診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-07-18T15:08:24+00:00出典あり

夜間・早朝等加算、自院は算定候補?時間帯と施設基準【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

初診料A000の注9及び再診料A001の注7に規定する加算。施設基準を満たす診療所が、午後6時(土曜日は正午)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く)、休日又は深夜であって表示する診療時間内の時間に初診又は再診を行った場合に、夜間・早朝等加算として50点を所定点数に加算する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

あおいさん、うちのクリニック、夜遅くまで開けてるんですけど「夜間・早朝等加算」ってよく聞きます。これって何の加算なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

夜間・早朝等加算は、診療所が夜間や早朝、休日といった時間帯に初診・再診を行った場合に、所定点数へ50点を加算できる仕組みです。令和8年度の医科点数表で、初診料(A000)の注9と再診料(A001)の注7に規定されています。

みらい

みらい新人医療事務

診療所限定なんですか? うちは病院なんですが...

あおい

あおい元・医療事務

はい、対象は診療所に限られます。病院は対象外です。外来の初診・再診が対象で、入院や訪問診療そのものは対象になりません。

みらい

みらい新人医療事務

どうしてこの加算があるんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

留意事項通知には、病院勤務医の負担軽減を図るため、軽症の救急患者を地域の身近な診療所で受け止めることが進むよう、診療所の夜間・早朝等の時間帯における診療を評価する趣旨だと明記されています。地域の診療所が時間外の受け皿になることを後押しする加算、というイメージですね。

夜間・早朝等加算の算定要件(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

具体的にはどんな時に算定候補になるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

まず点数表の条文の要点を整理してみましょう。

区分内容
加算名夜間・早朝等加算
点数50点(初診・再診とも同額)
根拠条文初診料(A000)注9、再診料(A001)注7
対象医療機関診療所(病院は対象外)
届出不要(施設基準を満たしていればよい)
年度令和8年度
あおい

あおい元・医療事務

告示の条文はこう書かれています。「別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。)が、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間において初診を行った場合は、夜間・早朝等加算として、50点を所定点数に加算する。」

みらい

みらい新人医療事務

再診の場合も同じ考え方ですか?

あおい

あおい元・医療事務

そうです。再診料の注7もほぼ同じ文言で、「初診を行った場合」が「再診を行った場合」に置き換わるだけです。初診・再診のどちらでも50点という点数は変わりません。

夜間・早朝等加算 対象時間の考え方

みらい

みらい新人医療事務

「夜間・早朝等」の時間帯って、具体的にいつからいつまでなんですか?

あおい

あおい元・医療事務

条文上の定義では、次のいずれかに当てはまる時間が対象です。

夜間・早朝等加算 対象となる時間帯(令和8年度)

夜間・早朝等に該当する時間

平日は午後6時(土曜日は正午)から午前8時までの間(ただし深夜と休日は除く)、加えて休日、そして深夜(午後10時から午前6時まで)であって、その保険医療機関が表示している診療時間内の時間が、夜間・早朝等加算の対象になります。

みらい

みらい新人医療事務

「表示診療時間内」というのがポイントなんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そこが一番間違えやすいところです。留意事項通知では「表示する診療時間とは、保険医療機関が診療時間として地域に周知している時間であって、来院した患者を常に診療できる体制にある時間又は計画的に訪問診療を行う時間をいう。」とされています。つまり、掲示していない時間にたまたま診療しても、この加算の対象にはなりません。

みらい

みらい新人医療事務

深夜(午後10時以降)にやっている診療所はどうなるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

深夜(午後10時から午前6時)は、夜間・早朝等加算ではなく別の深夜加算の対象になる場合があります。時間外加算・休日加算・深夜加算と夜間・早朝等加算は対象時間帯や算定できる場合の考え方がそれぞれ異なるので、実際にどの加算に該当するかは自院の表示診療時間と照らして確認が必要です。

夜間・早朝等加算の施設基準

みらい

みらい新人医療事務

施設基準はどうなっているんですか?

