みらい(新人医療事務)
あおいさん、放射線治療科から「術中照射療法加算」ってレセプトの相談が来たんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
術中照射療法加算ですね。医科点数表の区分番号M001 体外照射の注8に規定されている加算で、術中照射療法を行った場合に、患者1人につき1日を限度として5,000点を所定点数に加算するものです。令和8年度(2026年度)の医科点数表に基づく内容としてお伝えしますね。
みらい(新人医療事務)
「術中照射療法」ってそもそもどんな治療なんですか?普通の放射線治療と違うんですか?
あおい(元・医療事務)
名前のとおり、手術の最中に照射を行う放射線治療の一形態です。M001体外照射という区分の中に含まれる注加算として位置づけられているので、まず体外照射(放射線治療)の枠組みの中で行われるものと理解しておくとよいと思います。個別の治療手技の詳細な適応や実施方法までは、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていないので、実施可否は主治医・放射線治療担当医の判断になります。
この加算は何のための加算か
みらい(新人医療事務)
あらためて確認したいんですが、この加算は結局「何をしたら」算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の条文をそのまま確認しましょう。医科点数表 M001体外照射の注8には、次のように定められています。
根拠条文(医科点数表 M001体外照射 注8・令和8年度)
8 術中照射療法を行った場合は、術中照射療法加算として、患者1人につき1日を限度として、5,000点を所定点数に加算する。
あおい(元・医療事務)
つまり「体外照射(M001)の枠組みの中で、術中照射療法を実施した場合」に、5,000点を上乗せできる可能性がある、という構造です。あくまで「所定点数に加算する」規定なので、M001体外照射の本体点数に、この5,000点を上乗せする形になります。
みらい(新人医療事務)
「患者1人につき1日を限度として」というのは、1日に何回やっても5,000点までってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。条文の文言どおり、同一患者について同一日に複数回の術中照射療法を行った場合でも、この加算は1日を限度に算定する規定になっています。回数を重ねても加算点数が積み上がるものではない、という理解でよいと思います。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも対象になり得ますか?それとも病院だけですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算そのものに医療機関の種別(診療所・病院)を限定する記載は見当たりません。放射線治療(M001体外照射)を実施できる体制であれば、診療所・病院いずれも対象になり得る整理をしています。ただし、実際に術中照射療法を実施できる設備・体制が整っているかどうかは別問題ですので、放射線治療の実施体制そのものは自院で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
外来と入院、どちらでも算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、条文の文言上は外来・入院を区別していません。ただし、術中照射療法という手技の性質上、実際には手術室での実施が前提になるケースが多いと考えられます。個別の実施場面ごとの取り扱いは、自院の診療体制と照らして確認してください。
みらい(新人医療事務)
在宅診療の患者さんにも関係してくることってありますか?
あおい(元・医療事務)
術中に照射を行うという手技の性質上、在宅医療の枠組みで直接算定する場面は想定しにくいと考えています。この点は当サイトのデータ整理でも、在宅対応の対象としては扱っていません。
点数・コード
みらい(新人医療事務)
点数を整理した表があると助かります。
あおい(元・医療事務)
M001体外照射に紐づく注加算をまとめて比較してみましょう。同じ体外照射の枠組みの中にある加算なので、混同しないように整理しておくと安心です。
| 加算名 | 根拠 | 点数 | 上限・備考 |
|---|---|---|---|
| 術中照射療法加算(本加算) | M001体外照射 注8 | 5,000点 | 患者1人につき1日を限度 |
| 体外照射用固定器具加算 | M001体外照射 注9 | 1,000点 | 体外照射用固定器具を使用した場合 |
| 画像誘導放射線治療加算(体表面の位置情報) | M001体外照射 注10 イ | 150点 | 患者1人1日につき1回に限る |
| 画像誘導放射線治療加算(骨構造の位置情報) | M001体外照射 注10 ロ | 300点 | 患者1人1日につき1回に限る |
| 画像誘導放射線治療加算(腫瘍の位置情報) | M001体外照射 注10 ハ | 450点 | 患者1人1日につき1回に限る |
| 体外照射呼吸性移動対策加算 | M001体外照射 注11 | 150点 | 呼吸性移動対策を行った場合 |

みらい(新人医療事務)
