みらい(新人医療事務)
「明細書発行体制等加算」って名前を聞いたことはあるんですが、うちのクリニックも関係あるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
診療所であれば関係する可能性は高いですよ。令和8年度(2026年度)時点で、この加算は診療所のみを対象にした、再診のたびに算定候補になる加算です。点数は1点と小さいですが、届出が不要で、施設基準を満たしていれば患者さんを診るたびに算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
えっ、届出なしでいいんですか?それは珍しいですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。多くの加算は地方厚生局長等への届出が必要ですが、明細書発行体制等加算は施設基準を満たしていれば届出なしで算定候補になります。ただし、「施設基準を満たしているか」は自院でしっかり確認が必要です。
明細書発行体制等加算とは何のための加算か(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
そもそも、この加算はどういう目的のために作られたんでしょう?
あおい(元・医療事務)
患者さんへの医療費の透明性を確保するために設けられた加算です。診療報酬の請求では、患者さんが受けた診療の内容や費用を正確に把握できるよう、「個別の費用の計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書」を発行する体制を評価しています。レセコン(ORCA等)で電子請求を行い、明細書を無償で患者さんに渡せる体制が整っていれば、算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
確かに「明細書ください」って患者さんから言われることありますね。
あおい(元・医療事務)
そうですよ。医療費の透明化という観点から、診療ごとに明細書を交付する体制を整えていることを評価する仕組みです。令和8年度(2026年度)現在、告示第69号(診療報酬の算定方法)のA001再診料の注11に規定されています。

対象医療機関・算定要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点での対象は診療所のみです。病院は対象外です。告示の条文では「保険医療機関(診療所に限る。)を受診した患者については、明細書発行体制等加算として、1点を所定点数に加算する」と定められています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 1点 |
| 算定単位 | 再診のたびに(回数制限の記載なし) |
| 対象医療機関 | 診療所のみ(病院は対象外) |
| 届出要否 | 不要(施設基準を満たすだけでよい) |
| 入院・外来 | 外来のみ(入院は算定不可) |
| 適用年度 | 令和8年度(2026年度) |
みらい(新人医療事務)
「再診のたびに」算定できるんですか?初診でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
条文では再診料(A001)の注11に規定されていますが、初診料(A000)とも関連する規定があります。初診料の注16に「電子的診療情報連携体制整備加算を算定する場合、明細書発行体制等加算は別に算定できない」と記載されています。つまり、初診・再診を問わず、患者さんがその受診で電子的診療情報連携体制整備加算の対象にならない場合は、算定候補として確認する余地があります。詳細は公式資料での確認をお勧めします。
算定できる診療の種類に注意
再診料(A001)の注に規定されているため、外来での再診が主な算定場面です。往診料(C000)等への適用については、公式資料での確認が必要です。
施設基準(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
施設基準って具体的に何を満たせばいいんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点では、大きく3つの要件があります。
自院で確認する順番
- 診療所であること: 病院は対象外です。
- 電子請求を行っていること: レセコン(ORCA等)での電子レセプト請求が必要です。
- 明細書を無償で発行・交付していること: 患者さんから求められたときだけでなく、自動的に(または希望に応じて)無償で交付している体制が必要です。加えて、その旨を院内に掲示することが求められています。
みらい(新人医療事務)
ORCAを使っていれば電子請求はできているはずですよね?
あおい(元・医療事務)
多くの場合そうですが、設定状況の確認が必要です。「orca 明細書発行体制等加算」で検索する方が多いのも、ORCAの設定と連動させている診療所が多いからです。ORCAでは明細書の自動発行設定が可能ですので、設定済みかどうかを確認してみてください。ただし、設定内容が施設基準に合っているかは、担当の方や支援業者に確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
「院内掲示」というのは、何を掲示すればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
「当院では明細書を無償で発行しています」という旨の掲示です。患者さんが目に触れやすい場所(受付付近など)への掲示が求められます。「明細書発行体制等加算 ウェブサイト」で調べる方もいますが、院内掲示が基本です。ウェブサイトへの掲載が施設基準になっているかどうかは、公式資料の最新版をご確認ください。
施設基準チェックリスト(令和8年度)
- 診療所である: 病院は対象外
- 電子請求している: レセコン(ORCA等)での電子レセプト請求が必要
- 明細書を無償発行している: 患者全員または希望者に無償交付
- 院内掲示がある: 明細書発行体制の院内掲示
届出の確認
みらい(新人医療事務)
届出が不要って、本当に何もしなくていいんですか?
