時間外緊急院内画像診断加算とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「時間外緊急院内画像診断加算」ってレセプトで時々見かけるんですけど、どういう場面の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表では、画像診断の通則3に定められている加算です。告示には「入院中の患者以外の患者について、緊急のために、保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜において、当該保険医療機関内において撮影及び画像診断を行った場合は、時間外緊急院内画像診断加算として、1日につき110点を所定点数に加算する」と規定されています。
みらい(新人医療事務)
つまり、夜間や休日に急いでレントゲンやCTを撮った場合の加算ということですか?
あおい(元・医療事務)
イメージとしてはそうですね。ポイントは「入院中の患者以外」「緊急性がある」「診療時間外・休日・深夜」「自院内で撮影・診断」という4つの条件が同時に満たされる場合が算定候補になる、という点です。どれか1つでも欠けると算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
クリニックでも病院でも関係あるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、当サイトが収録している一次資料の範囲では、診療所・病院のどちらにも適用される加算で、外来(入院中の患者以外)が対象です。入院患者は原則対象外になります。この点は後ほど詳しく確認します。
点数・算定コードの確認(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数と算定上の位置づけを整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)時点の内容をまとめると、こちらの表になります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 加算名 | 時間外緊急院内画像診断加算 |
| 点数 | 110点(1日につき) |
| 規定箇所 | 医科点数表 第4部 画像診断 通則3 |
| 対象 | 入院中の患者以外の患者(外来) |
| 施設区分 | 診療所・病院いずれも対象 |
| 届出 | 当サイトが収録している一次資料の範囲では届出に関する記載はなし(後述) |

みらい(新人医療事務)
「1日につき」というのは、同じ日に何回も画像診断をしたら、その分だけ加算されるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこは注意が必要です。留意事項通知には「同一患者に同一日に2回以上、時間外、休日又は深夜の診療を行い、その都度緊急の画像診断を行った場合(複数の区分にまたがる場合を含む。)においても1回のみの算定とする」と明記されています。つまり同じ日に複数回の緊急画像診断を行っても、加算は1日1回が上限という考え方です。
対象患者・時間帯の定義を確認する
みらい(新人医療事務)
「診療時間外・休日・深夜」って具体的にどう決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知にはこう定められています: 画像診断の開始時間が診療時間以外の時間、休日又は深夜に該当する場合に当該加算を算定する。なお時間外等の定義については、「A000」初診料の注7に規定する時間外加算等における定義と同様であること。つまり、個別に独自の時間帯を定めているのではなく、初診料の時間外加算等で使われている時間区分の考え方をそのまま準用する形です。
みらい(新人医療事務)
独自の判断基準があるわけじゃないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ですので、自院が「診療時間外・休日・深夜」をどう定義して運用しているかは、初診料の時間外加算の運用ルールと合わせて確認する必要があります。ここがずれていると、この加算の算定候補かどうかの判断も変わってきます。
みらい(新人医療事務)
入院患者は本当に対象外なんですか?
あおい(元・医療事務)
原則そうです。requirements(当サイトが収録している一次資料の範囲)には「入院中の患者には当該加算は算定できない。ただし、時間外、休日又は深夜に外来を受診した患者に対し、画像診断の結果入院の必要性を認めて、引き続き入院となった場合はこの限りではない」とあります。つまり、受診時点では外来患者だった人が、画像診断の結果として入院に至った場合は例外的に算定候補になり得る、という整理です。
対象になりやすいケース・確認ポイント
- 受診時点で外来患者だったか: 最初から入院中の患者は対象外です
- 緊急性があったか: 「様子を見て後日でよい」ケースは対象外の可能性があります
- 自院内で撮影・診断まで完結したか: 他院で撮影されたフィルムの診断のみでは算定候補になりません
- 診療時間外・休日・深夜の定義: 初診料の時間外加算等の定義と同じ運用になっているか
算定要件を詳しく確認する
みらい(新人医療事務)
「緊急」というのは、どのくらいの状態を指すんですか?なんとなく主観的な気もします。
あおい(元・医療事務)
そこも留意事項通知で定義されています。「緊急に画像診断を要する場合とは、直ちに何らかの処置・手術等が必要な患者であって、通常の診察のみでは的確な診断が下せず、なおかつ通常の画像診断が整う時間まで画像診断の実施を見合わせることができないような重篤な場合をいう」とされています。つまり、単に「早く撮っておきたい」という程度ではなく、直ちに処置・手術等が必要で、通常の画像診断の時間まで待てないほど重篤な場合を想定した規定です。
みらい(新人医療事務)
かなり限定的な条件なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知にはもう1点、算定の実施主体についての要件もあります。「保険医療機関において、当該保険医療機関が表示する診療時間以外の時間、休日又は深夜に入院中の患者以外の患者に対して診療を行った際、医師が緊急に画像診断を行う必要性を認め、当該保険医療機関において、当該保険医療機関の従事者が当該保険医療機関に具備されている画像診断機器を用いて当該画像撮影及び診断を実施した場合に限り算定できる」とされています。自院の医師が必要性を判断し、自院の職員が自院の機器で撮影・診断まで行うことが条件です。
みらい(新人医療事務)
他の病院で撮った画像を、うちで読影だけした場合はどうですか?
