時間外救急搬送加算とは?令和8年度の対象と算定候補になる場面
みらい(新人医療事務)
事務長から「救急搬送で来た患者さん、時間外救急搬送加算って算定できてる?」と聞かれたんですが、正直よくわかっていません。これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
救急外来には、休日や夜間に救急車で運ばれてくる患者さんがいますよね。そうした対応には、平日の日中とは違う体制やコストがかかります。それを評価するために設けられている加算です。
みらい(新人医療事務)
救急搬送された患者さん全般に付く加算ということですか?
あおい(元・医療事務)
そうとも言い切れません。時間外救急搬送加算は、B001-2-6 救急外来医学管理料のうち「1 救急搬送医学管理料」(区分1)に付く「注6」の加算です。土曜日・日曜日・祝日または夜間に、救急用の自動車や救急医療用ヘリコプターで緊急搬送された患者さんに必要な医学管理を行った場合に、受診した時間帯の区分に応じて所定点数に上乗せされます。
みらい(新人医療事務)
「区分1」というのが気になります。救急外来医学管理料には他の区分もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。B001-2-6には「1 救急搬送医学管理料」と「2 夜間休日救急医学管理料」の2つの区分があります。時間外救急搬送加算(注6)が付くのは、あくまで区分1の救急搬送医学管理料だけです。この違いは後ほど詳しく確認しましょう。
対象医療機関・対象患者(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
うちの診療所でも算定候補になる可能性はありますか?
あおい(元・医療事務)
対象になりうるのは、診療所・病院を問わず外来です。ただし前提として、救急搬送医学管理料(区分1)そのものの施設基準の届出を済ませている保険医療機関である必要があります。
みらい(新人医療事務)
届出が前提なんですね。時間外救急搬送加算自体には届出は必要ないんですか?
あおい(元・医療事務)
時間外救急搬送加算そのものに独自の届出は求められていません。ただし、加算の土台となる救急搬送医学管理料(区分1)は、告示の注1で「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」が算定できると定められています。土台の届出がなければ、そもそも時間外救急搬送加算も算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんはどんな方ですか?
あおい(元・医療事務)
公式資料では「土曜日、日曜日若しくは祝日又は夜間において、救急用の自動車及び救急医療用ヘリコプターで搬送された患者」とされています。自力受診や家族の車での来院は対象に含まれません。
対象になりうる患者の条件(令和8年度)
- 救急搬送医学管理料(区分1)の対象患者であること
- 救急用の自動車または救急医療用ヘリコプターで搬送されたこと
- 受診が土曜日・日曜日・祝日または夜間に該当すること
みらい(新人医療事務)
祝日の扱いって、カレンダー通りでいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
公式資料では、祝日は国民の祝日に関する法律第3条に規定する休日を指し、加えて1月2日・3日、12月29日・30日・31日も「土曜日、日曜日又は祝日」として扱う、とされています。年末年始は見落としやすいので確認が必要です。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどうなっているんですか?
あおい(元・医療事務)
受診した時間帯の区分によって3段階に分かれています。令和8年度の医科点数表(B001-2-6の注6)では、次のように示されています。
| 区分 | 受診時間の条件 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| イ | 土曜日、日曜日又は祝日における夜間の場合 | 300点 |
| ロ | 土曜日、日曜日又は祝日以外の日における夜間の場合 | 250点 |
| ハ | 土曜日、日曜日又は祝日における夜間以外の時間の場合 | 200点 |
みらい(新人医療事務)
夜間かどうかで点数が変わるんですね。「夜間」ってどこからどこまでを指すんですか?
あおい(元・医療事務)
同じB001-2-6の留意事項では、夜間を午後6時から午前8時まで、深夜を午後10時から午前6時までとする定義が示されています。ただしこれは告示・通知の記載を確認するための目安であり、算定の最終判断は必ず一次資料の該当箇所と自院のレセプト担当で確認してください。

みらい(新人医療事務)
この点数は、区分1の救急搬送医学管理料の点数に上乗せされるということですね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。区分1の救急搬送医学管理料自体はイ800点・ロ600点・ハ200点という3段階の点数がありますが、これに加えて時間外救急搬送加算(最大300点)が上乗せされる形です。加算の点数だけを見るのではなく、土台の点数区分と合わせて確認することが大切です。
「区分1」と「区分2」の違い(取り違え注意)
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた区分1と区分2、正直まだ混同しそうです……。
あおい(元・医療事務)
ここは差し戻しが起きやすいポイントなので、丁寧に整理しますね。B001-2-6 救急外来医学管理料には次の2つの区分があります。
時間外救急搬送加算は区分1限定です
時間外救急搬送加算(注6)が対象とするのは「1 救急搬送医学管理料」(区分1)のみです。告示では「6 1について、」と明記されており、「2 夜間休日救急医学管理料」(区分2)には付きません。区分2を算定している患者に誤って加算しないよう注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
区分2の夜間休日救急医学管理料は、どんな患者さんが対象なんですか?
