みらい(新人医療事務)
「初期加算(リハビリテーション)」って名前だけ見ると、リハビリを始めたら誰でも算定できそうな気がしちゃうんですけど、そんな単純な話じゃないですよね?
あおい(元・医療事務)
そうですね。名前は素朴ですが、実際は疾患別リハビリテーション料の一部に上乗せする形の加算で、届出と施設基準が前提になっています。令和8年度の点数表を一緒に見ていきましょう。
初期加算(リハビリテーション)とはどんな加算か
みらい(新人医療事務)
まず、これはどんな場面で出てくる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
疾患別リハビリテーション料には、発症や手術、急性増悪からあまり時間が経っていない、いわゆる「急性期に近い」患者さんに対するリハビリを評価する仕組みがいくつかあります。初期加算(リハビリテーション)はそのひとつで、疾患別リハビリテーション料の所定点数に、さらに上乗せする形で算定する加算です。
みらい(新人医療事務)
「上乗せ」ということは、単独では算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。心大血管疾患リハビリテーション料や呼吸器リハビリテーション料などの告示では、注として「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のものに対してリハビリテーションを行った場合は、発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して14日を限度として、初期加算として、1単位につき45点を更に所定点数に加算する」と規定されています。疾患別リハビリテーション料の算定要件を満たしたうえで、初期加算特有の届出と期間の条件も満たす必要がある、という構造です。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんは、入院している人だけですか?
あおい(元・医療事務)
この告示の文言では「入院中のもの」に限定されています。当サイトが収録している一次資料の範囲でも、対象は診療所・病院の入院場面が中心という整理になっていて、外来のみの患者さんは対象になりにくいと考えられます。ただし、対象患者の詳しい定義(別に厚生労働大臣が定める患者)は疾患別リハビリテーション料ごとの告示・留意事項で確認する必要があります。
点数と算定できる日数の目安(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数と、いつまで算定できるのかも気になります。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示ベースでは、次のように整理できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算点数 | 1単位につき45点(所定点数に更に加算) |
| 算定の起算日 | 発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早い方 |
| 算定できる期間の目安 | 起算日から14日を限度 |
| 対象患者 | 疾患別リハビリテーション料の対象患者であって入院中のもの |
| 届出 | 必要(施設基準の届出をした保険医療機関) |

みらい(新人医療事務)
「7日目、または治療開始日のいずれか早い方」というのが独特ですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。発症日や手術日からではなく、実際にリハビリの治療を開始した日と比較して早い方を起算日にする、という考え方です。この起算日の計算を間違えると、算定できる期間がずれてしまうので注意したいところですね。
起算日の考え方はリハビリテーション料の種類で表現が異なることがあります
今回確認できた一次資料では、心大血管疾患リハビリテーション料や呼吸器リハビリテーション料の告示に「発症、手術若しくは急性増悪から7日目又は治療開始日のいずれか早いものから起算して14日を限度として」という文言があります。一方で、脳血管疾患等リハビリテーション料の告示の初期加算に関する条文では「それぞれ発症、手術又は急性増悪から14日を限度として」とされており、7日目・治療開始日の比較についての文言が明記されていません。対象となる疾患別リハビリテーション料の種類によって条文の書き方が異なる場合があるため、算定候補と考える前に、自院が算定している疾患別リハビリテーション料に対応する告示・留意事項の該当箇所を必ず確認してください。
施設基準と届出はどう確認するか
みらい(新人医療事務)
施設基準の中身がどうなっているのか、具体的に教えてください。
あおい(元・医療事務)
告示の文言では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが前提になっています。つまり、疾患別リハビリテーション料そのものの施設基準(人員配置や届出区分など)を満たしたうえで、地方厚生局長等への届出が済んでいることが条件です。
みらい(新人医療事務)
届出をしていないと、そもそも算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
届出が確認できない状態では、算定候補にはなりません。「届出をしていないので今後も対象外」と決めつけるのではなく、「届出済みであれば算定候補になり得るので、届出状況を確認する必要がある」という順番で考えるのが安全です。当サイトが収録している一次資料の範囲では、初期加算固有の施設基準の細目(人員・設備等の具体的な数値要件)までは確認できていません。細目は疾患別リハビリテーション料ごとの施設基準通知で確認が必要です。
届出のよくある確認ポイント
