血糖自己測定指導加算とは何ですか?
みらい(新人医療事務)
先輩、「血糖自己測定指導加算」って、生活習慣病管理料(Ⅰ)の注3にある加算のことですよね。どんな患者さんが対象なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そうですよ。生活習慣病管理料(Ⅰ)を算定している患者さんのうち、糖尿病を主病とする患者で、2型糖尿病かつインスリン製剤を使用していない方が対象の加算です。血糖自己測定の値をもとに指導を行った場合に、年1回に限り算定できる候補になります。
みらい(新人医療事務)
年1回というのがポイントなんですね。点数はどのくらいですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、所定点数に 500点を加算することが規定されています。生活習慣病管理料(Ⅰ)の所定点数(糖尿病を主病とする場合は告示69号に760点と規定)に加えてカウントする形です。

| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 加算点数 | 500点 |
| 算定回数 | 年1回に限る |
| 基本となる管理料 | 生活習慣病管理料(Ⅰ)糖尿病を主病(告示69号 760点) |
| 算定区分 | 告示69号 区分番号 B001-3 注3 |
対象患者の条件(重要)
「2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る」という条件が公式資料に明示されています。インスリン製剤を使用している患者は対象外です。
「中等度以上の糖尿病」という条件
みらい(新人医療事務)
「中等度以上の糖尿病」という言葉が出てきましたが、これはどう判断するんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知(保医発0305第6号、令和8年3月5日)に具体的な数値が示されています。**算定する当月または前月において、ヘモグロビンA1c(HbA1c)がJDS値で8.0%以上(NGSP値で8.4%以上)**の患者を「中等度以上の糖尿病」と定義しています。
みらい(新人医療事務)
HbA1cの値で判断するんですね。JDS値とNGSP値、両方の基準があるのは少し複雑に感じます。
あおい(元・医療事務)
日本では従来のJDS(日本糖尿病学会)基準と、国際標準のNGSP基準が使われています。算定月の当月か前月のどちらかで基準を満たせばよいので、直前の血液検査の結果を確認することが実務のポイントになります。
HbA1cの確認タイミング
- 確認対象: 算定する当月または前月の検査値
- JDS基準: 8.0%以上
- NGSP基準: 8.4%以上
- どちらかの基準値に該当すれば「中等度以上」となる候補です
生活習慣病管理料(Ⅰ)の施設基準・算定要件
みらい(新人医療事務)
この加算は、生活習慣病管理料(Ⅰ)の注3として位置づけられているということは、生活習慣病管理料(Ⅰ)の施設基準を満たす必要もあるということでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。血糖自己測定指導加算は、あくまで生活習慣病管理料(Ⅰ)の「加算」ですから、まず生活習慣病管理料(Ⅰ)が算定できる体制であることが前提です。告示69号の注1には、許可病床数が200床未満の病院または診療所で、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関という要件が明示されています。
みらい(新人医療事務)
200床以上の病院は対象外なんですね。施設基準の中身はどのようなものですか?
