術中経食道心エコー連続監視加算ってどんな加算ですか?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「術中経食道心エコー連続監視加算」っていう名前の加算、レセプトで見かけたんですけど、これってどういう場面で出てくるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
これは医科点数表のL008「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔」の注7に規定されている加算です。心臓の手術などで、全身麻酔をしながら術中に経食道心エコー法(食道からエコーのプローブを入れて心臓の動きを見る検査)を続けて行った場合に、所定点数へ上乗せする形で算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
つまり、全身麻酔の加算の一種なんですね。単独では出てこないってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。あくまでL008の麻酔料に対する「注」の加算なので、L008の全身麻酔が算定されている場面が前提になります。当サイトが確認できた告示の条文には、次のように書かれています。「心臓手術が行われる場合若しくは別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者のうち冠動脈疾患若しくは弁膜症のものに行われる場合又は弁膜症のものに対するカテーテルを用いた経皮的心臓手術が行われる場合において、術中に経食道心エコー法を行った場合には、術中経食道心エコー連続監視加算として、880点又は1,500点を所定点数に加算する。」(医科点数表 L008 注7・令和8年度)
みらい(新人医療事務)
心臓手術のとき「だけ」使うのかと思っていたら、冠動脈疾患や弁膜症の患者さん、カテーテルを使う心臓手術のときも対象になり得るんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。留意事項通知でも算定できる場面の目的がはっきり書かれています。「『注7』に規定する術中経食道心エコー連続監視加算は、手術患者の心臓機能を評価する目的で経食道心エコー法を行った場合に算定できる。」(診療報酬点数表に関する留意事項通知・令和8年度)
みらい(新人医療事務)
「心臓機能を評価する目的で」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。単に画面上でエコーを流していたというだけでなく、心臓機能の評価という目的で経食道心エコー法を実施したことが確認できる場面が算定候補になる、という理解になります。実際にカルテ記載がその目的に沿っているかどうかは、自院での確認が必要です。
どんな手術・患者が対象になりますか?
みらい(新人医療事務)
対象になる患者さんって、具体的にはどう決まるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文を読み解くと、対象になる場面は大きく3つに分かれます。
対象となりうる3つの場面(告示 L008 注7 より)
心臓手術が行われる場合: 心臓の手術そのものが行われているケース 冠動脈疾患・弁膜症の患者に対する麻酔が困難な患者の場合: 別に厚生労働大臣が定める「麻酔が困難な患者」のうち、冠動脈疾患又は弁膜症のもの 弁膜症に対するカテーテルを用いた経皮的心臓手術の場合: 開胸を伴わないカテーテルでの心臓手術
みらい(新人医療事務)
「麻酔が困難な患者」っていうのが気になります。誰でも当てはまるわけじゃないですよね?
あおい(元・医療事務)
そうですね。留意事項通知では、その定義について次のように案内されています。「『注7』の麻酔が困難な患者のうち冠動脈疾患又は弁膜症の患者とは、(4)のイからオまでに掲げるものをいい、麻酔前の状態により評価する。」(診療報酬点数表に関する留意事項通知・令和8年度)
みらい(新人医療事務)
(4)のイからオまで、っていうのは、また別の項目にある詳しい基準ってことですか?
あおい(元・医療事務)
はい。その具体的な基準(イ〜オ)の中身は、当サイトが今回確認できた資料の範囲には含まれていませんでした。この点は推測で書かず、留意事項通知の当該項目を自院で直接ご確認いただくのが確実です。麻酔前のカルテ記載や術前評価の記録を照らし合わせて判断する場面になります。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関の種類はどうなんでしょう?診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、診療所・病院のいずれも対象として扱っていますが、性質上、L008の全身麻酔を必要とする心臓手術等を実施できる体制がある医療機関が前提になります。外来では通常想定されない場面(入院での手術に伴う麻酔)として整理していますので、自院の診療体制と照らし合わせて確認が必要です。
点数はいくらですか?
