みらい(新人医療事務)
先輩、「集団コミュニケーション療法料」ってリハビリ関係の加算だと思うんですけど、うちみたいな回復期リハビリの病院でも関係ありますか?
あおい(元・医療事務)
関係する可能性はありますよ。集団コミュニケーション療法料は、言語聴覚療法(ST)を複数の患者さんに対してまとめて行った場合に算定候補になる項目です。区分番号はH008、令和8年度(2026年度)時点で1単位につき50点です。ただし誰でも算定できるわけではなく、対象になる医療機関・患者・体制がかなり細かく決まっています。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関にはどんな条件があるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では、集団コミュニケーション療法料は「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料又は「H007」障害児(者)リハビリテーション料の施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届出を行った保険医療機関であって、当該施設において医師又は医師の指導監督の下で言語聴覚士が複数の患者に対して訓練を行った場合に算定できる、とされています。つまり、脳血管疾患等リハか障害児(者)リハのどちらかの届出が前提です。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんは、どんな方なんですか?
あおい(元・医療事務)
同じ留意事項通知に、集団コミュニケーション療法料の算定対象となるのは、「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料又は「H007」障害児(者)リハビリテーション料を算定する患者のうち、1人の言語聴覚士が複数の患者に対して訓練を行うことができる程度の症状の患者であって、特に集団で行う言語聴覚療法である集団コミュニケーション療法が有効であると期待できる患者である、と定められています。個々の患者さんの症状によって向き不向きがある点は押さえておきたいですね。
点数
みらい(新人医療事務)
肝心の点数を確認したいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の点数表では、区分H008集団コミュニケーション療法料は1単位につき50点です。当サイトが収録している一次資料の範囲での整理は下の表のとおりです。
| 区分番号 | 項目名 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|---|
| H008 | 集団コミュニケーション療法料 | 50点 | 1単位 |

みらい(新人医療事務)
1日に何単位まで算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは施設側の上限になります。留意事項通知には、集団コミュニケーション療法の実施単位数は言語聴覚士1人当たり1日のべ54単位を限度とする、とあります。さらに集団コミュニケーション療法と脳血管疾患等リハビリテーション、廃用症候群リハビリテーション又は障害児(者)リハビリテーションを併せて行っている従事者については、実施するリハビリテーションの単位数が、集団コミュニケーション療法3単位を疾患別リハビリテーション1単位とみなした上で、1日に概ね18単位、週に108単位を超えないものとする、という上限も定められています。この換算を忘れると単位数の管理でつまずきやすいところです。
単位数の換算に注意
集団コミュニケーション療法と疾患別リハビリテーションを同じ従事者が併せて行う場合、集団コミュニケーション療法3単位=疾患別リハビリテーション1単位として合算し、1日概ね18単位・週108単位の上限を超えないか確認が必要です。
施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準はどれくらい厳しいんですか?
あおい(元・医療事務)
大きく分けて人員・設備・記録の3本柱です。順番に見ていきましょう。まず人員ですが、特掲診療料の施設基準では、専任の常勤医師が1名以上勤務していることが求められています。なお、週3日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週22時間以上の勤務を行っている専任の非常勤医師を2名以上組み合わせることにより、常勤医師の勤務時間帯と同じ時間帯にこれらの非常勤医師が配置されている場合には、当該基準を満たしていることとみなすことができる、という非常勤の組み合わせによる緩和規定もあります。
みらい(新人医療事務)
言語聴覚士のほうはどうですか?
あおい(元・医療事務)
専従する常勤言語聴覚士が1名以上勤務することが必要です。この専従の常勤言語聴覚士は、第7部リハビリテーション第1節(心大血管疾患リハビリテーション料を除く。)において配置が求められている言語聴覚士(専従の者を含む。)との兼任は可能、とされていますが、入院料等で配置が求められている従事者としての兼任はできない点に注意が必要です。医師と同様に、週3日以上・週22時間以上勤務する専従の非常勤言語聴覚士を2名以上組み合わせることで基準を満たしたとみなせる規定もあります。
みらい(新人医療事務)
部屋や道具はどうでしょう?
