地域連携診療計画加算とは
みらい(新人医療事務)
加算チェッカーの一覧で「地域連携診療計画加算」という見慣れない加算を見つけたんですけど、これはどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは診療情報提供料(Ⅰ)についている加算のひとつですよ。連携している病院から退院してきた患者さんについて、退院後の療養状況を退院元の病院へ情報提供したときに算定候補になります。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、診療情報提供料(Ⅰ)の「注16」として位置づけられていて、50点が加算されます。
みらい(新人医療事務)
退院後の情報提供というと、普通の紹介状のやり取りとは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、単なる紹介状のやり取りとは違います。ポイントは「地域連携診療計画」という計画をあらかじめ退院元の病院と共有していて、その計画に基づいた療養を提供したうえで、退院時の患者さんの状態や在宅復帰後の状況などを報告した場合に限られる、という点です。厚生労働省の医科点数表の告示では、次のように定められています。
告示(点数・算定要件の根拠)
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、患者の退院日の属する月又はその翌月に、連携する保険医療機関において区分番号A246の注4に掲げる地域連携診療計画加算を算定して当該連携する保険医療機関を退院した患者(あらかじめ共有されている地域連携診療計画に係る入院中の患者以外の患者に限る。)の同意を得て、当該連携する保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて当該患者の地域連携診療計画に基づく療養に係る必要な情報を提供した場合に、地域連携診療計画加算として、50点を所定点数に加算する。
みらい(新人医療事務)
なるほど、うちのクリニックでも算定候補になるのか気になります!
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、確認するポイントはいくつかありますよ。順番に見ていきましょう。まずは対象になる医療機関や患者さんの条件からです。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の留意事項通知(保医発)では、算定要件が次のように書かれています。
留意事項通知(算定要件)
「注16」に規定する地域連携診療計画加算は、あらかじめ地域連携診療計画を共有する連携保険医療機関において、「A246」の注4に掲げる地域連携診療計画加算を算定して退院した入院中の患者以外の患者について、地域連携診療計画に基づく療養を提供するとともに、患者の同意を得た上で、退院時の患者の状態や在宅復帰後の患者の状況等について、退院の属する月又はその翌月までに当該連携保険医療機関に対して情報提供を行った場合に算定する。
みらい(新人医療事務)
「A246の注4」っていうのは何ですか? はじめて聞きました。
あおい(元・医療事務)
それは入退院支援加算についている、退院元の病院側の加算です。連携している病院が患者さんを退院させるときに、地域連携診療計画に基づいて退院支援を行った場合、退院元の病院が「地域連携診療計画加算(300点、退院時1回)」として算定候補になります。今回解説している地域連携診療計画加算(注16、50点)は、その退院支援を受けて退院してきた患者さんを、退院後にフォローする側(連携医療機関)が算定候補になる加算です。送り出す側と受け入れる側、両方に対になる加算がある、とイメージするとわかりやすいと思います。
みらい(新人医療事務)
送り出す病院と、受け入れるクリニック、両方に加算があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。今回の加算の対象になる患者さんは、連携する保険医療機関でA246注4の地域連携診療計画加算を算定して退院した患者さんのうち、あらかじめ地域連携診療計画を共有していた入院中の患者さん以外の方に限られます。整形外科の急性期病院と、その後の外来フォローを担う診療所、といった組み合わせが典型的なケースです。
点数表(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数も整理して確認しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のとおりです。
| 項目 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| 診療情報提供料(Ⅰ)(基本部分) | 250点 | 1回につき |
| 地域連携診療計画加算(注16、今回解説している加算) | 50点 | 1回につき(注加算) |
| (参考)入退院支援加算・地域連携診療計画加算(A246注4、退院元病院側) | 300点 | 退院時1回 |

みらい(新人医療事務)
地域連携診療計画加算は、診療情報提供料(Ⅰ)の250点に上乗せする加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。診療情報提供料(Ⅰ)の算定要件を満たしたうえで、注16の要件も満たしたときに、250点+50点として算定候補になります。ただし、届出をしていない医療機関では、この50点の加算は算定候補になりません。基本部分の250点だけにとどまる可能性がある点に注意してください。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、必要です。厚生労働省の告示では、この加算を算定する医療機関について「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」と定められています。
届出の確認が必須です
届出をしていない保険医療機関では、地域連携診療計画加算(50点)は算定候補になりません。診療情報提供料(Ⅰ)の基本部分(250点)だけの算定にとどまる可能性があるため、自院の届出状況を必ず確認してください。
みらい(新人医療事務)
届出の具体的な中身って、どこで確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
施設基準の詳細な様式や地方厚生局への提出方法は、厚生労働省・地方厚生局が公表している施設基準関連の告示・通知、または審査支払機関の窓口で確認するのが確実です。当サイトが収録している一次資料の範囲では、届出が必要という点、そしてあらかじめ連携保険医療機関との間で地域連携診療計画を共有している体制が前提になっている、という点までは確認できています。届出様式や添付書類の細部までは、必ず最新の公式資料でご確認ください。
みらい(新人医療事務)
連携する病院が変わったりした場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
連携先が増えたり変わったりする場合、地域連携診療計画の共有体制をあらためて整える必要があります。届出内容に変更が生じる可能性もあるため、連携先の見直しをした際は、施設基準を満たし続けているか確認が必要です。
