みらい(新人医療事務)
訪問看護のご依頼で、夕方や早朝に伺うことがよくあるんですが、「夜間・早朝訪問看護加算」ってどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅患者訪問看護・指導料などを算定している患者さんに対して、夜間または早朝の時間帯に訪問看護・指導を行った場合に上乗せできる加算ですよ。令和8年度(2026年度)の医科点数表でも、この加算は継続して設けられています。
みらい(新人医療事務)
「夜間」とか「早朝」って、具体的に何時から何時までなんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の告示で時間帯が定義されています。夜間は午後6時から午後10時まで、早朝は午前6時から午前8時までです。この時間帯に訪問看護・指導を行った場合に、夜間・早朝訪問看護加算として210点を所定点数に加算します。
夜間・早朝訪問看護加算とはどんな加算?
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんや医療機関は決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
在宅患者訪問看護・指導料(区分番号C005)を算定している患者さん、または同一建物居住者訪問看護・指導料(区分番号C005-1-2)を算定している患者さんが対象になります。訪問看護・指導自体を行う保険医療機関であれば、診療所・病院のどちらでも算定候補になり得ます。入院患者や外来患者向けの加算ではなく、在宅で療養している患者さんへの訪問看護が前提です。
みらい(新人医療事務)
精神科の訪問看護でも同じような加算があるって聞いたことがあるんですが。
あおい(元・医療事務)
そうですね。精神科訪問看護・指導料(区分番号I012)にも、同じ考え方の夜間・早朝訪問看護加算が設けられています。ただし区分番号や算定条件の細部が異なるので、精神科訪問看護を行っている場合は、この記事の内容とは別に、I012側の告示・通知を確認することをおすすめします。
点数はいくら?(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数の全体像を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のように整理されています。夜間・早朝の加算と、深夜の加算は別区分になっている点に注意してください。
| 時間帯 | 定義 | 加算名 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|---|
| 早朝 | 午前6時から午前8時まで | 夜間・早朝訪問看護加算 | 210点 |
| 夜間 | 午後6時から午後10時まで | 夜間・早朝訪問看護加算 | 210点 |
| 深夜 | 午後10時から午前6時まで | 深夜訪問看護加算(別加算) | 420点 |

みらい(新人医療事務)
深夜訪問看護加算は別物なんですね。同じ加算だと思っていました。
あおい(元・医療事務)
はい、区分としては別の加算です。夜間・早朝訪問看護加算は210点、深夜訪問看護加算は420点で、どちらも在宅患者訪問看護・指導料の所定点数に上乗せする形です。訪問した時刻がどの区分に入るかで、算定候補になる加算が変わってきます。
同一建物に複数の患者がいる場合の点数
みらい(新人医療事務)
同じ建物に何人も利用者さんがいる場合は、点数が変わるんですか?
あおい(元・医療事務)
変わります。同一建物居住者訪問看護・指導料(C005-1-2)を算定するケースでは、同一日に夜間・早朝訪問看護加算を算定する患者さんの合計人数と、月内の算定日数に応じて点数が段階的に変わる仕組みになっています。
| 同一建物内の対象人数 | 月15日目まで | 月16日目以降 |
|---|---|---|
| 1人または2人 | 210点 | 210点 |
| 3人以上9人以下 | 210点 | 190点 |
| 10人以上19人以下 | 180点 | 130点 |
| 20人以上49人以下 | 120点 | 95点 |
| 50人以上 | 100点 | 80点 |
確認ポイント
同一建物居住者訪問看護・指導料の詳細な算定要件は、同一建物居住者訪問看護・指導料のページでも整理しています。同一建物内の対象人数の数え方を取り違えると点数区分がずれるため、事務担当者だけで判断せず、訪問看護記録と合わせて確認することをおすすめします。
算定要件で外せないポイント
みらい(新人医療事務)
時間帯が夜間・早朝に当てはまっていれば、それだけで算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
そこが誤解されやすいところです。厚生労働省の留意事項通知では、「患家の求めに応じて訪問看護・指導を行った場合に算定する」と明記されています。つまり、単に訪問した時刻が夜間・早朝の枠に入っていたというだけでなく、患者さんやご家族からの求めに応じて訪問したという実態が前提になっています。
自院で確認する順番
- 対象となる訪問看護・指導料(在宅患者訪問看護・指導料または同一建物居住者訪問看護・指導料)を算定している患者か確認する
- 患家(患者・家族)からの求めに応じた訪問であることを訪問看護記録に残す
- 実際の訪問時刻が夜間(18時〜22時)または早朝(6時〜8時)に該当するか確認する
- 深夜(22時〜6時)に該当する場合は、夜間・早朝訪問看護加算ではなく深夜訪問看護加算の対象になる可能性を確認する
みらい(新人医療事務)
訪問看護記録に何を書けばいいのか、意外と迷いそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。訪問時刻だけでなく、「患家からの求めがあったこと」がわかる記載を残しておくと、後から算定根拠を説明しやすくなります。この点は資料上の要件であって、記載の書式まで一次資料で細かく定められているわけではないので、自院の記録様式の範囲で対応を確認してみてください。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、事前の届出とか施設基準ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、夜間・早朝訪問看護加算そのものに、個別の施設基準や事前の届出は設けられていません。在宅患者訪問看護・指導料や同一建物居住者訪問看護・指導料を算定できる体制が既にあることが前提で、その上で夜間・早朝の訪問という事実に応じて算定する加算という位置づけです。
