みらい(新人医療事務)
先輩、「早期リハビリテーション加算」ってレセプトでたまに見るんですけど、これって何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
心大血管疾患リハビリテーション料(H000)の「注2」に規定されている加算のことですね。当該施設で心大血管疾患に対する入院後早期からのリハビリテーションを実施したことを評価するもので、令和8年度も同じ枠組みで設けられています。入院中の患者さんに対して1単位以上の個別療法を行った場合に算定できる、という条文になっています。
みらい(新人医療事務)
「早期から」っていうのは、具体的にどのくらいの早さを指しているんですか?
あおい(元・医療事務)
入院した日から起算して14日を限度に算定できる、と定められています。だから「入院後できるだけ早い時期に始めたリハビリを評価する加算」というイメージですね。ただし他の保険医療機関から転院してきた患者さんについては、転院前の保険医療機関に入院した日を起算日とする、という取り扱いも明記されています。
早期リハビリテーション加算ってどんな加算?
みらい(新人医療事務)
そもそも、どんな場面で算定を検討することになりますか?
あおい(元・医療事務)
心大血管疾患リハビリテーション料を算定している入院患者さんに対して、訓練室以外の病棟等(ベッドサイドを含みます)で個別療法を実施した場合でも算定できる、とされています。つまりベッドサイドでの早期離床訓練のようなケースも対象になり得ます。
みらい(新人医療事務)
ベッドサイドでもいいんですね。安心しました。
あおい(元・医療事務)
ただし注意点があります。特掲診療料の施設基準等別表第九の四第二号に掲げる患者については、手術を実施したもの及び急性増悪したものを除き、この加算は算定できない、という除外規定があります。該当する患者区分かどうかは、施設基準等の別表と照らし合わせて確認する必要があります。
除外規定の確認が必要
特掲診療料の施設基準等別表第九の四第二号に掲げる患者は、手術を実施した場合や急性増悪した場合を除き、早期リハビリテーション加算の対象になりません。該当患者かどうかは自院で個別に確認が必要です。
対象になるのはどんな患者・場面?
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんの範囲って、どこを見ればわかりますか?
あおい(元・医療事務)
条文上は「注1本文に規定する別に厚生労働大臣が定める患者であって入院中のもの」が対象とされています。この「別に厚生労働大臣が定める患者」の具体的な疾患区分は、心大血管疾患リハビリテーション料本体の施設基準等の別表で定義されているもので、今回の記事では加算そのものの取り扱いを中心に解説しています。対象疾患の詳細な患者要件は、本体の心大血管疾患リハビリテーション料の資料もあわせてご確認いただくのが確実です。
みらい(新人医療事務)
加算だけ見てもわからない部分があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。加算は本体の点数に上乗せする仕組みなので、まず本体(心大血管疾患リハビリテーション料)の対象患者に該当しているかが前提になります。そのうえで、入院中かつ個別療法を1単位以上行っているか、が早期リハビリテーション加算そのものの条件になります。
点数はいくら?【令和8年度】
みらい(新人医療事務)
気になる点数を教えてください!