あおい(元・医療事務)
それは対象外の可能性が高いです。留意事項通知には「時間外緊急院内画像診断加算は他の医療機関で撮影されたフィルムを診断した場合は算定できない」と明記されています。撮影から診断まで自院内で完結していることが前提です。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
これって施設基準の届出が必要な加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算(画像診断通則3)自体には、届出を前提とする文言は見当たりません。似た名前で紛らわしいのですが、同じ通則の中にある「画像診断管理加算1」は、告示に「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において画像診断を専ら担当する常勤の医師が、画像診断を行い…」と明記されていて、こちらは届出が前提の加算です。時間外緊急院内画像診断加算とは別区分・別要件なので、混同しないよう注意してください。
みらい(新人医療事務)
ということは、届出なしでもすぐ算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
「届出が不要そう」というところまでは資料から読み取れますが、算定候補になるかどうかは、時間帯の定義や緊急性の判断、自院完結の撮影・診断など、他の要件を満たしているかによります。「届出がないから対象外」ではなく、「届出の有無に関わらず、他の算定要件を満たしているかを確認する」という順番で考えるのが安全です。
届出不要=無条件算定ではない
届出に関する記載が見当たらないことは、算定要件そのものを満たさなくてよいという意味ではありません。緊急性・時間帯・自院完結の撮影診断など、他の要件確認が必要です。
併算定の注意点(夜間・早朝等加算との関係)
みらい(新人医療事務)
他の加算と一緒に算定できないケースってありますか?
あおい(元・医療事務)
重要な注意点があります。留意事項通知にはこう明記されています: 時間外緊急院内画像診断加算を算定する場合においては、「A000」初診料の注9及び「A001」再診料の注7に規定する夜間・早朝等加算は算定できない。つまり、この加算を算定する場合、夜間・早朝等加算は同時に算定できないという関係です。
みらい(新人医療事務)
どちらも時間外っぽい加算だから、両方つけられそうな気がしていました。
あおい(元・医療事務)
気持ちはわかりますが、条文上は明確に併算定できないとされています。レセプト作成の際は、この2つを同時に算定していないか確認するポイントになります。
併算定除外の確認ポイント
時間外緊急院内画像診断加算を算定した日は、同一の受診について夜間・早朝等加算(初診料A000注9・再診料A001注7)を併せて算定できません。レセプトチェックの際に重複していないか必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
「時間外緊急院内検査加算」という似た名前の加算もありますよね?
あおい(元・医療事務)
よく似た構造の加算ですね。時間外緊急院内検査加算は、画像診断ではなく検体検査を対象にした通則加算で、点数や区分が異なります。名前が似ているので、レセプトを見るときは「画像診断」なのか「検体検査」なのかを区別して確認するとよいと思います。
似た名前の「画像診断管理加算」との違い
みらい(新人医療事務)
さっきも出てきましたが、「画像診断管理加算」ともよく混同しそうです。
あおい(元・医療事務)
この2つは規定されている通則の項目自体が別ですし、目的もまったく異なります。時間外緊急院内画像診断加算(通則3)は、緊急時に時間外・休日・深夜に自院で画像診断を行ったことを評価する加算です。一方、画像診断管理加算(通則4以降)は、告示に「区分番号E001、E004、E102及びE203に掲げる画像診断については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において画像診断を専ら担当する常勤の医師が、画像診断を行い、その結果を文書により報告した場合」に算定する加算で、専門医による読影体制そのものを評価する加算です。
みらい(新人医療事務)
「時間外かどうか」と「専門の医師が読影しているか」で、評価しているポイントが違うんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。名前に「画像診断」「加算」が共通して入っているため混同しやすいのですが、条文上の主語・要件はまったく別ものです。自院の届出状況を確認する際は、どちらの加算について確認しているのかを区別してから進めるのが安全です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更は、当サイトが収録している厚生労働省一次資料の範囲では確認されていません。点数(110点)、対象(入院中の患者以外)、算定要件(緊急性・時間帯の定義・自院完結の撮影診断)について、令和8年度の告示・留意事項通知の内容から変更を示す記載は見当たりませんでした。
みらい(新人医療事務)
変わっていないと言い切れるんですか?
