みらい(新人医療事務)
「在宅データ提出加算」って加算一覧で見かけたんですけど、これって何のデータを出す加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅データ提出加算は、在宅医療の請求状況や診療内容に関するデータを厚生労働省に継続して提出している医療機関に対して、月50点を加算する仕組みです(令和8年度)。在宅時医学総合管理料(C002)や施設入居時等医学総合管理料(C002-2)、在宅がん医療総合診療料(C003)を算定している医療機関が対象になります。
みらい(新人医療事務)
データを出すこと自体が評価される加算なんですね。患者さんの状態で決まる加算とはちょっと違う感じですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そこが特徴です。対象患者の病状で決まるのではなく、医療機関がデータ提出の体制を継続できているかどうかで決まる加算です。まずは全体像から一緒に確認していきましょう。
在宅データ提出加算とはどんな加算か
みらい(新人医療事務)
あらためて、この加算はどういう目的なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知では、「厚生労働省が毎年実施する外来医療等調査に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したものである」とされています。提出されたデータは特定の患者を特定できないように集計され、厚生労働省保険局が在宅医療等の実態把握・分析に活用します(令和8年度)。
みらい(新人医療事務)
つまり、個々の患者さんの治療内容というより、医療機関側の継続的な報告体制が評価されているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)では、C002在宅時医学総合管理料の規定として「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、当該保険医療機関における診療報酬の請求状況、診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合は、在宅データ提出加算として、50点を所定点数に加算する」と定められています。
みらい(新人医療事務)
施設基準への適合と届出、それにデータの継続提出、両方がそろって初めて加算候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
はい。施設基準に適合して届出をしていることと、実際にデータを継続提出していることの両方が前提です。どちらか一方だけでは算定候補にはなりません。
対象医療機関・対象となる診療料
みらい(新人医療事務)
具体的にどの診療料に付く加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅データ提出加算は単独では算定できず、C002在宅時医学総合管理料の「注13」、C002-2施設入居時等医学総合管理料の「注5」(C002の注13を準用)、C003在宅がん医療総合診療料の「注7」に規定されています。厚生労働省の告示では、C003についても「当該保険医療機関における診療報酬の請求状況、診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している場合は、在宅データ提出加算として、月1回に限り、50点を所定点数に加算する」と明記されています(令和8年度)。
みらい(新人医療事務)
C002・C002-2・C003のどれかを算定している月でないと、そもそも対象にならないということですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。加算単独の請求はできません。対象診療料を算定している患者さんについて、データ提出の実績がある医療機関で算定候補になる、という構造です。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関の種類は決まっていますか?
あおい(元・医療事務)
クリニック(診療所)・病院のいずれも対象になり得ます。ただし在宅時医学総合管理料等を算定する在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院であることが前提で、外来や入院だけの医療機関はそもそも対象診療料自体を算定できません。
対象かどうかの確認ポイント
- 対象診療料: C002在宅時医学総合管理料・C002-2施設入居時等医学総合管理料・C003在宅がん医療総合診療料のいずれかを算定していること
- 施設要件: 在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院であること(対象診療料の算定要件として)
- 届出: 在宅データ提出加算に係る施設基準の届出(地方厚生局長等)が済んでいること
- 実績: データ提出の実績が厚生労働省に認められていること