こうして見ると、M001体外照射にはいろんな注加算がぶら下がっているんですね。名前が似ている加算も多くて、レセプトを見るときに混乱しそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。区分番号(M001)と注番号(注8・注9・注10・注11)まで意識して、どの注に基づく加算なのかを確認する癖をつけると取り違えを防げますよ。マスターコード(診療行為コード)は「180009270」と当サイトのデータでは整理していますが、実際にレセプトへ入力する際は、必ず自院のレセプトコンピュータや医科診療行為マスターで最新のコードを確認してください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
ここは慎重に確認したいところです。当サイトが収録している一次資料の範囲では、術中照射療法加算そのもの(M001体外照射 注8の条文)には、この加算に固有の施設基準や届出を求める記載は確認できていません。同じM001の注11(体外照射呼吸性移動対策加算)には「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」という届出を明記した文言がありますが、注8の術中照射療法加算にはこの種の文言が見当たらない、という整理です。なお、注10(画像誘導放射線治療加算)についても、当サイトが収録している一次資料の範囲では届出を明記した条文の文言は確認できていません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出はいらないってことですか?
あおい(元・医療事務)
そこは「届出不要」と言い切れる根拠が条文上明確にある、というよりは「条文上は届出を求める文言が見当たらない」という状態です。一方で、厚労省の届出手続きに関する通知(基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて)の様式対応表には、この加算のコード(180009270)が「A6 専門的な治療・処置(⑤放射線治療)」の区分に掲載されています。
施設基準・届出は必ず要確認
術中照射療法加算そのものへの独自の施設基準・届出を明記した条文は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。ただし、術中照射療法はM001体外照射(放射線治療)の枠組みの中で行われるため、体外照射自体の実施体制・届出状況の確認は必要です。また、届出手続きに関する通知の様式対応表に本加算のコードが掲載されている点も踏まえ、届出の要否は地方厚生局への確認を含めて自院で判断してください。二値で「不要」と断定はできません。
みらい(新人医療事務)
となると、実施している放射線治療の体制全体を確認したほうがよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。術中照射療法加算だけを切り出して考えるのではなく、自院がM001体外照射(放射線治療)についてどのような届出・体制を整えているかを、まずセットで確認するのがおすすめです。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングや、他の加算との組み合わせで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかポイントがあります。
算定上の注意点
- 「患者1人につき1日を限度」という上限が条文に明記されています。同一日に複数回実施しても、この加算自体は1日分として扱われます。
- M001体外照射の他の注加算(体外照射用固定器具加算・画像誘導放射線治療加算・体外照射呼吸性移動対策加算など)とは、それぞれ独立した要件を満たせば併算定の候補になり得ますが、各加算の算定要件を個別に確認してください。まとめて「全部算定できる」と決めつけないことが大切です。
- 術中照射療法加算固有の併算定禁止規定については、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認できていません。診療報酬点数表の通則・関連告示もあわせて確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
「確認できていません」という書き方が多いですが、これは調べ方が甘いということではないんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、むしろ逆です。条文に書かれていないことを「大丈夫だろう」と推測で書いてしまうと、誤った請求につながる恐れがあります。資料に明記されている範囲だけを正確にお伝えし、明記されていない部分は「確認が必要」とはっきり書くようにしています。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定(令和6年度)から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収録している一次資料の範囲では、術中照射療法加算について前回改定(令和6年度)からの点数・要件の変更を確認できる一次資料をまだ収集できていません(確認日: 2026年7月)。
改定差分の確認状況(令和8年度)
術中照射療法加算(M001体外照射 注8)について、令和6年度(2024年度)改定時点の一次資料との突き合わせは、当サイトでは現時点で完了していません。点数・要件が据え置かれたのか変更されたのかを含め、確認が完了次第この記事を更新します。現時点で一次資料から確認できているのは、令和8年度(2026年度)の医科点数表上は「5,000点、患者1人につき1日を限度」という規定である、という点です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、わからないことは「わからない」と書くんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。年度をまたいだ比較は、正確な一次資料同士を突き合わせないと誤った印象を与えてしまいます。曖昧なまま「変わっていません」と書くよりは、確認状況を正直にお伝えするようにしています。