みらい(新人医療事務)
点数のところ、「880点又は1,500点」って書かれていましたけど、どちらになるかはどう決まるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えすると、当サイトが確認できた告示の条文自体には、880点と1,500点のどちらがどの場面に対応するかまでは明記されていませんでした。ただ、施設基準等の届出手続きに関する通知の一覧表を見ると、コード上は次のように区分が分かれています。「C20 全身麻酔・脊椎麻酔の手術(5日間) 術中経食道心エコー連続監視加算(心臓手術又は冠動脈疾患・弁膜症)」「C20 全身麻酔・脊椎麻酔の手術(5日間) 術中経食道心エコー連続監視加算(カテーテル使用経皮的心臓手術)」(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて・令和8年3月5日 保医発0305第7号)
みらい(新人医療事務)
なるほど、少なくとも「心臓手術又は冠動脈疾患・弁膜症」のケースと「カテーテルを使う経皮的心臓手術」のケースとは、別々に区分されているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。この記事のテーマである加算は、このうち「心臓手術又は冠動脈疾患・弁膜症」の区分に対応しています。ただし、880点・1,500点のどちらの点数になるかまでの一次資料は今回確認できていないため、実際の算定にあたっては医科点数表の該当箇所や委託先の審査支払機関で確認したうえで請求してください。
| 区分(施設基準等の届出手続き一覧より) | 点数 |
|---|---|
| 術中経食道心エコー連続監視加算(心臓手術又は冠動脈疾患・弁膜症) | 880点又は1,500点(区分の詳細は要確認) |
| 術中経食道心エコー連続監視加算(カテーテル使用経皮的心臓手術)※別区分 | 880点又は1,500点(区分の詳細は要確認) |

みらい(新人医療事務)
表にすると整理しやすいです。でも、どちらの点数になるかは自院で確認したほうがよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。特に高額な加算ですので、算定する場合はレセプト担当だけで判断せず、術者・麻酔科医とも情報共有しておくと安心です。
施設基準や届出は必要ですか?
みらい(新人医療事務)
施設基準とか、届出って必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
ここも正直にお伝えします。当サイトが今回確認できた一次資料の中には、この加算そのものについて「届出が必要」「不要」と明記した条文は見当たりませんでした。L008自体の麻酔管理を行う医療機関としての体制が前提になりますが、注7の加算単独での届出要否は、今回の調査範囲では確認が取れていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、どう考えればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
「届出不要」と決めつけず、「要確認」として扱うのが安全です。自院がすでに麻酔管理料や関連する届出を行っているかどうか、また今回の加算について地方厚生局への確認が必要かどうかは、最新の告示・通知や審査支払機関への照会で確認することをおすすめします。
施設基準・届出の扱いについて
この加算自体の届出要否を明記した一次資料は、当サイトが今回確認できた範囲では見当たりませんでした。届出の要否は自院の状況や最新の通知により変わる可能性があるため、確認が必要な項目として扱ってください。
併算定やタイミングで気をつけることはありますか?
みらい(新人医療事務)
同じ日に他の検査や加算と一緒に算定できたりしますか?
あおい(元・医療事務)
L008全体のルールとして、麻酔と同じ日に行った一部の検査は、L008の所定点数に含まれてしまい、別に算定できないものがあります。まず呼吸心拍監視については、告示にこう定められています。「声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔と同一日に行った区分番号D220に掲げる呼吸心拍監視の費用は、所定点数に含まれるものとする。」(医科点数表 L008 注6・令和8年度)さらに留意事項通知では、体温測定や経皮的動脈血酸素飽和度測定などについても同様の扱いが案内されています。「体温(深部体温を含む。)測定の検査に要する費用は本区分の所定点数に含まれ、別に算定できない。」「経皮的動脈血酸素飽和度測定又は終末呼気炭酸ガス濃度測定に要する費用は所定点数に含まれ、本区分の所定点数を算定した同一日においては、麻酔の前後にかかわらず、経皮的動脈血酸素飽和度測定及び終末呼気炭酸ガス濃度測定は別に算定できない。」(診療報酬点数表に関する留意事項通知・令和8年度)
みらい(新人医療事務)
経食道心エコーの加算そのものについても、何か併算定の制限があるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
注7の加算そのものに関する併算定の制限について、当サイトが確認できた条文の範囲では、他の検査項目との重複算定を直接禁止する記載までは見当たりませんでした。ただし、L008という麻酔料の枠組みの中の加算であることに変わりはないので、同一の麻酔行為の中でどこまでが所定点数に含まれ、どこからが別建ての加算になるのかは、条文と自院のレセプト実務の両方で確認しておくと安心です。
みらい(新人医療事務)
タイミングについてはどうですか?
