みらい(新人医療事務)
眼科のあるクリニックから「視能訓練」の算定について聞かれたんですけど、正直あまり詳しくなくて……。これって具体的にどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
視能訓練、区分番号でいうとH005ですね。両眼視機能に障害のある患者さんに対して、その回復のための矯正訓練を行ったときに算定できる項目です。斜視視能訓練と弱視視能訓練の2種類があります。
みらい(新人医療事務)
斜視と弱視で、それぞれ別の項目なんですね。点数も違うんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは実際の点数表で確認しましょう。今日は令和8年度(2026年度)の一次資料をもとに、点数・施設基準・算定要件を順番に見ていきますね。まだ算定できるかどうかを断定するものではなく、あくまで自院で確認するための整理だと思ってください。
みらい(新人医療事務)
はい、お願いします!
視能訓練とはどんな加算?対象になる患者は?
みらい(新人医療事務)
そもそも視能訓練って、どういう場面で行うものなんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の点数表では、視能訓練についてこう説明されています。「視能訓練は、両眼視機能に障害のある患者に対して、その両眼視機能回復のため矯正訓練(斜視視能訓練、弱視視能訓練)を行った場合に算定できるものであり、1日につき1回のみ算定する。」という文言です。
みらい(新人医療事務)
両眼視機能に障害がある患者さんが対象、ということですね。具体的には斜視や弱視のお子さんなどが多いイメージでしょうか。
あおい(元・医療事務)
そうですね、臨床の場面としては小児の斜視・弱視治療で行われることが多い項目です。ただし年齢や疾患名で機械的に区切られているわけではなく、あくまで「両眼視機能に障害のある患者」という要件に沿って、個々の患者さんの状態を医師が判断することになります。
みらい(新人医療事務)
診療所でも病院でも算定できる項目なんですか?
あおい(元・医療事務)
点数表上、視能訓練の算定を特定の医療機関類型(診療所限定・病院限定など)に絞る記載は、当サイトが収録している一次資料の範囲では見当たりません。ただし、実際に矯正訓練を実施できる体制(視能訓練を担当するスタッフや設備)が整っているかどうかは医療機関ごとに異なりますので、自院で実施可能かどうかは別途確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、点数表に書いていないからといって「どこでもできる」と早合点しないほうがいいんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。次は肝心の点数を見ていきましょう。
点数はいくら?令和8年度の点数表
みらい(新人医療事務)
お待たせしました、点数を教えてください!
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、視能訓練(H005)はこのように定められています。「H005 視能訓練(1日につき) 1 斜視視能訓練 135点 2 弱視視能訓練 135点」という記載です。

| 区分 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| 斜視視能訓練 | 135点 | 1日につき1回 |
| 弱視視能訓練 | 135点 | 1日につき1回 |
みらい(新人医療事務)
斜視も弱視も同じ135点なんですね。両方まとめて算定できたりはしないんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは要注意ポイントです。留意事項通知には「斜視視能訓練と弱視視能訓練を同時に施行した場合は、主たるもののみで算定する。」と明記されています。同じ日に両方行っても、点数は主たる一方のみが算定候補になる、という整理です。
みらい(新人医療事務)
合算はできない、と。じゃあ「1日につき」というのは、1日に何回訓練しても135点1回分ということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知に「1日につき1回のみ算定する」と明記されているとおりです。1日に複数回の訓練を実施しても、算定は1回分にとどまります。
点数のポイント
斜視視能訓練・弱視視能訓練: いずれも135点(令和8年度)。同時実施は主たる一方のみ、1日1回が上限です。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
点数のイメージはつかめました。次に気になるのは、届出が必要かどうかです。うちは今まで視能訓練の届出をしたことがないので……。
あおい(元・医療事務)
そこは慎重に整理しましょう。当サイトが収録している令和8年度の点数表・留意事項通知の範囲では、視能訓練固有の施設基準や届出義務を明記した記述は確認できていません。
みらい(新人医療事務)
ということは、届出なしでも算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
「届出が不要」と言い切ることはできません。あくまで「当サイトが確認した一次資料の中には、視能訓練固有の届出要件を示す記載が見当たらなかった」というところまでです。同じリハビリテーション料の区分でも、例えば難病患者リハビリテーション料(H006)は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関において」算定する、と明確に届出を要件として記載されています。項目ごとに扱いが異なるため、視能訓練についても届出の要否は自院で改めて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
同じリハビリテーション料でも、項目によって届出が要る・要らないがバラバラなんですね。まとめて考えるのは危険そうです。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。地方厚生局が公表している施設基準関連の資料や、必要であれば管轄の地方厚生(支)局に直接問い合わせて確認するのが確実です。