点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数は50点で統一なんですか?区分とかはないんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、在宅データ提出加算は区分なしで一律50点です。単一建物診療患者数や機能強化型かどうかで細かく分かれる対象診療料本体の点数とは異なり、加算自体はシンプルな仕組みになっています。
| 対象診療料 | 在宅データ提出加算 | 算定単位 |
|---|---|---|
| C002 在宅時医学総合管理料 | 50点 | 月1回(対象診療料の算定月) |
| C002-2 施設入居時等医学総合管理料 | 50点 | 月1回(対象診療料の算定月) |
| C003 在宅がん医療総合診療料 | 50点 | 月1回 |
みらい(新人医療事務)
対象診療料の点数に上乗せする形なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。対象診療料の所定点数に、在宅データ提出加算として50点を加算する形になります(令和8年度)。

施設基準・届出の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
施設基準は具体的にどんな内容なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の範囲では、施設基準の核は「診療報酬の請求状況・診療の内容に関するデータを継続して厚生労働省に提出している」ことが確認できる体制の整備です。届出は地方厚生局長等に対して行い、様式に基づいた手続きが必要になります。疑義解釈では、届出には「様式7の11」を用い、地方厚生(支)局長を経由して厚生労働省保険局医療課長に届出を行うとされています。
みらい(新人医療事務)
様式を出せばすぐ届出できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、その前段階があります。同じ疑義解釈では「様式7の11を提出するにあたっては、事前に、様式7の10の届出を行ったうえで、試行データを外来医療等調査事務局に提出し、データ提出の実績が認められる必要がある」とされています。つまり、①試行データの提出(様式7の10)→②データ提出実績の確認→③本届出(様式7の11)、という順番が必要です。
みらい(新人医療事務)
段階を踏む必要があるんですね。すぐ翌月から算定、というわけにはいかなさそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。試行データの作成・提出から実績確認までの期間を考えると、届出を検討する段階から準備を始めることが大切です。具体的な様式や提出先の詳細は、最新の厚生労働省通知・疑義解釈でご確認ください。
施設基準は自院での確認が必須
施設基準への適合・届出の有効性は、当サイトでは判定できません。試行データの提出実績や届出の受理状況は、地方厚生局への確認が必要です。
算定要件(データ提出の実績と対象患者)
みらい(新人医療事務)
届出さえ済んでいれば、対象患者さん全員に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要です。厚生労働省の留意事項通知では「当該加算は、データ提出の実績が認められた保険医療機関において、在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料を現に算定している患者について、データを提出する診療に限り算定する」とされています。つまり、データ提出の対象になっている診療についてのみ算定候補になるということです。
みらい(新人医療事務)
データを出していない診療分については、加算だけ取るということはできないんですね。
あおい(元・医療事務)
できません。もう一点大事なのが、データ提出が滞った場合の扱いです。同じ通知に「データの提出を行っていない場合又はデータの提出(データの再照会に係る提出も含む。)に遅延等が認められた場合、当該月の翌々月以降について、算定できない」と明記されています。
みらい(新人医療事務)
一度提出が遅れると、しばらく算定できなくなるということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、翌々月以降は算定できないとされていますので、データ提出の運用が止まると加算も止まる、という連動した仕組みです。継続的な提出体制の維持が前提になっている点は押さえておく必要があります。
算定要件の確認ポイント
- 対象診療: データ提出の対象になっている診療(C002・C002-2・C003を現に算定している患者)に限る
- 実績が前提: データ提出の実績が厚生労働省に認められていること
- 提出遅延のペナルティ: 提出なし・遅延(再照会分含む)があった場合、当該月の翌々月以降は算定できない
- 継続提出が必須: 一度きりの提出ではなく、継続的な提出体制が求められる
届出が義務化される場合がある点に注意
みらい(新人医療事務)
届出は任意で、出したい医療機関だけ出すものなんですか?