あおい(元・医療事務)
条文の言い方は「術中に経食道心エコー法を行った場合」となっています。手術前や手術後ではなく、あくまで術中に実施したことが前提になる、という理解になります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更点については、当サイトが今回確認できた一次資料の範囲では見当たりませんでした(確認日: 2026年7月・当サイトが保有する一次資料ベース)。点数・算定要件のいずれについても、今回の調査で新設や廃止、点数変更を示す記載は確認できていません。
みらい(新人医療事務)
「変更なし」と決めつけているわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。あくまで「今回確認できた範囲では変更点の記載が見当たらなかった」という言い方にしています。最新の疑義解釈や訂正通知が出ている可能性もあるため、正式な判断は最新の一次資料でご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院がこの加算の算定候補になるかどうかは、どういう順番で確認すればいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと整理しやすいと思います。
自院で確認する順番
- 対象となる手術等に該当するか(心臓手術/冠動脈疾患・弁膜症の麻酔が困難な患者/弁膜症へのカテーテルを用いた経皮的心臓手術)を確認する
- 術中に経食道心エコー法を実施し、心臓機能を評価する目的だったことがカルテに記載されているか確認する
- その麻酔がL008(声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔)として算定されているか確認する
- 880点・1,500点のどちらの区分に該当するかを、医科点数表の該当箇所や審査支払機関で確認する
- 届出の要否について、自院の届出状況と最新の通知を確認する

みらい(新人医療事務)
こうやって順番に並べてもらえると、レセプトチェックのときに迷わずにすみそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に④の点数区分と⑤の届出は、当サイトの一次資料だけでは確定しきれない部分なので、迷ったら審査支払機関や地方厚生局に確認する、という運用にしておくと安全です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
レセプト担当として、見落としやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
取り漏れ・確認漏れになりやすいポイント
目的の記載漏れ: 経食道心エコー法を実施していても、心臓機能を評価する目的だったことがカルテに明確に残っていないと、算定候補として説明しづらくなります L008算定の前提確認漏れ: 注7の加算単独では算定できないため、L008の全身麻酔自体が算定されているかを確認せずに加算だけ請求してしまうケース 麻酔が困難な患者の該当確認漏れ: 冠動脈疾患・弁膜症のケースで「麻酔が困難な患者」に該当するかどうかの評価記録を確認せずに算定してしまうケース
みらい(新人医療事務)
どれも、カルテと算定内容を突き合わせないと気づきにくそうですね。
あおい(元・医療事務)
はい。術者・麻酔科医とレセプト担当との間で、算定要件になっている記載事項の認識をそろえておくと、取り漏れも過剰請求も防ぎやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
いいですよ。
みらい(新人医療事務)
外来の手術でもこの加算は算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では、この加算は入院での全身麻酔を伴う手術を前提としており、外来では通常想定していません。ただし個別の実施状況によって扱いが変わる可能性もあるため、該当しそうな場面があれば自院で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
経食道心エコーを「見るだけ」でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「手術患者の心臓機能を評価する目的で経食道心エコー法を行った場合」と案内されています。目的が心臓機能の評価であることが前提になるため、単に画面を映していただけという状況では算定候補として説明しづらい可能性があります。
みらい(新人医療事務)
880点になるか1,500点になるかは、誰が決めるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料の範囲では、その区分の詳細までは確定できませんでした。医科点数表の該当箇所や、レセプトを提出する審査支払機関への確認が必要な項目です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。