あおい(元・医療事務)
生活習慣病管理料(Ⅰ)の施設基準の主な内容は、生活習慣病の総合的な治療管理を行う体制です。施設基準の詳細は地方厚生局への届出が必要かどうかの確認を含め、公式資料や地方厚生局への照会で確認することをお勧めします。
| 対象医療機関 | 内容 |
|---|---|
| 診療所 | 施設基準を満たす場合、届出により算定候補 |
| 病院(200床未満) | 施設基準を満たす場合、届出により算定候補 |
| 病院(200床以上) | 対象外(告示の規定による) |
届出の確認が必要
生活習慣病管理料(Ⅰ)は施設基準を満たすだけでなく、地方厚生局長等への届出が必要です。届出済みかどうかを必ず自院で確認してください。届出が完了していない場合は算定の候補にはなりません。
月20回以上の血糖自己測定と指導の要件
みらい(新人医療事務)
指導するだけで加算が取れるんですか?何か条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知に具体的な運用条件が書かれています。算定対象の患者さんに対しては、血糖自己測定器を用いて月20回以上血糖を自己測定させ、その検査値や生活状況等を報告させる必要があります。さらに、その報告に基づいて必要な指導を行い、療養計画に反映させることが求められています。
みらい(新人医療事務)
月20回というのはかなり多いですね。血糖測定の器具代も含まれているんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知では、「血糖試験紙(テスト・テープ)または固定化酵素電極(バイオセンサー)を給付し、在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基づき指導を行った場合に算定する」とされています。血糖試験紙・固定化酵素電極・穿刺器・穿刺針・測定機器を患者に給付または貸与した場合の費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は加算点数に含まれ、別に算定できません。
算定に含まれる費用(別算定不可)
- 血糖試験紙(テスト・テープ)
- 固定化酵素電極(バイオセンサー)
- 穿刺器・穿刺針
- 皮下グルコース用電極・測定機器の給付・貸与費用
- その他血糖自己測定に係る全ての費用
これらは加算点数(500点)に含まれており、別途算定はできません。
生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)をまたいだ注意点
みらい(新人医療事務)
生活習慣病管理料には(Ⅰ)と(Ⅱ)がありますよね。血糖自己測定指導加算の算定に影響しますか?
あおい(元・医療事務)
重要なポイントがあります。この点は前回改定(令和6年度)の疑義解釈資料(その1 問142)で明確化された解釈で、令和8年度改定での変更は確認されておらず、引き続き適用される解釈です。具体的には、生活習慣病管理料(Ⅱ)の注3で血糖自己測定指導加算を算定した後、1年以内に生活習慣病管理料(Ⅰ)に切り替えた場合でも、生活習慣病管理料(Ⅰ)の注3の血糖自己測定指導加算は算定できません。
みらい(新人医療事務)
つまり、(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらで算定しても、1年間は再び算定できないということですね?
あおい(元・医療事務)
そうです。「生活習慣病管理料(Ⅰ)および(Ⅱ)のいずれかにおいて算定した場合、いずれにおいても1年以内は算定できない」という解釈が公式の回答として示されています。管理料の区分をまたいで算定しようとすると誤算定になるリスクがあるため、確認が必要です。
算定後の1年間ルール
血糖自己測定指導加算を算定した場合、生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)のどちらで算定した場合でも、それぞれの注3の血糖自己測定指導加算は1年以内は算定できません(前回改定(令和6年度)疑義解釈資料・その1 問142。この解釈は令和8年度改定での変更が確認されておらず、引き続き適用されます)。
管理料の区分を変更した場合も同様です。算定月を診療録・レセプトで管理することをお勧めします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度(2026年度)の改定で、血糖自己測定指導加算に変更はありましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示(告示69号)および留意事項通知(保医発0305第6号)の範囲で確認した結果、血糖自己測定指導加算の点数(500点)・対象患者の要件(2型糖尿病・インスリン製剤未使用・HbA1c基準)・算定回数(年1回)・含まれる費用の範囲については、一次資料の範囲で主要な変更は確認されていません(確認日: 2026-06-24・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
前回からほぼ変わっていないということですね。安定している加算なんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
告示の注3の文言および留意事項の(13)(14)の内容は令和8年度改定でも維持されている内容です。ただし、生活習慣病管理料(Ⅰ)全体に関しては充実管理加算など改定があった項目もあります。血糖自己測定指導加算そのものの要件については、届出や点数の変更がないかどうか、最終的には厚労省公式資料で確認してください。
令和8年度改定 血糖自己測定指導加算の確認状況
- 点数(500点): 一次資料の範囲で変更なし
- 対象患者(2型糖尿病・インスリン未使用・HbA1c≥8.0%JDS): 変更なし