あおい(元・医療事務)
令和8年度の条文では、入院した日から起算して14日を限度として、1単位につき60点、ただし入院した日から起算して4日目以降は1単位につき25点、を所定点数に加算する、とされています。日数が進むほど加算点数が下がる仕組みです。

| 入院してからの日数 | 加算点数(1単位につき) |
|---|---|
| 1〜3日目 | 60点 |
| 4〜14日目 | 25点 |
| 15日目以降 | 期間限度超過のため対象外 |
みらい(新人医療事務)
14日を過ぎたら加算はもうつかないんですね。
あおい(元・医療事務)
条文上はそう読めます。「入院した日から起算して14日を限度として」という書き方なので、15日目以降にリハビリを継続していても、この加算自体は対象外になります。転院してきた患者さんの起算日の取り扱いも忘れずに確認してください。
早期リハビリテーション加算・初期加算・急性期リハビリテーション加算の違い
みらい(新人医療事務)
「初期加算」や「急性期リハビリテーション加算」っていう似た名前の加算もありますよね。混同しそうです。
あおい(元・医療事務)
大事なポイントですね。同じH000(心大血管疾患リハビリテーション料)の中に「注2」早期リハビリテーション加算、「注3」初期加算、「注4」急性期リハビリテーション加算という3つの別々の規定があります。それぞれ点数も届出の要否も違うので、条文の主語(どの注に規定されているか)を必ず確認してから話を進めるのが安全です。
| 加算名 | 規定 | 点数(1単位) | 届出の要否(条文上の記載) |
|---|---|---|---|
| 早期リハビリテーション加算 | 注2 | 60点(4日目以降25点) | 条文に届出を求める記載は確認できません |
| 初期加算 | 注3 | 45点 | 施設基準に適合し地方厚生局長等に届け出た医療機関 |
| 急性期リハビリテーション加算 | 注4 | 50点 | 施設基準に適合し地方厚生局長等に届け出た医療機関 |
みらい(新人医療事務)
早期リハビリテーション加算だけ届出の記載がないんですね。
あおい(元・医療事務)
今回確認した条文の範囲では、注2(早期リハビリテーション加算)そのものに「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」という文言は出てきません。一方で注3(初期加算)と注4(急性期リハビリテーション加算)には、その文言がはっきり書かれています。ただし早期リハビリテーション加算も、算定の前提として心大血管疾患リハビリテーション料本体の施設基準の届出が必要な点は変わりません。この違いは自院の顧問社労士や地方厚生局への確認も含めておすすめします。
あおい(元・医療事務)
なお、注2・注3・注4の加算はそれぞれ別の規定なので、要件を満たせば同時に算定できる建て付けになっています。初期加算は「注2に規定する加算と別に算定することができる」、急性期リハビリテーション加算は「注2及び注3に規定する加算と別に算定することができる」と明記されています。
似た名前の加算に注意
早期リハビリテーション加算(注2)・初期加算(注3)・急性期リハビリテーション加算(注4)は、それぞれ起算日や点数、届出の要否が異なります。レセプトを見て「早期リハビリテーション加算」とだけ判断せず、どの注に基づく算定かを条文単位で確認してください。
届出・施設基準は必要?
みらい(新人医療事務)
結局、早期リハビリテーション加算そのものに届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
今回確認した条文の範囲では、早期リハビリテーション加算(注2)自体に個別の届出を求める記載は見当たりませんでした。ただし、これはあくまで「加算単体の条文」の話です。心大血管疾患リハビリテーション料そのものは、循環器内科又は心臓血管外科を標榜する保険医療機関であって、施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出ていることが前提になります。この本体の届出・施設基準を満たしていない場合、加算の算定候補にもなりません。
みらい(新人医療事務)
加算だけ見ていても不十分なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。まずは本体の心大血管疾患リハビリテーション料の届出状況・人員体制を確認し、そのうえで早期リハビリテーション加算の算定要件(入院中・個別療法1単位以上・入院14日以内)に当てはまるかを見ていく、という順番が確実です。最終的な届出の要否は、自院の状況によって判断が変わり得るため、確認が必要な項目として扱ってください。
届出の要否は自院で最終確認を
早期リハビリテーション加算そのものの条文には届出を求める記載が確認できていませんが、前提となる心大血管疾患リハビリテーション料本体には施設基準の届出が必要です。届出状況は自院で必ず確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
何から確認したらいいか、順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、次の順番で見ていくとわかりやすいです。

自院で確認する順番
- 心大血管疾患リハビリテーション料本体の施設基準の届出があるか確認する
- 対象患者(注1に定める患者)に該当するか確認する
- 入院中の患者に対して個別療法を1単位以上実施しているか確認する
- 入院した日から起算して14日以内(転院の場合は転院前の入院日を起算日)か確認する
- 特掲診療料の施設基準等別表第九の四第二号に掲げる患者に該当し、手術・急性増悪のいずれにも当たらないケースでないか確認する
みらい(新人医療事務)
この順番なら、うちの状況と照らし合わせやすそうです。
あおい(元・医療事務)
5番目まで確認できて、かつ本体の対象患者要件も満たしていれば、早期リハビリテーション加算の算定候補として社内で検討を進めやすくなります。あくまで「候補」であって、最終判断は診療内容とレセプトの記載を踏まえて行ってください。
よくある取り漏れ・確認ポイント
みらい(新人医療事務)
現場でよくある見落としってありますか?
