在宅ターミナルケア加算って何ですか?
みらい(新人医療事務)
あおいさん、うちのクリニックが在宅医療を始めているんですが、「在宅ターミナルケア加算」という加算があると聞きました。どんな加算なんでしょう?
あおい(元・医療事務)
在宅ターミナルケア加算は、在宅患者訪問看護・指導料(C005)の注10に規定されている加算です。簡単にいうと、在宅や特別養護老人ホーム等で亡くなった患者さんに、死亡日とその前14日以内に2回以上の訪問看護・指導を実施した上でターミナルケアを行った場合に、所定点数に加算できる仕組みです。令和8年度(2026年度)現在の点数はイが2,500点、ロが1,000点です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、ターミナルケアを担った際の加算なんですね。でも、イとロって何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
区分の違いは、亡くなった場所と介護保険の「看取り介護加算等」の算定有無で決まります。在宅で亡くなった患者さんや、特別養護老人ホーム等で亡くなった患者さんのうち看取り介護加算等を算定していない方はイ(2,500点)になります。特別養護老人ホーム等で亡くなった患者さんで、看取り介護加算等を算定しているケースはロ(1,000点)です。

点数・区分の一覧(令和8年度)
| 区分 | 対象 | 点数 |
|---|---|---|
| イ | 在宅で死亡した患者(ターミナルケア後24時間以内に在宅以外で死亡した患者を含む)、または特別養護老人ホーム等で死亡した患者(看取り介護加算等を算定していないもの) | 2,500点 |
| ロ | 特別養護老人ホーム等で死亡した患者(ターミナルケア後24時間以内に当該施設以外で死亡した患者を含む)であって、看取り介護加算等を算定しているもの | 1,000点 |
みらい(新人医療事務)
2,500点と1,000点で差があるんですね。この加算は訪問診療の保険医療機関が算定するんですか?
あおい(元・医療事務)
C005(在宅患者訪問看護・指導料)の注として規定されているので、保険医療機関が訪問看護・指導を行う場合の加算です。なお、往診料(C000)や在宅患者訪問診療料(C001)にも名称が同じ「在宅ターミナルケア加算」がありますが、それらは要件が異なります。訪問看護・指導料に係る加算(C005注10)と、往診・訪問診療料に係る加算は、同一患者で同時に算定できない点数規定になっています。
算定要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的にどんな要件を満たす必要があるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
告示69号の規定をもとに整理すると、以下の4つの要件が必要です。
自院で確認する順番
まず「在宅で死亡した患者又は特別養護老人ホーム等で死亡した患者」が対象です。ターミナルケアを行った後、24時間以内に在宅以外で亡くなった場合も含まれます。
次に「保険医療機関の保険医の指示」があることです。医師の指示に基づいて訪問看護・指導を行っていることが前提になります。
3つ目は「死亡日及び死亡日前14日以内に、2回以上の訪問看護・指導を実施」していることです。死亡日を含めて計15日間で2回以上が条件です。
最後に「訪問看護におけるターミナルケアに係る支援体制(連絡担当者の氏名、連絡先電話番号、緊急時の注意事項等)について患者及び家族等に対して説明した上でターミナルケアを行った」ことです。
みらい(新人医療事務)
死亡日前14日以内に2回以上という条件は、要件として大切ですね。支援体制の説明というのも必要なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。単に訪問看護を行っただけでなく、ターミナルケアに係る支援体制の内容(連絡窓口・緊急時対応)を患者さんやご家族に事前に説明していることが条件になります。この説明記録もカルテ等に残しておくことが必要と考えられます。確認が必要なポイントです。
算定上の注意点
在宅ターミナルケア加算(C005注10)を算定した場合、往診料(C000注3)に規定する在宅ターミナルケア加算は算定できません。同一患者でC005の訪問看護・指導料と往診料の双方でターミナルケア加算を同時算定することは認められていません。どちらの加算を算定するかは、実際に行ったサービスの内容と記録に基づいて判断することになります。
施設基準・届出要件(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
この加算を取るには、特別な届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
在宅ターミナルケア加算(C005注10の基本区分イ・ロ)そのものは、施設基準の届出は不要とされています。保険医療機関として訪問看護・指導を実施できる体制があり、算定要件を満たしていれば算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
それは少し安心しました。でも、何か施設基準に関係することはありますか?
