みらい(新人医療事務)
あおいさん、「外来データ提出加算」ってよく名前を聞くんですけど、これってどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
外来データ提出加算は、自院の診療報酬の請求状況や診療内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している診療所が算定できる加算です。地域包括診療加算などを届け出ている診療所が、さらにデータ提出体制を整えることで算定候補になります。令和8年度(2026年度)時点の情報でお話しします。
みらい(新人医療事務)
データを厚生労働省に出すことで加算がもらえるんですね。うちみたいな小さな診療所でも関係あるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。外来データ提出加算は診療所が対象ですので、規模が小さくても関係します。ただし「地域包括診療加算を算定している」ことが前提条件になっています。地域包括診療加算を届け出ていない場合は、そもそも算定できない加算なので、まずそこを確認してみてください。
外来データ提出加算とは何のための加算か
みらい(新人医療事務)
地域包括診療加算が前提なんですね。それって診療所のかかりつけ機能に関係するやつですか?
あおい(元・医療事務)
まさにそうです。A001再診料の注12(地域包括診療加算)は、複数の慢性疾患を持つ患者に対して継続的に療養管理を行う診療所向けの加算です。外来データ提出加算は、その「注12の場合において」という条件の下に設定されています(A001再診料 注13)。つまり、地域の複数疾患患者を診ながら、その診療データを国に提出することで、データ活用・医療政策の基盤整備に貢献するための仕組みです。
みらい(新人医療事務)
なるほど、「かかりつけ機能+データ提出」がセットになっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。令和8年度(2026年度)から新たに設けられた加算で、診療の透明化とデータに基づく政策立案を促す観点から設計されています。月1回、10点を算定候補として加えられる点数は小さく見えますが、毎月の算定継続で年間を通じたレセプト管理の改善にもつながります。
外来データ提出加算の位置づけ(令和8年度)
- 令和8年度(2026年度)新設
- A001再診料の注13に規定
- 地域包括診療加算(注12)を算定している診療所が対象
- 診療報酬の請求状況・診療内容データを継続提出していることが要件
点数・診療報酬コード
みらい(新人医療事務)
具体的な点数はどのくらいですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、月1回に限り10点を加算する、と定められています。区分番号はA001再診料の注13として位置づけられており、マスターコードは「112709470」です。
| 加算名 | 点数 | 算定頻度 | 診療報酬コード |
|---|---|---|---|
| 外来データ提出加算 | 10点 | 月1回 | 112709470 |
みらい(新人医療事務)
月1回10点ということは、1点=10円換算で月100円ですね。
あおい(元・医療事務)
そうなります。点数だけ見ると小さいですが、継続算定できる月の合計で積み上がります。また、この加算を算定するためには事前の届出と試行データ提出というプロセスが必要なので、「取れるかどうか」の判断は点数だけでなく、施設基準と届出の手順も合わせて確認することが大切です。

施設基準・届出要件
みらい(新人医療事務)
施設基準ってどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準告示(令和8年厚生労働省告示第70号)の「七の二 外来データ提出加算の施設基準」には、「(1) 外来患者に係る診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出するために必要な体制が整備されていること」と定められています。これが核心的な要件です。
外来データ提出加算の施設基準(令和8年度)
- 地域包括診療加算2の施設基準(七の(1)のイ及びハからホまで)を満たすこと
- 外来患者に係る診療内容に関するデータを継続的かつ適切に提出するために必要な体制が整備されていること
- 地方厚生局長等への届出(様式7の11)が完了していること
みらい(新人医療事務)
「地域包括診療加算2の施設基準を満たすこと」というのは、どういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
地域包括診療加算2の施設基準の一部(イ及びハからホ)が参照要件になっています。地域包括診療加算は「かかりつけ機能」の加算なので、複数の疾患を継続して管理していること、相談に応じられる体制があること、などの条件が含まれています。ただしすべての要件の詳細は、保医発(施設基準の届出手続きに関する通知)で確認する必要があります。届出前に地方厚生局の窓口や最新の通知で確認することをお勧めします。
みらい(新人医療事務)
届出の手続きはどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
疑義解釈(令和8年3月23日事務連絡)によると、次の手順が示されています。まず「様式7の10」で試行データ提出の届出を行い、その後、試行データ提出の実績が認められた旨の事務連絡を厚生労働省保険局医療課から受け取ります。そして「様式7の11」を届け出ることで、算定可能になります。
自院で確認する順番
- 様式7の10の届出を地方厚生局に提出(令和8年11月20日までが試行データの届出期限の目安)
- 試行データ提出を実施
- 厚生労働省保険局医療課から「実績が認められた」旨の事務連絡を受領
- 様式7の11の届出を提出(令和9年4月1日までが目安)
- 様式7の11の届出完了後、算定候補になる
みらい(新人医療事務)
2段階の届出が必要なんですね。思ったより手順が多い。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。既に「充実管理加算」の施設基準届出をしている医療機関については、様式7の10の届出期限後の直近の外来試行データをもって試行データに代えることができるという疑義解釈も出ています(令和8年3月23日事務連絡 問4)。充実管理加算の届出済み医療機関は確認しておく価値があります。
届出手続きに関する注意
様式7の10と様式7の11の2段階が必要です。充実管理加算の届出を既にしている場合でも、外来データ提出加算の様式7の10は改めて届出が必要(疑義解釈 問4)。詳細な届出スケジュールは厚生労働省保険局医療課の事務連絡を参照してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定のタイミングや、同時に算定できないものはありますか?