あおい

あおい元・医療事務

施設基準の通知には、次のように定められています。

施設基準のポイント

基本は、1週間当たりの表示診療時間の合計が30時間以上の診療所であることが条件です。ただし、地域医療支援病院や救急病院などへ夜間・休日の診療で概ね月1回以上協力している場合は、27時間以上でもよいとされています。さらに、診療時間は建物の外部かつ敷地内に掲示し、地域に周知していることも求められます。

みらい

みらい新人医療事務

これって、地方厚生局に届出が必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいえ。施設基準の通知には「夜間・早朝等加算の施設基準に係る取扱いについては、当該基準を満たしていればよく、特に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。」と明記されています。つまり届出は不要で、基準を満たしているかどうかを自院で確認しておく形になります。

届出不要でも要確認

届出が不要だからといって、基準を満たしているかの確認まで不要というわけではありません。表示診療時間の合計や掲示方法が基準を満たしているか、自院で定期的に見直しておくことが大切です。

併算定・注意点

みらい

みらい新人医療事務

ほかの加算と一緒に算定できないケースってあるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

あります。告示の条文にも「注7のただし書又は注8に規定する加算を算定する場合にあっては、この限りでない」とただし書きがあります。つまり、時間外加算・休日加算・深夜加算の特例など、他の時間外系の加算と重なる場合は、夜間・早朝等加算とどちらか一方の適用になる仕組みです。

みらい

みらい新人医療事務

具体的にどの加算と競合しやすいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

代表的なのは時間外加算です。時間外加算と夜間・早朝等加算は対象時間帯の考え方が異なるため、同じ受診でどちらを算定するかを整理しておく必要があります。一方、外来感染対策向上加算のように初診料の別の注に基づく加算とは算定要件が別なので基本的に両立しますが、レセプト作成時にそれぞれの要件を満たしているか個別に確認しておくと安心です。

算定候補であって確定ではありません

本記事の内容は令和8年度の告示・留意事項通知に基づく一般的な整理です。実際に算定候補になるかどうかは、自院の表示診療時間・施設基準の充足状況・レセプトの記載内容によって変わります。最終的な判断は自院の届出状況と公式資料、審査支払機関への確認が必要です。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

この加算、今回の改定で何か変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

夜間・早朝等加算そのものについては、令和8年度の告示・留意事項通知・施設基準通知を確認した範囲では、点数(50点)や算定要件、施設基準の大きな変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。ただし、点数表全体では毎回の改定で細かな見直しが行われるため、自院に関わる他の加算(機能強化加算や外来感染対策向上加算など)との組み合わせ方も含めて、最新の公式資料で改めて確認しておくと安心です。

改定確認のポイント

前回改定(令和6年度)との比較は、当サイトが確認した公式資料の範囲にとどまります。点数だけでなく、施設基準の記載や届出の要否についても、毎回の改定で公式資料を見直す習慣をつけておくと取りこぼしを防げます。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

自分のクリニックが対象になるか、どう確認していけばいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

次の順番で確認していくとわかりやすいです。

自院で確認する順番(令和8年度)

自院で確認する順番

  1. まず、自院が診療所かどうかを確認する(病院は対象外)
  2. 1週間当たりの表示診療時間の合計が30時間以上(または例外要件を満たして27時間以上)あるかを確認する
  3. 夜間・早朝等の時間帯が、自院の表示診療時間内に含まれているかを確認する
  4. 診療時間の掲示が、建物外部かつ敷地内で地域に周知されているかを確認する
  5. 上記を満たしていれば、届出不要で夜間・早朝等加算の算定候補になる

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

取り漏れやすいポイントってありますか?

あおい

あおい元・医療事務

よくあるのは、実際には遅くまで診療しているのに、院内掲示やウェブサイトの表示診療時間がそれより短いままになっているケースです。この場合、実態としては夜間・早朝の診療をしていても、表示診療時間外という扱いになり、加算の対象になりません。

表示診療時間の見直し漏れに注意

診療実態と院内掲示・ウェブサイトの診療時間表示にズレがないか、定期的に見直すことをおすすめします。表示を実態に合わせて更新するだけで、算定候補になる時間帯が変わることがあります。

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

土曜日の午前中に診療している場合はどうなりますか?

