せん妄ハイリスク患者ケア加算とは何か?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「せん妄ハイリスク患者ケア加算」って、最近よく耳にするようになったんですが、そもそもせん妄って何ですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。せん妄というのは、急に意識がぼんやりしたり、注意力が落ちたり、幻覚が出たりする急性の脳の機能低下のことです。高齢者の入院中に起きやすく、入院ストレスや手術、薬の影響などが引き金になることが多いんです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、せん妄ハイリスク患者ケア加算は、そういうせん妄を予防するための取り組みをしたときに算定できる加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、区分番号A247-2として設けられていて、せん妄のリスクを確認し、その結果に基づいてせん妄対策の必要を認め、当該対策を行った場合に、入院中1回に限り100点を加算できるとされています。
みらい(新人医療事務)
「入院中1回」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。何度も算定できる加算ではなく、1入院で1回だけという制限があります。この点は認知症ケア加算(A247)が「1日につき」の算定なのと、大きく違います。
令和8年度の点数・算定要件
みらい(新人医療事務)
点数は何点なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表では100点、つまり1,000円換算です。以下にまとめてみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区分番号 | A247-2 |
| 加算名 | せん妄ハイリスク患者ケア加算 |
| 点数 | 100点(入院中1回) |
| 対象 | 病院(届出必要・施設基準あり) |
| 算定タイミング | 入院中1回 |
| 年度 | 令和8年度(2026年度) |

みらい(新人医療事務)
「対象は病院」というのは、診療所では算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示原文を確認すると、「第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は第3節の特定入院料のうち、せん妄ハイリスク患者ケア加算を算定できるものを現に算定している患者に限る」という要件があります。入院基本料の算定が前提になりますので、実質的に病院の入院患者が対象になります。自院が対象施設に該当するかどうかは、届出状況も含めて確認が必要です。
施設基準・届出の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の施設基準告示(基本診療料の施設基準等の一部を改正する件・令和8年厚生労働省告示第70号)では、「入院中の患者に対して、せん妄のリスク確認及びせん妄対策を行うにつき必要な体制が整備されていること」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
「必要な体制が整備されていること」ってかなり抽象的ですね。具体的に何をすればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。施設基準の文言自体は簡潔ですが、「体制が整備されている」と認められるためには、届出の段階で地方厚生局への確認が必要になります。「研修を受けたスタッフがいる」「せん妄の評価ツールを使っている」「せん妄対策の実施体制が院内に整っている」といった要素が問われる可能性があります。届出前に所管の地方厚生局へご確認ください。
みらい(新人医療事務)
届出は必ず必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、施設基準に適合して地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が対象です。届出なしでは算定候補になりません。
届出に関する注意点
せん妄ハイリスク患者ケア加算の算定には、施設基準への適合と地方厚生局長等への届出が必要です。届出状況は必ず自院で確認してください。届出済みであれば算定候補になりますが、届出なしでは算定できません。
認知症ケア加算との同時算定はできる?疑義解釈の要点
みらい(新人医療事務)
「認知症ケア加算 せん妄ハイリスク患者ケア加算 同時算定」で検索してたどり着いた方も多いと思うんですが、この二つって一緒に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
これはよく聞かれる質問です。令和8年度の告示(診療報酬の算定方法の一部を改正する件・令和8年厚生労働省告示第69号)を確認すると、認知症ケア加算A247の注に「区分番号A247-2に掲げるせん妄ハイリスク患者ケア加算は別に算定できない」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、認知症ケア加算とせん妄ハイリスク患者ケア加算は同時算定できないということですか?
あおい(元・医療事務)
告示の文言に基づくと、認知症ケア加算(A247)を算定している患者については、せん妄ハイリスク患者ケア加算(A247-2)は別に算定できないとされています。どちらか一方の加算を選択することになります。
同時算定の制限(令和8年度)
認知症ケア加算(A247)とせん妄ハイリスク患者ケア加算(A247-2)の同時算定は、令和8年度の告示上認められていません。疑義解釈や個別の状況については、所管の審査支払機関や地方厚生局に確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「認知症ケア加算 せん妄ハイリスク患者ケア加算 疑義解釈」というキーワードで調べている方もいますよね。疑義解釈で特別な取り扱いはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度診療報酬改定に関する疑義解釈資料(令和8年3月23日事務連絡)を確認した範囲では、この組み合わせに関する個別の疑義解釈は一次情報として現時点で確認できていません。告示の原文に基づくと「別に算定できない」という規定が基本となりますが、最新の疑義解釈や追加の事務連絡が出ていないか、所管機関へ直接確認されることをお勧めします。
対象患者と算定のタイミング
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示原文によると、「施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は第3節の特定入院料のうち、せん妄ハイリスク患者ケア加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)」が対象です。
みらい(新人医療事務)
つまり、入院基本料を算定している患者さんが基本的な対象なんですね。ハイリスクかどうかはどうやって判断するんですか?
あおい(元・医療事務)
告示では「せん妄のリスクを確認し、その結果に基づいてせん妄対策の必要を認め、当該対策を行った場合に算定する」とされています。具体的なリスク評価の方法については、届出に関わる体制の整備の中で確認する必要があります。CAM(Confusion Assessment Method)などの評価ツールを使ったリスクスクリーニングが一般的ですが、詳細は留意事項通知や地方厚生局にご確認ください。
みらい(新人医療事務)
算定できるのは「入院中1回」なんですね。いつのタイミングで算定するんですか?