あおい(元・医療事務)
専用の療法室が必要です。内法による測定で8平方メートル以上の集団コミュニケーション療法室を1室以上有していることが施設基準に明記されています。言語聴覚療法以外の目的で使用する部屋は該当しませんが、個別療法室との共用は可能とされています。器械・器具としては、簡易聴力スクリーニング検査機器、音声録音再生装置、ビデオ録画システム、各種言語・心理・認知機能検査機器・用具、発声発語検査機器・用具、各種診断・治療材料(絵カード他)が主なものとして挙げられています。
経過措置の対象になる医療機関もある
平成26年3月31日時点で既に集団コミュニケーション療法料の届出を行っている保険医療機関については、療法室の増築又は全面的な改築を行うまでの間は、内法の面積規定を満たしているものとみなす経過措置があります。古くから届出をしている医療機関は、面積要件の再確認と併せてこの経過措置の対象かどうかも確認すると良いでしょう。
みらい(新人医療事務)
記録についても決まりがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。リハビリテーションに関する記録(医師の指示、実施時間、訓練内容、担当者等)は患者ごとに一元的に保管され、常に医療従事者により閲覧が可能であるようにすること、と定められています。訓練の記録がバラバラに保管されていると、この基準を満たしていない扱いになりかねません。
届出
みらい(新人医療事務)
届出はどんな書類が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
特掲診療料の施設基準の届出に関する事項として、集団コミュニケーション療法料の施設基準に係る届出は、別添2の様式44を用いること、と定められています。あわせて、当該治療に従事する医師及び言語聴覚士の氏名、勤務の態様(常勤・非常勤、専従・非専従、専任・非専任の別)等を別添2の様式44の2を用いて提出すること、当該治療が行われる専用の療法室の配置図及び平面図を添付することも求められています。人員一覧と部屋の図面をセットで出す形になりますね。
みらい(新人医療事務)
届出さえ出せばすぐ算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。届出が受理されていることに加えて、実際に人員配置・療法室・記録の運用が施設基準どおりに継続していることが前提です。届出済みであれば算定候補になりますが、体制が崩れていないかは日頃から自院で確認しておく必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号、令和8年3月5日保医発0305第6号の留意事項通知、同日付の特掲診療料の施設基準等の通知)の範囲では、集団コミュニケーション療法料の点数・算定要件・施設基準について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(2026年8月確認)。念のため、届出済みの医療機関も様式や添付書類に変更がないか、届出時期に公式資料を再確認しておくと安心です。
改定差分の確認は継続します
診療報酬改定のたびに、様式番号や添付書類の指定が変わることがあります。当サイトは厚生労働省の告示・通知の更新を継続して確認し、変更が見つかり次第この記事も更新します。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病院で確認する順番ってどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
- 前提の届出を確認 — H001脳血管疾患等リハビリテーション料またはH007障害児(者)リハビリテーション料の施設基準に適合した届出を行っているか
- 医師の配置を確認 — 専任の常勤医師1名以上、または要件を満たす非常勤医師2名以上の組み合わせがあるか
- 言語聴覚士の配置を確認 — 専従の常勤言語聴覚士1名以上、または要件を満たす非常勤言語聴覚士2名以上の組み合わせがあるか
- 療法室と器械・器具を確認 — 内法8平方メートル以上の専用療法室と、必要な検査機器・器具一式が揃っているか
- 記録体制を確認 — リハビリテーションの記録が患者ごとに一元管理され、常に閲覧可能になっているか
- 対象患者を確認 — H001・H001-2・H007のいずれかを算定する患者のうち、集団療法が有効と期待できる方か
- 単位数の上限を確認 — 言語聴覚士1人1日のべ54単位、他のリハビリテーションと併せる場合は換算後1日概ね18単位・週108単位以内か

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
- 単位数換算の見落とし: 集団コミュニケーション療法と疾患別リハビリテーションを同じ従事者が行う場合の3対1換算を忘れ、週108単位の上限を超えてしまうケース
- 記録の分散: 医師の指示・実施時間・訓練内容・担当者の記録が診療録と別のノートなどに分かれ、一元管理になっていないケース
- 兼任範囲の誤解: 専従の常勤言語聴覚士を、入院料等で配置が求められている従事者としても兼任してしまっているケース
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や人員体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。