あおい(元・医療事務)
基本的には任意の届出ですが、一定の条件に該当すると届出が義務化される取り扱いが疑義解釈で示されています。前回改定(令和6年度)から継続している運用として、機能強化型の在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院の施設基準では「各年度5月から7月の訪問診療を実施した回数が2,100回を超える病院にあっては、次年の1月までに在宅データ提出加算に係る届出を行うこと」とされています(令和6年度疑義解釈。令和8年度時点でも同様の取り扱いです)。
みらい(新人医療事務)
訪問診療の実施回数が多い医療機関は、届出が事実上必須になるということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。対象は主に訪問診療の実施回数が多い機能強化型の在支診・在支病ですが、この基準が現時点でどの医療機関に適用されるかは、自院の直近の訪問診療実施回数と、最新の疑義解釈・保医発通知をあわせてご確認いただく必要があります。経過措置の期間も設けられていましたので、現在の適用状況は必ず一次資料で確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定と比べて、何か変わった点はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料(厚生労働省告示・留意事項通知・疑義解釈)の範囲では、在宅データ提出加算の点数(50点)・算定要件・データ提出の実績に関する取り扱いについて、前回改定(令和6年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
制度としては令和6年度から続いているものなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、令和6年度の疑義解釈でも在宅データ提出加算の届出に関するやり取りが確認できますので、令和6年度から継続している仕組みと考えられます。ただし、細部の運用(届出様式や事務連絡の内容)が更新されている可能性もあるため、届出を検討する際は必ず最新の一次資料をご確認ください。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院が対象になるか、どういう順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくのがおすすめです。
自院で確認する順番
- C002・C002-2・C003のいずれかを算定しているか確認する
- 在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院としての届出状況を確認する
- 在宅データ提出加算に係る施設基準の届出(様式7の11)を出しているか、または出す準備ができるか確認する
- 試行データ(様式7の10)の提出とデータ提出実績の有無を確認する
- 直近の訪問診療実施回数(5〜7月)が2,100回を超えていないか確認し、該当する場合は届出義務の有無を確認する
- 継続的なデータ提出体制を維持できるか、院内の運用フローを確認する
みらい(新人医療事務)
一つずつ確認していけば、自院が候補になるかどうか整理できそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に③④は事前準備に時間がかかりますので、算定を検討し始めた段階で早めに動くことをおすすめします。
よくある取り漏れ
見落としやすいポイント
- 加算単独では算定不可: C002・C002-2・C003のいずれかを算定している月でなければ対象にならない
- 届出だけでは不十分: 施設基準の届出に加えて、データ提出の実績が認められていることが必要
- 提出遅延のペナルティ: データ提出が滞ると翌々月以降は算定できなくなる
- 在宅医療情報連携加算との混同: C002には在宅データ提出加算(注13・50点)とは別に「在宅医療情報連携加算」(注15・月100点、C002-2は注5で準用)があり、連携する他の医療機関等がICTで記録した診療情報を活用した計画的な医学管理が要件のため、点数も要件も異なる点に注意。「在宅医療DX情報活用加算」はC001(注13)とC003(注8)にのみ規定されており、C002には規定がない
- 訪問診療実績が多い医療機関の義務化: 一定回数を超える機能強化型在支診・在支病は届出が事実上必須になる場合がある
よくある質問
みらい(新人医療事務)
在宅データ提出加算は届出さえすれば自動的に算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、届出だけでは足りません。試行データの提出とデータ提出実績が厚生労働省に認められることが前提で、その後も継続的にデータを提出し続ける必要があります。届出後の運用体制まで含めて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
C002からC003に切り替えた月はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の範囲では、切り替え月の詳細な取り扱いまでは確認できていません。C002・C002-2・C003いずれも同じ在宅データ提出加算の枠組みで規定されていますが、切り替えのタイミングでの具体的な運用は、最新の疑義解釈や審査支払機関への確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
データ提出の頻度はどれくらいが求められるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料では「継続して提出している」ことが要件とされていますが、具体的な提出頻度(月次かどうか等)の詳細までは今回確認できた範囲には含まれていません。外来医療等調査の実施要領など関連資料もあわせてご確認ください。
みらい(新人医療事務)
届出義務化の基準(2,100回)に該当しない医療機関は、届出しなくてもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
該当しない場合は任意の届出になりますが、対象診療料を算定している医療機関であれば、届出をしてデータ提出体制を整えることで加算の算定候補になり得ます。義務化の対象かどうかにかかわらず、自院の状況にあわせて検討してみてください。
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みらい(新人医療事務)
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あおい(元・医療事務)
在宅データ提出加算の対象診療料や、同じ考え方の加算をまとめました。あわせてご確認ください。
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- 外来データ提出加算 — 外来版の同種の考え方に基づく加算
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象診療料の算定状況や届出状況、データ提出の実績を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・留意事項通知・疑義解釈)・審査支払機関の判断でご確認ください。