除外
- 点数のある処置・リハビリテーション・手術・麻酔・放射線治療を行った場合
- 超音波検査・脳波検査・神経筋検査・耳鼻咽喉科学的検査・眼科学的検査・負荷試験・RI・内視鏡検査(注8に定める特定検査)を行った場合
診療の形態による除外
- 電話・情報通信機器による再診(オンライン診療・電話再診)の場合
- 複数科受診で、一方の科が処置または手術等を行っている場合(他科でも算定不可)
- 患者の看護者から症状を聞いて薬剤を投与した場合(患者を直接診察していない場合)
- 多忙等を理由に丁寧な問診・身体診察を行わず、簡単な症状確認のみで継続処方した場合
みらい(新人医療事務)
「多忙等を理由に簡単な確認のみ」というのは、注意が必要そうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。留意事項通知では「多忙等を理由に、イに該当する診療行為を行わず、簡単な症状の確認等を行ったのみで継続処方を行った場合にあっては、再診料は算定できるが、外来管理加算は算定できない」と明記されています。きちんと診察・説明・記録を行ったかどうかが問われます。
みらい(新人医療事務)
カルテに記録することが大事なんですね。でも、どの診療科でも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に「標榜する診療科に関係なく算定できる」とあります。内科でも整形外科でも皮膚科でも、要件を満たせば算定候補になります。ただし先ほど説明した「複数科受診時」の制限は覚えておく必要があります。
対象医療機関と患者
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象医療機関 | 診療所・病床数200床未満の病院(再診料算定施設) |
| 対象患者 | 再診患者(初診料算定時は対象外) |
| 適用診療科 | 全診療科(標榜科に関わらず算定候補) |
| 情報通信機器による再診 | 算定不可 |
| 往診時 | 往診料と合わせて再診料+外来管理加算の算定候補 |
みらい(新人医療事務)
往診のときも算定候補になるんですね、意外でした!
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に「C000往診料を算定した場合にも、再診料に加えて外来管理加算を算定できる」とありますね。ただし往診でも、丁寧な問診・身体診察・病状説明・診療録への記載という要件は同じです。
施設基準と届出(令和8年度)
施設基準・届出のポイント(令和8年度)
- 施設基準の届出: 不要(再診料を算定できる医療機関であれば算定候補)
- 再診料の算定要件: 診療所、または一般病床数200床未満の病院
- 病床数200床以上の病院は再診料ではなく「外来診療料」が適用されるため、外来管理加算の算定対象外
みらい(新人医療事務)
届出が要らないのは分かりました。じゃあ、うちのクリニックで毎回の再診に算定していいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
「毎回算定できる」わけではなく、「要件を満たす再診のたびに算定候補になる」というのが正確です。当日に処置や特定の検査をしていないこと、丁寧な問診・身体診察・説明を行っていること、診療録への記載があること、これらが揃っている再診が算定候補です。審査側も記録内容を確認します。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で外来管理加算は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省告示(令和8年厚生労働省告示第69号)および留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)を確認した結果、令和8年度の外来管理加算は点数52点・算定要件・施設基準・届出要件のいずれも、令和6年度(2024年度)から変更は確認されていません(確認日: 2026-06・厚労省一次情報ベース)。
令和6年度→令和8年度 変更点の比較
| 項目 | 令和6年度(2024年度) | 令和8年度(2026年度) |
|---|---|---|
| 点数 | 52点 | 52点(変更なし) |
| 算定要件(主な内容) | 処置・検査なし+計画的医学管理 | 同上(変更なし) |
| 届出 | 不要 | 不要(変更なし) |
| 対象医療機関 | 診療所・200床未満病院 | 同上(変更なし) |
みらい(新人医療事務)
変わっていないんですね。安定した加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
外来管理加算は長く続いている基本的な加算ですね。ただし「算定要件を満たしているかどうか」の確認は毎回必要ですので、日々の診療記録を丁寧につけておくことが大切です。
自院で確認する順番(チェックリスト・令和8年度)
自院で確認する順番
- 自院が再診料の算定施設か確認(診療所または200床未満の病院か)
- 当日の診療内容を確認(処置・特定検査を行っていないか)
- 医師が丁寧な問診・身体診察・病状説明を行ったか確認
- 診療録に聴取事項・所見の要点が記載されているか確認
- 電話再診・オンライン診療でないか確認
- 複数科受診時は他科の診療内容を確認(処置・手術の有無)
- 算定候補として記録・請求する
みらい(新人医療事務)
ありがとうございます。このチェックで一通り確認できそうです。よくある取り漏れってありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、現場でよく見かけるパターンをまとめました。
外来管理加算の取り漏れ・算定過誤を防ぐポイント
取り漏れになりやすいケース
- 処置なし・検査なしの定期再診でも算定候補なのに、算定していない
- 往診時に外来管理加算の算定候補であることを見落とす
算定過誤になりやすいケース
- 当日に超音波検査(エコー)や内視鏡検査を行っているのに算定している
- オンライン診療・電話再診で算定している
- 複数科で一方が処置をしているのに、もう一方でも算定している
- 詳細な診察を行わず「とりあえず算定」している(診療録記録も不十分)
よくある質問
みらい(新人医療事務)
採血(血液検査)をした日は算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
採血そのものは注8が除外指定している「特定の生体検査」には含まれないため、採血+血液検査を実施した場合でも、他の要件(処置なし・丁寧な問診・身体診察・記録)を満たしていれば算定候補になります。ただし注8が除外するのは「超音波検査・脳波検査・神経筋検査・耳鼻咽喉科学的検査・眼科学的検査・負荷試験・RI・内視鏡検査」という特定の生体検査料です。自院のレセコンの設定も合わせて確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
では、検尿(尿検査)をした日は?
あおい(元・医療事務)
尿検査も、注8に列挙されている生体検査料には含まれません。尿定性・尿沈渣等の検体検査を実施した日でも、処置等を行っていない再診で要件を満たしていれば算定候補になります。ただし審査支払機関への請求に際しては、診療録の記録が重要になります。
みらい(新人医療事務)
処置は点数のあるものだけが除外なんですよね?点数のない処置なら大丈夫ですか?
あおい(元・医療事務)
告示の文言は「診療報酬点数のあるものに限る」ですから、点数のない処置は除外の対象外とも解釈できます。ただし実際の算定においては、疑義解釈・審査支払機関の判断も確認することをお勧めします。自院で判断が難しい場合は、個別に審査支払機関や地方厚生局に確認することが確実です。
自院が算定候補か確認したい方へ
あおい(元・医療事務)
自院の外来管理加算の算定候補や、他の取り漏れ加算をまとめてチェックしたい場合は、加算チェッカーで確認できます。施設の状況を入力すると、算定候補の加算を一覧でご案内します。
公式資料・根拠
| 資料名 | 発行 | 年度 |
|---|---|---|
| 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(厚生労働省告示第69号) | 厚生労働省 | 令和8年度(2026年度) |
| 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発0305第6号) | 厚生労働省 | 令和8年度(2026年度) |
| 令和8年 基本マスターに関する変更情報 | 社会保険診療報酬支払基金 | 令和8年度(2026年度) |
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・診療内容・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。本記事は令和8年度(2026年度)の告示・通知をもとに作成していますが、改定や疑義解釈の追加により内容が変わる場合があります。