あおい(元・医療事務)
「変わっていない」と断定するのではなく、「当サイトが確認できる一次資料の範囲では変更が見当たらない」という言い方が正確です。改定内容は個別改定項目や疑義解釈で後から補足されることもあるため、最終的には自院で最新の告示・通知を確認することをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院ではどの順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
おすすめの確認順序をまとめますね。
自院で確認する順番
- 受診の時点を確認 — 入院中の患者ではなく、外来患者(入院中の患者以外)だったか
- 診療時間・休日・深夜の該当を確認 — 初診料の時間外加算等における時間区分の定義と照らして、診療時間外・休日・深夜に該当するか
- 緊急性を確認 — 直ちに処置・手術等が必要で、通常の画像診断が整う時間まで待てない重篤な状態だったか
- 撮影・診断の完結場所を確認 — 自院内で、自院の職員が、自院の画像診断機器を用いて撮影・診断まで行ったか
- 同日の重複算定を確認 — 同じ日に複数回の緊急画像診断があっても、加算は1日1回である前提でレセプトを作成しているか
- 併算定の除外を確認 — 同一受診で夜間・早朝等加算を重ねて算定していないか

みらい(新人医療事務)
この順番でチェックすれば、算定候補かどうかの見当がつきそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし、最終的な判断は自院の診療record・レセプト運用と公式資料を照らし合わせて確認することが必要です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
逆に、算定できるはずなのに漏れているケースってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかパターンがあります。
よくある取り漏れの例
- 休日・深夜の救急対応で加算自体を失念: 通常の画像診断料だけを算定し、時間外緊急院内画像診断加算の110点を付け忘れているケース
- 「入院になったから対象外」と早合点: 外来受診時点で緊急画像診断を行い、その結果として引き続き入院になった場合は例外的に算定候補になり得ますが、入院した事実だけで対象外と判断してしまうケース
- 夜間・早朝等加算との重複算定: 逆に、両方を同時に算定してしまい、あとから査定を受けるケース
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問も確認しておきたいです。「休日当番医で撮影したけど、緊急性の判断に自信がない」という場合はどうしたらいいですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には「緊急に画像診断を要する場合とは、直ちに何らかの処置・手術等が必要な患者であって、通常の診察のみでは的確な診断が下せず、なおかつ通常の画像診断が整う時間まで画像診断の実施を見合わせることができないような重篤な場合をいう」と定義されています。この基準に照らして迷う場合は、診療録に緊急性を判断した根拠(症状・所見・対応の緊急性)を残しておくと、後から確認しやすくなります。
みらい(新人医療事務)
「時間外緊急院内画像診断加算」と「時間外緊急院内検査加算」を同じ日に両方算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
画像診断と検体検査は別の区分の加算なので、それぞれの要件を満たしていれば、同日に両方の算定候補になり得ます。ただし、それぞれの緊急性・時間帯・自院完結の要件を個別に満たしているかを確認してください。
みらい(新人医療事務)
クリニック(診療所)でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが収録している一次資料の範囲では、診療所・病院を問わず対象になる加算です。ただし、自院内に画像診断機器があり、緊急時に撮影・診断まで自院で完結できる体制があることが前提になります。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省公式資料および当サイトが収録している一次資料の範囲を根拠としています。詳細な要件確認は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚生労働省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示) 医科点数表 第4部 画像診断 通則3 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 令和8年度診療報酬改定について(告示・留意事項通知・疑義解釈の一覧。個別PDFのリンク変更に伴い本ハブページから最新版をご確認ください) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
- 当サイトが収録している一次資料に基づく要件整理(診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について)
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。受診の状況や時間帯、撮影・診断の体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・診療内容・公式資料・審査支払機関の判断で確認してください。