みらい(新人医療事務)
事務長から「うちの救急病棟、救命救急入院料って取れるんですか?」って聞かれたんですけど、正直よくわかっていなくて…。
あおい(元・医療事務)
救命救急入院料は、区分番号A300の特定入院料ですよ。重篤な救急患者を受け入れる専用の治療室(救命救急センター等)を持つ病院が対象で、施設基準に適合して地方厚生局長等に届け出た場合の入院料です。令和8年度(2026年度)時点の内容で整理していきますね。
みらい(新人医療事務)
「重篤な患者」ってどのくらいのイメージですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の条文では「重篤な患者に対して救命救急医療が行われた場合」とされています。個別の患者さんの重症度判定は自院の医師の診療判断によるもので、記事だけで「この患者なら対象」と断定はできません。あくまで自院で確認していただく前提で読んでくださいね。
救命救急入院料の対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。救命救急入院料は入院医療を提供する病院が対象で、外来や在宅では算定できない入院料です。診療所は対象外の可能性が高いと考えてください。当サイトが収録している一次資料の範囲では、対象は「入院」区分に限られています。
みらい(新人医療事務)
病床数の条件とかもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
病床数の明確な下限は一次資料の範囲では確認できていません。ただし、専用の救命救急治療室(重篤な救急患者に対する手術等の診療体制が整った治療室)を持っていることが前提になります。一般病棟だけの病院がいきなり算定候補になるものではなく、救急医療の専用体制が必要という理解でいてください。
対象のポイント
対象医療機関: 施設基準に適合し届け出た病院(入院)。診療所・外来・在宅は対象外の可能性があります。 対象患者: 重篤な患者に対して救命救急医療が行われた場合。個別の重症度判定は自院の診療で確認が必要です。
点数・算定区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
救命救急入院料には1と2の区分があって、それぞれ入院期間に応じて点数が3段階に分かれています。1日につきの点数です。
| 区分 | 3日以内 | 4日以上7日以内 | 8日以上 |
|---|---|---|---|
| 救命救急入院料1 | 12,379点 | 11,240点 | 9,894点 |
| 救命救急入院料2 | 10,623点 | 9,629点 | 8,469点 |

みらい(新人医療事務)
1と2はどう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の違いです。救命救急入院料2は、救命救急入院料1の施設基準(1)から(7)を満たしたうえで、治療室に入院している全患者の状態を「ハイケアユニット用の重症度、医療・看護必要度に係る評価票」を用いて測定・評価していることが求められます。点数は救命救急入院料1のほうが高く設定されています。
みらい(新人医療事務)
何日まで算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
原則14日が限度です。ただし、条件によって延長されるケースがあります。広範囲熱傷特定集中治療管理が必要な状態の患者(広範囲熱傷管理加算を算定する患者に限る)は60日、急性血液浄化(腹膜透析を除く)や体外式心肺補助(ECMO)を必要とする場合は25日、臓器移植を行った場合は30日が限度とされています。この日数区分に該当するかどうかは、患者ごとに自院で確認が必要な事項です。
算定日数の考え方
14日を超えて算定候補になるのは、広範囲熱傷特定集中治療管理・急性血液浄化(腹膜透析を除く)またはECMO・臓器移植のいずれかに該当する場合に限られます。該当性の判断は自院の診療内容の確認が必要です。
施設基準(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
届出のために満たさないといけない基準って、具体的にはどんな内容ですか?
あおい(元・医療事務)
救命救急入院料1の施設基準は、大きく分けると人員体制と設備の2つです。人員面では、専任の医師が救命救急治療室内に常時勤務していること、手術に必要な麻酔科医等が緊急時に速やかに対応できる体制があること、重篤な救急患者に対する手術等の診療体制に必要な看護師が常時治療室内に勤務していることが求められます。専任の医師は宿日直を行う医師ではないこと、という条件も一次資料に明記されています。
みらい(新人医療事務)
設備面はどうですか?