あおい

あおい元・医療事務

条文上、土曜日は正午から午前8時までの間(深夜・休日を除く)が対象時間帯とされています。正午より前の時間帯は、この加算の対象時間には含まれません。

みらい

みらい新人医療事務

休日診療は対象になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

はい、休日であって表示診療時間内であれば対象時間帯に含まれます。ただし、休日加算など他の加算と重なる場合はどちらか一方の適用になるため、確認が必要です。

みらい

みらい新人医療事務

訪問診療でも算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

夜間・早朝等加算そのものは外来の初診・再診が対象です。訪問診療自体はこの加算の対象ではありません。ただし、施設基準の表示診療時間の算定には、計画的に訪問診療を行う時間を含められる場合があります。

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関(診療所に限る。)が、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間において初診を行った場合は、夜間・早朝等加算として、50点を所定点数に加算する。ただし、注7のただし書又は注8に規定する加算を算定する場合にあっては、この限りでない。

  • 算定要件

    夜間・早朝等とは、午後6時(土曜日にあっては正午)から午前8時までの間(深夜(午後10時から午前6時までの間)及び休日を除く。)、休日又は深夜であって、当該保険医療機関が表示する診療時間内の時間とする。

  • 対象医療機関

    夜間・早朝等加算は、病院勤務医の負担の軽減を図るため、軽症の救急患者を地域の身近な診療所において受け止めることが進むよう、診療所の夜間・早朝等の時間帯における診療を評価するものである。

よくある質問

土曜日の午前中に診療している場合はどうなりますか?

条文上、土曜日は正午から午前8時までの間(深夜・休日を除く)が対象時間帯とされています。正午より前の時間帯は、この加算の対象時間には含まれません。

休日診療は対象になりますか?

休日であって表示診療時間内であれば対象時間帯に含まれます。ただし、休日加算など他の加算と重なる場合はどちらか一方の適用になるため、確認が必要です。

訪問診療でも算定候補になりますか?

夜間・早朝等加算そのものは外来の初診・再診が対象で、訪問診療自体はこの加算の対象ではありません。ただし、施設基準の表示診療時間の算定には、計画的に訪問診療を行う時間を含められる場合があります。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

在宅医療加算令和8年度

夜間・早朝訪問看護加算、自院は算定候補?【令和8年度】

在宅患者訪問看護・指導料の加算。夜間(午後6時から午後10時まで)又は早朝(午前6時から午前8時まで)に訪問看護・指導を行った場合、210点を所定点数に加算する。

診療所病院在宅
入院料加算令和8年度

夜間看護体制加算、自院は算定候補?施設基準を確認【令和8年度】

急性期看護補助体制加算(A207-3)の注3に規定する加算で、夜間の看護業務体制について施設基準に適合し届け出た病棟の入院患者に、71点を1日につき更に所定点数に加算する。

病院要届出
入院料加算令和8年度

夜間看護加算、自院は算定候補?施設基準と届出を確認【令和8年度】

療養病棟入院基本料(A101)の注12に規定する加算で、施設基準に適合するものとして届け出た病棟の入院患者について、夜間看護加算として1日につき50点を所定点数に加算する。

病院要届出
入院料加算令和8年度

夜間緊急体制確保加算は算定候補?施設基準と届出【令和8年度】

A108有床診療所入院基本料の「注4」に規定する加算。夜間の緊急体制確保につき施設基準に適合し届け出た診療所である保険医療機関に入院している患者について、1日につき15点を所定点数に加算する。

診療所要届出
手術加算令和8年度

大網充填術加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

K560大動脈瘤切除術において有茎大網充填術を併せて行った場合に、大網充填術加算として17,130点を所定点数に加算する。感染性大動脈瘤の患者に対して本手術と有茎大網充填術を併せて行った場合に算定する。

病院
病理診断加算令和8年度

婦人科材料等液状化検体細胞診加算は算定候補?【令和8年度】

N004細胞診の「1」婦人科材料等によるものについて、固定保存液に回収した検体から標本を作製して診断を行った場合に、45点を所定点数に加算する。採取と同時に行った場合に算定できる。

診療所病院