あおい(元・医療事務)
「入院中1回」とされていますので、同一入院中に何度も算定することはできません。せん妄のリスクを確認して対策を実施したタイミングが基本になりますが、具体的な算定時期については、留意事項通知の内容を確認の上、審査支払機関へご相談ください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
せん妄ハイリスク患者ケア加算は、今回の令和8年度改定で何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定における告示(令和8年厚生労働省告示第69号・同第70号)と、令和6年度(2024年度)医科点数表を一次情報の範囲で照合した結果を確認します。
令和8年度改定での確認結果(一次情報ベース)
- 点数: 100点(入院中1回)は前回改定(令和6年度)から変更は確認されていません(確認日: 2026-06、厚労省告示一次情報ベース)
- 施設基準の文言: 「入院中の患者に対して、せん妄のリスク確認及びせん妄対策を行うにつき必要な体制が整備されていること」という基本的な要件は、一次情報の範囲で変更は確認されていません
- 認知症ケア加算との同時算定不可の規定: 引き続き告示上で明記されています
- 特別入院基本料等を除く: 算定対象の入院料についての要件も引き続き維持されています
みらい(新人医療事務)
つまり、令和8年度の改定では大きな変更はなかったということですか?
あおい(元・医療事務)
厚労省の一次情報(告示第69号・第70号)の範囲で確認した限り、点数・施設基準・算定要件について前回改定(令和6年度)から主な変更は確認されていません(2026年6月確認・厚労省一次情報ベース)。ただし、留意事項通知や疑義解釈の詳細、届出様式の変更などについては、引き続き最新の通知資料をご確認ください。
自院チェックリスト: 算定候補かどうかを確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院でこの加算を算定できるか確認するには、どういう順番で調べればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
以下の順番で確認するとスムーズですよ。

自院で確認する順番
- 入院基本料の算定状況を確認: 第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く)または対象の特定入院料を算定しているかを確認します
- 施設基準への適合状況を確認: 「せん妄のリスク確認及びせん妄対策を行うにつき必要な体制が整備されている」という施設基準を満たしているかを確認します(院内のせん妄評価体制・研修等)
- 届出状況を確認: 地方厚生局長等への届出が完了しているかを確認します。届出済みであれば算定候補になります
- 算定除外の加算を確認: 認知症ケア加算(A247)を同一入院で算定している患者については、せん妄ハイリスク患者ケア加算との同時算定ができないことを確認します
- 実施記録の確認: せん妄のリスク確認を行い、その結果に基づいてせん妄対策が実施されていることを診療録・記録で確認します
みらい(新人医療事務)
認知症ケア加算との同時算定ができないという点は、レセプト作成時に特に注意が必要ですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。認知症ケア加算を算定しているケースで誤ってせん妄ハイリスク患者ケア加算を算定してしまうと、返戻や査定の対象になります。電子カルテのシステム設定でアラートを設定しておくことも一つの方法です。
よくある取り漏れと注意点
取り漏れが起きやすいポイント
- 届出がない状態での算定: 施設基準への適合と届出が必要。届出なしでは算定候補にならない
- 「入院中1回」を忘れた二重算定: 同一入院中の二度目の算定はできない
- 認知症ケア加算との同時算定: 同一患者に両加算を算定しているケース。告示上「別に算定できない」と規定されている
- 特別入院基本料等での算定: 特別入院基本料等を算定している患者は対象外。対象となる入院基本料・特定入院料の確認が必要
- リスク確認と対策実施の記録不足: 「リスクを確認し対策を行った」という事実が診療録に記録されていない場合、査定の対象になりうる
みらい(新人医療事務)
記録が重要なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、診療録にせん妄リスクの評価結果と対策の実施を記録することが大切です。「確認した」という事実とその内容を残すことで、審査時の疑義に対応できます。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
「病院以外では算定できないのですか?」と気になっている方もいそうです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、「入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は特定入院料のうち、せん妄ハイリスク患者ケア加算を算定できるものを現に算定している患者」が要件です。これは入院患者が前提ですので、外来では算定できません。また、診療所(無床・有床)については入院基本料の算定状況による確認が必要ですが、実質的には病院での算定が主となります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の「必要な体制が整備されていること」というのは、具体的にどんな体制を指しているんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の施設基準の文言は「入院中の患者に対して、せん妄のリスク確認及びせん妄対策を行うにつき必要な体制が整備されていること」という簡潔な記述になっています。届出に必要な具体的な体制の要件については、基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続の取扱いに関する通知を確認いただくか、地方厚生局に直接ご確認ください。
みらい(新人医療事務)
同じ病院内で、ある患者は認知症ケア加算を算定して、別の患者はせん妄ハイリスク患者ケア加算を算定するということは可能ですか?
あおい(元・医療事務)
患者さんごとに算定する加算は異なりますので、Aさんには認知症ケア加算、Bさんにはせん妄ハイリスク患者ケア加算というように、別々の患者さんにそれぞれの加算を算定することは可能です。問題になるのは「同一患者さんに対して両加算を同時に算定する」ケースです。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院が算定候補かどうか、もっと詳しく確認できる方法はありますか?
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。認知症ケア加算との関係性も含めて整理されるので、ぜひ活用してみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。