算定のタイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
いつ算定すればいいんですか? 患者さんが退院した日にすぐ、とかですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、少し違います。留意事項通知の要件では「退院の属する月又はその翌月まで」に情報提供を行った場合に算定する、とされています。つまり退院した月か、その翌月までに、患者さんの状態や在宅復帰後の状況について連携保険医療機関へ情報提供する必要があります。
みらい(新人医療事務)
期限があるんですね、うっかり忘れそうです。
算定タイミングのチェックポイント
退院の属する月、またはその翌月までに情報提供を完了しているか。診療状況を示す文書を添えて、連携保険医療機関へ実際に情報提供を行っているか。患者さんの同意を得たうえで実施しているか。
みらい(新人医療事務)
患者さんの同意も必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、留意事項通知でも「患者の同意を得た上で」と明記されています。同意を得た記録を診療録に残しておくことも、確認のポイントになります。
みらい(新人医療事務)
併算定について気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)には歯科医療機関連携加算や療養情報提供加算など、複数の注加算が並んでいます。同じ紹介・情報提供の場面でも、どの注加算の要件に該当するかによって算定候補が変わってきますので、実際の診療状況に照らして該当する注番号を確認することが大切です。迷う場合は、レセプト担当者間で要件を突き合わせておくと安心です。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の令和6年度改定から何か変わったりしたんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度の一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの地域連携診療計画加算(診療情報提供料(Ⅰ)注16)について、点数・算定要件の変更は確認されていません(2026年7月確認)。ただし、当サイトが保有していない差分が存在する可能性はゼロではないので、変更の有無を厳密に確認したい場合は、最新の官報告示・留意事項通知をご確認ください。
改定差分の確認範囲
確認した項目は、点数(50点)・算定要件(退院の属する月又は翌月までの情報提供)・対象患者の定義の3点です。これらについて、当サイトが収録している令和8年度の公式資料の範囲では、前回改定からの変更は確認されていません。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの医院で確認すべき順番ってどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
確認する順番はこんな流れになります。
自院で確認する順番
届出の有無を確認する(地域連携診療計画加算に係る施設基準の届出を地方厚生局に行っているか) 連携保険医療機関との間で、地域連携診療計画をあらかじめ共有しているか確認する 対象になる患者さんが、連携保険医療機関でA246注4の地域連携診療計画加算を算定して退院した患者さんかどうか確認する 患者さんの同意を得て、退院の属する月又はその翌月までに、診療状況を示す文書を添えて情報提供を行う 診療情報提供料(Ⅰ)250点+地域連携診療計画加算50点として算定候補になるか、最終確認する

みらい(新人医療事務)
順番に見ていけば、抜け漏れが防げそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に最初の届出確認は、後から気づいても遡って算定できるものではないので、まず一番に確認してほしいポイントです。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れしやすいポイントってありますか?
取り漏れの例
診療情報提供料(Ⅰ)の基本部分(250点)だけを算定し、注16の加算(50点)の届出をしていないため上乗せできていない。退院の属する月・翌月という期限を過ぎてから情報提供を行い、算定候補から外れてしまう。患者さんの同意取得の記録が診療録に残っておらず、確認の際に根拠が示せない。
あおい(元・医療事務)
特に届出のし忘れは見落とされがちです。診療情報提供料(Ⅰ)自体は、他の注加算も含めて要件がさまざまなので、注16の加算だけ届出が必要だということが見落とされやすいんです。
みらい(新人医療事務)
届出のあるなしで、同じ内容の情報提供をしても点数が変わってきちゃうんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。だからこそ、まずは自院の届出状況を確認することが第一歩になります。連携先の病院側でも、A246注4の地域連携診療計画加算を算定しているかどうかで、こちら側の算定候補も左右される点も見落とせません。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか気になっていることを質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです、どうぞ。
みらい(新人医療事務)
診療情報提供料(Ⅰ)の基本部分(250点)を算定していれば、地域連携診療計画加算も自動的に算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、別物です。診療情報提供料(Ⅰ)自体の算定要件と、地域連携診療計画加算(注16)に係る施設基準の届出は別に確認が必要です。両方の要件を満たしているかどうかを確認してください。
みらい(新人医療事務)
入院中の患者さんにも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は、入院中の患者さん以外を対象にしています。対象患者の定義でも「入院中の患者以外の患者」と明記されているので、入院中の患者さんへの算定候補にはなりません。
みらい(新人医療事務)
連携保険医療機関との間で計画を共有していなかった場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
あらかじめ地域連携診療計画を共有していない場合は、対象患者の要件を満たさないため、算定候補にはなりません。連携医療機関との間で、計画の共有体制が整っているかどうかも重要な確認ポイントです。
みらい(新人医療事務)
退院元の病院がA246注4を算定していない場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
その場合も対象患者の要件を満たしません。今回の加算は、連携する保険医療機関がA246注4の地域連携診療計画加算を算定して退院した患者さんが対象になっているため、退院元の病院側の算定状況もあわせて確認する必要があります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。