断定は避けてください
届出が不要という整理は、当サイトが収録している一次資料の範囲での確認です。個別の医療機関で本当に届出が不要かどうかは、自院が算定している基本の訪問看護・指導料側の施設基準運用も含めて、審査支払機関や地方厚生局に確認することをおすすめします。
併算定・回数制限の注意点
みらい(新人医療事務)
ほかの加算と一緒に算定できないパターンってありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、夜間・早朝訪問看護加算や深夜訪問看護加算と、緊急訪問看護加算との併算定は可能とされています。一方で、夜間・早朝訪問看護加算と深夜訪問看護加算は、訪問した時刻によってどちらか一方が対象になる関係なので、同じ1回の訪問で両方を重ねて算定するものではありません。
算定タイミングの注意
「夜間・早朝」と「深夜」は時間帯の区分がそれぞれ決まっているため、訪問記録の時刻と加算の区分が対応しているかを、レセプト提出前に必ず確認してください。時刻の記載が曖昧だと、算定候補にはなっても最終的な確認で差し戻される可能性があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、夜間・早朝訪問看護加算の点数(210点)や、深夜訪問看護加算の点数(420点)、「患家の求めに応じて算定する」という算定要件について、前回改定(令和6年度)時点からの変更は確認されていません(一次資料の確認範囲に基づく整理です)。制度全体としては在宅医療の評価体系の見直しが継続的に行われているため、関連する訪問看護・指導料本体の点数や施設基準に変更がないかは、別途あわせて確認しておくと安心です。
改定の見方
点数据え置きに見えても、対象患者の範囲や記録要件など、点数以外の部分だけが改定で変わっているケースもあります。この加算については、当サイトが確認できた一次資料の範囲で対象・要件面の変更も見当たりませんでしたが、心配な場合は最新の告示・通知を直接確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際に自院で確認するときは、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいですよ。

自院で確認する順番
- 患者が在宅患者訪問看護・指導料または同一建物居住者訪問看護・指導料の算定対象か確認する
- 今回の訪問が患家(患者・家族)からの求めに応じたものか確認する
- 訪問時刻が夜間(18時〜22時)または早朝(6時〜8時)に該当するか、訪問記録の時刻を確認する
- 同一建物に複数の対象者がいる場合は、当日の合計人数と月内の算定日数を確認する
- 緊急訪問看護加算など、あわせて算定したい加算との組み合わせを確認する
よくある取り漏れ
取り漏れやすいポイント
訪問時刻が夜間・早朝の枠に入っているのに、訪問看護記録に患家からの求めがあったことが読み取れる記載がなく、算定を見送ってしまうケースがあります。時刻の記録だけでなく、求めに応じた訪問であることも記録に残しておくと、算定候補として検討しやすくなります。
同一建物のカウント漏れ
同一建物居住者訪問看護・指導料を算定している場合、同一日に夜間・早朝訪問看護加算を算定する患者の合計人数を正しく数えないと、点数区分を誤ってしまうことがあります。訪問看護ステーションや医療機関全体での当日の訪問実績をまとめて確認する体制があると安心です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
この加算について、他にもよくある疑問があれば教えてください。
あおい(元・医療事務)
いくつか代表的な質問をまとめますね。
みらい(新人医療事務)
早朝と深夜の境目が午前6時ですが、午前6時ちょうどに訪問した場合はどちらになりますか?
あおい(元・医療事務)
資料上は早朝が「午前6時から午前8時まで」、深夜が「午後10時から午前6時まで」と定義されています。境界となる時刻の扱いは、訪問記録に残る実際の訪問開始時刻をもとに、自院で確認することをおすすめします。細かな境界の判断に迷う場合は、審査支払機関に確認する方が確実です。
みらい(新人医療事務)
訪問看護ステーションではなく、診療所や病院からの訪問看護でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、在宅患者訪問看護・指導料や同一建物居住者訪問看護・指導料を算定する保険医療機関であれば、診療所・病院のどちらでも算定候補になり得ます。訪問看護ステーションからの訪問看護(訪問看護療養費)とは算定の枠組みが異なるので、混同しないようにしてください。
みらい(新人医療事務)
令和6年度改定のときからこの加算はありましたか?
あおい(元・医療事務)
夜間・早朝の訪問看護に対する加算という考え方自体は、令和6年度(2024年度)改定以前から継続して設けられてきたものです。当サイトが確認できた令和8年度の一次資料の範囲では、点数や主な算定要件に大きな変更は見当たりませんでしたが、詳細な沿革を確認したい場合は厚生労働省の過去の告示もあわせてご確認ください。
公式資料の根拠
あおい(元・医療事務)
この記事でご紹介した点数・算定要件は、厚生労働省が公表している「医科診療報酬点数表」(令和8年度)区分番号C005 在宅患者訪問看護・指導料をもとに整理しています。原文はこちらのPDFで確認できます。
みらい(新人医療事務)
留意事項通知の内容も踏まえて書かれているんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。「患家の求めに応じて算定する」という要件や、緊急訪問看護加算との併算定に関する記載は、厚生労働省の留意事項通知(保医発)の区分番号C005・C005-1-2の項目をもとにしています。通知本文のPDFは改定に伴う訂正でファイル番号が変わることがあるため、最新版は厚生労働省の診療報酬改定に関するページから確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。