あおい(元・医療事務)
算定タイミングについては、注13の要件として「注12の場合において」と定められているため、地域包括診療加算を算定した再診の日に合わせて算定することになります。月1回が上限です。
算定要件の注意点(令和8年度)
- 月1回に限り算定可(月複数回の算定は不可)
- 前提として地域包括診療加算(A001注12)を算定していること
- 電話等による再診(A001注9)の場合は、注8・注12・注13・注15から注20まで算定不可(A001注9規定より)
- 「届出済み」「実績認定済み」の両方が満たされて初めて算定候補になる
みらい(新人医療事務)
電話再診のときは算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。A001注9(電話等による再診)の規定の中に「注8、注12、注13及び注15から注20までに規定する加算は算定しない」という記載がありますので、外来データ提出加算(注13)も電話再診では算定対象外です。対面診療の場面で算定することになります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度から新しくなった部分はどのくらいあるんですか?
あおい(元・医療事務)
外来データ提出加算は令和8年度(2026年度)改定で新設された加算です。前回改定(令和6年度)には存在しない区分でした。A001再診料の注13に新たに追加されたものです。
令和6年度→令和8年度改定の変更点
- 令和6年度(2024年度): 外来データ提出加算は未設定
- 令和8年度(2026年度)改定: A001再診料 注13として新設(月1回 10点)
- 令和8年度から届出・試行データ提出のプロセスが開始
- 算定開始時期は届出・実績認定の完了後(令和9年4月以降が当初の目安)
みらい(新人医療事務)
じゃあ令和8年度から全く新しく始まった仕組みなんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。令和8年度(2026年度)改定で新設されたため、前回改定からの「差分」というよりも「令和8年度から開始」という性格の加算です。なお疑義解釈(令和8年3月23日事務連絡 問5)では、令和9年4月1日までに様式7の11の届出を行った医療機関において同月から算定可能、との方向性が示されています。
自院チェックリスト
みらい(新人医療事務)
自院で確認すべきことを整理したいんですが、何からやればいいですか?
あおい(元・医療事務)
順番に確認していきましょう。
自院で確認する順番
- 前提条件の確認: 地域包括診療加算(A001注12)の届出を既に行っているか確認する
- 施設基準の確認: 地域包括診療加算2の施設基準(イ・ハ・ニ・ホ)を自院が満たしているか確認する
- データ提出体制の確認: 外来患者に係る診療内容データを継続的に提出するための体制が整備されているか確認する
- 様式7の10の届出: 試行データ提出のために様式7の10を地方厚生局に届け出る(届出期限を事務連絡で確認)
- 試行データの提出: 試行データを提出し、厚生労働省保険局医療課からの実績認定を受ける
- 様式7の11の届出: 実績認定後、様式7の11を届け出る
- 算定開始: 届出完了後、月1回10点を算定候補として計上する
みらい(新人医療事務)
ありがとうございます。地域包括診療加算を既にやっている診療所でないと始まらないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。まず「注12を算定しているか」が出発点になります。既に届け出ている場合は、次のステップとしてデータ提出体制の整備と様式7の10の届出が次の確認事項になります。
よくある疑問
みらい(新人医療事務)
同じ患者に毎月算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
月1回の上限はありますが、地域包括診療加算を算定している患者であれば、翌月以降も継続して算定候補になり得ます。ただし「当該保険医療機関における診療報酬の請求状況及び診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合」という条件が毎月維持される必要があります。提出が途切れた場合は算定要件を満たさなくなる可能性があります。
みらい(新人医療事務)
「機能強化加算 外来データ提出加算」という検索をしている人がいるみたいですが、何か関係がありますか?
あおい(元・医療事務)
機能強化加算(A000初診料 注10・A001再診料には直接の注はないですが初診料側)は、主に診療所のかかりつけ機能に関係する別の加算です。外来データ提出加算は「地域包括診療加算(A001注12)の上位要件」として設定されており、機能強化加算とは直接の前提関係はありません。ただし、かかりつけ機能を充実させている診療所ほど地域包括診療加算を届け出ているケースが多いので、「機能強化加算を算定しているなら、地域包括診療加算も確認したい」という文脈で一緒に調べる方が多いようです。
みらい(新人医療事務)
病院でも算定対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
A001再診料は「許可病床のうち一般病床に係るものの数が200以上のものを除く」という制限があります(A001注1)。一般病床200床以上の病院はA001再診料ではなくA002外来診療料を算定するため、A001注13の外来データ提出加算は算定できません。200床未満の病院や診療所が対象になります。ただし「診療所に限る」という特別な制限が告示上あるかどうかは、改めて最新の通知で確認してください。
みらい(新人医療事務)
在宅データ提出加算とは違うものですか?
あおい(元・医療事務)
別の加算です。在宅データ提出加算は在宅医療に関係するデータ提出に対する加算で、外来データ提出加算とは区分番号も算定場面も異なります。外来診療のデータ提出が外来データ提出加算、在宅診療側のデータ提出が在宅データ提出加算という整理になっています。

自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。地域包括診療加算の届出状況やデータ提出体制の確認事項が整理できます。外来データ提出加算は届出手続きが2段階あるので、早めに確認しておくのが安心です。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。