自院チェックリスト
みらい(新人医療事務)
結局、うちの医療機関で確認すべきことを順番に整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
こんな順番で確認するとスムーズです。
自院で確認する順番
-
M001体外照射を実施しているか確認 — 放射線治療(体外照射)自体を自院で実施しているか、実施体制(担当医・設備)を確認
-
術中照射療法を実施したかを確認 — 手術の最中に照射を行う術中照射療法を、その患者・その日に実施したかどうかをカルテで確認
-
算定日を確認 — 患者1人につき1日を限度という条文の上限に沿って、同一日の重複算定がないか確認
-
体外照射に関する届出状況を確認 — M001体外照射(放射線治療)についての届出・施設基準の充足状況を、地方厚生局への届出記録で確認
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他の注加算との組み合わせを確認 — 体外照射用固定器具加算・画像誘導放射線治療加算・体外照射呼吸性移動対策加算などを同時に算定する場合、それぞれの要件を個別に確認
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マスターコードを確認 — レセプト入力時は、自院のレセプトコンピュータまたは医科診療行為マスターで最新のコードを確認

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか代表的なものを挙げてみます。
よくある取り漏れポイント
- 術中照射療法を実施したのに、M001体外照射の本体点数だけ算定して、注8の加算を付け忘れているケース
- 同一日に複数回照射を行った際、「1日を限度」という上限を誤解し、実施回数分を重ねて請求してしまうケース
- 体外照射用固定器具加算や画像誘導放射線治療加算など、他の注加算の算定漏れ・要件未確認のまま併算定してしまうケース
- M001体外照射自体の届出状況を確認せずに、術中照射療法加算だけを個別に判断してしまうケース
みらい(新人医療事務)
逆に付け忘れも、要件を満たしていないのに算定してしまうのも、どちらも避けたいですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。だからこそ、カルテの記載と条文の文言を突き合わせる作業が大切です。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よくある疑問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
「術中照射療法加算」と「画像誘導放射線治療加算」って、名前も似ていて紛らわしいんですが、同じものなんですか?
あおい(元・医療事務)
別物です。どちらもM001体外照射の注加算ですが、術中照射療法加算は注8で、手術中に照射を行った場合の加算(5,000点)。画像誘導放射線治療加算は注10で、画像誘導技術(IGRT)を用いて照射位置を確認しながら治療した場合の加算(150点〜450点)です。区分番号(注番号)が違うので、条文を確認する際は注番号まで見て取り違えないようにしてください。
みらい(新人医療事務)
この加算は、他の放射線治療の加算(粒子線治療の加算など)と一緒に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
粒子線治療関連の加算は、M001体外照射とは異なる区分(粒子線治療)に基づく加算です。同一患者・同一日に両方の治療を行う場面は限定的と考えられますし、それぞれの算定要件は別個に確認する必要があります。「一緒に算定できる・できない」を一律に断定することはできませんので、実施した治療の内容と各加算の要件を個別に照らし合わせてください。
みらい(新人医療事務)
届出が必要かどうか、どこに問い合わせれば正確にわかりますか?
あおい(元・医療事務)
最終的には、自院を管轄する地方厚生(支)局に確認するのが最も確実です。当サイトでご紹介できるのは公開されている一次資料の範囲までですので、届出の要否や既存の届出内容がこの加算の算定に影響するかどうかは、審査支払機関や地方厚生局への確認をおすすめします。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な要件は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(医科点数表 M001体外照射 注8ほか) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第7号) https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/kihon080305.pdf
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 体外照射用固定器具加算 や 画像誘導放射線治療加算 と合わせて確認したい場合にも活用できます。
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。