あおい(元・医療事務)
地方厚生局長等への届出は不要です。これはDB(要件ID=68)でも確認されています。「明細書発行体制等加算の施設基準を満たせばよく、地方厚生(支)局長への届出は不要」とされています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、施設基準を満たしていれば、あとはレセコンで算定するだけですか?
あおい(元・医療事務)
基本的にはそうです。ただし、「施設基準を満たしているかどうか」の確認は自院で行う必要があります。届出はないですが、審査支払機関から確認が入ることはあります。施設基準を満たしていることを自院で証明できる状態にしておくことが大切です。
届出不要でも施設基準の充足は必要
届出不要の加算でも、施設基準を満たしていることが前提です。算定を始める前に、施設基準の各項目(電子請求・明細書無償発行・院内掲示)を確認してください。
算定タイミング・回数・オンライン診療での扱い
みらい(新人医療事務)
「明細書発行体制等加算 毎回」という言葉を聞いたんですが、毎回算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
再診のたびに算定候補になります。月1回に限るといった回数制限の規定は、令和8年度(2026年度)の条文(A001注11)では確認されていません。再診があるごとに算定候補として確認することになります。
みらい(新人医療事務)
オンライン診療のときはどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
「明細書発行体制等加算 オンライン診療」は多くの方が疑問に持つ点ですね。A001再診料の注9では「電話等によって治療上の意見を求められて指示をした場合においても、再診料を算定することができる。ただし、注8、注12、注13及び注15から注20までに規定する加算は算定しない。」と定められています。注11(明細書発行体制等加算)は「注15から注20」の除外対象外のため、電話再診の場合は算定候補として残ります。ただし情報通信機器を用いた診療(オンライン診療)での具体的な取り扱いは、公式資料と審査支払機関への確認をお勧めします。
みらい(新人医療事務)
往診のときはどうですか?
あおい(元・医療事務)
「明細書発行体制等加算 往診」も気になる方が多い点です。往診料(C000)とA001再診料は別の区分です。明細書発行体制等加算はA001再診料の注に規定されているため、往診料には直接適用されません。往診時に関連する取り扱いについては、公式資料での確認が必要です。
算定タイミングのポイント(令和8年度)
- 原則: 再診のたびに算定候補
- 月1回制限: 令和8年度条文では確認されていない(毎回算定候補)
- 電話再診(注9): 注15〜20の除外対象外のため、算定候補として確認が必要
- 往診: A001再診料ではなくC000往診料が適用されるため、別途確認が必要
医療情報取得加算との関係
みらい(新人医療事務)
「明細書発行体制等加算 医療情報取得加算」という検索ワードを見たんですが、関係があるんですか?
あおい(元・医療事務)
直接的な規定は令和8年度の条文では確認されていませんが、診療所が取得を検討する加算として一緒に調べられることが多いようです。一方で、電子的診療情報連携体制整備加算(A000注16・A001注19)との非両立は条文で明確に定められています。
| 関連事項 | 内容 |
|---|---|
| 電子的診療情報連携体制整備加算(A000注16) | 同日算定不可 |
| 電子的診療情報連携体制整備加算(A001注19) | 同日算定不可 |
| 医療情報取得加算 | 条文上の直接規定は未確認(公式資料で確認推奨) |
みらい(新人医療事務)
電子的診療情報連携体制整備加算との非両立というのは、どういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
同じ受診で両方を算定できないということです。告示の条文では「この場合において、(電子的診療情報連携体制整備加算は)別に算定できない」と規定されています。逆に言えば、電子的診療情報連携体制整備加算を算定しない受診では、明細書発行体制等加算は算定候補として確認できる可能性があります。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
今回の改定で何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)改定における明細書発行体制等加算の変更点については、点数(1点)は令和6年度(2024年度)から据え置きです。ただし「点数のみで判断してはいけない」というのが改定差分チェックの大原則なので、施設基準・届出・対象要件についても確認しました。
令和8年度改定での変更(令和6年度からの差分)
- 点数: 1点(令和6年度から変更なし・一次資料ベース)
- 届出要否: 届出不要のまま(変更なし確認)
- 対象: 診療所のみ(変更なし確認)
- 電子的診療情報連携体制整備加算との非両立規定: 維持(変更なし確認)
- その他の施設基準・要件変更: 令和8年度厚労省一次情報の範囲では大きな変更は確認されていません(2026年6月時点・厚労省公開資料ベース)
みらい(新人医療事務)
変わっていないんですね。それは安心ですね。
あおい(元・医療事務)
点数据え置きでも施設基準や要件が変わる改定もあるので、毎年確認は必要です。今回(令和8年度)については、当サイトに収録した告示第69号・70号の収録箇所および要件データで確認した範囲では、大きな変更は確認されていません。詳細は厚労省の一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号・第70号)でご確認ください。
自院チェックリスト(確認の順番)
みらい(新人医療事務)
実際に自院で確認するとしたら、何から始めればいいですか?