- 算定回数(年1回): 変更なし
- 含まれる費用の範囲: 変更なし
- 1年ルールの根拠(管理料区分またぎ禁止): 前回改定(令和6年度)疑義解釈・その1 問142による解釈で、令和8年度改定での変更は確認されておらず引き続き適用
- 確認根拠: 厚労省告示69号注3・保医発0305第6号(13)(14)(令和8年3月5日)
血糖自己測定指導加算 施設基準・届出要件の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
実際に自院で算定できるか確認するには、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
順を追って確認することをお勧めします。まず生活習慣病管理料(Ⅰ)の届出状況を確認し、次に対象となる糖尿病患者の状態を確認する流れです。

自院で確認する順番
- 生活習慣病管理料(Ⅰ)の届出状況を確認する: 地方厚生局に届出済みであることが前提。未届けの場合は先に届出が必要。
- 対象患者かどうかを確認する: 2型糖尿病で主病が糖尿病であること、かつインスリン製剤を使用していないことを診療録で確認。
- HbA1cの値を確認する: 算定当月または前月のHbA1cがJDS値8.0%以上(NGSP値8.4%以上)であることを確認。
- 前回の算定から1年が経過しているかを確認する: 生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)いずれにおける算定も含め、1年以内の算定歴がないかを確認。
- 血糖自己測定器の給付・貸与体制を確認する: 月20回以上の測定が行えるよう、血糖測定器具の給付・貸与を行う準備ができているか確認。
- 算定月の指導記録を診療録に残す: 血糖値の報告を受けて指導を行い、療養計画に反映した旨を記録する。
よくある取り漏れと確認ポイント
みらい(新人医療事務)
算定の際にうっかりミスしやすい点はありますか?
あおい(元・医療事務)
現場でよく見られる見落としポイントをまとめると、主に4つあります。
算定要件の確認ポイント(令和8年度)
- インスリン製剤使用の確認: 1型糖尿病や2型でもインスリンを使用している患者は対象外です
- HbA1c基準日の確認: 算定月の当月か前月の検査値が基準。2か月以上前の検査値では確認要件を満たさない可能性があります
- 管理料の算定区分の確認: 生活習慣病管理料(Ⅱ)で算定済みの場合でも1年以内は(Ⅰ)での算定はできません
- 費用の別算定不可: 血糖測定器材の費用は加算点数に含まれており、別途算定すると過誤になります
みらい(新人医療事務)
HbA1cの検査が2か月以上前だと対象にならない可能性があるんですね。
あおい(元・医療事務)
「算定する当月若しくは前月において」という規定があるので、直前の検査結果を確認することが大切です。血液検査の実施日と結果をレセプトと合わせて管理しておくと、審査対応がしやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
在宅自己注射指導管理料を算定している患者には、生活習慣病管理料(Ⅰ)は算定できないのでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示69号の注1に「ただし、糖尿病を主病とする場合にあっては、別に厚生労働大臣が定める薬剤を投与している場合であって、区分番号C101に掲げる在宅自己注射指導管理料を算定しているときは、算定できない」と明記されています。そのため、在宅自己注射指導管理料を算定している糖尿病患者については、生活習慣病管理料(Ⅰ)そのものが算定できず、血糖自己測定指導加算も対象外となります。
みらい(新人医療事務)
血糖自己測定指導加算は生活習慣病管理料(Ⅱ)でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
生活習慣病管理料(Ⅱ)にも同様の注3として血糖自己測定指導加算が設けられています。対象患者・要件は(Ⅰ)と共通ですが、(Ⅰ)と(Ⅱ)の算定区分が異なります。どちらで算定するかは自院の体制と患者の状況により検討が必要です。なお、前述のとおり、(Ⅱ)で算定した場合でも1年以内は(Ⅰ)での算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
1型糖尿病の患者さんには算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
規定上、「2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る」とされていますので、1型糖尿病の患者さんは対象外です。また、2型糖尿病であってもインスリン製剤を使用している場合は同様に対象外となります。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
この記事に書かれている内容は、どの資料をもとにしているんですか?
あおい(元・医療事務)
以下の厚労省一次資料をもとに確認しています。算定の可否は最終的に自院の状況と公式資料で確認することをお勧めします。
| 資料名 | 発出元・年度 |
|---|---|
| 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) | 厚生労働省・令和8年度 |
| 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(保医発0305第6号) | 厚生労働省・令和8年3月5日 |
| 疑義解釈資料の送付について(その1)問142 | 厚生労働省・前回改定(令和6年度/2024年3月28日発出) |
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。