あおい(元・医療事務)
よく挙がるのは、訓練室以外の場所で実施したケースの取り扱いです。条文では「訓練室以外の病棟等(ベッドサイドを含む。)で実施した場合においても算定することができる」とされているので、訓練室でのリハビリだけを対象と思い込んでいると、算定できるはずのケースを取りこぼすことがあります。
ベッドサイドでの実施も対象になり得る
訓練室以外の病棟等(ベッドサイドを含む)で実施した個別療法も、他の要件を満たせば早期リハビリテーション加算の対象になり得ます。訓練室でのリハビリだけを対象と考えて取りこぼしていないか確認してみてください。
みらい(新人医療事務)
もう一つ、注意しておいた方がいいことはありますか?
あおい(元・医療事務)
転院してきた患者さんの起算日です。「入院した日」を自院への入院日と誤って計算すると、14日の限度日数がずれてしまいます。条文上は「転院前の保険医療機関に入院した日を起算日とする」とされているので、転院歴のある患者さんは特に注意してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
早期リハビリテーション加算(心大血管疾患リハビリテーション料 注2)について、前回改定(令和6年度)からの変更点は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省一次情報ベース)。60点(4日目以降25点)、14日限度という点数・算定日数の枠組みは、今回参照した令和8年度の条文でも維持されています。
みらい(新人医療事務)
変わっていないなら、それはそれで安心材料ですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし「確認できていない」というのは、当サイトが確認した資料の範囲での話です。念のため、自院で算定している場合は、最新の告示・留意事項通知もあわせてご確認いただくと確実です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問させてください。呼吸器リハビリテーション料など、他のリハビリテーション料にも同じ名前の加算ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。呼吸器リハビリテーション料(H003)にも「注2」として早期リハビリテーション加算が規定されていて、条文の書きぶりは心大血管疾患リハビリテーション料とほぼ同じで、1単位につき60点(4日目以降は25点)、入院した日から14日を限度、となっています。脳血管疾患等リハビリテーション料(H001)・廃用症候群リハビリテーション料(H001-2)・運動器リハビリテーション料(H002)にも同じ名称の早期リハビリテーション加算(注2)が規定されていて、条文を確認したところ、いずれも1単位につき60点(入院した日から起算して4日目以降は25点)、入院した日から起算して14日を限度、という同じ点数・日数の枠組みになっています。ただし対象となる患者の範囲はリハビリテーション料ごとに条文の書きぶりが異なるので、他の疾患別リハビリテーション料を算定している場合は、その料の条文で対象患者の要件を個別に確認してください。
| リハビリテーション料 | 区分番号 | 早期リハビリテーション加算(注2) |
|---|---|---|
| 心大血管疾患リハビリテーション料 | H000 | 60点/単位(4日目以降25点)を条文で確認 |
| 呼吸器リハビリテーション料 | H003 | 60点/単位(4日目以降25点)を条文で確認 |
| 脳血管疾患等リハビリテーション料 | H001 | 60点/単位(4日目以降25点)を条文で確認 |
| 廃用症候群リハビリテーション料 | H001-2 | 60点/単位(4日目以降25点)を条文で確認 |
| 運動器リハビリテーション料 | H002 | 60点/単位(4日目以降25点)を条文で確認 |
みらい(新人医療事務)
リハビリテーション総合計画評価料とは別物ですか?
あおい(元・医療事務)
はい、別の点数です。リハビリテーション総合計画評価料は、リハビリテーションの総合的な実施計画を評価する別区分の点数であり、今回解説している早期リハビリテーション加算(心大血管疾患リハビリテーション料 注2)とは規定されている条文も算定の趣旨も異なります。混同しないよう、それぞれ別の加算・点数として確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 初期加算 や 休日リハビリテーション加算 とあわせて確認しておくと、リハビリテーション料の加算全体を見渡しやすくなります。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。