あおい(元・医療事務)
以下の順番で確認するのがわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 診療所かどうか確認: 病院は対象外です。診療所(クリニック)であればステップ2へ。
- 電子請求(レセコン)の確認: レセコン(ORCA等)で電子レセプト請求をしていますか?紙請求・磁気媒体請求は対象外の可能性があります。
- 明細書の無償発行体制の確認: 患者さんに明細書を無償で発行していますか?発行の有無・有料か無料かを確認してください。
- 院内掲示の確認: 「明細書を無償で発行している」旨の掲示が院内にありますか?
- レセコン設定の確認: ORCAや使用しているレセコンで明細書発行体制等加算の算定設定がされているか確認してください。
- 算定状況の確認: すでに算定できているか、未算定の場合は理由を確認してください。
みらい(新人医療事務)
ORCAの設定って、どこで確認すればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
ORCAの場合は、業務メニューの中に明細書発行に関する設定項目があります。ただし設定方法はバージョンによって異なるため、ORCAの支援業者や日医標準レセプトソフト(日医ORCA管理機構)の公式サポートに確認することをお勧めします。ここで算定設定の詳細手順をお伝えすることは難しいですが、「明細書発行体制等加算を算定している診療所」であれば、レセコン側での設定が必要です。
よくある取り漏れ・注意点
取り漏れが起きやすいパターン(令和8年度)
- 「うちは小さいクリニックだから関係ない」と思っていた: 診療所はすべて算定候補になりえます。施設基準を満たしているか確認を。
- 明細書は発行しているが「有料」だった: 無償発行が施設基準の要件です。有料発行の場合は施設基準を満たしていない可能性があります。
- 院内掲示がない: 明細書発行体制の院内掲示がないと施設基準を充足していない可能性があります。
- 電子的診療情報連携体制整備加算と重複算定: 同日に両方算定しているとエラーになります。
- レセコン設定が未対応: 施設基準を満たしていてもレセコンで算定設定されていないと請求されません。
みらい(新人医療事務)
電子的診療情報連携体制整備加算と重複算定してしまった場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
審査で返戻(差し戻し)になる可能性があります。告示の条文で「別に算定できない」と規定されているため、同日の重複算定は認められません。レセコンのチェック機能で弾かれることも多いですが、念のため確認をお勧めします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
明細書発行体制等加算は、初診のときも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
A001再診料の注11に規定されていますが、初診料(A000)とも関連します。初診時については、電子的診療情報連携体制整備加算(A000注16)を算定しない場合に算定候補になるかどうかを含め、公式資料での確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
算定するために患者さんの同意は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
条文上、患者さんの同意を必要とする規定は確認されていません。ただし、明細書の発行自体については患者さんへの説明が望ましいでしょう。施設基準の「院内掲示」が患者さんへの周知の役割を果たします。
みらい(新人医療事務)
同月に何回も来院した患者さんの場合、毎回算定できますか?
あおい(元・医療事務)
月1回に限るといった回数制限は令和8年度(2026年度)の条文では確認されていません。来院のたびに算定候補として確認できます。ただし、具体的な取り扱いは審査支払機関の判断に従ってください。
みらい(新人医療事務)
開業したばかりのクリニックでも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
届出不要の加算なので、開業時から施設基準を満たしていれば算定候補になります。電子請求・明細書無償発行・院内掲示の体制が整い次第、算定候補として確認できます。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。