届出の思い込みに注意
「リハビリテーション料だから届出が必要」「点数表に届出の記載がないから不要」と一律に判断せず、区分番号ごとに一次資料を確認してください。
あおい(元・医療事務)
難病患者リハビリテーション料のように、区分によっては届出が明確に要件化されている項目もあります。あわせて確認しておくと自院の体制整理がしやすくなります。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定のタイミングについても、もう少し詳しく知りたいです。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の(3)には「実施に当たって、医師は個々の患者の症状に対応した診療計画を作成し診療録に記載又は添付すること。」とあります。つまり、訓練を始める前提として、医師が個々の患者さんの症状に応じた診療計画を作り、診療録に記載または添付しておく必要があるということです。
みらい(新人医療事務)
診療計画を作ってから訓練を始める、という順番が大事なんですね。記録が後回しになっていたら、その時点で算定候補として弱くなってしまいそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。診療計画の作成と記載・添付は、算定要件そのものに書かれている手順なので、実施記録の整備は欠かせません。
みらい(新人医療事務)
併算定についてはどうですか?他の検査や処置と一緒に算定できるものなんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
併算定の可否について、当サイトが収録している一次資料の範囲で個別に明記された記述までは確認できていません。他の検査・処置との組み合わせを検討する場合は、レセプト作成時に個別の算定ルールを確認するか、審査支払機関に確認することをおすすめします。断定はできない部分ですので、疑わしい場合は都度確認する運用が安全です。
算定タイミングのポイント
診療計画の作成: 訓練実施前に、医師が症状に応じた計画を作成し診療録に記載または添付。 同時施行時の扱い: 斜視・弱視を同日に行っても、算定候補になるのは主たるもののみ。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定、つまり令和6年度から何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えしますね。当サイトが収録している一次資料は令和8年度の点数表・留意事項通知が中心で、比較対象となる令和6年度版の同一資料までは収載できていません。そのため、点数や算定要件そのものが前回改定から変更されたかどうかは、この記事の執筆時点では確認できていません。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と決めつけずに、「確認できていない」とはっきり書くんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、視能訓練は135点という比較的長く使われてきた区分ですが、確認できていないことを「変更なし」と言い切るのは正確性を欠きます。改定内容の確認が取れ次第、この記事も更新していく予定です。現時点でお伝えできるのは、令和8年度の一次資料でこの記事の点数・算定要件を確認済みという点までです。
改定差分の確認について
前回改定(令和6年度)との比較資料は当サイトでは未収載のため、変更の有無自体は本記事執筆時点で確認できていません。最新の一次資料での確認をおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまでの内容を踏まえて、自院で確認するときの順番を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい、フローにするとこのようなイメージです。

自院で確認する順番
- 対象患者が両眼視機能に障害のある患者に該当するかを医師が確認する
- 医師が個々の患者の症状に応じた診療計画を作成し、診療録に記載または添付する
- 斜視視能訓練・弱視視能訓練のどちらを実施するか(あるいは同日に両方実施する場合は主たるものはどちらか)を決める
- 1日1回のみの算定であることを確認し、実施記録を残す
- 施設基準・届出の要否は自院の管轄地方厚生局へ念のため確認する
みらい(新人医療事務)
診療計画の作成と記録が最初のほうに来るのがポイントですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。記録がないと、そもそも算定要件を満たしているかどうかの確認自体ができなくなってしまいます。
よくある取り漏れ・注意点
みらい(新人医療事務)
実際の現場で見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、診療計画の記載または添付を後回しにしてしまうケースです。訓練は実施したのに、診療録への記載や計画書の添付が抜けていると、算定要件を満たしているかどうか自体が確認しづらくなります。
みらい(新人医療事務)
記録の抜けは、他の加算でもよく聞く話ですね。
あおい(元・医療事務)
もう一つは、斜視視能訓練と弱視視能訓練を同日に両方行った際に、うっかり両方を算定してしまうケースです。留意事項通知のとおり、主たるもののみが算定候補になりますので、レセプト作成時にダブルカウントになっていないか確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
1日1回という上限を見落として、複数回分を計上してしまうこともありそうです。
あおい(元・医療事務)
はい、その点も含めて、算定前に「今日はすでに算定していないか」「同時施行なら主たるものだけになっているか」の2点をチェックする習慣をつけておくと安心です。
取り漏れ・過剰算定の両方に注意
記録の抜け: 診療計画の作成・記載または添付を忘れると、算定要件充足の確認が難しくなります。 重複算定: 同日の斜視・弱視同時施行は主たるもののみ、1日1回が上限です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。