あおい(元・医療事務)
区分2は、保険医療機関が表示する診療時間以外の時間に受診した患者さんを対象にした管理料で、区分1の救急搬送とは算定要件が別に定められています。区分1と区分2は名前が似ているため混同しやすいのですが、時間外救急搬送加算の適用対象を判断する際は、まず「その患者さんが区分1(救急搬送医学管理料)を算定しているかどうか」を最初に確認してください。
みらい(新人医療事務)
つまり、救急車で来た患者さんかどうかだけでなく、区分1で算定しているかどうかも見る必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。救急搬送されたという事実に加えて、区分1の算定要件(施設基準の届出込み)を満たしているかどうかのセットで確認が必要です。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけることは他にありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まず、受診した時間帯によってイ・ロ・ハのどの区分に該当するかを正確に判定することです。同じ「夜間」でも、土日祝かどうかで250点と300点が分かれます。
よくある取り漏れ・確認ポイント
- 区分の取り違え: 区分1(救急搬送医学管理料)以外の患者に誤って加算していないか
- 搬送手段の確認: 救急用の自動車・救急医療用ヘリコプターでの搬送であることが記録されているか
- 受診時間帯の記録: 夜間・深夜・土日祝の判定根拠(受診時刻)が診療録・レセプトに残っているか
- 年末年始の祝日扱い: 1月2日・3日、12月29〜31日を「土曜日、日曜日又は祝日」として扱っているか
みらい(新人医療事務)
受診時刻の記録が大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。イ・ロ・ハのどの区分で算定したかの根拠になるので、受診時刻や搬送手段が診療録・レセプトに残っていることが望ましいです。レセプト審査で根拠を示せるようにしておくことが重要です。

自院で確認する順番
- 救急搬送医学管理料(区分1)の施設基準届出が済んでいるか確認
- 救急用の自動車・救急医療用ヘリコプターでの搬送かどうか確認
- 受診が土曜日・日曜日・祝日または夜間に該当するか確認(年末年始の祝日扱いも含む)
- 受診時間の区分(イ・ロ・ハ)を診療録の記録から判定
- 区分1の点数に時間外救急搬送加算を上乗せできるか、算定候補として要件照合へ
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算は前回の令和6年度改定のときからあったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが参照した一次資料(令和8年度の医科点数表・告示)の範囲では、時間外救急搬送加算そのものの令和6年度時点の記載を確認できていません。B001-2-6 救急外来医学管理料という区分自体、医療DXや救急医療体制の見直しの流れの中で整理されてきた項目のため、前回改定との詳細な異同を断定的にお伝えすることができません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、変わったかどうかは分からないということですか?
あおい(元・医療事務)
そうです。「変わっていない」とも「新設された」とも断定はできず、当サイトが確認できた一次資料の範囲では前回改定からの変更点を特定できていません(確認日: 2026年7月・厚労省告示一次情報ベース)。正確な改定履歴を確認したい場合は、厚生労働省が公開している個別改定項目の資料や、地方厚生局への確認をおすすめします。
改定履歴は一次資料で確認してください
時間外救急搬送加算の令和6年度以前の取り扱いについては、当サイトが参照した一次資料の範囲では確認できていません。正確な改定経緯は厚生労働省の告示・個別改定項目資料でご確認ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
救急搬送された患者さんなら、誰でも自動的に算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、自動的にはなりません。まず区分1(救急搬送医学管理料)の対象患者であること、次に救急用の自動車または救急医療用ヘリコプターで搬送されたこと、そして受診が土曜日・日曜日・祝日または夜間であることの3つが揃って初めて算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出はどこで確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
まずは自院が区分1の救急搬送医学管理料(イ・ロ・ハのいずれか)の届出を済ませているかどうかを、院内の届出書類や地方厚生局への提出履歴で確認するのが第一歩です。届出内容が不明な場合は、地方厚生局に直接お問い合わせいただくのが確実です。
みらい(新人医療事務)
夜間休日救急医学管理料(区分2)を算定している患者さんにも、この加算は付けられますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注6は「1について」と明記されているため、区分2(夜間休日救急医学管理料)の患者には時間外救急搬送加算は付きません。区分の取り違えには注意してください。
みらい(新人医療事務)
年末年始に受診した患者さんは、平日でも「祝日扱い」になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。公式資料では、1月2日・3日、12月29日・30日・31日は「土曜日、日曜日又は祝日」として取り扱うとされています。曜日だけで判断せず、年末年始の特例も確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。救急搬送医学管理料(区分1)の届出状況や受診時間帯の記録を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する救急外来医学管理料や救急時医療情報取得加算もあわせて確認してみてください。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。