あおい(元・医療事務)
治療室内に、救急蘇生装置(気管挿管セット、人工呼吸装置等)、除細動器、ペースメーカー、心電計、ポータブルエックス線撮影装置、呼吸循環監視装置を常時備え付けていることが必要です。加えて自家発電装置を有し、電解質定量検査及び血液ガス分析を含む必要な検査が常時実施できること、医療安全対策加算1の届出を行っていること、救急時医療情報閲覧機能を有していることも条件に含まれます。
みらい(新人医療事務)
医療安全対策加算1の届出が前提になっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。医療安全対策加算を先に届け出ていないと、救命救急入院料1の施設基準を満たせない構造になっています。届出の順番も含めて確認しておくとよいですね。救命救急入院料2は、これらに加えて重症度・医療看護必要度の測定評価が必要になります。
施設基準の確認ポイント
専任医師の常時勤務: 宿日直医師では要件を満たさない点に注意が必要です。 医療安全対策加算1の届出: 救命救急入院料の施設基準の前提条件になっています。
届出要否
みらい(新人医療事務)
届出は絶対に必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。区分A300救命救急入院料は「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが算定の前提になっている特定入院料です。届出をしていない病院は、施設基準を実質的に満たしていても算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
届出コードみたいなものもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。厚生労働省の届出関係の通知では、救命救急入院料1は「救命1」または「救1」、救命救急入院料2は「救命2」または「救2」という届出コードで区分されていて、令和8年6月1日以降に新たに算定する場合とそれ以外とで扱いが分かれる記載もあります。実際の届出様式・記号は最新の通知原文で必ず確認してください。
届出済みであれば候補
救命救急入院料は届出制の特定入院料です。「施設基準を満たしていそう」というだけでは算定候補にならず、実際に地方厚生局長等への届出が受理されていることが前提になります。
併算定・包括される項目の注意
みらい(新人医療事務)
他の入院料や加算と一緒に算定できるものもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
救命救急入院料には、入院基本料や一部の入院基本料等加算、検査(一部除く)、点滴注射、中心静脈注射、酸素吸入(酸素・窒素の費用を除く)、留置カテーテル設置、病理標本作製料などが含まれるとされています。つまり、これらは救命救急入院料とは別に算定できない、という整理になります。
みらい(新人医療事務)
逆に、救命救急入院料に上乗せできる加算もあるんですね?
あおい(元・医療事務)
はい。救急体制充実加算1〜3(1日につき1,500点・1,000点・500点)、急性薬毒物中毒加算(機器分析5,000点・その他350点、入院初日限り)、小児加算(15歳未満の重篤な患者、入院初日限り5,000点)、早期離床・リハビリテーション加算(500点、14日限度)、早期栄養介入管理加算(250点、経腸栄養開始後は400点、7日限度)、重症患者対応体制強化加算、広範囲熱傷管理加算などが条文に定められています。それぞれに個別の施設基準や算定条件があるので、加算ごとに一次資料での確認が必要です。
重複算定に注意
早期離床・リハビリテーション加算を算定する日と同一日に、心大血管疾患リハビリテーション料や脳血管疾患等リハビリテーション料などの一部リハビリテーション料は算定できないとされています。加算の組み合わせは条文の除外規定を必ず確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの確認事項)
みらい(新人医療事務)
令和6年度から令和8年度にかけて、何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた範囲でお伝えしますね。厚生労働省の届出コードの新旧対照表には「救命救急入院料1→救命救急入院料2」「救命救急入院料2→救命救急入院料1」「救命救急入院料3→救命救急入院料2」「救命救急入院料4→救命救急入院料1」という読み替えの記載があり、届出コードの区分整理が行われたことがうかがえます。
みらい(新人医療事務)
点数自体が変わったかどうかは、わかるんですか?
あおい(元・医療事務)
点数の新旧比較ができる一次資料は、当サイトが収集している範囲では確認できていません。届出コードの区分整理があったという事実のみお伝えし、点数の増減については「確認されていません」という扱いにしています。自院の届出区分が変わる可能性がある場合は、地方厚生局や審査支払機関に直接確認することをおすすめします。
改定確認のポイント(令和6年度→令和8年度)
届出コードの新旧対照表に、救命救急入院料の区分名称の読み替えが記載されています。既に届出済みの病院は、自院の届出区分がどう読み替えられるか、通知原文で確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病院はどこから確認したらいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
順番に整理していきましょう。
自院で確認する順番
- 重篤な救急患者を受け入れる専用の救命救急治療室があるか確認する
- 専任の医師・看護師が治療室内に常時勤務できる体制か確認する
- 救急蘇生装置・除細動器等の必要な装置・器具が治療室内に常備されているか確認する
- 医療安全対策加算1など前提となる届出が済んでいるか確認する
- 施設基準の届出を地方厚生局長等に行っているか、または行う準備があるか確認する

みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、うちが算定候補かどうか整理できそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に人員体制と装置の常備は見落としやすいポイントなので、丁寧に確認していただくのがおすすめです。
よくある取り漏れ
取り漏れやすいポイント①
救命救急入院料1と2の施設基準の違い(重症度・医療看護必要度の測定評価の有無)を混同していると、届出区分を誤るおそれがあります。届出前に自院がどちらの区分に該当するか慎重に確認してください。
取り漏れやすいポイント②
救急体制充実加算や小児加算などの上乗せ加算は、それぞれ別の施設基準や算定条件があります。「救命救急入院料の届出をしているから加算も自動的に算定できる」とは限らないため、加算ごとの要件確認が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。