疾患別リハビリテーション料の届出区分: どの疾患別リハビリテーション料(心大血管疾患・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器など)を届け出ているかで、初期加算の適用条件の書き方が変わることがあります。 地方厚生局への届出の有無: 疾患別リハビリテーション料本体の届出だけでなく、初期加算に関わる施設基準への適合状況も確認します。
算定タイミングと注意したいポイント
みらい(新人医療事務)
いつ算定するか、タイミングで迷いそうです。
あおい(元・医療事務)
起算日(発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早い方)から数えて14日を限度とする、という枠組みが基本です。この期間を過ぎた分については、初期加算としての算定候補ではなくなると考えられます。
みらい(新人医療事務)
併算定については何か注意点がありますか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した一次資料の範囲では、初期加算に固有の併算定除外規定までは確認できていません。ただし、同じ疾患別リハビリテーション料の枠組みには、早期リハビリテーション加算や急性期リハビリテーション加算、休日リハビリテーション加算など、似た名前で起算日や期間の考え方が異なる加算がいくつも規定されています。名前が似ているために、初期加算と早期リハビリテーション加算を混同してしまうケースもあるので、条文でどの加算の規定かを一つずつ確認することが大切です。
似た名前の加算との混同に注意
「初期加算」「早期リハビリテーション加算」「急性期リハビリテーション加算」「休日リハビリテーション加算」は、いずれも疾患別リハビリテーション料の注に規定される加算ですが、起算日の考え方・加算点数・算定できる日数の限度がそれぞれ異なります。自院のレセプトで対象になり得るのがどの加算かは、条文の主語(どの区分・どの加算を指しているか)を一文ずつ確認したうえで判断する必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この初期加算そのものは何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
初期加算(リハビリテーション)自体の点数や算定要件について、今回確認した一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません(確認日: 2026年8月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
関連する加算では何か動きがあったんですか?
あおい(元・医療事務)
同じ疾患別リハビリテーション料の枠組みにある早期リハビリテーション加算については、令和8年度診療報酬改定で起算日の要件や算定期間の考え方が変更されています。厚生労働省の疑義解釈(令和8年度)では、「令和8年度診療報酬改定において、早期リハビリテーション加算の起算日の要件及び算定期間が変更となった」と説明されたうえで、改定をまたぐ患者の起算日の扱いについて具体例が示されています。ただし、これは早期リハビリテーション加算に関する疑義解釈であり、初期加算そのものの起算日ルールが同様に変更されたと確認できる一次資料は、今回の調査範囲では見当たりませんでした。
前回改定(令和6年度)→今回改定(令和8年度)の整理
初期加算(リハビリテーション): 点数・算定要件について、確認できた一次資料の範囲で変更は確認されていません(令和8年度)。 早期リハビリテーション加算(参考): 起算日の要件・算定期間が令和8年度改定で変更されており、疑義解釈で改定をまたぐ患者の取り扱いが示されています。初期加算とは別の加算のため、混同しないよう注意してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医院やクリニックで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいと思います。
自院で確認する順番
- 疾患別リハビリテーション料(心大血管疾患・脳血管疾患等・廃用症候群・運動器・呼吸器など)のうち、自院がどの区分を届け出ているかを確認する
- 初期加算に関わる施設基準を満たしているか、届出内容と照らし合わせて確認する
- 対象患者が入院中であり、疾患別リハビリテーション料の対象患者の定義に当てはまるかを確認する
- 発症・手術・急性増悪から7日目、または治療開始日のいずれか早い方を起算日として特定する
- 起算日から14日以内のリハビリテーションかどうかを確認し、算定候補として整理する

みらい(新人医療事務)
こうやって順番に並べてもらえると、レセプト担当としても確認しやすいです。
あおい(元・医療事務)
特に起算日の特定は間違えやすいポイントなので、発症日・手術日・急性増悪の日・治療開始日をカルテ上で明確にしておくことが、後々の確認作業を楽にすると思います。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
今回の内容は、どんな資料をもとにしているんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省が公開している令和8年度の医科点数表の告示と、令和8年度の疑義解釈資料を確認しました。心大血管疾患リハビリテーション料・呼吸器リハビリテーション料の初期加算に関する告示(医科点数表 告示PDF)と、早期リハビリテーション加算の起算日変更に関する疑義解釈(疑義解釈資料の送付について(その2)問70)です。細かな条文の言い回しは資料によって異なる部分があるため、実際の算定にあたっては自院が対象とする疾患別リハビリテーション料の告示・留意事項の原文を必ずご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。