あおい(元・医療事務)
基本の在宅ターミナルケア加算の届出は不要ですが、関連する注規定として「遠隔死亡診断補助加算」(C005注18)があります。これは情報通信機器を用いた在宅での看取りに係る研修を受けた看護師が補助を行う場合の加算で、こちらは別に施設基準の届出が必要です。あくまで在宅ターミナルケア加算本体の届出不要・施設基準不要は確認されています。
施設基準・届出の確認ポイント
在宅ターミナルケア加算(C005注10)本体: 届出不要・施設基準不要(令和8年度告示69号) 遠隔死亡診断補助加算(C005注18): 施設基準の届出が必要(関連する注意事項) 実際の算定可否: 自院の保険医の指示体制、訪問看護記録の整備状況などを確認することが必要です
対象医療機関・対象となる場面
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関がこの加算を算定できる候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
在宅患者訪問看護・指導料(C005)を算定できる保険医療機関が対象の候補です。訪問看護・指導を行う診療所や病院(病院の保険医が訪問看護・指導を行う場合)が含まれます。
みらい(新人医療事務)
訪問看護ステーションは違うんですか?
あおい(元・医療事務)
C005は保険医療機関が行う訪問看護・指導に係る点数です。訪問看護ステーションが行う訪問看護は、別の訪問看護療養費として算定されます。今回の在宅ターミナルケア加算(C005注10)は、保険医療機関が自院の看護師等を患者宅に派遣する形式の訪問看護・指導に係る加算です。
みらい(新人医療事務)
対象となる患者さんはどんな方ですか?
あおい(元・医療事務)
在宅で療養を行っている患者さんで、通院が困難な方が対象の前提です。その中で、亡くなる前14日以内に2回以上の訪問看護・指導を受けたという条件が加わります。特別養護老人ホームなど「特別養護老人ホームその他これに準ずる施設」に入所している患者さんも対象になりえます。
対象場面の整理
在宅(自宅): 在宅で死亡した患者または24時間以内に在宅以外で死亡した患者を含む 特別養護老人ホーム等: 特別養護老人ホームその他これに準ずる施設で死亡した患者が対象 注意: 看取り介護加算等の算定有無によってイ・ロの区分が変わります
SEOキーワード対応: 訪問診療料との違いと退院時共同指導料との関係
みらい(新人医療事務)
「在宅ターミナルケア加算 訪問診療料」で検索したのですが、訪問診療料にも似た加算があると書いてありました。どう違うんですか?
あおい(元・医療事務)
ご指摘のとおり、在宅ターミナルケア加算という名称の加算は複数の区分番号に存在します。
| 区分番号 | 加算の根拠規定 | 施設区分別の点数(令和8年度・告示69号) |
|---|---|---|
| C000(往診料)注3 | 退院時共同指導料1の算定 + 往診実施 | 在支診等(病床有り)6,500点 / 在支診等(病床なし)5,500点 / 在支診等(上記以外)4,500点 / 上記以外の施設3,500点 |
| C001(訪問診療料Ⅰ)注6 | 死亡日前14日以内に2回以上の往診・訪問診療実施、または退院時共同指導料1算定 + 訪問診療実施 | 在支診等(病床有り)6,500点 / 在支診等(病床なし)5,500点 / 在支診等(上記以外)4,500点 / 上記以外の施設3,500点 |
| C001-2(訪問診療料Ⅱ)注5 | 同上(有料老人ホーム等に併設の保険医療機関) | 在支診等(病床有り)6,200点 / 在支診等(病床なし)5,200点 / 在支診等(上記以外)4,200点 / 上記以外の施設3,200点 |
| C005(訪問看護・指導料)注10 | 死亡日前14日以内に2回以上の訪問看護・指導実施 | イ2,500点・ロ1,000点 |
みらい(新人医療事務)
同じ名前でも、点数や要件が全然違うんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。C001(在宅患者訪問診療料)の注6に規定するターミナルケア加算は、「死亡日及び死亡日前14日以内に2回以上の往診若しくは訪問診療を実施した場合」または「区分番号B004に掲げる退院時共同指導料1を算定し、かつ、訪問診療を実施した場合」という2つのルートがあります。C005の訪問看護・指導料に係る在宅ターミナルケア加算(2,500点・1,000点)とは、算定主体・要件・点数いずれも異なります。
みらい(新人医療事務)
退院時共同指導料との関係で言うと、在宅ターミナルケア加算 退院時共同指導料という組み合わせはどういう意味があるんですか?
あおい(元・医療事務)
C001(訪問診療料)のターミナルケア加算については、退院時共同指導料1(B004)を算定し、かつ訪問診療を実施した場合が算定ルートの一つになっています。一方で、C005(訪問看護・指導料)の在宅ターミナルケア加算では、退院時共同指導料の算定は要件ではなく、死亡日前14日以内の2回以上の訪問看護・指導の実施と支援体制の説明が主な要件です。C005の在宅ターミナルケア加算と退院時共同指導料の算定は直接の要件関係はありません。組み合わせて請求することは仕組み上可能ですが、各加算の要件をそれぞれ満たしていることが必要です。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、在宅ターミナルケア加算は変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示69号(診療報酬の算定方法の一部を改正する件)に基づき、C005注10の在宅ターミナルケア加算の規定を確認しました。点数(イ2,500点・ロ1,000点)と算定要件(死亡日前14日以内2回以上の訪問看護・指導・ターミナルケア支援体制の説明)については、令和8年度の現行規定で確認できます。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)との具体的な差分はわかりますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の改定資料(個別改定項目の一次資料)の範囲で直接の変更点は確認されていません(2026年6月時点・厚労省一次情報ベース)。ただし、改定時には点数以外の施設基準・算定要件・対象範囲が変わることもあるため、正確な差分については厚労省が公表する「令和8年度診療報酬改定の概要」や通知・告示を直接確認することをお勧めします。
令和8年度改定の確認ポイント
確認した一次資料: 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号) 点数・算定要件: 告示本文のC005注10で確認(イ2,500点・ロ1,000点・死亡日前14日以内2回以上) 変更状況: 一次資料の範囲では明示的な変更は確認されていません(2026年6月時点)
自院のチェックリスト(在宅ターミナルケア加算算定に向けた確認順序)
みらい(新人医療事務)
自院でこの加算を算定候補として検討する場合、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
以下の順番で確認するとよいでしょう。
自院で確認する順番
自院で在宅患者訪問看護・指導料(C005)を算定できる体制かを確認します。保険医療機関として看護師等が訪問看護・指導を行っているかどうかです。
対象患者が「在宅又は特別養護老人ホーム等で死亡した患者」に該当するかを確認します。死亡後に申請するため、ターミナル期に入ったタイミングから記録を整備しておくことが重要です。
死亡日及び死亡日前14日以内に2回以上の訪問看護・指導が実施されているかを確認します。訪問記録を正確に残しておくことが必要です。
保険医師(保険医)による訪問看護・指導の指示が文書で残っているかを確認します。
ターミナルケアに係る支援体制(連絡担当者・電話番号・緊急時対応)について、患者及び家族等への説明を行い、その記録が残っているかを確認します。
介護保険の看取り介護加算等を算定しているかどうかで、イ(2,500点)かロ(1,000点)かが変わります。特別養護老人ホーム等の入所者の場合は要確認です。
審査支払機関への算定要件の最終確認を行います。自院の届出状況も含めて確認が必要です。
よくある取り漏れ・注意ポイント
よくある取り漏れ
支援体制説明の記録忘れ: 訪問看護に係るターミナルケアの支援体制(連絡担当者・連絡先・緊急時注意事項)を患者・家族へ説明したことの記録がないと算定要件を満たせない可能性があります。
2回以上の訪問カウントミス: 死亡日当日の訪問も「死亡日及び死亡日前14日以内」に含まれます。計15日間で2回以上が要件です。カウントの方法を確認しておきましょう。
区分(イ・ロ)の確認不足: 特別養護老人ホーム等の患者で介護保険の看取り介護加算等の算定有無を確認せずに申請するとイ・ロの区分誤りが生じる可能性があります。
C000・C001との重複算定不可: 同一患者で往診料や訪問診療料に係る在宅ターミナルケア加算と、訪問看護・指導料に係る在宅ターミナルケア加算は、いずれか一方しか算定できません。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
夜間や早朝に訪問した場合も、死亡日前14日の回数に数えられますか?
あおい(元・医療事務)
回数の算定については、夜間・早朝・深夜の訪問も含め、実際に訪問看護・指導を実施した回数がカウントされます。夜間・早朝訪問看護加算(C005注12)や深夜訪問看護加算は別途所定点数に加算されるものですが、ターミナルケア加算の「2回以上」の条件のカウントとしては実施した訪問の日数・回数で確認する必要があります。詳細は実際の算定ルールを審査支払機関等で確認することが必要です。
みらい(新人医療事務)
ターミナルケア加算を算定した月に、他の加算も同時に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
C005に規定する他の加算(緊急訪問看護加算・長時間訪問看護・指導加算・乳幼児加算・夜間早朝訪問看護加算・深夜訪問看護加算など)は、それぞれの要件を満たせば算定候補になります。ただし、各加算の算定日・算定回数の規定に従って算定する必要があります。C005の注10(在宅ターミナルケア加算)と注12(夜間・早朝訪問看護加算)は同一患者に対して同月に重複して算定できる場合がありますが、個別の算定要件と審査対応を審査支払機関で確認することが必要です。
みらい(新人医療事務)
訪問看護ステーションが行う訪問看護でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
訪問看護ステーションが行う訪問看護は、C005(在宅患者訪問看護・指導料)ではなく訪問看護療養費として別途算定されます。C005注10の在宅ターミナルケア加算は、保険医療機関(診療所・病院)が自院の看護師等を使って行う訪問看護・指導に係る加算です。訪問看護ステーションには別に「訪問看護ターミナルケア療養費」という類似した制度があります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
自院がこの加算を算定候補になるかどうか、もっと詳しく確認する方法はありますか?
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や訪問看護の実施体制を入力すると、確認すべきポイントが整理されます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。